■docomo T-01C 内覧会版 レビュー
 こちらもFans:Fansが募集していた「docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-」に参加して試した端末になります。有楽町のスマートフォンラウンジでも展示されていて、T-01Cについてはほぼ同じバージョンの展示となっていました。auのIS04の兄弟機と言っていいと思いますが、IS04はまだレビューしたことがなく、実際に始めて触る東芝のAndroid携帯になりますので、こちらは少し長めにレビューを書いて行こうと思います。

■ハードウェア
 4インチスクリーンを搭載したやや縦長の印象がある機体ですが、厚みをそれほど感じないことと、重さも他機種よりは重いもののバランスがいいのかそれほど重いという印象はありませんでした。むしろ防水というスマートフォンには貴重なアドバンテージが、しっかりしたハードウェアであるという印象を与えてくれます。防水ということで下面中央にあるUSB電源部のフタが大きく、外部バッテリー利用でのUSB接続時に結構目立ってしまうのは仕方ありませんが、フタの劣化の心配の少ないよう、専用充電端子が本体左側面にあるのがとても嬉しい仕様です。最近のスマートフォンはUSB充電だけのものが多く、専用クレードルなども減りつつあるところに、T-01Cは(ワンセグの面からも)クレードルが利用可能になっていて、日本のケータイユーザには馴染みやすい使い方ができるところは素晴らしいと思います。

 液晶の発色は明瞭で、REGZAエンジンの効果は正直よくわかりませんが(いろんなコンテンツを比較したらわかるのかも…)、輝度も高く十分な品質だと思います。そのかなり大きな液晶の下に3つの物理ボタンがあり、左からメニュー、ホーム、戻るボタンとなっています。ボタン自体の操作感はしっかり押せていい感じなのですが、Xperiaほどではないにしろかなり下に位置するため、片手ホールドで操作しようとすると、手の小さな方だと微妙に操作しずらいのではないかと思いました。また電源ボタンが本体右側面中央やや下にあり、ボタンが小さいためちょっと使いにくいと感じました。通常はクレードルで横置きが前提なので、アンテナ配置と合わせてこの位置になっているようですが、縦持ちの時には非常に微妙な位置だと思います。同じ場所にボリュームキーもあるのですが、こちらも小さく使い勝手は微妙…。本体が大きめな分、側面ボタンの小ささが気になってしまいます。カメラについては他所でいろいろレビューが出ると思いますので、ここでは取り上げません。

 起動時間については以下のような感じです。
 電源オン→着信ランプ消灯→1秒→着信ランプ点灯赤→1秒→
 着信ランプ点灯緑→5秒→防水警告→2秒→REGZAロゴ→7秒→
 docomoロゴ→13秒→ロック画面(約30秒)

 起動は非常に速いと思います。最初画面が一切変化せず、着信ランプでの状況変化しかないので、電源投入ちゃんとできているか心配な感じですが、一旦ロゴが出た後はすぐにロック画面になるように感じます。この辺は東芝だけに白芝という代名詞を持つ高速SDHCカードのように、高速な読み出しを可能にするフラッシュメモリ技術が遺憾なく発揮されているのではないかと思います。

■ソフトウェア(OS
 内覧会でもラウンジでもおよそ同じバージョンでした。Android2.1-update1。カーネルバージョン 2.6.29-rel tsb-android@toshiba #2、ビルド番号 TER018。ベースバンドバージョンが若干違ってラウンジは5011.1906.29、内覧会は5011.1906.27でした。ベースバンドの差は含まれるアプリケーション構成などの差だそうで、最終リリース版は末尾33くらいになるだろうとのことでした。T-01Cはチューニング等は終わりもうほぼ完成状態で、最後にアプリ等の調整をするだけと説明されたので、ラウンジの展示機でもほぼリリース版の操作感を確認することができるということになります。

 そのチューニング済みとされるT-01Cのホーム画面の操作感ですが、フリックの追従はやや遅く少し残念な印象です。使い勝手に重きを置いているようで、画面最下部左のアイコンでマイパレットを呼び出し、ホーム画面にあるウィジェットに簡単にアクセスできるようになっていたり、最初からホームが7面も用意されていたりと、画面印象を大きく変えずに工夫をしている点はいいのですが、レスポンスはもうちょっとなんとかして欲しかったところです。また、東芝製ホーム以外にAndroid標準のLauncherとの切替えを可能にするアプリも用意されているのですが、切り替えてもフリックの追従具合はあまり変わらないため、もうちょっとチューニングの余地があるように感じました…。

 設定メニューの中では東芝独自項目として「マルチメディア設定」があり、ここで「REGZA設定」として高画質化エンジンの使用のON/OFFが出来たり、日本語入力エンジンとしてATOKが採用されているので、「言語とキーボードの設定」からATOKの設定が可能になっています。あとは面白いなと思ったのが、電源オフの時の選択肢が「マナーモード、公共モード、機内モード、電源を切る」となっていて、「公共」を意識した日本らしいカスタマイズが好印象でした。

■ソフトウェア(アプリ)
 T-01Cでアプリ面で最も特徴的なのはATOKによる日本語入力もさることながら、個人的にはDLNAクライアント/サーバが個別アプリで導入されていることだと思っています。DLNAクライアントとしてはデジオン社のDiXiM for Androidのクライアント製品であるDiXiM Playerが、サーバとしてはDiXiM Serverが導入されています。DiXiM for Androidは今回T-01Cが初搭載だそうで、いずれマーケット経由で他のAndroid端末にも導入できるようになるのではないかと言うことでした。

 ブースの説明員の方もDiXiM Playerの詳細な再生可能フォーマットについてはわからないということでしたが、DTCP-IPに対応しているので最近のREGZAテレビ(Z7000等)で録画した番組はDLNA経由で見られるようです。DiXiM Playerはコントローラにもなるので、ネットワーク内のDLNAサーバを検索して、DLNAレンダラー(TVなど)を指定して再生をさせることが可能です。DiXiM Serverもクリックして起動チェックを入れるだけで簡単に起動することができるので、サーバを起動して自端末内のコンテンツをREGZAテレビで再生するというような使い方も可能になっています。日本語のパスやファイル名をサポートしているかどうかはわからないということでした。

【12/22追記】
 T-01CのDLNAアプリはDTCP-IP非対応のようです。内覧会場でDLNAに関して質問したいんですけど、とお願いして担当してくれた説明員さん(たしか東芝の名札を付けていたように記憶していますが…)から聞いたのですが、またガセ情報になってしまいました。自宅でZ7000を使っているので一番に確認したかったことだったため、少なくとも聞き間違いとかはしていないと思います…。ガセを流してすいません。

 他のアプリはあまり試さなかったのですが、ワンセグでなく「テレビ」というアイコンがあったり、REGZAとの連携を意識した作りになっているというのはいろいろな面で感じます。せっかく赤外線があるのにTVリモコンにはならないのですか?と聞いたところ、現在アプリ開発中とのこと。T-01Cのリリースには間に合わず、おそらくマーケットからのダウンロードになるのではないかということでした。T-01Cは背面カメラ横に赤外線ポートがあるので、リモコンとしては使いにくそうですが、DLNAプレイヤーとの連携で音量操作も手元で出来れば、これはよいアドバンテージになるので、ぜひリリースして欲しいと思いました。

こちらのブラウザのUser-Agentヘッダは以下のようでした。
[code]User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.1-update1; ja-jp; T-01C Build/TER018) AppleWebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17[/code]

■まとめ
 T-01Cの印象はやはり防水を前面に出したしっかりしたハードウェアという部分が強いのですが、正直なところdynabook AZとFolio 100のレビュー前例がある通り、東芝製Android端末についてはソフトウェア部分(特にデバイスドライバ)にトラウマのような不安感があり、ホーム画面のチューニング精度を見ても十分とは思えず、その不安感は払拭されることはありませんでした。リリース後十分な期間を置いて各所評価を吟味した上で、初めて購入検討の俎上に載るという感じでしょうか。初めてAndroid端末を購入する方には現時点で個人的にはお勧めできません…。自宅がREGZAシリーズで揃えられていて、DLNA等の特徴的な機能を十分活かせる方ならよい選択肢になることは否定できないと思うのですが…。機能的には魅力があるので、早期のAndroid2.2化や継続的なアップデートを実施することで信頼度を高めてくれることを期待したいと思います。

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とりあえず付けておく無駄ではなかったなまぁまぁ読めたちょっと役に立ったかなかなり良かったかも (まだ評価されていません)
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10 comments untill now

  1. docomo T-01C 内覧会版 レビュー http://blog.isnext.net/issy/archives/495 #docomo #T-01C #androidjp

  2. T-01Cもやっぱり保留だな。ウチでtouch使ってる分、操作感に差がありすぎるのは嫌だ。 http://bit.ly/cSgw4k

  3. T-01C の DLNA クライアント機能 DTCP-IP 対応ってマジか! http://blog.isnext.net/issy/archives/495

  4. 今日から予約開始だけど…<T-01Cのホーム画面の操作感ですが、フリックの追従はやや遅く少し残念な印象です> うーん、やっぱり触ってみてからかな。 http://blog.isnext.net/issy/archives/495

  5. あれ…やっぱり東芝チームなの…? カーネルも 2.6.29- rel tsb-android@toshiba #2 ってなってるみたいだし… http://blog.isnext.net/issy/archives/495

  6. REGZA Phone T-01CのDLNAクライアント機能はDTCP-IP対応らしい!防水なので、自宅のDLNA対応ブルーレイレコーダーに撮り貯めた地デジ番組を風呂で見ることができる!http://blog.isnext.net/issy/archives/495

  7. Gadget Kei @ 2010-12-08 14:29

    サーバーとプレーヤの両方実装されてるのね@Dsuke: REGZA Phone T-01CのDLNAクライアント機能はDTCP-IP対応らしい!防水なので、自宅のDLNA対応ブルーレイレコーダーに撮り貯めた地デジ番組を風呂で見ることができる!http://j.mp/frSsur

  8. サーバーとプレーヤの両方実装されてるのね@Dsuke: REGZA Phone T-01CのDLNAクライアント機能はDTCP-IP対応らしい!防水なので、自宅のDLNA対応ブルーレイレコーダーに撮り貯めた地デジ番組を風呂で見ることができる!http://j.mp/frSsur

  9. regza phone t-01c で動く赤外線リモコン用アプリも開発中みたいだ。早く使いたいなー。 http://blog.isnext.net/issy/archives/495

  10. 使い勝手は微妙っぽいですね。RT @dsuke: REGZA Phone T-01CのDLNAクライアント機能はDTCP-IP対応らしい!防水なので、自宅のDLNA対応ブルーレイレコーダーに撮り貯めた地デジ番組を風呂で見ることができる! http://ow.ly/3lRRh