■Archos 80 G9 ICSアップデート レビュー
 Archos 80 G9に待望のAndroid4.0 ICSアップデートが来たので早速アップデートしてみました。当然ながらハード的には変わっていないので、ソフトウェア的な部分について簡単にレビューしておこうと思います。前回のレビューについては以下からどうぞ。

 Archos 80 G9 タブレット レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1686

■ソフトウェア
 Androidバージョンは4.0.3です。ファームウェアバージョン 4.0.4 ボードバージョン A80S-V5、OMAPバージョン OMAP4430 ES2.2、ブートバージョン 不明/5.05.000003-C0x00、ビルド番号 MR1.20120227.111632となっていました。ビルド番号の発番ルールが大きく変更されています。詳細な変更点についてはこちらから確認できます(ICSになったことでChangelogのURLが変更されたようです)。日本語入力はデフォルトでやはりオムロンのJapanese IME Ver.1.3.5が導入されています。

 アップデートファームウェアのダウンロードには少し時間がかかりましたが、アップデート自体はマイナーアップデートとほぼ変わらないくらいの時間で終了します。アップデート後は初期設定画面の言語選択から始まりますが、Googleアカウントやメディアデータなどはそのまま残っていますので一応安心です。ただ変更が結構大きいためか、設定終了後にいくつかのアプリでエラーが出たりしたため、一度フルリセットして設定をし直しました。再設定後は安定して使えています。ICSでは壁紙がシックなものに変更されており、ホーム画面のアイコンが少し大きく表示されるようになりました。LCD Densityの設定が少し変更されているような気がします(詳細は未確認)。日本語フォントは少しキレイに表示されているように思いますが、やはりモトヤでなくCJKフォントのままでした。

 設定アプリのメニューはGalaxyNexusとほぼ同等になっており、「開発者向けオプション」も存在しています。Archos独自の「3G stick」「Repair&formatting」項目も顕在です。Archos独自関連では「無線とネットワーク」に「Shared folders settings」「Remote Control settings」、ディスプレイに「Animation」「Overscan」、電池に「Deep Sleep」、言語と入力に「Archos Remote IME」「External Keyboard Layout」などが追加されているのがわかります。Remote関連はArchos Remote関連のものだと推測できます。今回はどうもIMEだけリモートのものを使ったり、USBの外部キーボードを使う際のキーボードレイアウトを指定できたり(日本語も設定できます!たぶんJIS配列対応)と、入力周りに一工夫がされているようです。日本語キーボードに対応してくれているのは嬉しいですが、それならフォントも何とかして欲しいところですね。

 全体的な動作は快適ですが、タッチでボタンを押す際などに稀に反応しないことがあるように思いました。おっ?と思ってやり直すことがあったのですが、これは3.xの頃にはほとんど感じなかったので少し気になります。いくつかアプリの動作確認をしたのですが、デフォルトブラウザがとても快適になっている感じがします。ページのロードも速く一旦ロードしたページではスクロールの動作がとてもスムーズです。一方Chromeをインストールして試したところ、ページをロードしきってからの動作は快適なのですが、ロード時間がデフォルトブラウザよりも遅いため、ロード中にスクロールした際のフォント表示がかなりもっさりに感じられてしまうことがしばしばありました。ICSというよりもChrome betaの問題だとは思いますが、80 G9のメモリが少ないことが影響している可能性もありそうなのでChromeを利用する際には一応気にしておいた方がいいかもしれません。ICSアップデート直後にマーケットがPlayストアに更新されましたが、こちらも問題なく利用できています。

 ICSになって動画再生も更に向上しているかと期待して確認してみましたが、こちらは前回レビューと結果は全く変わらずということで変化なしでした。元々の動画再生性能が高いのでこれ以上の改善は難しいのかもしれません。ただ、ヘッドフォンジャックからの音声出力が改善されているようで、いつものVictorのHA-FXC71-Bでの再生では音場がやや広くなり低音が増強されて、かなり良くなった感じがしました。全体的に柔らかい音の印象になっていますが、低音不足が改善されたことでより動画や音楽が楽しめるのではないかと思います。

■まとめ
 まだ短い時間しか利用していないので連続稼働の安定性などについては評価できませんが、当初心配された512Mしかメモリがないことが大きなデメリットになっているようには感じませんでした。むしろICSになったことで全体のスムーズさが増し使いやすくなったような印象の方が大きいと思います。少なくともArchos謹製のVideoアプリについては今のところ3.xの時よりも安定してくれているようなので、個人的には嬉しい感じです。あとこれも個人的な印象だけかもしれませんが、3.xの時よりも液晶の発色がキレイに見えるようなチューニングがされているように感じます。動画再生している時のシャープさや階調表示がキレイになっているような…。ともかく、できればフルリセットしてからご利用される方がいいと思いますが、Archos 80 G9のICSアップデートは(ICS非対応のアプリをメインでお使いでない限り)非常にオススメできるアップデートではないかと思います。またしばらく使ってみて気付いたことがあれば追記しようと思います。

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とりあえず付けておく無駄ではなかったなまぁまぁ読めたちょっと役に立ったかなかなり良かったかも (まだ評価されていません)
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■docomo NOTTV対応 SH-06D/N-06D 気になったことメモ
 雪の中、有楽町の東京国際フォーラムでやっていた「スマートフォン&タブレット2012春」に行ってきたので、帰りにスマホラウンジに寄っていくつか新製品を見てきたのでメモの続き。今回はNOTTV対応で話題の2機種。どちらもたまたま?06Dが付いている。NOTTV自体はまだ放送開始していないのでパスワードで保護がかかっていてアプリは使えない状態になっていた。とりあえずここではハードウェア面中心に気になったことをメモ。

■AQUOS PHONE SH-06D
・Androidバージョン 2.3.5
 ベースバンドバージョン 1.00
 カーネルバージョン 2.6.35.7+ build@Sharp #1
 ビルド番号 00.01.05.R2200 release-keys
・ファームが既にリリースバージョンになってる!
・SH-01D/102SHの系統っぽい OMAPは4460
・展示色は白だけだったような…
・ちょっと背面がゴツイ印象(女性ウケしなさそう)
・ゴツイのにボタン類は小さい…使いにくくね?
・質感はやや重みはあるもののプラスチッキーな感じ
・戻るやホームボタンが本体の一番下端なのでちょっと持ちにくい
・ただその位置に合わせて電源やボリュームが配置されているので下持ちに慣れれば平気かも
・LTE対応じゃないのはバッテリーの関係?
・展示にクレードルはなし 接点がたくさん並んで武骨な感じ
・液晶は4.5インチだけど大きく感じない SHARPらしくキレイ
・背面デザインはデジカメ意識してそうだけど物理シャッターボタンはない
・NOTTVのウィジェットはバッテリー食いそうな印象…
・エンタメタブにはNOTTVやBeeTVやワンセグやら…なにを見せたいのか…
・SH SHOWアプリも用意されていた(メーカーアプリって名前で微妙…)
・MediaJetという3rdパーティアプリでPCとWi-Fiでコンテンツ同期できるらしい
・しかしMediaJetはWindows用しかない上に最低要件は2GHz以上のCPU…
・NOTTV以外にSH-01Dを超えるメリットはあるのだろうか…

■NEC MEDIAS Tab N-06D
・Androidバージョン 2.3.6
 ベースバンドバージョン M0005131
 カーネルバージョン 2.6.35.11-pref ncmc@ncmc #3
・端末色 Sliverってモデル番号表示の下にあるんだけど別色出るのかな?
・横置き前提のデザイン…ディスプレイ枠とか奇をてらってる…?
・背面はシンプル…高級感はないな…
・重さはあまり感じないけど、軽いという印象でもない不思議
・本体上面にボタン類が集中配置されていてわかりやすい
・上部右上のアンテナ出しにくい
・モバキャス設定に「外付けアンテナを使用する」ってあるけどどこに接続?
・液晶画面はまぁキレイ 壁紙が安っぽい印象…
・Xi対応で電話もかけられるけど、これで通話するのか?
・あんしん遠隔サポートに対応(N-05D以降は入るらしい)
・独自のMEDIAS NAVIの画面はなんか寂しい感じ…
・Felica搭載&ICカードリーダー搭載でタグの読み取りが可能
 読込みアプリの画面もう少し工夫してほしいなorz
・Felicaを使う時には端末をスリープかロック画面にしろと注意が…
 これで改札通る人いるのかしら…
・ケーブル接続中や充電中はFelica機能は利用できないとのこと
・主にデザインが微妙でタブレットとしての魅力はあまり感じられない…
・防水やクレードルがあるから台所用サブTV兼用って感じ?
・それにしても女性ウケするデザインでもないなぁ…
・7インチDTCP-IP対応という部分がある程度の購買理由にはなるかな?
・購買ターゲットがよくわからない
・すぐに値段下がるような気がするw

 どちらも正直ハードウェアとしての訴求力はあまり感じない仕上がりだった。NOTTV以外のメリットがあまりアピールできていないような気がするので、NOTTVともども苦戦を強いられると思われる…。最近のdocomoの戦略は利用者にとってあまりメリットがない方向に行っているような気がして仕方ないなぁ…。

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■Samsung GalaxyTab 7.7 P6800 HK版 レビュー
 expansys.jpで発注したGalaxyTab 7.7が届いたのでレビューを書いておきます。主に直接の競合であるXOOM2 MEとの比較をしながら書いていこうと思います。型番から判るように3G対応ですが、今回はそちらの動作確認まではしていません。電話関連の機能については機会があれば追加レビューしたいと思います。

■ハードウェア
 予想通りというか初代GalaxyTab同様に本当にコンパクトなパッケージです。非常にタイトになっていて、フタを開けて取り出そうとして箱を逆さにしても落ちてきません。右側に用意されたプルタブを引っ張って取り出す必要がありました。ここまできっちりパッケージにしていることにまず驚きました。付属品はHK用電源アダプタ・電源ケーブル(5V2A)・専用USBケーブル・ヘッドホンという感じで、expansysからの購入者向けには国内用のUSB電源アダプタ(5V1A)が付属してきます。出力が低いのでこちらを利用すると充電にかなり時間がかかるようです。iPad用など2A出力のあるUSB電源アダプタを利用するか、初代同様電源ケーブルはメガネ型コネクタタイプになっているので別途購入して利用する必要があります。

 取り出した本体は本当に薄くコンパクトですが、金属筐体故か軽さよりもしっかりとした重みがある印象でした。その質感はiPadのそれに非常に似ていて滑りやすい感じもなくとても高級感を感じる手触りです。本体が薄くXOOM2 MEよりも僅かに横幅も小さいため、片手でしっかりと鷲掴みでホールドすることが可能です。かなり持ちやすいと思いました。スペック上の重量は335gで、ホールドしても手首にあまり負担感はありません。これで初代よりも多い5100mAhのバッテリーが搭載されているのですから驚きです。

 メインのディスプレイは7.7インチ1280×800のSuper AMOLED Plusになります。さすがに発色は素晴らしくコントラストも非常に高いのでとても美しく見えます。XOOM2 MEのIPS液晶が落ち着いた優等生だとすれば、GalaxyTab 7.7は元気はつらつなスポーツマンという感じでしょうか。サムスンらしい派手な色味になっているので好みはあると思いますが、見比べた場合多くの人はGalaxyTab 7.7のディスプレイの方をキレイだと感じるのではないかと思います。ドット感もないわけではありませんが、基本的に輝度が高いせいかXOOM2 MEよりも気にはならない印象です。ただ長時間使う場合にはXOOM2 MEの液晶の方が目には優しいような気がします。Super AMOLED Plusはフリック等の操作しても残像感を感じることはほとんどなく、速いスクロールや動きのある動画などでも非常に見やすいと思いました。タッチスクリーンの反応もとても快適です。Galaxy Nexusでも感じましたが、最近のサムスン製品のスクリーンはガラス部分のしっとりした感じが操作していてとても心地よく、皮脂対策もかなり優秀なので使っていてとても快適です。同じように使っていてもXOOM2 MEでは皮脂跡がそれなりに残るのに、GalaxyTab 7.7ではほとんど気になりません。この差はかなり大きい感じがします。

 ボタン類は本体右側面に上から電源ボタン・ボリュームキー、左側面に上からSIMスロット(標準サイズ)・MicroSDとなっています。本体上面にはヘッドホンジャックとマイク、下面には両サイドにスピーカーと中央に独自コネクタとマイクがあります。ボタンはデザインに合わせて細目ですがクリック感のしっかりあるタイプ、スロットのフタは外しやすく閉めやすいいい感じに仕上がっています。この辺りの細かい使い勝手の良さはさすがだなと思います。外部スピーカーの音質は標準設定での中低音の充実感でXOOM2 MEの方に軍配が上がりますが、GalaxyTab 7.7も低音は出ないもののコンパクトなタブレットとしてはかなり聴きやすい音質になっていると思いました。逆にヘッドホン出力ではいつものVictorのHA-FXC71-Bで聴く限り、中高音が非常にクリアで音場も広く低音もしっかり出てくるGalaxyTab 7.7の方が圧倒的に好みでいいと思いました。最近お気に入りのGalaxy Nexusよりもクリアな上に艶があり更にいい感じです。

 起動時間は以下のような感じです。XOOM2 MEよりやや速い感じですね。
 電源長押し→3秒→Samsungロゴ→7秒→Samsungロゴ動画→18秒→ロック画面(合計約28秒)

■ソフトウェア
 Androidバージョンは3.2です。カーネルバージョン 2.6.36-P6800ZSKL2-CL599695 se.infra@SEP-64 #3 SMP PREEMPT Fri Dec 16、ベースバンドバージョン P6800XXKL1、ビルド番号 HTJ85B.ZSKL2 P6800ZSKL2となっています。システムの初期設定時から日本語は選択可能で日本語で設定等を行うことは可能ですが、IMEは組み込まれていませんし、フォントもCJKフォントになっています。この辺はXOOM2 MEと同じですね。Galaxyシリーズはフォント変更できる仕組みがあるのでマーケットからFontomizerをインストールして、FontomizerからJapanese Fontを選択しVLゴシック等をダウンロードしてそのapkをインストールし、設定>画面>画面表示>フォントスタイルで指定してやれば、root化をしなくても適切な日本語フォントで表示することができるようになります。現状で日本語フォントとして用意されているのはモトヤLシーダ・モトヤLマルベリ・VLゴシックの3つです。ATOKやGoogle日本語入力と組み合わせればほぼ問題なく日本語環境で利用することができるようになります。

 ホームアプリはサムスン独自のTouchWIZ UIになっています。キャプチャ用アイコンが用意されていたりウィジェットが使いやすくなっていたり、それなりに便利になっていますがレスポンスも悪くないのでチューニングがうまくできているのだなと思いました。CPUにサムスン独自の1.4GHzデュアルコアのExynos 4210が採用されており、サムスン製品で統一されていることが効果を上げているのかもしれません。ブラウザでのスクロールやピンチズームも非常にスムーズでITmediaの様な比較的重いページでも使っていてかなり快適に感じました。Android系端末でここまで快適な動作をするのは初めてではないかとちょっと驚いてしまいました。iPad2のスムーズさにかなり近づいている気がします。

 プリインストールアプリはサムスン製品らしく、All ShareやSocial HUBを始めとした独自Samsung Apps系がいくつか導入されていますが、それほど数は多くなく10コにも満たない感じで、アプリ全部でも39コという感じです。キャリア系の余計なものがない分非常にシンプルに感じます。独自アプリもほぼ日本語に対応しているので安心して利用可能です。GalaxyTab 7.7では本来Android3.xが電話機能をサポートしていないところ、7.0 plus同様サムスンの独自カスタマイズで対応させているということです。そのためマーケットから導入可能な各種電話関連のアプリとの互換性については注意が必要な場合がありそうです。

 とりあえずいつものように動画の再生関係のテストをしてみたので結果を書いておきます。DLNA再生アプリは動作結果が異なったので3種類試してみました。ローカル再生はギャラリーアプリです。DLNAサーバはMacOSX上のPlayback1.8.8。mp4は全てWebOptimizedなファイルです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
  P) MP4 60fps w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  Q) MP4 60fps w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

DLNA再生1:All Share
 D,EのMKV以外が再生可能。P,Qは再生可能だがバッファリングが頻繁で実用にならず。
 4:3の動画も全て16:9再生になってしまい、アスペクト比変更ボタンはあるが機能せず。
 再生時間のスライダも表示されるものの機能せず。

DLNA再生2:Skifta
 mp4以外再生できず。P,Qは再生可能だがバッファリングが頻繁で実用にならず。
 アスペクト比変更ボタンは表示され適切に動作する。

DLNA再生3:AwoX MediaCTRL
 全ファイル再生可能。P,Qは再生可能だがバッファリングが頻繁で実用にならず。
 アスペクト比変更ボタンは表示されないが正しいアスペクト比で再生される。
 ビルトインのプレイヤーで再生されている模様。再生画面の操作系表示が異なる。

ローカル再生
 全ファイル再生可能。Qのみバッファの影響かコマ落ち激しい。
 こちらはアスペクト比変更ボタンがちゃんと機能する。

 DLNAアプリによって再生可能なフォーマットが異なるのにはちょっと驚きましたが、概ね動画の再生については初代同様非常に優れたパフォーマンスを発揮してくれます。特にローカル再生では同じMicroSDに入っていたflvの動画も再生できてしまいました。動画再生についてはディスプレイの違いも大きくXOOM2 MEとは圧倒的な差があると感じました。720pのmp4 60fpsの動画も問題なく、Super AMOLED Plusのディスプレイのおかげで残像感なく非常にキレイにスムーズに再生されるので、最強の動画再生環境と言えると思います。さすがに1080p 60fpsは厳しいですが、これまで試験したどの機種よりもコマ落ち度合いは少なく、高速な読み出しが可能なMicroSDなら相当いいところまで再生してくれそうな気がします(試験で使用したのはClass4の東芝製) かなりがんばっている感じはします(東芝製Class10 SD-C08GR6WAAでもコマ落ちするのでやはり再生自体が厳しいようです)。標準アプリのDLNAソフト All Shareでmkvファイルが再生できなかったのは残念ですが、初代でも同様だったのでしかたないところかもしれません。AwoX MediaCTRLではmkvも再生可能になるので、GalaxyTab 7.7では便利に使えそうです。

■まとめ
 総合的に見て非常に完成度満足度の高い製品だと思います。少なくとも個人的にはArchos 80 G9もXOOM2 MEももう使わなくなるかもしれないと思いました。軽くて薄くて長時間稼働で質感もいいということで、防水とかDTCP-IP対応とか求めなければ、現時点では7〜8インチクラスで最高のAndroidタブレットであるような気がします。動画プレイヤーとして使われる方には本当にオススメできると思いました。同クラスでは値段が一段高い製品になるのですが、その理由も納得できる感じです。とりあえずざっとレビューしましたが、これからメインタブレットとして使いこんでみて気になることがあれば追記していこうと思います。

参考:XOOM2 MEとの比較写真
 http://t.co/antwHjp0 横幅はあんまり変わらないけど縦がかなり違う
 http://t.co/Ndr4Twk8 スクリーンの反射はGalaxyTabの方が抑えられている感じ
 http://t.co/LRTcIEgB 設定アプリの標準テキストサイズがものすごく違う
 http://t.co/HGh4zDQu 同じholoを壁紙に設定して発色の違いを比べてみる

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■motorola XOOM 2 Media Edition MZ607 レビュー
 海外でmotololaから発売されているタブレット端末XOOM 2 Media Editionが届いたのでレビューを書いておこうと思います。このクラスのタブレットサイズ的にはArchos 80 G9の4:3スクリーンが今のところベストかなと思ってはいるのですが、Galaxy Tab(GT-P1000)よりも少し画面が大きく精細度のアップしているこの製品のIPS液晶に興味があったのと、Googleとくっついたmotoloraだけにリファレンスに近いモデルなのではないかと期待して購入してみました。ここではGT-P1000やArchos 80 G9等と比較しながら書いていきたいと思います。製品の詳細リンクはこちらになります。

■ハードウェア
 まず最初に驚いたのは箱の形状でした。motorolaの最近の端末はISW11M PHOTONのように真四角から角を少し落としたような8角形をしているのですが、箱の形状がその外観とぴったり一致するサイズの8角形の化粧箱になっていました。開けるとちょうどぴったりに収まったMZ607が現れるという感じです。添付のMicroUSB充電ケーブルのコンセント形状は国内と同一で100V対応なのでそのまま使えるものでしたが、今回handtec(UK)から輸入した関係でUK用のアダプタが同梱されていました。充電ケーブルの出力は1.6Aなので通常のPCやUSBハブからの充電では出力が足りないので注意が必要です。

 8.2インチ1280×800のIPS液晶搭載で最厚部8.9mm、390gを切る重さというスペックから想像するよりも、持った感じの第一印象は重かったです。他のタブレットの多くとは異なり、背面に金属プレートがはめられており、周辺部だけ樹脂になっている構造から重量バランスの関係で重く感じたのかもしれません。防滴仕様ということもあり樹脂部分は手に持って滑りにくい素材が利用されているように感じました。本体は縦持ち前提のデザインになっていて、横幅は139mmとGT-P1000に比べ18mmほど広めですが、サイドが薄くなっている形状のため指が回り込んで無理なく片手持ちが可能になっています。樹脂部分の滑りにくさと合わせて比較的持ちやすい印象を受けました。液晶ベゼルも他機に比べて幅が狭い印象になっているので、持ちやすさへの配慮がされていることが伺えます。

 液晶自体はIPSだけあって明るく発色も良く見えますが、Galaxy Nexusのスクリーンを見慣れてしまった目にはどうしても解像度は表示される文字を見てしまうと低く粗い印象になってしまいます。ただ動画や写真の表示ではほとんど粗さを意識することはありません。タッチスクリーンは非常に反応も良く、10点のマルチタッチに対応していることが確認できました。指紋や反射はやや目立ちやすい方だと思いますので、保護フィルムで工夫する方が良さそうです。スクリーン形状が特殊なのできれいに貼ろうとすると今のところ自分でカットするしかないのが少し残念かもしれません。

 本体のボタン類は少なく、本体上面にステレオスピーカーとヘッドホンジャック、下面にスピーカーとMicroUSB・MicroHDMI端子があります。MicroSDスロットは既報のように端子カバーはあるもののスロット自体は塞がれており利用できません。3G対応モデルではSIMスロットと合わせて利用できるようになるのかもしれません。本体左右横はラウンドさせたデザインのためか端子類はなく、本体右背面に当る部分に電源ボタンとボリュームキーがあります。最初若干使いにくいと思いましたが、慣れればクリック感も結構あり位置が触感でわかりやすいためあまり気になりません。背面上部中央には500万画素のあまり画角の広くないカメラとFlashライトが設置されています。フロントにも上部中央にカメラがあります。防滴とはいえUSB/HDMI端子はむき出しなので水には注意した方がよさそうです。

 起動時間は以下のような感じです。まずまず速いかなと言う感じです。
 電源長押し→2秒→motorolaロゴ→8秒→motorolaロゴ動画→21秒→ロック画面(合計約31秒)

■ソフトウェア
 Androidバージョンは3.2になっています。カーネルバージョン 2.6.35.7-g3086f79 w20269@zch68Inxdroid04 #1、ビルド番号 1.6.0_218.3-MZ607、Firmware configration version GAS_EMEA_UCATBLT1WIRTCOREEU_P004となっています。システムの初期設定時から日本語は選択可能で日本語で設定等を行うことは可能ですが、IMEは組み込まれていませんし、フォントもCJKフォントになっています。設定では独自項目として「printer setting」「ホルダー」が追加されており、MOTOPRINTに対応したプリンタより出力ができるようになっています。MOTOPRINTはWindows用のアプリケーションも用意されておりこちらからダウンロードや詳細確認が可能です(英文)。ホルダーはドック接続時の動作を設定する項目です。MZ607はUSBホスト機能にも対応しているため、USBマスストレージやUSB Ethernetが利用できるようになっているようです。ストレージ設定に8コまでのUSBストレージの項目があり、無線とネットワーク設定にEthernet設定があります。音の出力ではスピーカーとヘッドホンジャックで別々にエフェクト設定が可能になっています。この辺の追加機能は嬉しいところです。

 標準のブラウザやホームの動作は十分快適と言えるレベルだと思います。OMAP4430搭載ということですが、Archos 80 G9よりもメモリが多いことで安定してより快適な操作ができているように感じます。MZ607にはプリインストールアプリも各種あるのですが、主にビジネス向けと思われる用途のソフトが多いことが特徴でしょうか。EvernoteやQuickOfficeとはじめ、CitrixやFUSE Meeting, GotoMeeitngなどオンラインで端末操作や会議ができるアプリが組み込まれています。それでも標準アプリも含めて全部で29コと昨今の国内キャリア端末に比べるとプリインストールはそれほど多くないなぁと思ってしまいます。

 動画に強いOMAP4430搭載ということで、動画再生試験もやってみました。とりあえず再生してみて驚いたのは、MZ607ではスピーカーが前述のように縦持ち上面左右に1つつずつ、下面に1つの合計3コ付いていることで、縦持ちでも横持ちでも左右位置になるスピーカーが鳴ることでステレオ効果をしっかり出してくれる設計になっていることでした。動画再生はギャラリーで通常行いますが、再生途中で画面の向きを変えてもちゃんと再生スピーカーが切り替わりステレオ効果を出してくれます。これは非常に素晴らしい設計だと思いました。DLNAアプリについてはTwonkeyがプリインストールでアイコン設定されていますが、これはトライアル版のダウンロード用で実際のアプリはインストールされていません。今回はskiftaをダウンロードし標準の環境で再生してみました。ローカル再生については後述します。DLNAサーバはMacOSX上のPlayback1.8.8。mp4は全てWebOptimizedなファイルです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
  P) MP4 60fps w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  Q) MP4 60fps w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

DLNA再生
 F,G,H,I,J,K,L,M,N,O,Pが再生可能。avi,mkvは再生不可。Qはロードするも再生始まらず。
 Pは再生したもののネットワーク状態にかなり依存しそう。

 aviとmkvは全く再生できずで、mp4もWiFiの状況に左右されやすい印象を受けました。受信感度が著しく悪いという感じではないのですが、特に720p以下の動画でも再生の一番始めだけ若干コマ落ちするケースがランダムに発生していたため、バッファの確保と再生開始までのタイミングなどで何か問題があるのかもしれないと感じました。

 さて、動画のローカル再生についてですがMZ607にはMicroSDがついていないことで、本来Android3.xの端末としてはAndroid File Transferで動画転送などを行うのがデフォルトの仕様になると推測されるのですが、MZ607はMacのAndroid File Transferから認識されませんでした。よくわかってないBlogさんの記事によるとWindows7のexplorerからは内部ストレージが確認できるらしいので、MTPは有効になっているのではないかと推測するのですが、マスストレージ設定もないためMacではそのままで内部ストレージを参照することができません。motorolaは専用のアプリMotoCast USBを用意しているため、こちらでテストファイルを転送しようと思ったのですが、Windows Phone 7 connectorのように一部動画を変換転送してしまう仕様のようなので、そのままテストができませんでした。そのためこの試験については後日追記したいと思います。

 ちなみにMotoCastアプリの利用をすることで、MacやWindows上のメディアを端末に同期することができるようになるのですが、デフォルトではMotoCast Wirelessの設定に誘導されアカウント登録が必須と言われてしまいます。USB経由でのメディア同期のみ実現したい場合には、MotoCastアプリを一旦起動した直後にアカウント登録などを行わないままアプリを終了し、その後USBでMZ607をMacに繋いだところMotoCast USBが単体起動しアカウント登録不要で、iTunesのコンテンツを同期する設定を行うことができました。MotoCast Wirelessはインターネットを経由してPC内のコンテンツをモバイル端末で利用できるようにする機能であり、動画のストリーミングがサポートされているなどOrb等に近い仕組みと言えます。デフォルトでPC内のドキュメントなどを共有可能にする設定がされているので使用には注意が必要です。個人的にはUSBで同期する機能とごっちゃにすることなく、安全管理面から個別のアプリとして欲しいなと思いました。うっかりするとよくわからないままPC内のデータをネット上から(アカウント認証はもちろんあるものの)参照可能にしたままにしてしまうことになるので、あまり望ましいものではないなと感じました。

■まとめ
 個人的にはMZ607の大きさや重さ、ハードウェアの作りなどはなかなかいい感じだと思いました。初めてタブレットを使う方にもあまり不満なく使える性能を持ったデバイスではないかと思います。少なくとも現在入手可能なタブレット端末としては最高レベルであると言えると思います。しかしながらディスプレイの解像度はやや物足りないと感じてしまいました。ハンドセットのスクリーン解像度がHD化することで、タブレットが粗く見えてしまう状況はこれからどんどん増えてくるのだと思います。高解像度の液晶にするか、解像感の高い有機ELで圧倒的な輝度でキレイに見せるか、タブレット端末はスクリーンのブレイクスルーが必要とされてくるように感じました。もうすぐ有機EL plusを搭載したGalaxy Tab 7.7が出てくると言われているので、個人的にはこちらにも期待したいと思いました。

 現状ではGalaxy Tab 7.0 Plusが直接比較対象になる機種だと思いますが、個人的にはMZ607の方がハードウェアとしては魅力的だなと思いました。ただ価格的には手放しで褒められるほど安いわけではないので、もう少し攻めな価格設定を期待したいところです。XOOMのリリース経緯からMZ607が発売される可能性があるとすればauからなのでしょうが、iPadの販売を計画しているという噂もありますので、正直なところ国内一般販売の見込みは販売戦略上厳しいと感じてしまいます。プリインストールアプリを見ても法人向け等の限定したマーケットであればあり得るかもしれませんが、いずれにしても一般的には入手が難しいということになりそうな気がします。初代XOOMのようなリファレンス的存在でもないということのようなので、サイズ的にどうしてもこれがいいということでない限り、敢えて輸入してまで入手する必要がある端末ではないかもしれませんね…。

【追記】ローカルストレージでの動画再生試験について
 Windows7環境でMotoCastをインストールすることでExplorerからMZ607の内部ストレージにアクセスできるようになったので、ローカルストレージでの動画再生結果について書いておきます。Widnows7ではMZ607をUSBケーブルで接続すると少し間を空けてCDドライブとしてMotoCastのインストール領域が自動でマウントされてきます。ここからMotoCastのインストーラを起動してアプリをインストールするのですが、javaが必要らしくインストールされていない場合は先にjavaがインストールされます。MotoCastのインストール過程でUSBドライバがインストールされることで、インストール完了後にExplorerから内部ストレージが参照できるようになります

 今回は内部ストレージのVideoフォルダにテストファイルをコピーして再生しました。MotoCast USBと違って勝手に変換操作はされませんが、コピー動作の際に「再生できないかもしれないがコピーするか」という趣旨のダイアログが表示されるので無視してコピーを続行します。転送したファイルは上記のA〜Qの全ファイルです。実際の再生はギャラリーアプリから行います。MZ607ではギャラリーと名前の付くアプリがAndroid標準のものとMotoCast用の2つ存在するので、MotoCast IDを要求してこない方のギャラリーアプリを利用します。以下が再生結果でした。

ローカル再生
 Bを除いて全て再生可能。Bは音声のみで映像は黒画面まま。
 Qは再生可能なもののコマ落ちかなり有り。実用は厳しい感じ。

 驚いたのはDLNA経由では再生できなかったファイルもローカルコピーしてしまえば再生できてしまったことです。これまでの事例ではおよそDLNAとローカルで再生可能ファイルタイプに大きな差異が出ることが少なかったのですが、結構顕著なのでびっくりしました。ひょっとしてskiftaとの相性でDLNA再生できなかったのかと思い他のuPnPlay等も試してみましたが、結果は変わりませんでしたので、どうもMZ607ではDLNA経由とローカルファイルではビデオファイルの取扱いが異なっているようです。とりあえず1080p 60fpsのような高画質ファイルでなければ、ローカルに転送さえしてしまえばかなり快適に再生可能なので安心しました。ただ、こうなると内部ストレージにアクセスする手段がわからないMacでの使い勝手が残念に思えてきます。標準手段として用意されているはずのAndroid File Transferでアクセスできるようになることを期待したいと思います。

 ついでにMac側でMotoCast USBで転送した音楽をいつものVictorのHA-FXC71-Bで再生して音質も確認してみました。MZ607ではヘッドホンジャックの出力に標準で3D Stereoエフェクトがかけられているので、まずはこちらを設定>音>Enable audio effectからチェックを外しオフにします。その上で試聴したところ、MZ607ではかなり中低音にウェイトが置かれているようで密度感があり重心の低めな比較的柔い印象の再生という感じでした。やや高音域が物足りない感じでトゲトゲ感はないものの抜けや伸びやかさに欠け曲によっては少しこもった感じに聴こえてしまいました。中低域を重視して全体的に柔らかな印象があるので映画やアニメを連続視聴しても聴き疲れしないようなチューニングなのかもしれません。Media Editionという名前にもちょっと納得できる印象です。ローカル転送して再生をする限りかなり動画視聴に向いた製品と言えそうですね。

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とりあえず付けておく無駄ではなかったなまぁまぁ読めたちょっと役に立ったかなかなり良かったかも (まだ評価されていません)
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■Archos 80 G9 タブレット レビュー
 XGA 8インチというAndroidタブレットとしてはレアなディスプレイと最新タブレットにも負けないデュアルコアCPU OMAP4430を搭載したArchos 80 G9が到着したのでレビューを書いておきます。4:3のXGAを敢えて選んだのはiPadで使っていてブラウジングや動画再生で実際に使いやすいアスペクト比だと感じていたから。価格も送料込みで約27000円とスペックに対してお得感があり試してみるにはちょうどいいと思いました。ipadやGalaxyTab等と比較しながら書いてみたいと思います。あまりメジャーな機種ではないと思うのでリンクを紹介しておきます。製品リンク製品スペック

 Android4.0へのアップデートレビューはこちら
 Archos 80 G9 ICSアップデート レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/2026

■ハードウェア
 箱から最初に取り出そうとして感じたのは「薄い!軽い!」という驚きでした。スペック上重さは465gなのでそれほど軽量機というわけではないのですが、7インチ系タブレットと比較して一回り大きく、iPadに比較して一回り小さい226 mm x 155 mm x 11.7 mmというサイズから受ける印象と比べるととても軽く感じました。外装はプラスチック樹脂ですが、ガンメタな色が重厚感を出していて安っぽい感じはあまりしません。剛性はあまり高い感じがしないし、落としたら即割れそうですが、表面が過度につるつるしているわけでもなく手にしっとり馴染む感覚で持つことができるので落としやすいということはありません。重量バランスは良好で縦持ちでも横持ちでもあまり手首に負担がかかるようなことはありません。個人的に縦持ちの方が若干持ちやすいかなと思いました。

 液晶自体の発色は大人しめで、ドット感はある程度感じますが輝度も比較的高くかなり見やすい方だと思います。照度センサーがついていないため輝度設定にAutoはなく自分で随時調整する必要があります。8インチの液晶は発表当初IPS液晶採用と表記されていた気がするのですが、今はスペック表でもその表示はないようです。広視野角とは書かれていて、確かに視野角はA01HW等のTN液晶に比べてかなり広く相当ナナメな角度から見てもキレイに表示されています。残念なのは視野角に方向性があり、本体横持ち(Archosロゴが画面下にくる正対の持ち方)の場合に左と上ナナメ方向から覗き込む場合にはTN液晶のように白がやや黄色に黒が灰色に変化するような感じで見にくくなり、右と下ナナメ方向からなら真横に近くまでなってもキレイなまま見えるというような具合です。特性さえ把握してしまえば、縦持ちの際にも持ち手角度次第で良好な表示で楽しめますので大きな問題はないと思います。タッチパネルの操作感はいい感じです。MultiTouch testerで4点まで同時認識できました。ただ他機と比べて少し指紋が目立ちやすいのとふき取りにくいような気がします。

 Android3.2標準搭載ということで画面周りにタッチ式ボタンなどはありません。液晶左にフロントカメラが付いているくらいです。背面にカメラはありません。Archos 80 G9は横置きが正位置で背面にスタンドが組み込まれて自立可能な設計になっていることから、本体下部と上部にはコネクタ類がなく左右に振分けされています。右側面にはボリューキーのみ、左側面に上から3G Modem Stick用スロット・電源・MicroUSB・MicroSD・ヘッドホンジャック・MicroHDMI・電源LEDという感じになっています。MicroUSBとMicroSDは重なるように配置されていますが、MicroSDがフタ付きスロットでなく露出タイプなのでそれほど使いにくい感じはありません。充電はMicroUSB経由で行いますが、iPad等と同様に2Aの出力が必要なようで急速充電のためには専用のアダプタでの充電をオススメします。スピーカーは背面にひとつですが、音量も十分で思ったより聞きやすく十分実用的だと思いました。ボタン類はクリック感がしっかりあり使いやすいと思います。

 起動時間は以下のような感じです。速度は遅くないのですがロゴ表示1つなので時間を長く感じますね。
 電源長押し→8秒→Archosロゴ動画→31秒→ロック画面(合計約39秒)

■ソフトウェア
 Androidバージョンは3.2です。ファームウェアバージョン 3.2.56 ボードバージョン A80S-V5、OMAPバージョン OMAP4430 ES2.2、ブートバージョン Unknown/5.05.000000-C0c01、ビルド番号 HTJ85Bとなっていました(起動直後にファームウェアアップデートが表示されたのでアップデート後の内容です)。通常のAndroid端末とかなり表記方法が異なっています。起動直後の初期設定では日本語が選択できず、英語で設定を進める必要がありますが、起動後にLanguage & Inputから日本語を選択することで日本語表示は問題なく可能です。日本語入力は標準でOMRON SoftwareのJapanese IME Ver1.3.5が導入されていますが、何故か設定して入力しようとしてもキーボードが表示されないため別途ATOKやSimejiが必要になります。またAndroidマーケットは導入されているのですが、新規購入がうまくいかず、設定したアカウントでこれまでに購入したことがあるアプリしかインストールすることができません。新規アプリをインストールしようとすると購入に失敗したというエラーが出てリトライを繰り返してしまいます。実際WebでマーケットにログインするとArchos端末が登録されていないので、何か動作がおかしいことが推測されます。この辺は設定手順などの問題かもしれないので要検証だなと思っています。

 Archos端末の特徴として設定に「Repair & formatting」という項目があり、センサー調整や多種のリセットオプションが提供されています。通常端末のリセットは端末全体の初期化しかしないのですが、Archosはメディアライブラリの再構成・Android設定のリセット・追加データのみリセット・完全な初期化・初期設定のやり直しなど細かな設定が可能になっており興味深いところです。また無線関連設定にはArchosオリジナルの3G Stickの設定項目が用意されており専用アプリと合わせて3Gの利用が可能になっています(3G Stick自体は別売りです)。同じく無線関連設定にはRemote Control settingという項目があり、これもArchos独自の Archos Remote Controlアプリを利用することで、他機からArchos端末をリモコン操作できるよう設定することができます。VNCみたいなものですね。スクリーンショット撮影機能も用意されていて、設定>アプリケーション>開発の項目に「Take a screenshot instead of suspending」という部分がありここにチェックを入れると電源ボタンを軽く押すことでスクリーンショットが撮影できます。シャッター音などが一切ないので不安になりますが、ちゃんと撮れておりギャラリーから撮影画像を確認できます。

 Archosのプリインストールアプリとして面白いのはSystem monitor, Video, 音楽の3つでしょうか。System monitorはタクス管理アプリで稼働中のアプリをリストしてシングルタッチで強制終了できます(確認画面がないので触れたら即終了させてしまいます…こわい…)。またAlarmsという項目がありそこではデバイスをスリープから起動させるタスクと時間が一覧で参照できるのでバッテリー消費の問題解決に役に立ってくれそうです。Videoと音楽はどちらもDLNAとSMBのネットワーク再生に対応しているアプリケーションです(DTCP-IPには非対応です)。標準でDLNAやSMBに対応しているのは珍しい(他ではHTCくらいかな?)と思いました。また予想通り動画再生能力も非常に優秀で以下のようになっています。DLNAサーバはMacOSX上のPlayback1.8.8。再生アプリはVideoアプリでの再生となります(ギャラリーアプリ経由の再生でも同じ結果でした)。mp4は全てWebOptimizedなファイルです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
  P) MP4 60fps w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  Q) MP4 60fps w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

MicroSDでのローカル再生
 B,E以外全て再生可能。Bはエラーで再生不可。EはAC3用のプラグインが必要とStoreへ誘導される。
 Qは再生自体は可能だがコマ落ち激しく実用は不可。

DLNA再生
 B,E以外全て再生可能。Bはエラーで再生不可。EはAC3用のプラグインが必要とStoreへ誘導される。
 P,Qは再生自体は可能だがコマ落ち激しく実用は不可。Pは転送速度次第では再生できるかも。

 他機で再生可能なBがエラーになる理由がよくわからないところです。Qについてはスペック自体に1080p 30fpsまで対応と書かれているので60fpsが再生できなくてもやむを得ないところです。ちなみにMicroSDには480p H263のflvファイルも入っていたのですが、こちらも再生できてしまってちょっと驚きました。驚きついでに1080p x264 AAC MKVファイルもDLNA経由で再生してみたらこれも難なく再生してしまいました。本当に動画再生タブレットとしてはかなり優秀なのではないかと思われます。音楽アプリの方もなんと標準でflacファイルの再生に対応しておりこちらもびっくりです。ヘッドフォンジャックにいつものVictorのHA-FXC71-Bつないで音質を確認してみたところ、若干低音が軽い印象を受けるもののまずまず聞きやすいバランスにまとめてあり、組み合わせるヘッドホン次第で悪くはないかもしれないなと思いました。

 ブラウザやmaps,Twiccaなどいくつかアプリの動作も確認してみましたが、4:3の画面は非常に見やすく8インチサイズでもフォントは拡大しないで十分認識可能です。ピンチズームの反応やフォント拡大時のスムージング処理も快適に動作していると思います。印象としては初代iPadと同じレベルくらいにはなってきていると思いました。日本語の表示では中華フォントの混じる微妙なゴシックになってしまうのですが、それなりに見やすく常用は十分できると思われます。可能ならフォントを変えたいところですが、調べてみたところまだ成功例はないようなので、もうしばらく待つ必要がありそうです。マップがかなりサクサク動作するのはやはり嬉しいですね。GPSの精度も高いようです。4:3の画面の情報量はやはりマップ利用時にも非常に有効だと感じました。

■まとめ
 マーケットがうまく動作しないなど微妙なところはありますが、コストパフォーマンスも高く非常に面白い端末だと思います。動画再生機としてはローカル再生にしてもDLNA再生にしてもGalaxyTab(GT-P1000)を超えて最良のマシンだと思いました。液晶面がキズ付きやすそうなので保護シートを貼ったりケースに入れたいところですが国内で販売されているはずもなく、これから対応するものを探そうと思います。個人的にはこれでGalaxyTabは完全にお蔵入りな感じです。これだけのコストパフォーマンスの製品が日本であまり話題にならないのはやはり残念ですね。EMOBILE辺りが導入すればかなり話題を攫っていけると思うのですが…。A01HWよりこちらの方が値段も安く数段いい感じな気がします…。

 個人的にはArchos 80 G9を非常に気に入ったので、iPad2と双璧で利用していく感じになりそうです。年末から来年にかけて容量とCPU性能をアップしたバリエーションが提供されるのでそちらも楽しみなところです。フォント関連も含めてぜひとも国内での展開を期待したいところです。

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■ASUS Eee Pad TF101 Transformer 簡易レビュー3
 ASUS Eee Pad TF101 TransformerがAndroid 3.2.1になったので変更点などを少しレビューしておこうと思います。もう少しすると後継機Transformer Primeも出るということのようですが、TF101にもAndroid 4.0が提供されると報道されましたので、新機種が出ても悔しくないもん!という感じですw それにしてもASUSは意外なほどにアップデートに努力してくれていて、本当に嬉しい限りです。買って良かった!

■Android 3.2.1の変更点
 公式な変更点のアナウンスはこちらにありますので参照してください。ここではその使い勝手について書いていきます。まず一番驚いたのはマウスカーソルがデフォルトで矢印ポインタから、ジェスチャーモードのサークルポインタに変更されたことです。これに伴ってキーボード接続時のタッチパッド操作の方向感が、画面タッチ時と違和感なく使えるようになり操作感が非常に向上しました。個人的にこれは非常に嬉しかったです。ピンチ操作や2本指スクロールなども、画面にサークルや軌跡が表示され今どこに何をしようとしているのか非常に判りやすくなりました。ノートPCの延長で使いたい人には違和感があるかもしれませんが、タブレットの延長でキーボードを使う感覚の人には非常に嬉しい変更です。

 またタブレット対応していないアプリケーションのための画面拡大表示機能も追加されています。アプリケーションによって自動判定で、アクションバーにアイコンが表示され任意で画面を切り替えることが可能です。全画面表示(Stretch to fill screen)と拡大表示(Zoom to fill screen)の2つの表示が選べるようになっています。ただアプリケーション側がこれに対応できていないこともあるようで、FireFoxではこの機能が働くのですが、Zoom選択した瞬間画面がブラックアウトして、Stretchを選択して元に戻しても適切な画面に戻すことができなくなりますので注意が必要です。アプリを強制終了するか端末を再起動しないと戻せません。また拡大表示した画面はフォントがボケボケに感じられるので、決して見やすいとは言えずあまり実用的な印象はありません。画面サイズの都合で使えないアプリが使えるかもしれないという程度だと思った方がよさそうです。Polaris Officeもバージョンアップされ表示互換性が増したということですが、この辺りは使ってないのでよくわかりません。

 更新されたAndroidバージョンは3.2.1、カーネルバージョン 2.6.36.3 android@Mercury #1、ビルド番号 HTK75.JP_epad-8.6.5.13-20110925でした。MobileドックバージョンもEP101-0231になっています。FSKARENもVer1.4.5HAS01002と最後の数字が僅かに上がっています。システム全体の動作は僅かにレスポンスが向上した感じがしますし、なんとなく液晶表示自体がキレイになっているような感じがします(フォントのレンダリング精度?)。

 一応例によってテストファイルを使って動画の再生試験をしてみました。DLNAサーバはMacOSX上のPlayback1.8.8。再生アプリはローカル再生はギャラリーアプリから標準動画プレイヤー、DLNA再生はTF101標準で導入されているDLNAアプリ「MyNet v8.1.1」での再生となります。mp4は全てWebOptimizedなファイルです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
  P) MP4 60fps w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  Q) MP4 60fps w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

MicroSDでのローカル再生
 D,E,F,G,H,I,J,K,L,N,O,P,Qは再生可能。
 Qはコマ落ち激しいがMicroSD次第で改善可能かも。(←OMAP4460でもNGなので無理そう)
 Mは再生不可。D,Eが再生可能になっているがEは音声出ず。aviは全て不可。

DLNA再生
 D,E,F,G,H,I,J,K,L,N,O,Pは再生可能。Pはバッファリングが頻繁で実用にならず。
 M,Qは再生不可。D,Eが再生可能になっているがEは音声出ず。aviは全て不可。

 今回MKVが再生可能になっていることが確認されました。AC3の音声は再生できませんが、AACなら問題ないようです。また追加でmp4 60fpsの動画も確認してみました。720pならローカル再生可能、1080pも再生自体は可能そうなのですが、残念ながら転送データ量の問題で60fpsの再生には限界があるようです。おそらくMicroSDやネットワーク接続の速度が速ければ1080p 60fpsでも再生は可能になりそうです。 OMAP4460でも1080p 60fpsは適切に再生できないので、高速なMicroSDでもTegra2ではちょっと無理そうな感じです(高速なMicroSDを持っていないので確認できていませんが…)。

■まとめ
 ASUSが着実にアップデートを提供してくれるので、TF101を使っていて本当に良かったと思います。用途が主に出張時に限られるのであまり頻繁に使っているわけではないのですが、もうちょっとメインに近く使ってみてもいいかなと思うようになってきました。次期Transformer Primeも非常に期待できそうでわくわくします。TF101より更に軽く軽量になっている上に4コア Tegra 3にはちょっと魅力がありますね。さすがに1080p HPも再生できるようになっているでしょうし早く見てみたいと思います。キーボードの品質次第では買い替えてしまうかも…。ASUSがAndroidタブレットを出すと聞いた時にはアップデートの心配をしたのですが、こうして非常に積極的に更新してくれるので、安心感信頼感が非常に高くなってきました。そういう観点でASUS製品はお勧めできそうです。TF101に満足していたので、SL101はまだ実機を見てもいないのですが、こちらもその内見てこようかと思います。

【追記】1080p 60fps mp4動画についてOMAP4460でも適切に再生できないようなので、Tegra2で期待させるような記述部分を修正

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■docomo GalaxyTab 10.1 LTE SC-01D ラウンジ版 感想…
 有楽町のドコモスマーフォンラウンジでGalaxyTab 10.1 LTE (SC-01D)も見てきたので、簡単に感想を書いておこうと思います。GalaxyTab 10.1 LTEはちょっと表記が長いのでこちらはSC-01Dで記述します。ラウンジに展示されていたSC-01Dは、本当に開発途中という感じで正直不具合っぽいものがたくさん散見されて、評価するようなレベルではないと思いました。当然開発途中なので今後どんどんアップデートされて良くなっていくと思います。ここでは極簡単に実機を見た感想を並べていきます。

 ハードウェアの第一印象は持ってみて「軽い!」ということでした。iPad2もとても軽くなって印象的でしたが、SC-01Dはそれを上回る軽さを印象づけてくれました。薄くて軽い、ものすごくシンプルだけどとっても印象に残ります。薄くて軽いとなると剛性が心配ですが、全然軋んだり撓んだりする感じはなく、正に板という感じでした。液晶はとても発色が良く、Samsungの原色に近いカラフルな色をちりばめたホーム画面の配色と合わせて、とってもポップでキレイに見えます。フォントはやや太字のゴシック系でデザインにもマッチして視認性もいい感じです。Samsungのカスタムホーム画面は配色や機能デザインがとてもうまくまとまっていて一見するとキレイに見えるのですが、使い続けていると少し疲れてしまうので、個人的にはあまり好みではありません。慣れの問題だとは思いますが、Androidの標準UIの方が落ち着いた感じでいいかなと思ってしまいます。タッチの反応は極めて良さそうなのですが…いい時とぎこちない時の差が結構あるように感じます。これはまだ調整が終了していないからだと思います。

 SC-01Dもスイッチ類は最小になっており、横持ちで上面に左から電源・ボリュームキー・ヘッドホンジャック・SIM、左右面にはスピーカーのみ、下面には独自コネクタがあるだけです。背面上部中央にはカメラがあります。SIMはLTE用ですがサイズは通常のものになっています。MicroSDスロットはなく、使用する場合には独自コネクタにアダプタを付けて利用することになるとのことでした。ラウンジにはそのアダプタはなく実物は確認できませんでした。非常にシンプルで好感が持てますが、使用頻度が比較的多いのでMicroSD利用にアダプタが必要というのはちょっと残念です。

 起動時間やファームバージョンもチェックしてはあるのですが、ほとんど参考にならないと思うので割愛します。正直展示に出していいのかなぁ?と疑問に思うような状態なので、結構な台数展示しているのですが、むしろGalaxy Tabのブランドの評判を落としてしまうことにならないか心配になります。今の時点で見に行くのであれば、ハードウェアの大きさ重さ、画面デザインの感じを掴むくらいにしておくのがいいかもしれません。スペック的には非常に期待の大きいタブレット端末なので、早く安定したアップデートが提供されることを期待したいと思います。今回はしばらく触ってみてちょっと残念な感じだったので、9月の末頃にでも再度行って改めてレビューができればと思います。

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■docomo Arrows Tab LTE F-01D ラウンジ版 簡易レビュー
 有楽町のドコモスマーフォンラウンジにArrows Tab LTE (F-01D)を見に行ってきたので、簡単にレビューしておこうと思います。ラウンジの展示は既にLTEタブレット2機種がメインになっており、Xperia Rayですら隅っこに追いやられているような状態でした。LTEタブレットへの力の入れようが感じられます。発表直後の日曜日ということで混み合うかと思ったのですが、朝イチに行ったのでまだ来客も少なくゆっくり見ることができました。

 富士通製の初物ということと、防水・ワンセグ・DTCP-IP対応とタブレットとしては初搭載の機能を搭載しているため、個人的にとても興味深く感じていたのですが、展示された実機を見て少々期待が大きすぎたかもと意気消沈してしまいました。ラウンジの展示はOptimusPadやGalaxyTab同様ただ単に展示台に乗せてあるだけで、ワンセグはもちろん受信して表示できるものの、折角の防水機能や他のタブレットと一線を画すDTCP-IP対応DLNA機能を実感できる展示方法になっていませんでした。なんというもったいない。一番アピールできる部分が全く活かされない展示をするなんて、フラッグシップ店舗としてどうなんでしょう…。防水展示はビルの管理規則とかもありそうなんで難しいにしてもDTCP-IPのデモはdocomoスポンサーの番組やCMなどを使えば簡単に準備できると思うのに、なぜやらないのか残念でなりません。説明員さんによるとデモはないが発売前後に各社のTVやBDレコーダーとの互換表みたいな情報が公開される予定なのでそれをご覧くださいとのこと。いや、実際に動いてこう使えるこう見えるというのを展示に期待しているんですけど…。

 ともあれ、極々普通に展示されていたArrows Tab LTEですが、第一印象はプラスチックだな…という感じでした。プラスチック面が多く材質感がやや中華パッドぽい印象です。液晶の品質は非常に良く視野角も広い感じです。タッチ反応は非常に良くサクサク動作していると思いました。液晶の周りはベゼルとその外周が黒の網目になったプラスチック部品で覆われていますが、これは網目にすることで濡れた手で触った際にすべって落としたりすることを避ける目的だと思われ、非常にいい工夫がされているなと思いました。背面も梨子地など滑りにくい加工にしたらいいのにと思いましたが、その辺りはコストとの兼ね合いなのかもしれません。手に持った感覚は「重くない」でした。「軽い!」とまでは思わなかったのですが、視覚的にやや厚ぼったく見える見た目と比較すると軽めに感じるという感覚です。親指をかける辺りが網目になっていてもあまり違和感なく具合良くホールドできます。

 横持ち前提の設計で、本体左側面に上からヘッドホンジャック・MicroUSB・MicroSD・MicroSIMが並びます。それら以外に側面にはコネクタ類はありません。底面の2つ穴はクレードル用の位置固定用のようです。電源やボリュームキー・充電接点などは背面にあります。残念ながら背面ボタン類は小さめであまり操作し安くありません。特にボリューム操作は微妙な位置&感じです。スピーカーはベゼル周辺の網目部分に組み込まれているようです。

 起動時間は以下のような感じです。表示するロゴ大杉…。
 電源長押し→8秒→docomoロゴ→6秒→画面暗転→20秒→Xiロゴ→3秒→
 防水警告画面→4秒→Arrows Tab LTEロゴ→6秒→Fujitsuロゴ→8秒→ロック画面(合計約55秒)

 Androidのバージョンは周知の通り3.2で、展示機はカーネルバージョン 2.6.35.7、ベースバンドバージョン C_L1_034、ビルド番号V12R11Fとなっていました。日本語入力は NX!input powered by ATOK ver.1.0.0となっていました。まだ開発途中で今度どんどんアップデートされるということでしたが、一緒に展示されていたGalaxy Tab 10.1 LTEよりは完成度は高い感じで、あまり大きな不具合は操作していても感じることはありませんでした。Arrows Tab LTEはAndroid OS自体に積極的な改変を行うというよりも、カスタマイズ機能を追加アプリで実現する方向で実装されたようで、標準状態で様々なダウンロードアプリがインストールされており、ホーム画面のカスタマイズ専用の「スタイル変更」や節電用「Ecoモード」アプリなど多種多様なアプリが用意されていました。特にスタイル変更は6種類のカスタムスキンが用意されており、簡単にホーム画面のデザインを変えタブレットの印象を変えられるので面白いと思いました。個人的にはロハスというデザインが好みでした。

 注目のDTCP-IP対応はDiXiM Playerというアプリで実現されるのですが、Arrows Tab LTEにはDiXiM Serverもインストールされていることから、もしServerもDTCP-IP対応ならば地デジの録画番組をタブレットにコピーして直接持ち運ぶことも可能になります。残念ながらそれが可能かは確認できなかったのですが、興味深いポイントになりそうです(商品説明ではDTCP-IP対応コンテンツがストリーミングで見られるとなっているので、コピーできる可能性は低そうですが…)。DLNAを試す環境も用意されていなかったため、地デジ録画番組を見ることができるという確認もできていません。ぜひフラッグシップ店舗であるスマホラウンジではデモを用意して欲しいと思います。(ちなみにMicroSDに入れた動画再生も確認したいとお願いしてみたのですが、展示機での動作確認はNGということでできませんでした)

 さすがにブラウザやマップは高速に動作しますしサクサクと言っていいかと思います。時々ぎこちないケースもあるのですが、操作の滑らかさはアップデートで修正される予定とのことでしたので、まだまだ改良されるようです。フォントは丸ゴシック系が標準のようで見やすく違和感を感じないキレイな表示でした。ワンセグは受信感度がかなりいいようでGalaxy S IIで受信できない場所でもArrows Tab LTEなら問題なく受信できたということでした。解像度の問題からワンセグは画面の粗さが目立ちますが、あったらやはり便利かなとは思いました。

 Arrows Tab LTEではLTE用のMicroSIMが採用されていますが、ハード的には通常のFOMAハイスピード等3G通信もサポートされているので3GのMicroSIMを差し替えても動作するのか聞いてみました。説明員さんの話によると現時点の展示機はLTEのMicroSIMでしか動作しないようになっているそうですが、実際に販売される時点で同じ制限がかかったままになるかはわからないとのことでした。とりあえず日本通信さんがLTE対応のサービスを開始してくれないと低コスト運用ができる可能性は低そうですw

 ざっと使ってみましたが、Arrows Tab LTE自体は堅実に使える感じのいいタブレットなのではないかと思いました。東芝製Android端末は過去の経緯から微妙と思っているのですが、説明員さんの話ではスマホの「富士通東芝」とは違って、こちらは純粋に「富士通」製だということだったので(ホントかなぁ…)、東芝製Android端末にトラウマをお持ちの方も一度触ってみられることをオススメします。個人的には白ロム4.5万くらいなら欲しいかなぁと思いました。Tweetでも書きましたが、防水タブレットは諸島部など塩害の多い地域にも通常端末より長持ちすることになると思うのでいいかもしれません。ぜひ諸島部のIT化地域活性などで役立ってくれることを期待したいと思います。

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■EMOBILE A01HW タブレット レビュー
 ビックカメラ有楽町店でEMOBILEの7インチタブレット A01HW の展示が始まっており、ゆっくり試させてもらったのでレビューをしておきます。展示機はちょうど昨日9/10の夜に入荷して本日が初展示だったとのこと。EMOBILE的にはA01SHがイチオシのようでA01HWはネットにすら繋がっていない状態で隅っこにひっそり?展示されていました。個人的には4:3の7インチXGAというサイズに非常に興味があったので実機を確認できてラッキーでした。

■ハードウェア
 廉価設定で販売されるタブレットということで外観の品質がちょっと心配でしたが、トータルでは思ったよりも高級感を感じ意外な印象でした。液晶の品質は高いとは言えずTN液晶で視野角は狭い感じですが、輝度と精細感は十分にあり実用に耐えるものでした。タッチパネルの反応はいいのですが、操作感という点ではサクサクとまではいきません。側面は中華パッドっぽいプラスチックな印象ですが、背面が黒のアルミヘアライン加工に見えるデザインになっており、ここが外観を引き締めています。背面下部にあるEMOBILEのロゴがとてもかっこよく映えて印象的でした。縦持ち前提のデザインになっており、上面には左からヘッドホンジャック・マイク・電源、下面には左からUSB・MicroUSB・スピーカー、右側面に上から画面回転ロック・ボリューム・MicroSDとなっています。左側面にはなにもありません。電源やボリュームキーはクリック感が浅いものの操作性は悪くありません。SDカードはフタ付きになりますが使いやすい印象でした。

 手に持った感覚は大きさに対してちょっと重いかな?という感じ。約500gということで他の7インチタブレットに比較すると100gほど重くなっているのが原因だと思います。本体に在る程度厚みがあるので持ちにくいという感じはしません。縦持ちでも横持ちでも偏った重さは感じなかったので、重量バランスはうまくとれているようです。画面が4:3比率のため縦持ちでも本体幅が13.3cmとなり、他の7インチタブレットのように片手で背面から両端を鷲掴みという持ち方にはならず、片手で片側を持って使うという感じになります。このホールド感について好みがわかれる点かもしれません。バッテリーは4800mAhで、7時間動作と表示されていました。充電はMicroUSB端子で行います。カメラも少し使ってみましたが、動作はややもっさりな印象です。撮影時のUIは使いやすい感じでした。(画質に関してはカバーフィルムが付いていたので未確認です)

 起動時間は以下のようになっています。起動は極めて速いです。
 電源長押し→4秒→EMOBILEロゴ→11秒→Androidロゴ→9秒→ロック画面(合計約24秒)

■ソフトウェア
 既報の通りAndroidのバージョンは2.3.4、カーネルバージョン 2.6.35.7、ビルド番号 HuaweiS7-901w、バージョン 1.26bと表示されていました。認証情報も画面上で確認できるようになっています。日本語入力はFSKARENが採用されており、バージョンは2.0.2HH05001でした。内部メモリは4Gで初期状態で2.95G空いていました。通常の利用であれば十分な空き容量だと思います。全体にAndroid標準をそのまま利用していてカスタマイズはほとんどされていないように思いました。Androidバージョンが2.3.4なのでもうちょっとスクロール等がスムーズでもいいような気がするのですが、全般的にぎこちない動作になっておりチューニングが足りていない感じでそこは少し残念です。

 プリインストールアプリも数が少なく、AdobeReader・BookLive! Reader for EM・ハンゲーム・プチセイムパズル・芸能ニュースの5つが標準でインストールされてくるそうです。芸能ニュースというアプリ名はちょっと意外でしたが、一応EMOBILEの説明員さんが最初から入ってきますと説明されていたので、そういうことなんだろうと思います。

 説明員さんにネット設定をお願いして、MAPやブラウザを利用してみましたがシングルコアS5PV210AA0(1GHz)ということで、動作速度はそれなりという感じです。Tegra2のサクサク度合いに慣れてしまうと、やはりちょっと遅いかなと感じてしまいますが、実用上では十分な早さで動作していると思います。ここでも画面スクロールでぎこちなさが出てしまうのですが、メモリが512Mと今となっては少ないことが影響しているように感じます。しかし4:3の画面比率のおかげである程度情報が読みやすく、縦持ちでも画面ズームしないである程度ブラウジングすることが可能です。フォントがゴシック系標準になっており、それなりに視認性はいいようです。

 実機で見てみて、個人的にはやはり7インチは4:3の画面の方が情報のブラウズという観点ではメリットが大きいのではないかと感じました。また同時にAppleが7インチのiPadを出さなかった理由もなんとなくわかりました。7インチでブラウザを利用するとやはり字が小さくて一見して見にくいという印象を受けるからです。16:10の7インチタブレットでは縦持ちで3ペインのWebサイトを表示しても字が小さすぎてそのまま見る気力はありませんが、4:3の7インチ画面なら慣れれば大丈夫かなという感じです。この差は結構大きいように感じました。これでスクロールが快適ならいい感じだったのに…。

 EMOBILEの説明員さんに手持ちのMicroSDを挿入して動画の再生確認をしたいとお願いしてみたところ、快諾いただけたのでMicroSDでの動画再生結果を書いておきます。再生アプリはギャラリーアプリから標準動画プレイヤーです。驚いたことに1080p HP4のmp4を難なく再生してくれました。コマ落ち感もほとんどなくmp4の再生性能は非常に高いことが確認できました。ヘッドホンジャックの音質も特別にいいわけではありませんが、ヘンに軽かったり低音ブーストしたりしていない、バランスの取れた聞きやすい音質でした。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

MicroSDでのローカル再生
 D,F,G,H,I,J,K,L,Mが再生可能。Eは動画は再生するが音が出ず。D,Eはややコマ落ち感あり。aviとwmvはリストに表示すらされず。

■まとめ
 質感が高いとは言えないものの、十分な実力を持ったタブレットだと思いました。3.5万円という価格は実に微妙なところだなと思いますが、2.8万くらいになれば結構売れるんじゃないかなと思いました。元々A01HWは法人向けを想定して設計されていたそうで、EMOBILEの説明員さんの話によると個人向けにも店頭在庫を持たずに受注納品で販売するそうです。店頭で発注して2日くらいで届くという感じになるのではないかとのことでした。法人では書類等の表示に4:3の画面が便利ということなのでしょう。A01SHのように展示機をバンバン出してアピールすることはない模様です。それでひっそり展示だったことに合点がいきました。

 mp4動画プレーヤーとしての性能が高い上に電車でも使いやすいサイズ、デジタル書籍と相性のいい画面比率ということで、A01SHと比べてもそれなりに需要はありそうな気がします。店頭在庫しないという販売戦略は見直した方がいいのではないかと感じました。SHARPイチオシなのはやむを得ないとして、折角ラインナップとして持っている貴重なサイズのタブレットなので、もうちょっとアピールしてもいいのではないかと思います。大型量販点ならひっそり展示されている確率が高いと思うので、興味の在る方はぜひ探し出して試してみていただければと思います。個人的には4:3の小型タブレットはやはりいいと思ったので、Archos 80 G9にもちょっと期待しつつ、購入に悩んでみようかなと思います。

【9/27追記】本日S42HWのイベントでEMOBILEの方に伺ったところ、A01HWの背面パネルは日本製なのだそうです。いろいろ材料を選ぶ中で背面パネルの質感にこだわった結果の選択とのこと。妙に質感が高くてかっこいいのに合点がいきましたw

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とりあえず付けておく無駄ではなかったなまぁまぁ読めたちょっと役に立ったかなかなり良かったかも (1 投票, 平均値/最大値: 4.00 / 5)
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■Sony Tablet S/P 9/1版 簡易レビュー
 本日国内正式発表され銀座ソニーショールームで展示が開始されたSony Tablet S/Pの両機種を早速見に行ってきたので、簡単にレビューしておきたいと思います。両機種の詳細はこちら( Sony Tablet S)こちら(Sony Tablet P)が詳しいのでご参照ください。どちらもソニーショールームの中2階で展示されており、Sは十数台、Pも4台ほど?自由に触れるようになっていました。説明員さんも十分に配置されており、気軽に質問できるようになっていますが、さすがに発表即展示ということで詳細な部分についてはわからないことも多かったようです。

■Sony Tablet S
 9.4インチの比較的一般的なタイプのタブレット。楔形という独自形状ですがこの形のおかげかホールド感は悪くなく、iPadやTF101に比べるとかなりコンパクトで軽く感じます。液晶画面は非常にきれいで発色もいいのですが、如何せんAnti-reflectionや防指紋処理も何もされていないが如く反射しまくる&指紋つきまくるため、ちょっと画面を見ているのがしんどい感じがしました。おそらくショールームならではの照明配置のせいではないかと思いますが、タブレットのコーナーの照明は見直しした方がいいのではないかと思いました。液晶自体は説明員さんに確認してもわからなかったのですが、PC WatchによるとIPS液晶ということのようです。Sについてはリビングで家族一緒に利用することを想定しているため視野角の広い液晶になっているとのことでした。タッチスクリーンの反応は上々で非常に快適快速に動作します。画面が広いこともあり、文字入力でもあまり誤タッチをすることはありませんでした。

 本体が楔形という独自形状のため、主なコネクタ類は横向きの左右に振り分けられています。本体左側面には上(太い方)からヘッドホンジャック・USB・スピーカー・ストラップホール。本体右側面には上から電源・ボリュームキー・リセットホール・スピーカーとなっています。本体下面にはクレードル接続や電源接続につかう独自コネクタがあります。背面上部中央にカメラ、液晶上部中央にインカメラがあります。タブレットでストラップホール(実はセキュリティロック用?)があるのは嬉しいですね。ちょっと驚いたのはハードリセットに使うリセットスイッチ(穴にピンを挿して使うらしい)が用意されていることです。説明員さんの話では端末を初期化するのではなく、本体がフリーズした際にリセットするためのものということなので、一般的なPCで言うところのリセットスイッチで間違いないようです。えーと…要するにリセットスイッチが必要なくらい…ということ?うーむ。

 楔形の形状は思ったほど違和感はありませんでしたが、特別に持ちやすいかというとそれほどとは思いませんでした。むしろ重量配分で軽く感じさせる効果の方が重視されているように思います。ソニーとしてはソファに座って低めのリビングテーブルに置いて使うという感じの想定をしているようで、角度が付いているメリットを強調していましたが、タッチパネルでのキーボード入力に便利なほどの角度ではないように思いました。どちらかと言えばリモコンやDLNAコントローラとして操作する際に便利かなという感じです。

 本体と同時発売になるクレードルも展示されていましたが、横置きするタイプでちょっと場所を取るなぁという印象です。クレードルとの接続は比較的容易で、接点は緩い感じでガッチリした感覚を期待するとがっかりすると思います。同じ接点に充電ケーブルを接続することもできるのですが、このL型コネクタがやや大きめで付けた時もグラグラしてしまうのでちょっと気になります。ケーブル取付け部もちょっと細身で断線とか接点不良が心配な感じでした。クレードルと一緒に利用するであろうAndroid専用のアイソレーションキータイプのキーボードも展示されており、英語キー配列のみの販売となる代わりAndroid汎用に設計されていて他のAndroidタブレットでも利用できるとのことでした。通常の英語配列(ASCII配列)の並びでファンクションキーはありません。Android特有の独自キーはキーボード本体左上に左から「戻る・ホーム・起動アプリ一覧・メニュー・検索」と並んでいます。通常のアイソレーションキーと違い、大きさも小さくキーボード本体平面から押し込むタイプのボタンのため、ちょっと使いにくい感じがしました。独自キーとしてはもうひとつスペースキーの右altキーの右横に□にAと書かれたキーが設定されており、このキーで文字入力中の英語/日本語入力切替をできるようになっていました。最初何に使うキーかわからなかったのですが、使ってみるとスムーズに入力切替ができかなり便利だと思いました。残念なのはキーボードで入力した内容が本体に反映されるのに1秒強の時間がかかるため、長文入力などであまり実用的と思えないことです。この点はぜひとも改善して欲しいと思いました。

 SのOSはAndroid3.1ということで、カーネルバージョンが2.6.36.3 integ-build@build10 #1、ビルド番号は1.00.001100022でした。ほぼ製品版ということで、ファーム自体には変更は入らないが、搭載されるアプリはまだ変更があるかもしれないと説明がありました。今回のSony Tabletは他社のようにAndroid OS自体に手をあまり入れない代わりに独自アプリを入れてくる手法ではなく、Android OS標準のアプリに改修を加える選択をしてしまったようで、ホーム画面やアプリ一覧・標準キーボード・動画プレイヤー・標準ブラウザなど大小様々なカスタマイズが施されていました。ホーム画面では画面左上のGoogle音声検索のマイクアイコンの横に4つまでアプリが登録可能な小ラウンチャーが用意されています。ここはホーム画面を左右に遷移しても変わらず表示されるので便利ということなのでしょう。アプリ一覧はデザインが独自のものになっており、上下にスクロールする際に3Dっぽいエフェクトがかかるなど見た目に工夫されています。標準キーボードは日本語がデフォルト入力可能になっており、シフトやaltキーなどの入力状態が一目でわかる青いバーが表示されるようになっています。動画プレイヤーについては通常動画再生時にはアクションバーは表示されたままか、消えても操作アイコン位置がわかるドットが表示されるようになっているのですが、こちらは完全に消えるようになっていました。標準ブラウザでは大きなデータのロードを待たずに素早く表示できるよう小さいデータを優先してレンダリングする独自技術が組み込まれているそうです。リンク先ページの先読みのようなデータトラフィックの無駄使いではない表示の高速化技術ということで、これはなかなか面白いと思いました。気付いたことだけ書いていますが、これら以外にもいろいろと工夫されているところがあるようなのですが、OSに近いところを改修してしまうとアップデートの不安が発生してしまうので、やはりちょっと気になってしまいました。アップデートの質問をした際に説明員さんが苦笑いしながら答えてくれたのですが、一応SについてはPの発売と同時期にAndroid3.2へのアップデートを予定しているらしいとのことだが本当にアップデートされるかはわからないと言っていました。4.0に至っては完全に未定とのことでした。

 独自アプリケーションもサービスと連動していくつか搭載されており、プレイステーションのゲームが遊べるなど期待されている機能もデモで遊べるようになっていました。ただ、Sの発売時に搭載されるアプリでもサービス側の整備が間に合わず、本格的なサービス開始がPの発売時期まで遅れるものがいくつかあるとのことでした。プレイステーションのゲームもその一つで初期の30タイトルほどが揃うのは10月末くらいになるそうで、それまでは限定的な利用になるかもしれないということでした。そういう意味ではSについては、あまり買い急ぐ必要はないかもしれません。

■Sony Tablet P
 2つ折りという独自形状が印象的なタブレットです。発売がちょっと先ということもあり、展示機はSと違って台数も少なく、まだまだ今後大幅な変更があるかもしれないのでファームのバージョンなど詳細はblog等に書かないでくださいと明示的に説明がありました。他のblogさんもご注意を。公式発表でAndroid3.2となっている通り展示機も3.2ではありましたが、いろいろ操作してみるとSと同様な点や大きく異なる点(画面の使い方など)があり、表示の仕方を見てもまだまだ開発途中なんだなということがよくわかる感じではありました。また今日の時点で既にシステムアップデートの通知がアクションバーに出ていましたので、まだ頻繁にアップデートが繰り返されていることがよくわかります。ですので、とりあえずハード面で感じたことだけ簡単に紹介するに留めようと思います。

 1024×480の液晶を2つ搭載しているのですが、どちらも視認性は非常にいいと思いました。任天堂DSのように2つの液晶に差異はありません。本体を開くとちょうど180度、平面になるところでピタリと止まるようになっているので、平面タブレットのような感じで使うことも可能です。画面が下画面から上画面にスムーズにスクロールしていく様を見るのはなかなか楽しいと思いました。液晶はパーソナル利用を想定しているためSのようなIPS液晶ではなく、やや視野角の狭い液晶に変更されているとのことでした。実際使ってみている限りでは視野角の狭さを実感することはなかったのですが、S同様Anti-reflectionや防指紋処理も何もされていないが如く反射しまくる&指紋つきまくる(しかもS以上に!)ので角度によっては反射で非常に見にくく、神経質な方はちょっと使っていられないんじゃないかと思いました…。低反射フィルムは必須だと思います。

 本体の大きさはあまり大きいとは思わなかったのですが気持ち重めに感じます。閉じた本体はおっきなアルミ製筆箱という印象でした。ヒンジ部分の艶のある黒パーツがなんとなく安い感じがして残念ですが、全体の質感は悪くありません。P用のハードシェルケースも展示されていましたが、なんとなく付けない方がいいんじゃないかなぁと思ってしまいました。本体自体が結構発熱するようで、下画面側の本体が手に持っていると汗をかくくらいあったかく感じました。Pは下画面両手持ちで使うのが一般的なスタイルになると思うので、この点は気になります。実際プレイステーションのゲームを起動すると上画面にゲーム画面、下画面に十字キー等の操作部が表示されるのでまるでDS熱中すると相当手に汗をかくことになりそうです。

 タブレットとしての利用想定からすると使いどころが実に微妙な感じがする製品ではありますが、ガジェット好きにはギミック含めて非常に興味をそそる存在であることは間違いないと思います。使い勝手とかよりも所有欲をかき立てられる、そんな端末だと思います。

■3G対応について
 既に既報の通りSony Tablet S/Pの両機種はdocomoからも発売されるそうです。docomoから発売されたものもスマホ同様SIMロック解除はできるとのことでした。しかし3G SIMロックフリーの端末も国内で発売を予定しているそうで、SonyStyle限定モデルとして提供されるのではないかとのことでした。価格の方はおよその想定価格は出ているようですが、blogには書かないで欲しいということなので残念ながらご紹介できません…。SIMロックフリーでもし発売されるなら、国内メーカー初事例になると思うので期待したいところです。日本通信さんが好条件で販売できるようになるといいなぁと思いますね。

週アス+の記事ではSonyStyleで販売される3GモデルもdocomoのSIMロックがかかっているとされていますね。またSの3Gモデルの価格が53000円と明示されていました。うーん、SIMロックありだとするとちょっと残念です。

■まとめ
 まだ展示初日ということもあり、説明員さんがお客さんの感想や意見を一生懸命メモされていて、製品改良のためのフィードバックをしようと努力されている様子がよく伝わってきました。SONYブランドで出す初タブレットということで国内の期待も高いようで、展示初日平日お昼過ぎに行ったにも関わらず非常に多くの方が展示を見に来ていました。正直なところWi-Fiオンリーモデルの価格設定は競争力という点で微妙な感じはしますが、SIMロックフリー3G端末であれば当面キャリア以外から購入可能な国内唯一の存在と言うことになると思うので、非常に存在感を出していけるのはないかと思います。実勢価格など今後の動向が気になりますが、ぜひともヒットして欲しい端末(特に個人的にはSが)だと思いました。当面情報をウォッチしていきたいと思います。

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とりあえず付けておく無駄ではなかったなまぁまぁ読めたちょっと役に立ったかなかなり良かったかも (まだ評価されていません)
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