■motorola XOOM 2 Media Edition MZ607 レビュー
 海外でmotololaから発売されているタブレット端末XOOM 2 Media Editionが届いたのでレビューを書いておこうと思います。このクラスのタブレットサイズ的にはArchos 80 G9の4:3スクリーンが今のところベストかなと思ってはいるのですが、Galaxy Tab(GT-P1000)よりも少し画面が大きく精細度のアップしているこの製品のIPS液晶に興味があったのと、Googleとくっついたmotoloraだけにリファレンスに近いモデルなのではないかと期待して購入してみました。ここではGT-P1000やArchos 80 G9等と比較しながら書いていきたいと思います。製品の詳細リンクはこちらになります。

■ハードウェア
 まず最初に驚いたのは箱の形状でした。motorolaの最近の端末はISW11M PHOTONのように真四角から角を少し落としたような8角形をしているのですが、箱の形状がその外観とぴったり一致するサイズの8角形の化粧箱になっていました。開けるとちょうどぴったりに収まったMZ607が現れるという感じです。添付のMicroUSB充電ケーブルのコンセント形状は国内と同一で100V対応なのでそのまま使えるものでしたが、今回handtec(UK)から輸入した関係でUK用のアダプタが同梱されていました。充電ケーブルの出力は1.6Aなので通常のPCやUSBハブからの充電では出力が足りないので注意が必要です。

 8.2インチ1280×800のIPS液晶搭載で最厚部8.9mm、390gを切る重さというスペックから想像するよりも、持った感じの第一印象は重かったです。他のタブレットの多くとは異なり、背面に金属プレートがはめられており、周辺部だけ樹脂になっている構造から重量バランスの関係で重く感じたのかもしれません。防滴仕様ということもあり樹脂部分は手に持って滑りにくい素材が利用されているように感じました。本体は縦持ち前提のデザインになっていて、横幅は139mmとGT-P1000に比べ18mmほど広めですが、サイドが薄くなっている形状のため指が回り込んで無理なく片手持ちが可能になっています。樹脂部分の滑りにくさと合わせて比較的持ちやすい印象を受けました。液晶ベゼルも他機に比べて幅が狭い印象になっているので、持ちやすさへの配慮がされていることが伺えます。

 液晶自体はIPSだけあって明るく発色も良く見えますが、Galaxy Nexusのスクリーンを見慣れてしまった目にはどうしても解像度は表示される文字を見てしまうと低く粗い印象になってしまいます。ただ動画や写真の表示ではほとんど粗さを意識することはありません。タッチスクリーンは非常に反応も良く、10点のマルチタッチに対応していることが確認できました。指紋や反射はやや目立ちやすい方だと思いますので、保護フィルムで工夫する方が良さそうです。スクリーン形状が特殊なのできれいに貼ろうとすると今のところ自分でカットするしかないのが少し残念かもしれません。

 本体のボタン類は少なく、本体上面にステレオスピーカーとヘッドホンジャック、下面にスピーカーとMicroUSB・MicroHDMI端子があります。MicroSDスロットは既報のように端子カバーはあるもののスロット自体は塞がれており利用できません。3G対応モデルではSIMスロットと合わせて利用できるようになるのかもしれません。本体左右横はラウンドさせたデザインのためか端子類はなく、本体右背面に当る部分に電源ボタンとボリュームキーがあります。最初若干使いにくいと思いましたが、慣れればクリック感も結構あり位置が触感でわかりやすいためあまり気になりません。背面上部中央には500万画素のあまり画角の広くないカメラとFlashライトが設置されています。フロントにも上部中央にカメラがあります。防滴とはいえUSB/HDMI端子はむき出しなので水には注意した方がよさそうです。

 起動時間は以下のような感じです。まずまず速いかなと言う感じです。
 電源長押し→2秒→motorolaロゴ→8秒→motorolaロゴ動画→21秒→ロック画面(合計約31秒)

■ソフトウェア
 Androidバージョンは3.2になっています。カーネルバージョン 2.6.35.7-g3086f79 w20269@zch68Inxdroid04 #1、ビルド番号 1.6.0_218.3-MZ607、Firmware configration version GAS_EMEA_UCATBLT1WIRTCOREEU_P004となっています。システムの初期設定時から日本語は選択可能で日本語で設定等を行うことは可能ですが、IMEは組み込まれていませんし、フォントもCJKフォントになっています。設定では独自項目として「printer setting」「ホルダー」が追加されており、MOTOPRINTに対応したプリンタより出力ができるようになっています。MOTOPRINTはWindows用のアプリケーションも用意されておりこちらからダウンロードや詳細確認が可能です(英文)。ホルダーはドック接続時の動作を設定する項目です。MZ607はUSBホスト機能にも対応しているため、USBマスストレージやUSB Ethernetが利用できるようになっているようです。ストレージ設定に8コまでのUSBストレージの項目があり、無線とネットワーク設定にEthernet設定があります。音の出力ではスピーカーとヘッドホンジャックで別々にエフェクト設定が可能になっています。この辺の追加機能は嬉しいところです。

 標準のブラウザやホームの動作は十分快適と言えるレベルだと思います。OMAP4430搭載ということですが、Archos 80 G9よりもメモリが多いことで安定してより快適な操作ができているように感じます。MZ607にはプリインストールアプリも各種あるのですが、主にビジネス向けと思われる用途のソフトが多いことが特徴でしょうか。EvernoteやQuickOfficeとはじめ、CitrixやFUSE Meeting, GotoMeeitngなどオンラインで端末操作や会議ができるアプリが組み込まれています。それでも標準アプリも含めて全部で29コと昨今の国内キャリア端末に比べるとプリインストールはそれほど多くないなぁと思ってしまいます。

 動画に強いOMAP4430搭載ということで、動画再生試験もやってみました。とりあえず再生してみて驚いたのは、MZ607ではスピーカーが前述のように縦持ち上面左右に1つつずつ、下面に1つの合計3コ付いていることで、縦持ちでも横持ちでも左右位置になるスピーカーが鳴ることでステレオ効果をしっかり出してくれる設計になっていることでした。動画再生はギャラリーで通常行いますが、再生途中で画面の向きを変えてもちゃんと再生スピーカーが切り替わりステレオ効果を出してくれます。これは非常に素晴らしい設計だと思いました。DLNAアプリについてはTwonkeyがプリインストールでアイコン設定されていますが、これはトライアル版のダウンロード用で実際のアプリはインストールされていません。今回はskiftaをダウンロードし標準の環境で再生してみました。ローカル再生については後述します。DLNAサーバはMacOSX上のPlayback1.8.8。mp4は全てWebOptimizedなファイルです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
  P) MP4 60fps w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  Q) MP4 60fps w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

DLNA再生
 F,G,H,I,J,K,L,M,N,O,Pが再生可能。avi,mkvは再生不可。Qはロードするも再生始まらず。
 Pは再生したもののネットワーク状態にかなり依存しそう。

 aviとmkvは全く再生できずで、mp4もWiFiの状況に左右されやすい印象を受けました。受信感度が著しく悪いという感じではないのですが、特に720p以下の動画でも再生の一番始めだけ若干コマ落ちするケースがランダムに発生していたため、バッファの確保と再生開始までのタイミングなどで何か問題があるのかもしれないと感じました。

 さて、動画のローカル再生についてですがMZ607にはMicroSDがついていないことで、本来Android3.xの端末としてはAndroid File Transferで動画転送などを行うのがデフォルトの仕様になると推測されるのですが、MZ607はMacのAndroid File Transferから認識されませんでした。よくわかってないBlogさんの記事によるとWindows7のexplorerからは内部ストレージが確認できるらしいので、MTPは有効になっているのではないかと推測するのですが、マスストレージ設定もないためMacではそのままで内部ストレージを参照することができません。motorolaは専用のアプリMotoCast USBを用意しているため、こちらでテストファイルを転送しようと思ったのですが、Windows Phone 7 connectorのように一部動画を変換転送してしまう仕様のようなので、そのままテストができませんでした。そのためこの試験については後日追記したいと思います。

 ちなみにMotoCastアプリの利用をすることで、MacやWindows上のメディアを端末に同期することができるようになるのですが、デフォルトではMotoCast Wirelessの設定に誘導されアカウント登録が必須と言われてしまいます。USB経由でのメディア同期のみ実現したい場合には、MotoCastアプリを一旦起動した直後にアカウント登録などを行わないままアプリを終了し、その後USBでMZ607をMacに繋いだところMotoCast USBが単体起動しアカウント登録不要で、iTunesのコンテンツを同期する設定を行うことができました。MotoCast Wirelessはインターネットを経由してPC内のコンテンツをモバイル端末で利用できるようにする機能であり、動画のストリーミングがサポートされているなどOrb等に近い仕組みと言えます。デフォルトでPC内のドキュメントなどを共有可能にする設定がされているので使用には注意が必要です。個人的にはUSBで同期する機能とごっちゃにすることなく、安全管理面から個別のアプリとして欲しいなと思いました。うっかりするとよくわからないままPC内のデータをネット上から(アカウント認証はもちろんあるものの)参照可能にしたままにしてしまうことになるので、あまり望ましいものではないなと感じました。

■まとめ
 個人的にはMZ607の大きさや重さ、ハードウェアの作りなどはなかなかいい感じだと思いました。初めてタブレットを使う方にもあまり不満なく使える性能を持ったデバイスではないかと思います。少なくとも現在入手可能なタブレット端末としては最高レベルであると言えると思います。しかしながらディスプレイの解像度はやや物足りないと感じてしまいました。ハンドセットのスクリーン解像度がHD化することで、タブレットが粗く見えてしまう状況はこれからどんどん増えてくるのだと思います。高解像度の液晶にするか、解像感の高い有機ELで圧倒的な輝度でキレイに見せるか、タブレット端末はスクリーンのブレイクスルーが必要とされてくるように感じました。もうすぐ有機EL plusを搭載したGalaxy Tab 7.7が出てくると言われているので、個人的にはこちらにも期待したいと思いました。

 現状ではGalaxy Tab 7.0 Plusが直接比較対象になる機種だと思いますが、個人的にはMZ607の方がハードウェアとしては魅力的だなと思いました。ただ価格的には手放しで褒められるほど安いわけではないので、もう少し攻めな価格設定を期待したいところです。XOOMのリリース経緯からMZ607が発売される可能性があるとすればauからなのでしょうが、iPadの販売を計画しているという噂もありますので、正直なところ国内一般販売の見込みは販売戦略上厳しいと感じてしまいます。プリインストールアプリを見ても法人向け等の限定したマーケットであればあり得るかもしれませんが、いずれにしても一般的には入手が難しいということになりそうな気がします。初代XOOMのようなリファレンス的存在でもないということのようなので、サイズ的にどうしてもこれがいいということでない限り、敢えて輸入してまで入手する必要がある端末ではないかもしれませんね…。

【追記】ローカルストレージでの動画再生試験について
 Windows7環境でMotoCastをインストールすることでExplorerからMZ607の内部ストレージにアクセスできるようになったので、ローカルストレージでの動画再生結果について書いておきます。Widnows7ではMZ607をUSBケーブルで接続すると少し間を空けてCDドライブとしてMotoCastのインストール領域が自動でマウントされてきます。ここからMotoCastのインストーラを起動してアプリをインストールするのですが、javaが必要らしくインストールされていない場合は先にjavaがインストールされます。MotoCastのインストール過程でUSBドライバがインストールされることで、インストール完了後にExplorerから内部ストレージが参照できるようになります

 今回は内部ストレージのVideoフォルダにテストファイルをコピーして再生しました。MotoCast USBと違って勝手に変換操作はされませんが、コピー動作の際に「再生できないかもしれないがコピーするか」という趣旨のダイアログが表示されるので無視してコピーを続行します。転送したファイルは上記のA〜Qの全ファイルです。実際の再生はギャラリーアプリから行います。MZ607ではギャラリーと名前の付くアプリがAndroid標準のものとMotoCast用の2つ存在するので、MotoCast IDを要求してこない方のギャラリーアプリを利用します。以下が再生結果でした。

ローカル再生
 Bを除いて全て再生可能。Bは音声のみで映像は黒画面まま。
 Qは再生可能なもののコマ落ちかなり有り。実用は厳しい感じ。

 驚いたのはDLNA経由では再生できなかったファイルもローカルコピーしてしまえば再生できてしまったことです。これまでの事例ではおよそDLNAとローカルで再生可能ファイルタイプに大きな差異が出ることが少なかったのですが、結構顕著なのでびっくりしました。ひょっとしてskiftaとの相性でDLNA再生できなかったのかと思い他のuPnPlay等も試してみましたが、結果は変わりませんでしたので、どうもMZ607ではDLNA経由とローカルファイルではビデオファイルの取扱いが異なっているようです。とりあえず1080p 60fpsのような高画質ファイルでなければ、ローカルに転送さえしてしまえばかなり快適に再生可能なので安心しました。ただ、こうなると内部ストレージにアクセスする手段がわからないMacでの使い勝手が残念に思えてきます。標準手段として用意されているはずのAndroid File Transferでアクセスできるようになることを期待したいと思います。

 ついでにMac側でMotoCast USBで転送した音楽をいつものVictorのHA-FXC71-Bで再生して音質も確認してみました。MZ607ではヘッドホンジャックの出力に標準で3D Stereoエフェクトがかけられているので、まずはこちらを設定>音>Enable audio effectからチェックを外しオフにします。その上で試聴したところ、MZ607ではかなり中低音にウェイトが置かれているようで密度感があり重心の低めな比較的柔い印象の再生という感じでした。やや高音域が物足りない感じでトゲトゲ感はないものの抜けや伸びやかさに欠け曲によっては少しこもった感じに聴こえてしまいました。中低域を重視して全体的に柔らかな印象があるので映画やアニメを連続視聴しても聴き疲れしないようなチューニングなのかもしれません。Media Editionという名前にもちょっと納得できる印象です。ローカル転送して再生をする限りかなり動画視聴に向いた製品と言えそうですね。

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WordPress 3.3にしたら関連記事が表示されなくなった

■WordPress 3.3にしたら関連記事が表示されなくなった
 アップデートしたらYARPPで表示していた関連記事が表示されなくなってしまいました。ダッシュボード内でも「関連記事がありません」になっているので、何かデータが破損した可能性があるようです。Contextual Related PostsやSimilar Postsでも関連表示ができないので、データベース側の問題なのかなと疑っていますが、まだ解決のメドがたっていません。

 しばらく関連表示ができない状態が続くかもしれませんが、悪しからずご了承ください。(´・ω・`)

【追記】とりあえずSimple Tagsの関連記事機能を有効にしてみました。
【追記2】12/17 YARPPを3.4.2に更新したら直った模様…ちょっと様子見。

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■docomo ARROWS X LTE F-05D ラウンジ版レビュー
 今週末発売になるF-05Dの実機を見てきたのでレビューを書いておきたいと思います。前回SC-04Dを見に行ってきた時には展示が始まっていなかったのですが、現在は4台が有楽町のdocomoスマートフォンラウンジに展示中です。Optimus LTEやGalaxy SII LTEと少し離れて展示されており、展示カウンターの一番奥とちょっと気付きにくい配置になっていました。他のNEXTシリーズと離されている理由はわかりませんが、LTE機種の中では予約も一番人気ということなので特別扱いなのかもしれません。やはり機能てんこ盛りの全部入りというところが人気がある理由ですねと説明員さんが話されていました。その説明通り本当に機能いっぱいアプリいっぱい常時起動タスクいっぱいという感じで、それぞれ書き出していたらとんでもないことになりそうなので、気になったポイントに絞って書いていこうと思います。

 こちらも合わせてどうぞ
 docomo ARROWS X LTE F-05D 追加レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1869

■ハードウェア
 実機の第一印象はXperiaシリーズっぽい?という感覚でした。機体デザインの印象がこれまでの国産機種の中では比較的スマートで好印象だなと感じました。画面のデザインもマッチして少し垢抜けた感があります。薄いのは薄いのですが、華奢な感じはなく安心して持っていられる印象です。4.3インチ1280×720の液晶ディスプレイはとても精細感があり、発色も良く美しい表示だと思いました。タッチパネルの反応も非常に良く指の動きに期待通りに反応してくれます。ホーム画面を操作している限りもたつくようなことはありませんでした。他のOMAP4430を採用している機種に比べても全般的な反応はいい方ではないかと感じました。ただSC-04Dと比べると皮脂はやや目立ちやすく汚れた感じが割と出てしまうので、気になる方は保護フィルム等で工夫をした方がいいかもしれません。タッチ操作をしてすぐに気付くのが液晶表面温度が極めて高いことです。充電しながらの操作だからかと思い、充電ケーブルを抜いてしばらく使ってみたのですが思うほど温度は下がりません。背面カメラ近辺が熱くなるスマホはいくつかありますが、F-05Dは背面カメラ付近だけでなく当該部位の前面液晶表面がめちゃめちゃ熱くなります。少なくとも充電しながらの操作は液晶の寿命を著しく損なう可能性があると感じました。評価機だけの現象ならいいのですが、発売された実機も同様だと長期使用には液晶の耐久性の面において少し不安があるのではないかと感じます。

 液晶下には物理ボタンが3つ、左からメニュー・ホーム・戻るボタンになっています。ボタン自体は可もなく不可もなくという感じですが、スクリーンとボタンの大きめの間にアイコンがあるため、タッチ式に慣れているとボタンを押す代わりについアイコンの絵図をタッチしてしまって操作がうまくできず、はっとすることがしばしばありました。他の物理ボタン類は少なめで、本体左側面に上から電源キー・ボリュームキー(どちらも極小)、本体下部には何もなし、右側面下にストラップホール、上面には左からヘッドホンジャック・MicroHDMI・MicroUSB・ワンセグアンテナとなっています。ヘッドホンジャックとHDMI/USB端子はカバー付きなのですが、防水使用のため若干きっちりはめにくい構造になっているので注意が必要です。充電はMicroUSBを使う方法と、本体背面下部にある充電端子を利用して専用クレードル経由で充電する方法があります。防水性能を維持するためにも専用クレードルが利用できるのは嬉しいところです。

 本体背面上部中央にExmor R for mobile採用の1310万画素のメインカメラがあり、そのすぐ下にLEDフラッシュが用意されています。前面液晶の右上に130万画素の前面カメラも用意されています。カメラ操作の設定画面はかなり使いやすく、設定可能な項目も多く利便性は高いと思うのですが、レスポンス面については際立った印象はないという感じです。残念ながらXperia ArcやGalaxy Nexusと比べて、カメラのレスポンスはあまり早くは感じません。シャッターを押してAFに1秒くらいかかってシャッターが切れるという感じです。設定で在る程度改善される(最大サイズで撮影しないとか)でしょうし不便というほどではありませんが、動きの速いものを撮影するのには向かないと言う印象です。ワンセグの受信感度はアンテナを最大まで引き出さなくても表示できたなど比較的良好な印象でした。画像は液晶が高精細になってしまっている分やはり粗く見えてしまいます。一応動画の高画質化設定もあるのですが、あまり有効に効いていないように感じました。チャンネルの切替や縦横向きの切替の際にはやや時間がかかる印象でした。

 起動時間は以下のような感じです。起動は最近の機種としては遅めで、ロゴ大杉な印象です。
 電源長押し→8秒→docomoロゴ→22秒→Xiロゴ→3秒→docomo NEXT seriesロゴ→2秒→
 防水警告画面→3秒→ARROWS動画ロゴ→7秒→ロック画面(合計約45秒)

■ソフトウェア
 Androidバージョンは2.3.5、カーネルバージョン 2.6.35.7 build@rx600s4-05 #1、ベースバンドバージョン C_L1_024、ビルド番号 V12R22Gとなっていました。日本語入力システムはNX!input ver.3.0.0、ATOK ver1.1.1となっています。NX!inputは標準で中国語(簡体字)と韓国語にも対応しており、入力設定で設定が可能になっています。本体内蔵ストレージは4.10GB、初期の空き容量は3.71GBとなっていますのでかなり余裕がある印象です。ちょっと驚いたのはシステムメモリの表示で、合計容量が1.92GBとなっており空き容量が1.77GBとなっていました。たしかF-05Dの内蔵容量は8GBと言われていたので、2GB分が見えていないようです。どのようなパーテーション構成になっているのか非常に興味深いところです。また同じメニュー内にUSBマスストレージという項目があり、USBストレージがマウントできるようになっていることが明確にわかるようになっていました。ただし「複数挿入時は1台のみマウント」と書いてあるため、同時にマウントできるのは1台のみに制限されているようです。

 F-05Dは国産端末らしく相当にカスタマイズが施されており、アプリもてんこ盛りで起動直後からすごい数のプロセスが立ち上がっています。展示機のホームはNX!UIがメインになっていましたが、ホーム画面からしてアプリ一覧などにソート機能追加して縦横スクロールでカテゴリ別にアプリ表示したりする工夫がしっかり入っており、69個もあるプリインストールアプリが(たぶん)わかりやすく整理されるようになっています。再起動直後は30のプロセスが実行中状態で表示され、842MのRAMのうち267M(約32%)を何もしないのに使ってしまっているという感じです。ちなみにNexus Oneの標準状態のAndroid2.3.6では起動直後の実行中プロセスはたったの5つで、元より多くないメモリ容量356Mに対して使用メモリは82M(23%)程度です。いろんな意味で贅沢にリソースを使っているというか、無駄遣いしているというか…テレビや目覚まし・TUTAYA TV・HDMI・PVWmdrmProxyなど常時起動しておく意味が薄いものがたくさん立ち上がっているので、もう少しなんとかした方がいいのではないかと思いました。

 設定メニューにもいくつか項目が追加されており、マイプロフィール・初期設定・ドコモサービス・マルチメディア・自分からだ設定などが使えるようになっています。マイプロフィールでは誕生日や性別、身長体重まで登録するようになっており、健康管理サービスと連動するためとはいえ、昨今のAndroid端末を取り巻く情勢を考えるといろいろな意味で恐いなぁと思ってしまいました…。個人的に設定関連で追加された中で一番実用的且つ興味深いなと感じたのは、無線とネットワーク項目に追加されたFMトランスミッタ設定でした。F-05Dには音楽をFMで飛ばせるFMトランスミッタ機能が搭載されているので、カーオーディオでも気軽にケーブルレスでスマホ内の音楽再生が可能になっているのは嬉しいところだなと思いました。この機能は富士通の製品ページでは紹介されているのですが、docomoの製品ページには見当たらないので、ちょっともったいないなと思います。

 アプリという観点からカメラ機能をもう一度書いておこうと思うくらい、カメラ設定には多彩な設定が可能になっています。カメラは専用のシャッターキーがないので画面内の撮影アイコンをタッチして撮影します。撮影アイコンの近くには一般的なズーム・タイマー・撮影サイズ・フラッシュ・WB・設定のアイコンが並びます。そして画面反対側にひき出しして使う詳細な設定画面が別に用意されており、撮影モード・笑顔シャッター・シーン別撮影・エフェクト撮影等の追加機能が様々設定できるようになっています。特にエフェクトではHDRやクロマキー・魚眼・トイカメラなど遊べる機能が充実しており非常に面白そうです。標準撮影でも比較的広角なレンズになっているようでかなりいい感じだなと思いましたが、エフェクトを駆使するとそこそこのデジカメにも負けない写真がいろいろ楽しめそうです。

 ブラウザの動作はLTEの高速なデータ通信もあってかかなり軽快で、スクロールやピンチズームの反応も十分いいと思いました。ただ大きなFlashのあるページではズーム等の再描画時に一瞬ブラックアウトしたり、意図しない位置に飛ばされたり、最悪ブラウザが落ちることがあったので注意が必要そうです。ブラウザでのフォントは標準でUD新丸ゴが使われているようで、DroidSansが使われる場所ではCJKフォントっぽいゴシックになりますが、ちゃんと日本の字体になっているので安心です。Androidブラウザではあるページで拡大表示にして、次のリンクをクリックするとまた最初の表示倍率に戻されてしまうのが一般的ですが、F-05Dではページを拡大縮小する際に画面左下に表示される「虫メガネ+鍵」のアイコンをクリックすることで、リンクを遷移しても拡縮率を変えずにページを表示できる機能が追加されていました。F-05Dの追加機能なのかF/T系端末にはある機能なのかわかりませんが、今回初めて気がつきました。これはかなり実用的で便利だなと思います。

■まとめ
 これまでのF/T系端末の実績からいろんな意味で心配な端末だったのですが、少なくとも今回試した限りでは機能てんこ盛りの割にはアプリはスムーズに動作しておりある程度は安定して利用できそうな印象でした。どちらかと言えば本体が異常に熱くなることや多いとは言えないバッテリー容量などハード的な面での心配が残るという感じです。無駄なプロセスを停止し、消費電力を抑えてメモリを空けておくための工夫がうまくできれば、割といい評価になる端末ではないかと思いました。条件が出た頃合いでL-01Dを購入するつもりでしたが、正直機能的な面でF-05Dにもちょっと興味が出てきてしまいました。ラウンジでは試せない実稼働可能時間や長時間稼働後の安定性、OMAP4430を搭載しているので動画再生などの状況が見えてくれば(まだF/T系端末には気を許せる状況ではないと思いますが)ちょっと考えてもいいかなと思ってみたり…。

 Android端末開発ではずっと世界に後れを取ってきた国内メーカーですが、この秋冬モデルで一気にハードスペック的には世界レベルに追いついた気がします。ただまだソフトウェアの親和性や安定動作にはいろいろ課題を抱えていると思われるので、ソフトウェア面での改善(シンプル化&安定化)を強く期待したいと思っています。Galaxy Nexusのように可能な限りキャリア依存アプリを排除してシンプルに安定して利用できるような端末も並行して開発してもらえると、世界のマーケットも同時に狙うことができていいのではないかと思うのですが…国内のケータイ開発の状況を考えるとまだ難しいのですかね…。

 ともあれ、ラウンジの方の話では冒頭で書いたようにLTEでは一番人気で予約がいっぱい入っているそうなので、来週にはいろいろな実機レポートがネットで見られるようになると思われます。本当に機能やデザイン面では魅力がある端末なので、ぜひとも安定動作して欲しいと心から願いつつ、発売の様子を見てわくわくしたいと思います。

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■Carrier IQのチェックをしたメモ
 いろいろと話題のCarrier IQですが、とりあえず手元の3G対応Android端末をチェックしてみたのでメモ。チェックツールはxdaからダウンロードしたLogging Test App v7。

■チェックした端末
・Nexus One(公式ROM 2.3.6)
・Galaxy Nexus GT-I9250(公式ROM 4.0.1)
・Galaxy Tab GT-P1000(P1000XXJPZ)
・001HT(公式ROM2.3.3)

■結果
 とりあえずCarrier IQはどれも発見されなかった。001HTのみHTCのログツールは当然のように発見された。いろいろログファイルがリストされて興味深かったが、Galaxy Nexusだけはツール自体がAndroid4.0に対応していないのか、一切検出されることがなかった。

 とりあえずCarrier IQの件を持ってAndroid終了は言い過ぎ。UK版SIMフリー端末や日本のHTC端末にも入ってはいないようなので、やはりUSの一部キャリア限定の話ということでAndroid全体の話ではないことが確認できた。

 障害解決のためユーザの行った操作の詳細な情報が欲しいということは、製品の不具合等でユーザ対応をした経験がある人なら誰しも思うことであろうから背景を理解できないわけではない。携帯に限らずPCも同様で、問題が発生した時にそれまでに行った操作を適切に説明できるユーザは極めて少ない(良く訓練されたテスターはそれが可能だったりするが)ため、ログが問題解決に非常に有効であることは否定できない。本当に必要且つ適切な運用ができると考えるならば、何のためにインストールされ、誰のために役に立ち、どうすればそれを有効/無効にできるのかをユーザに適切に説明すればよい。それをしないのはただの怠慢と受け取られても仕方ない。新築の家の全ての部屋に隠しカメラが仕掛けられていて、全ての行動が録画されていた事実を後から知らされた時に、それが住宅購入者の利便性向上のために必要なことだったからと言われても誰一人納得する人はいないだろう。携帯の全操作を把握できるというのは、それに近いことをやっているのだと事業者は理解する必要がある。本当にユーザにとって利便性のあることであるなら、適切な説明をすることでユーザは選択することができる(受け入れさせることが前提であってはいけない)。

 個人的にはロギングツールが携帯電話のパッケージに含まれていること自体には否定的ではないが、それには原則機能が無効化されている前提で、必要な際に有効にするか無効のままにするかが自身で選択できる必要があると考える。AppleやMSはOSの標準機能としてアプリケーションがエラーになった際にレポートを送信するかどうか選択させるようにしているが、そうした解決方法が既に浸透しているにも関わらず、Carreir IQをこっそり潜ませるようなやり方をした一部キャリアは責められて然るべきなのかもしれないと思う。

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