■au 2012春モデルで気になったことメモ
 先日発表になったau 2012春モデルですが、発売前から某店でMNP一括0円になっててびっくりなISW11SCとか、縦に伸びてるINFOBAR C01とかがちょっと気になったので、久しぶりにKDDIデザイニングスタジオに見に行ってきました。そう言えばリニューアル後初ということでいろいろと期待してみたのですが、iPhone売ってるのと2Fへの階段とシート周りが増えたくらい?しか大きな変化を感じなかったり。説明員さんは相変わらず新製品の勉強が追いついてないしもうちょっと本質的なところでがんばって欲しいと思ってみたり…。とりあえず今回は単独レビューなしです。順番は個人的に良かった順です。

■Samsung Galaxy SII WiMAX ISW11SC
・Androidバージョン 2.3.6
 ベースバンドバージョン ISW11SCKDLA2
 カーネルバージョン 2.6.35.7-ISW11SCKDLA2-CL852258
 ビルド番号 GINGERBREAD.LA2
 ハードウェアバージョン J001.08
・全体にデザインがシンプル重厚感があって好み
・auの新ロゴがすごく目立つ
・思ったより厚みは感じないし背面のカーブは持ちやすい
・背面のヘアライン加工がすごくかっこいい
・サイズは大きい…が…Nexus使ってるから気にならないw
・戻るボタン等操作が片手ではしにくい
・反対側のボタンを親指で押すと誤タッチがかなりの頻度で起きる
・スクリーンの操作感や反応は非常にいい
・ディスプレイの表示品質は今回の機種では一番いいと思った
・カメラの反応が速い Nexusと同じ感じ
・本体がやや熱を持っているように感じた WiMAXのせい?
・サムスンアプリいっぱい…auアプリいっぱい…
・NFCメニュー,NFCタグリーダーとは別にタグ情報というアプリが…?
・ドック設定は顕在…これ用のドックあったりするのかな?

■Sony Ericsson Xperia Acro HD IS12S
・Androidバージョン 2.3.7
 ベースバンドバージョン M8660-AAABQNLYM-314003T 1 [Nov 28 2011 17:00:00]
 カーネルバージョン 2.6.35.11-307003+ SEMCUser@SEMCHost #1
 ビルド番号 6.0.D.0.193
・結構持った感じ厚めに感じる印象
・白黒マットでピンクはツヤ背面…マットの質感はいい感じ
・液晶は精細感あってキレイだが寒色メインで寂しい印象が…
・ISW11SCに比べ発色が大人しいので展示比較で不利な感じ
・ボタン類の配置が結構微妙…ボリュームキー下すぎて使いにくい位置
・横置きでワンセグ見る時に便利な配置になってる?
・カメラボタンも押し込み時シャッター切りにくい…手振れしやすくなる
・カメラ自体の速度は速くAFも素晴らしい
・タッチシャッターでの撮影がオススメ
・ストラップホールは下面中央で便利そう
・モデル番号がLT26iになってた…
・AStro File Managerが標準装備?

■LG Optimus X IS11LG
・Androidバージョン 2.3.7
 ベースバンドバージョン IS11LG_V10b_MDM6600
 カーネルバージョン 2.6.36.3
 ビルド番号 GINGERBREAD.GWK74
 ソフトウェアバージョン V10b-DEC-18-2011
・液晶解像度はHDではないが思ったほど粗く感じない
・発色はやはりキレイな印象
・黒の背面マット質感はAcro HDには劣る
・ハードウェアデザインはボタン類含めて悪くない感じ
・しかし高級感はあまりない
・ワンセグアンテナがすごく…長い…です…
・突出したものはないが無難な選択機種という感じ
・もう少し薄いともっとインパクトあったかもしれない

■SHARP INFOBAR C01
・Androidバージョン 2.3.5
 ベースバンドバージョン 01.00.00
 カーネルバージョン 2.6.35.7-perf nbproj@TGX33001 #1
 ビルド番号 01.00.00
・これは伸びる!…縦に!(これ以上伸びません)
・バータイプで非常に持ちやすいと感じる
・しかしプラスチッキーな感じはA01と共通
・テンキーいろいろと微妙だがクイック起動割当は便利そう
・しかし誤作動しやすそう
・戻るボタン等をアイコンでなくBACKとか英語表記って…
・スマートファミリンクあったw
・液晶は精細感あってキレイ
・だがUIアプリの文字小さい感じ トグル操作もしにくい…
・123キーを使ったカメラ操作はなかなかいい感じ
・右側面下にINFOBARって書いてあるのがかっこいいなぁw
・使いにくいけどデザインで売れるだろうなw

■Motorola RAZR IS12M
・Androidバージョン 2.3.6
 ベースバンドバージョン u_04.06.08s
 カーネルバージョン 2.6.35.7-g9552eb4 w21679@zkr30Inxdroid18 #1
 ビルド番号 6.5.1-134_SWK-63
・一見してディスプレイの解像度が粗くて残念すぎる…
・Acro HDの横に展示するとかなんなの…並び考えようよ…
・周囲を囲う感じでラインで入っているラバー素材がいい感じ
・背面とかデザインは人によって好みが分かれそう
・薄いというより平たい…?
・使用者の反復操作を学習するのは面白いけど…
・ソフトウェアのモトカスタマイズデザインが微妙な印象…
・RAZR好き以外にはどうなんだろう…

 ということで、新しいauを象徴するはずの春モデルですが個人的にはあまりそそられない感じのインプレになってしまいました。カメラがすごく感動的だったAcro HDの白は安くなったら欲しいかもって感じですが、Xperia S/NX辺りを買ってしまいそうな気もちょっとしてたりしてなかったり。「あたらしい自由。」をスローガンにして料金戦略などいろんな意味で変革を進めているauですが、個人的に一番欲しいのはキャリアプリインストールアプリからの自由かもしれません。入れるなとまでは言わないので、せめて不要な人はアンインストールしても差し支えないような仕様にしてもらいたいものです…。

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■au MOTOROLA PHOTON ISW11M レビュー
 ITmedia +D Mobile主催の「MOTOROLA PHOTON タッチ・アンド・トライ ブロガーミーティング」に参加してきたのでレビューを書いておきます。実はこの端末CEATECでももちろん見てきたのですが、こちらのイベントの予定が入っていたのであまり詳細にはチェックしなかったのでした。MOTOROLA社のプレゼンと合わせて実機にじっくり触り質問もできたのでとても良いイベントでした。

■ハードウェア
 手に持った第一印象は幅広でガッチリという感じでした。4.3インチqHDの大きな画面とそれを取り囲むメタルフレームが相当に強固でしっかりしたインパクトを与えてくれます。その割にひどく重く感じないのは背面カバーの樹脂素材のラウンドデザインと柔らかなマット感によるものかもしれません。手に馴染む感じですべって落としそうなこともなく、安心してホールドできると思いました。プレゼンにあった高級感まではパッケージングには感じませんでしたが、高品質であるとは思います。ディスプレイ自体は非常にキレイで視野角もとても広く表面反射もある程度抑えられているように感じました。タッチ操作の反応も安定感があり非常に好感触です。液晶周辺のメタルフレームが液晶面より少し盛り上がっているため、ホールド感は大振りな感じになってしまってるのですが、むしろ保護ケースを付けているかのような感覚で、ちょっと落としたくらいでは液晶面にはあまりキズがつかなそうな気がします。とはいえ素でそんな感じなので、ケースを付けたりすると女性の手には少し大きすぎるかもしれません。

 ディスプレイ下にはタッチ式ボタンが左から、メニュー・ホーム・戻る・検索と4つ並んでいます。本体の角が少し削れたようなデザインになっているためか、大きさの割に意外と操作しにくい感じはありませんでした。物理的なボタン類は本体右側面に上からボリュームキー・シャッターキー、どちらもボタンに筋がデザインされており使いやすい感じです。上面には左から電源・ヘッドホンジャック、右側面には上からMicroUSB・MicroHDMIとなっており、下部には背面カバーを空けるスキマがあるくらいです。比較的シンプルな印象ですね。ボタン操作も比較重め?でしっかりした印象でした。ISW11Mはクレードルが別途用意され、本体右側面のUSBとHDMI端子を挿入して利用できるようになります。後述しますがその状態でWebTopというMOTOROLAオリジナルのUIを利用することができます。

 バッテリーは1650mAということでスマホとしては大きめ、WiMAXテザリングで240分、3Gテザリングで210分という接続が可能になっているそうです。ただし通常待ち受け時間は210時間とちょっと短めで使い方によっては微妙なところかもしれません。カメラは背面800万画素・前面30万画素となっていましたが(注:当初200万画素と記載していましたがITMedia社よりカタログスペックの記載ミスと訂正メールをいただきました)、低解像度の割にはカメラ切替して前面カメラで表示された画面を見るとノイズも少なくキレイに見える感じがしました。CPUスペックの高さもあってか写真撮影時のAFも素早くスムーズに撮影が可能でした。ただしカメラで設定可能な項目は少なくオプションも少し寂しい感じで、カメラ重視の方には物足りないかもしれません。LEDフラッシュも2コ付きでスペックは悪くないだけにカメラ機能の向上はぜひ実現してほしいところです。

■ソフトウェア
 Androidバージョンは2.3.4,カーネルバージョン 2.6.32.9-00129-gd2042d5 w21120@zkr30Inxdroid20 #2、ベースバンドバージョン N_02.28.15P、ビルド番号 4.5.1A-1_KDI-92_LE-24となっています。ISW11Mに特徴的な項目としてシステムバージョン 45.1.24.ISW11M.KDDI.en.JPという項目と、WebTopバージョン WT-1.2.0-131_29という項目が追加されていました。日本語入力はiWnn IME Ver.2.1.4.jp-Moto-s03となっています。ホームも含めてUIはかなりカスタマイズされており、MOTOBLURというSNSやメールなどのコミュニケーションを統合するアプリと合わせてMOTOROLA製スマートフォンらしい味付けがされています。MOTOBLURについては他のレビュー等を参考にしていただくとして、個人的にはWP7のPeople HUBの方が使い勝手や見通し感はいいなぁと思ってしまいました。MOTOBLUR対応のおかげか、アカウントセットアップで登録可能なサービスは非常に多く、他機種ではあまり見かけないOrkut・LastFM・Photobuket・WindowsLiveなどが利用できるようになっていました。これはユーザには嬉しい部分かもしれません。

 カスタム面でちょっと面白かったのは、内部ストレージ16Gがアプリケーションストレージと内部ストレージに分割されていること。端末容量設定画面で別々に分かれて空き容量が表示されています。ちょっと見ると16Gじゃないの?って驚いてしまうかもしれません。おそらくWebTopの領域が更に別に確保されていると推測されます。また設定にあるアカウント追加メニューが単独アプリケーションとしても用意されており、アカウントという名前になっていました。バッテリーとデータ管理・HDMIなど独自設定メニューになっている項目もあり、使いやすくしようという努力が感じられます。アプリの名前も独自訳が多く、カムコーダーとかテキストメッセージングとか他のスマホではあまり見ない名前になっているものがいくつかありました。その中でも直球だなと思ったのはDLNAアプリで、まんま「DLNA」という名前でアプリになっています。実際の動作確認まではできなかったもののクライアント・サーバ・コントローラと3種類全ての役割が含まれているようです。UIが非常に残念で、必要最低限揃えました、とりあえず使えますという感じ。これについてはもうちょっと工夫してくれてもいいのにと思ってしまいました。ただ特徴的なところとして設定項目に「Xboxのサポート」という項目があり、明示的にXboxへのDLNA接続に対応しているようでした。

 さて、MOTOROLA端末でATRIXに初めて搭載され話題になったWebTopですが、今回ISW11Mに搭載されるに当ってUIやブラウザであるFirefoxが日本語化され日本語入力にも対応し、国内の利用者が問題なく利用できるように改良がほどこされていました。おまけ的位置づけで英語のままになるのではないかと思っていたのですが、UI自体は適切にローカライズされたことで一安心です。残念なのはWebTop向けに用意された各種Webアプリは英語のままということ。DropboxやCITRIXなどシンクライアント的に利用する上で重要なアプリは全て英語のままということで、ちょっと敷居が上がってしまうかもしれません。更にATRIXの頃から実装上心配だった「WebTop=Linux環境」のためセキュリティアップデートがちゃんと提供されるのか、安全のための実装が何か行われているのか」について質問をしてみました。ISW11MのWebTopに実装されているFirefoxは4.0.1でアップデートの予定は現在のところないそうです。WebTop内にアンチウイルス等のセキュリティ実装がされているかもわからないということでした。WebTop自体がUSでアップデートが提供されるようなら、日本でも対応していくが現在のところそうしたアップデートの予定はないとのこと。ARM環境で動くLinuxということで一般的なウイルス感染リスクは少ないと思うものの、比較的狙われやすいブラウザ環境がかなり古いバージョンのままで且つアップデートの仕組みが不透明というのは、ちょっと企業向けにどうこうアピールできる材料ではないのではないかと少し心配になりました。セキュリティ関係については調べてみるということでしたが、どのように公表されるのか興味深いところです(ITmediaの記事?)。とりあえずWebTopを利用しようとする場合には、必ずUTM配下の安全性の高いネットワーク内で試されることをオススメいたします。

■まとめ
 ISW11Mは質実剛健しっかりした拡張可能なハードウェア部分が最大の魅力かなと思いました。残念ながら動画のテストとか音楽の試聴とかもしてこれなかった(試験データ入ったSDを持っていくの忘れたorz)ので具体的な対応フォーマットまではわからないのですが、スタンド付きになっている&クレードルでHDMI出力を便利に利用できるようになっていることからも、メディアプレイヤーとして活躍する場面も多いのではないかと思います。専用クレードルは充電器・HDMIケーブル・リモコンもついて10/21に大手量販店経由8000円くらいで販売されるとのことなので、合わせて購入されるとISW11Mを利用する上でより活用の幅が広がることは間違いないと思います。クレードルにはHDMI1・USB3と拡張ポートがありますのでWebTopでPC的に利用することが容易になっています。一人暮らしでパソコンを占有して置く場所はないが大画面でブラウジングしたい場合などTV接続で活用できる組み合わせは魅力的になるかもしれません(ルータにセキュリティ機能必須ですが…)。HTC EVO ISW11HTが超低価格で販売されている状況下に投入されるので、購入する側も製品の特徴をしっかりと把握して、自身の利用シーンを具体的にイメージしながら選択できるといいなと思います。

【10/26追記】
なんかアクセスが増えたと思ったらITmedia記事からリンクしてもらっていました。イベント時の質問の回答があるのかなと思って確認してみましたが、WebTopのセキュリティに関する質問は記事では一切触れられておらずスルーされてましたorz リンクのために記事内容もチェックしていたと思われるのに、スルーされてしまったのは本当に残念。

 ブロガーイベントで分かった「MOTOROLA PHOTON」、本当の魅力 (2/2)
 http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/1110/25/news002_2.html

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■CEATEC: au ビジネススマートフォン EIS01PT 簡易レビュー
 fansfansの「最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2011」特別招待日にご招待!」に当選したので招待日にプレスとして参加してきました。auのスペースでWiMAX対応の新機種を一通り見たあと、はじっこの方でなかなか興味深いものを見ることができたので、簡単にレビューしておこうと思います。auは以前からビジネス向けに専用のカスタマイズを施した端末を作って法人向けに提供するというサービスをやっていたのですが、今回そうしたバリエーションのひとつとしてビジネス専用Androidスマートフォン EIS01PT が展示されていました。機体はMIRACH IS11PTとほぼ同じ仕様で防水防塵、ビジネス用ということでマットな黒のカラーリングになっており、少しごつい印象になっていました。OS的な特徴もIS11PTと同様で日本語・英語・中国語・韓国語・ポルトガル語の五ヶ国語入力対応となっており、ビジネスに使うという点でコンシューマモデルのIS11PTよりは、エンタープライズモデルのEIS01PTの方が他言語対応は活用されるかもしれないなと思いました。

 個人的に興味なくスルーしたIS11PTと同型機を敢えてここで取り上げたのにはもちろん理由があります。それはセキュリティのエンハンスメントが施されているからに他なりません。このEIS01PTは以前の法人向けAndroid端末管理(MDM)ソリューションメモの記事でも取り上げたKDDI 3LM Securityに対応した国内初の端末だからです。もちろんMDMアプリが入っているだけで取り上げるワケではありません。他のMDM製品と異なり、KDDI 3LM Securityのフル機能を利用できるようにするため、知る限り初めてOSレベルでセキュアカスタマイズされたキャリア販売モデルだと思われるからです。

 Androidのセキュリティということで上記のようにMDM製品などは存在しますし、アンチウイルス製品なども含め今となってはAndroid向けセキュリティアプリは特別なものではなくなっています。しかしながらアプリであるが故に権限上できないことも多く、本質的なレベルのセキュリティ機能(FirewallやPermission Controlなど)を実現するためには、DroidwallやLBE Privacy Guard、WhisperCoreのように、端末のroot化が必須だったりカスタムROMとして実装するしかありませんでした。今回Pantech社がKDDI 3LM Securityのフル機能に対応するためOSをカスタマイズしEIS01PTが実現したということになります。

 EIS01PTではKDDI 3LM Securityのアプリが導入されており、管理者により通常のMDMができることに加えて、アプリケーション単位でPermission制御が可能になっています。またSDのストレージレベルでの暗号化が可能になっている(暗号化されたデータが保存できるのではなく、ストレージ自体が暗号化されているものをOSがマウントできる)ことは非常に優れた特徴になると思われます。同様の機能はWhisperSystems社のWhisperCoreが実現しているとは言うもののGoogleから発売されたNexusシリーズに限定でカスタムROMとして提供されているに過ぎず、キャリアがサービスとして組み込んでいるわけではありません。今回KDDIがこうしたレベルのセキュリティ実装を自社端末として企画実装してきたというのは、やはりAndroidへの本気度を感じさせます(もうマルチMobileOS対応になっちゃいましたがw)。Pantech社のAndroid OS技術対応レベルが高いことはIS06の頃から言われていたこと(日本語化とかUIレベルは一部微妙でしたがw)ですが、今回の実装対応も非常に短納期で実現されたとのことで、セキュリティの面においても対応力が高いということのようです。

 Android端末を法人利用したい場合、特に個人情報系などセキュリティに厳しい要件をお持ちの法人にとっては、EIS01PTは非常に心強い選択肢になると思いますので、そのような仕事に関わっている方はCEATECに行ったらKDDIスペースの端の方を丹念に探してみてください。きっと説明を聞いてみる価値はあると思います。個人的にはWhisperMonitorのようなパーソナルファイアウォール機能もぜひ実装して欲しい&個人向けにも容易に利用できるような安価なサービスを提供して欲しいなぁと思います。

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■au IS12T Fun Lounge版 追加レビュー
 Microsoft主催のIS12T発売イベント「Fun Lounge produced by Windows Phone」に参加して、改めてIS12Tをじっくり触ってきたのとテクニカルセッションでMSの開発担当の方にいくつか質問させていただいたので、その辺を簡単に追加レビューしておきたいと思います。ちなみに前回のレビューは以下です。

 au IS12T デザイニングスタジオ版レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1246

 イベント自体は主催自らパーティと称する気楽な感じのイベントでしたが、たくさんのIS12TやHTC HD7など複数のWP7端末の展示をはじめ、多数のMS製品のショールーム的なスペースで行われたので、ガジェット好きな方にはなかなか興味深いイベントになっていたのではないかと思います。会場ではIS12Tが相当多数展示されてかなり自由に触れたのに加えて、多数のMS社員さんが説明員として配置されていて気軽に質問できるように配慮されており、とても参加者に喜ばれていたように感じました。

 今回IS12Tの製品版ということで、前回のレビューで確認しきれなかったことをいくつか確認してきました。まずはDLNA対応ですが、こちらはLinkCabinetというアプリで実現されているのですが、DLNAクライアントとしては動作せずDTCP-IPにも当然対応していません。あくまでもIS12Tの端末内データをDLNA対応機器で再生できるようにするということで、接続したネットワーク上にDLNAレンダラーが存在する必要があるようです。DLNAサーバとして動作するわけでもないらしいので、他のDLNAクライアントから接続してコンテンツを参照するということはできないようです。Android端末のDLNA対応機は多くがサーバとして動作するタイプのものなので同じように考えているとちょっと残念なことになるかもしれません。

 IS12Tの音質も気になっていたので、ヘッドホンジャックにいつものVictorのHA-FXC71-Bを接続し試聴してみました。Android端末だと通常MicroSDに入れた音楽ファイルを再生するとかするのですが、IS12TにはMicroSDスロットはないので、IE9で自サーバ上に置いた試聴用mp3にアクセスする形で再生してみました。WP7は音質がいいと宣伝されていたところOMNIA7の音質が軽くて疎でバランスが酷い印象だったことでこれは正しくないと感じていたので正直あまり期待はしていなかったのですが、IS12Tは違いました。HA-FXC71-Bと相性がとてもいいようで、高音から中音は素晴らしくクリアで音場も広く密度感も十分に感じさせます。そして低音がしっかり引き締まって全体のバランスをとてもうまくまとめており、正直に言ってこれまで試聴したどのスマートフォンよりも素晴らしいと思いました。女性ボーカルの表情がとても美しく聴こえます。楽曲にもよるかもしれませんが、J-POPやボーカル中心に聴かれる場合には、IS12TとHA-FXC71-Bの相性は本当に最高ではないかと思いました。オススメです。正直音楽プレイヤーとしてだけでもIS12Tが欲しいと感じました。(価格が安ければですが…w)

 前回のレビューで文字入力時に割とミスタッチが多かったと思ったので、こちらも改めて確認してみましたが、これはあまり変わりませんでした。というかMSの方もプレゼンの最中結構文字入力以外でもミスタッチする率が高くて、やっぱりなんだか過敏気味なんだなと思いました。押したところと違うところが反応するというよりは、押したいところの手前で先に反応されちゃってミスになるというような印象です。これはおそらく慣れで在る程度解決できると思うので、深刻な問題というわけではありません。むしろカーブフリックのデモを見て、これを快速に操作できるようにするため、敢えてそのようなチューニングにしているのかなと思ってしまいました。

 今回テクニカルセッションで多少専門的な質問をする機会があったので、二点ほど質問してみました。まずは気になっていたSSL/TLS renegotiation対応の検証でMangoになっても標準搭載ブラウザのIE9がStartSSLのCA証明書に未対応(最近のブラウザはほとんどが標準で対応しているのに)だったことについて、どうしたら対応させる(証明書の登録をする)ことができるのか質問してみました。が、簡単に説明で対応することはできないようで、MSのblogで記事として掲載するということでした。StartSSLは個人でも無償利用可能で非常に便利ですし、ブラウザでのアクセスだけなら一定の操作で先の画面を見ることが可能なのですが、ActiveSync時などはエラーになってしまい回避方法がないため対応はぜひしてもらいたいと思っています。blogの公開に期待しています。

 ※8/29にblogが追加されました。フォローありがとうございます。比較的簡単な手順で追加することができるようです。
  Windows Phone と 証明書について (8/28 イベントフォローアップ)
  http://blogs.msdn.com/b/aonishi/archive/2011/08/29/10201508.aspx

 もうひとつはWindows Phone 7 Connector for Macの日本語対応についてです。本日のデモの中心人物でWP7系の記事に最近よく登場されているエグゼクティブプロダクトマネジャー石川大路さんに直接質問させていただいたのですが、「(Windows Phone 7) Connectorって何だっけ?」と返されてガーン!すかさず別の方が「Macと接続するやつですよ!」とフォローしてくださったのですが、もうこの時点で国内での扱いのレベルが容易に想像されてしまいます…。一応日本語化の取り組みはされているそうですが(国内ではなく米国側でされているらしい言い方でした)まだリリース時期は未定とのことでした。ただMango対応としてちゃんとやっていますよということだったので、もうしばらく待ってみる必要がありそうです。

 IS12Tは25日に発売されてから、3日で既に白ロムが3万前半、MNP一括も条件付き0円が出てくるなど、ものすごい勢いで値下がりをしているのでちょっと先行きが心配ではありますが、むしろ探せば購入しやすい条件が揃っているということなので、ロックフリーでもありますし興味の在る方はぜひ試されてもいいのではないかと思います。少なくとも音楽プレイヤーとしては個人的にはとてもいい選択肢になるのではないかと思います。

【おまけ】
 さて、ところで今日のFun Loungeの中でMicrosoftとしてWP7の活用事例で、音楽や動画をZuneで取り込みSkyDriveにアップしてストリーミング再生で聴くというようなデモをしていたのですが、これってMYUTA事件と同じことになるんじゃないかとちょっと心配してみたり。MS的には大丈夫という見解でプッシュしてるのかなぁ?それとも自分の知る情報が古いままなのかな…。テクニカルセッションで質問することでもないかと思って控えていたら、その後聞くのを忘れてしまった…。個人的にはSkyDriveにアップするとかしないからいいんだけど、やっぱりちょっと気になる…。

 

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■au IS12T デザイニングスタジオ版レビュー
 昨日発表になった日本初のWindows Phone 7系端末 IS12T が本日よりKDDIデザイニングスタジオで展示されるということだったので早速見に行ってきました。展示は2Fの中央、6台ほどが展示されており展示初日ということもあってか並ぶほどではないものの常に誰かしらが見ているという感じで、平日昼間としては人が集まっていたのではないかと思います。全く新しいタイプの製品(WM6系とは完全に別モノですし)ということで、説明員さんも少し戸惑っている様子で、事前にマニュアル等は案内されたがまだわからないことがいっぱいと正直に話してくれていました。ちょっと面白かったのは見ていた限り意外と女性の注目を集めていたことと、女性の製品評価がすごく高かったことでした。数台横の端末を使っていたカップルの女性がとても気に入って喜んでいる様子がとても印象的で、個人的にも製品を見てなるほどなと思うところもあり、出足を心配されているWP7端末ですがauのマーケティング次第では結構イケルんじゃないかなと感じました。

■ハードウェア
 正直に行ってハードスペック的には防水防塵+1320万画素カメラという特徴があるとはいえ実質中身はIS05相当(MSM8655)で、昨今のAndroid端末のスペックに比べれば特にハードウェア的に見るべきものはありません。Windows Phone 7からMicrosoft社がハードウェアの仕様を厳密に定めたことでAndroid系に比べてメーカーの特色が出しにくくなっていることが影響していると感じざるを得ません。もちろんハードウェアがプアという訳ではなく、全体の印象はボタン類も少なくシンプルで軽量、剛性も高くしっかりした本体で、持った感じもコンパクトで意外と持ちやすい印象です。液晶も表示は美しくタッチ反応も非常に軽快で好感触です。液晶下部に物理ボタンで左から 戻る・スタート・検索とボタンが並んでいますが、こちらの操作感も悪くありません。側面のボタン類は右側面に上から 電源・音量・カメラボタンと並び、上部にイヤホンジャックとMicroUSB端子、下部にはストラップホール、左側面には何もなし、という極めてシンプルな構成です。ストラップホールを除いてはWP7系端末としては標準的な構成で、手元のOMNIA7もほぼ同じ構成要素で成り立っています。既に世界で出荷されているWP7系端末と比較して特徴的だとすると、本体に黒ではないカラーが付けられていることは興味深いポイントです。

 起動時間はWP7のおかげで非常に速く、以下のような感じになっています。
 電源オン→6秒→防水性能注意画面→10秒→au by KDDIロゴ→7秒
 →Windows Phoneロゴ動画→3秒→メイン画面(合計約26秒)

 電源オンからたった26秒でメイン画面になる俊敏さは今のAndroid端末にはない強みだと思います。これでも同じWP7系端末であるOMNIA7と比較すれば遅いくらいでOMNIA7は24秒ほどで起動してしまいます。IS12Tは他言語対応を果たして多機能になったWindows Phone 7.5 (7716)を搭載しており、OMNIA7は初期のWindows Phone 7 (7004)を搭載しているということでシンプルな分OMNIA7の方が勝ったのかもしれません。いずれにしても起動が一分程度かかる端末が多いAndroid系に対してそれなりに嬉しいポイントではあります。

■ソフトウェア
 Windows Phone 7.5 Mangoの動作している実物を触るのが初めてだったので個人的にはすごくいろんな変化を期待していたのですが、日本語に対応したという大きな変化はもちろんあるものの実際のメニュー構成の中身などを確認してみると、英語で動作しているWP7の(日本語表示は可能)OMNIA7と比較してもさほど大きな変化を実感できず、やや期待外れというのが率直な印象でした。もっと大きな変化があるかもという期待が大きすぎたようです。もちろんOMNIA7に比較して画面のスクロールが3〜5割程度速く快適になっていたり、日本語フォントがきれいに表示されていたり、アニメーションのスムーズさが体感でわかるなど全般的に向上している部分は実感できますが、それがハードウェアの力なのかソフトウェアの改善なのか判断することはできませんでした。これらはOMNIA7がMangoになった時に改めて比較してみたいと思っています。展示されていたIS12TのOS情報ですが、以下のようになっています。

 ソフトウェア:Windows Phone 7.5
 OSバージョン:7716.WM7_Main (mojobld).20110718-1440
 ファームウェアリビジョン番号:5008.1907.952.450
 ハードウェアリビジョン番号:112.1410.2.0
 無線ソフトウェアバージョン:0.9.04.50
 無線ハードウェアバージョン:8655
 ブートローダーバージョン:7.17.2.0
 チップSOCバージョン:0.75.2.1

 WP7の開発者向けに最新で提供されたMangoバージョンが7716で、完成版Mangoが7720ということらしいので、展示されていたのは開発者向けと同じ最新バージョンということになります。9月発売時には7720以降の番号で発売されることが予想されますが、現在と大きく中身が変わることはないと思うので、IS12Tに興味のある方はすぐに実機確認に行かれてもいいのではないかと思います。

 Windows Phone 7.5になってもUIなどの操作感やメニュー構成などはほとんどWindows Phone 7の時と変わっていないように感じます。日本語化された設定メニューも並び順も含めてほぼ同じ内容です。IS12Tで追加されているのが確認できたのは「バッテリーセイバー」「ワイヤレス設定」「SIMセキュリティ」「音質設定」の4項目で、どれもとてもシンプルな設定内容になっています。WP7の特徴として設定できる項目が非常に少ないことが上げられると思いますが、Androidを日常使っている人がWP7端末を初めて触って設定画面を見た時に感じるのは「えっ?これしか設定できないの?」という驚きではないでしょうか。iPhoneも設定できることが少ないと思いますが、それよりも更にシンプルになっている印象です。一つの設定メニュー項目を選択して出てくる画面で設定できるのは1つか2つが当り前、ページをスクロールして設定項目が並ぶような画面はとても少ないのでびっくりしてしまいます。WM6系ではどこで何が設定できるのか困ることがままありましたが、WP7では本当に思い切ってシンプルになっており見通しもよくなっていてMicrosoftの本気を感じさせます。

 タイル状アイコンを操作する2次元的で非常にフラットな印象が強いメトロUIですが、設定項目のシンプルさからも判るようにMS的にシンプルさと使いやすさを追求した結果到達したユーザインターフェースであることは、使ってみると非常に実感ができると思います。IS12Tはauの製品だけにINFO BARのUIと比較されることも多いようですが、表面的にカスタマイズされただけのAndroidのUIと、設計思想として貫かれたWP7のメトロUIではその操作感も統一感も比べ物にはならないというのが正直な感想です。ただ英語でWP7を使っていた印象からすると、日本語でのメニュー表記等はフォントも含めてやはりデザインの一貫性を微妙にするような違和感を感じる部分が残ってしまっていると思います。いっそユーザにフォントを選択させてくれたらいいのにと思うのですが…。またIS12Tには残念ながらWP7の設計思想を無視した国内アプリも標準搭載されてしまうようですが、ぜひとも早期にWP7専用のアプリとして再リリースして欲しいと感じます。明るいカラータイルに小さく表示される情報は、40代以降の視力に自信がなくなってくるくらいの世代にはちょっと厳しい感じがしますし、たくさんのアプリを入れたり細かくいろいろ設定をしたい人にはあまり好まれないと思うので、メトロUIは万人向けのUIとは思いませんが、前述の通りシンプルな使い勝手を望む層で特に女性には印象的にも好まれると感じました。

 日本語入力は話題になっているカーブフリックの他、通常のqwertyキーボードでの日本語入力も可能です。変換精度はAndroidのATOKほど優秀ではない印象ですが、FSKARENよりはマシという印象でした。日常Androidでqwertyキーボード入力なのですが、IS12Tでは思った以上に誤入力をしてしまい、ちょっと慣れが必要かなと感じました。各キーがなんとなく小さめに感じるのはスクリーンサイズというよりは、配列デザインの問題のような気もします。

 少し気になったのは展示機では「音声(speech)」の機能が使えないようになっていたことです。英語設定であればスタートボタンを長押しして音声で端末コントロールをすることができるのですが、日本語設定では「現在の言語設定では、音声は使用できません。」となって利用できない旨が表示されてしまいます。これはAndroidが音声検索等で先行していることもあり、ちょっと残念なところです。できないと言えば、IS12Tには国内で比較的要望の多い赤外線通信の機能がないのですが、そのカバーとして「プロフィール交換」というアプリが用意されていました。自分の情報をQRコードで表示できるアプリでdocomoやsoftbank向けコードを生成することもできます。これでQRコードを相手の携帯カメラで撮影して読み取ってもらうことで簡単にアドレス交換できるという仕組みです。次善の策ということなのでしょうが、嬉しい工夫だと思いました。

 1320万画素とスマホとしては高い画素数を誇るカメラ部ですが、WP7のソフトウェア的な部分でカメラ対応があまりレベルが高くないせいか、撮影レスポンスはそれほど悪くない(こちらも解像度が違うとは言えOMNIA7の方がやや快速)ものの、機能的な部分で最近のAndroid端末にはやや見劣りしてしまいます。本体側面のカメラシャッターボタンの長押しでいつでもカメラが起動できるなど使い勝手は悪くないのですが、カメラ重視の方はできるだけ実機確認をされた方がいいと思います。カメラで撮影するとデフォルトでSkyDriveにアップロードしようとするので、その辺の設定も含めてプライバシーを重視したい方は注意をする必要があります。

 ちなみにキャリア毎に選択となっているらしいテザリングの機能はIS12Tには見当たりませんでしたorz

■まとめ
 日本語化されて国内にいよいよお目見えするWindows Phone 7.5を搭載したIS12Tですが、KDDIデザイニングスタジオで実際に端末を触っている人たちの感想を聞いている限りでは、シンプルさ分かりやすさを望む層には十分訴求できるのではないかと思いました。IS11PTのようにシンプルメニューを選択して利用するくらいならIS12Tはそれに近い簡便さを提供してくれるように感じます。おそらくauもそうした層を意識してカラーを選択できるようにし、CM等にも若い女性層に受けるキャラクターを使ってくるのではないかと推測しています。個人的には一般向けモバイルデバイスの選択肢のひとつとして十分な素養はあるのではないかと思いますが、WindowsMobileは企業向けという既成概念をうまく打ち壊して、シンプル且つ動作が軽快というポイントをうまく伝えて実機をどこかで体験してもらう戦略を取っていかないと、相当値段を安くしない限り選択肢が豊富なAndroid端末と比べて積極的に選択してもらうのは国内の現状では難しいのではないかとも思います。Android auで訴求してきたauがどのような広告戦略を取るのか、今後の動向を非常に興味深く見ていきたいと思います。

 そうそう。Microsoftが提供するHotmailはセキュリティの面でこれまで何度も問題になっていたりしますし、WP7自体がクラウド指向でSkyDriveを利用するように誘導されているため写真撮ってクラウドにアップしてたら知らない間に世界中に公開されちゃってて大慌てみたいなことにならないといいですよねーなどと、説明員さんとも話していたのですが実際にありそうで恐いので、やっぱり設定には慎重になりたいところですね。IS12Tに導入されるリリース版のMangoのデフォルト設定が安全側へ誘導(デフォルトでネットへアップじゃない)になっているよう祈りたいと思います。

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■au IS11SH / IS12SH 簡易レビュー
 fansfansのシャープ「AQUOS PHONE IS11SH」「AQUOS PHONE IS12SHタッチ&トライイベントに参加することができたので、両機種の簡易レビューを書いておこうと思います。イベントの定員は10名と狭い枠でしたが、それだけにSHARPの開発担当の方と直接お話する時間もとれ、とても面白い情報を知ることができ個人的に非常に有意義なイベントでした。両機種のファーストインプレッションはこちらの記事にありますのでぜひご参照ください。イベント参加後のレビューと比較していただくと変化がわかって面白いかもしれません。

 どちらの機種もCPUがかなり高速になっており、タッチ動作も良くホームの操作感も悪くありません。UIそのものは好みがあると思うので、ホームアプリなどは入れ替えた方が使いやすいケースはあるかもしれませんが、ほぼそのまま使っていけるかなと思いました。ここでは機種ごとの特徴的な部分のレビューと、両機種に共通でインパクトのあったものを紹介していこうと思います。

■IS11SH
 スライド式テンキーを特徴とする端末で、個人的にはHybrid W-ZERO3 (WS027SH)を彷彿とさせるので非常に興味深い端末です。一応メインターゲットしては女性を意識していてパンフレットもそうした装丁になっていました。WS027SHの実機を持ち込みIS11SHと実際に比較してみましたが、IS11SHの方が薄くやや幅広な感じでスライド時の使い勝手も含めてとても好感触でした。WS027SHとIS11SHは製造している事業所も異なり、WS027SHは奈良、IS11SHは広島で、現在のSHARPのスマートフォンの開発主力はガラケ部隊がそのまま移行した広島の事業部なのだそうです。残念ながらWillcom端末を手がけた部門はスマホ系の主力とは違う流れになっているようで、WillcomからSHARP製のAndroid端末が出てくることを期待していたのですが、少し難しいかもしれないなと思ってしまいました。

 IS11SHはスライドした場合でも戻るキーがハードキーで用意されていたり、タッチキーにも簡単に指が届くなど、使い勝手にかなり配慮されていることがわかります。ガラケには普通にある通話終話キーは存在しないのですが、これは10キーが主にメール入力用途で想定されているためで、Android携帯としてスライドしなくてもタッチ操作で通話できるのでハードキーはあえてつけなかったということでした。またイヤホンジャックもないのですが、こちらはスペース的な要因によるもので、イヤホンジャックの代わりにauからMicroUSB-イヤホンジャック変換のケーブル(IS06で付属していたようなもの)が別売りで提供されるようです。IS11SHには付属品としては付かないとのことでした。

 液晶がqHDでありながら3.7インチとスマホとしては小さめなサイズのため画面表示は非常に精細感があり、手持ちの720p動画を再生してみたところ素晴らしくキレイに見えて「おおっ!」とちょっと驚いてしまいました。大きめな画面で少し粗めに見えるより、小さめでも精細感のある画面の方が動画の満足度は高いのかもしれないなと思い直してしまいました。3D表示ももちろん可能ですが、3D表示の際に解像度が下がって見える問題はやはりこのサイズでも顕著で、個人的にはやはり2Dでしか利用しないだろうなと思いました。

 起動時間は以下のようになっています。CPUクロックの割に速い感じがありません。
 電源オン→2秒→Android auロゴ→37秒→AQUOS PHONEロゴ→24秒
 →au ICカード読み込み表示→3秒→ロック画面(合計約66秒)

 Androidのバージョンは2.3.3、カーネルバージョンは 2.6.35.7-perf nbproj@TG8Y0507 #1、ベースバンドバージョン 01.00.04、ビルド番号 01.00.04.R6160 release-keysとなっていました。日本語入力は iWnn IME – SH editionですがバージョンがわかりませんでした。日本語入力に追加で手書き入力が加わっていて、こちらは「MyScript手書き入力」となっておりバージョンが1.0RC3 shaとなっていました。

■IS12SH
 こちらは3Dカメラを搭載した一般的なスマホタイプの端末です。IS11SHに比べると角が丸い感じでやや重く大きく感じます。qHDで4.2の液晶はもちろんキレイなのですが、IS11SHほどの精細感が感じられないためむしろ普通に感じてしまいました。3Dカメラが一番の特徴になると思うのですが、3D自体にあまり興味がなくハードウェア的には他に個人的に魅かれる点があまりなかったので、ほとんどIS11SHばかりをチェックしてしまっていました。そのためIS12SHのレビューはあまり書くことがありません…。

 こちらにはイヤホンジャックがあるため音質は確認してみました。使用したヘッドホンは今回もVictorのHA-FXC71-Bです。手持ちのMicroSDと差し替えて試聴してみたところ、IS12SHはHA-FXC71-Bと相性が比較的良いようで、非常に聞きやすい組み合わせでした。音場はやや狭めですがボーカル等中音域がはっきり大きめに出てきて気持ちよく聴けます。低音は質的にやや軽い部分と低くしっかり出る部分のバランスが微妙かなと思うところはありましたが、量的には十分でやはり聴きやすいと感じました。これまで比較したiPhone3GS/ Xperia arc/ ISW11HT/ 001HTのいずれと比べても一番一般的に好まれるのではないかと思う聴きやすさだと感じました。

 起動時間は以下のようになっています。IS11SHとほぼ同じ感じです。
 電源オン→1秒→Android auロゴ→36秒→AQUOS PHONEロゴ→25秒
 →au ICカード読み込み表示→4秒→ロック画面(合計約66秒)

 Androidのバージョンは2.3.3、カーネルバージョンは 2.6.35.7-perf nbproj@TZ6Z1103 #1、ベースバンドバージョン 01.00.02、ビルド番号 01.00.02.R6160 release-keysとなっていました。日本語入力はIS11SHと同じです。

■DLNA対応
 両機種に共通で最もインパクトのあった部分は、実はDLNA対応にあります。SHARP製のアクオスTVとの連携でカタログ等に「スマートファミリンク」と名付けられている機能です。これはアクオスシリーズのTVやBDレコーダーに録画された番組を端末側で見ることができるというものでした。そうです、両機種はAndroidスマートフォンで初めてDTCP-IPに対応したDLNA機能を搭載しているということになります。こちらのDTCP-IP対応についてはカタログ等には一切表記されていませんが実は対応しています。Android端末初のDTCP-IP対応はセールスポイントになると思うのになぜカタログに表記しないのか確認してみたところ、女性向けのマーケティングだったりわかりやすさを追求したりということで細かい機能名は入れなかったということでした。実際のところはアクオスシリーズとしか動作確認していないということだったので、DTCP-IP対応と記載することで他メーカーのTV等と非互換になった場合のリスクヘッジなのかなと感じました。DLNA周りは実装により微妙なところがいろいろあるので表示してリスクを負うよりは、むしろアクオスシリーズ連携の便利さを追求することを選ぶのはマーケティングとしては当然のところかとは思いました。

 使用する際にはファミリンク用の専用アプリを起動して利用することになるのですが、skifta等のDLNAアプリのように汎用のUIデザインではなく、明示的にアクオスとの接続を意図した画面デザインになっているので、アクオスTVがないと使えないんじゃないかと思ってしまうような感じになっています。実は中身はDLNAなので(おそらく)他のDLNAサーバにも接続できると思われます(実際その場では時間がなくて他のDLNAサーバとの接続テストまではできませんでした)。

 送受信するデータはmpeg2だということだったので、送受信時のデータ量が多くなってしまうはずのところどう対処しているのか確認してみました。TVから受信する場合はファミリンクのネゴシエーションの中で端末側のqHDの画面サイズを認識しそのサイズに合わせたデータを送信するようにしているので、データが少なく安定した送信ができるのだということでした。それでも無線LANを使うためやはり電波状況が悪いとうまく表示できない場合はあるとのことでした。端末内の動画をTVで表示する場合には、なんと端末側にトランスコーダーが搭載されていて、端末内でmpeg2にトランスコードしてTVに送り出しているそうです。高いスペックのCPUを搭載できたからできることだと話されていました。トランスコードして再生可能なフォーマットまでは確認できませんでした。

■メール関連
 両機種に共通でインパクトがあった部分でもうひとつ、メール関連の機能拡張があります。「速デコ」という機能はメール作成時に本文をスクリーニングして本文の内容に合ったデコレーション(背景や絵文字を挿入)を自動で行ってくれるというものです。余計なお世話という気もしなくはないのですが、技術的に面白いのとスマートフォンの機能としてはなかなか思い切った感じだったので印象に残りました。また「自動再送信/送信予約」という携帯だからこそ欲しい機能も追加されています。自動再送信はメール送信時に電波が悪くて遅れなかったりした場合、後で自動で再送してくれる機能。送信予約は日時指定してメールを送信できる機能です。スマホにあったらいいなぁと思ったことがあったので、これはちょっとうらやましくなりました。

■OSアップデート
 今回他キャリアも含めて非常にギミックに凝った端末を多数展開されているので、今後のAndroid OSアップデートに追従できるのか、開発担当の方に直接伺ってみました。すると「2011春夏モデル以降であれば、OSのアップデートを意識して設計しているので原則的には大丈夫なように作っている。ただOSアップデートはSHARP単体では決められずキャリア等が関わってくるので、アップデートを必ず実現しますとは言えない。」ということでした。IS03は微妙なところ、IS05以降は大丈夫そうという感じのようです。海外を含めて複数キャリアに端末を提供しているのだから、GoogleのOSアップデート保証ガイドラインにSHARPとして単独でも参加してはどうかと聞いてみたところ、「開発の立場としては参加したいと思っている」ということでした。Android端末は既にPCと同じくらいのセキュリティリスクを負っているため、アップデートが担保されることは非常に大きな意味を持つので、ぜひガイドライン参加を実現し、積極的なアップデート実現のためのキャリアへの働きかけをしてもらいたいと思いました。

■まとめ
 正直なところIS11SHは実際見て使って、自分でも欲しいなと思うようになりました。パンフレットが女性向けなデザインオンリーになっているのがちょっと残念に感じるくらいです。主に経済的な理由で購入はできませんが、オススメできる端末だと思います。docomoのパレットUIみたいなものを加えたらもっとガラケぽい販促もでき、女性向けに売れるのではないかと感じました。IS12SHについては3Dに興味がないと、ハード的には突出したものがなく電池容量も決して多くない(むしろ少ない)ため、あまり選択されない端末になってしまうかもしれません…。(ちなみにSHARP製の端末はなぜ電池容量が少ないのか質問してみたところ、自社で電池を作っていないため設計の自由度が低い&コストが高くなるからというちょっと悲しい答えが返ってきました…orz)

 イベントでは入場時にIS11SHとIS12SHをそれぞれ1台ずつ手渡され、自由に利用できるようになっていました。本体のみだったため、パッケージや付属品についてはそこでは説明はありませんでした。MicroSDは試験用の2Gのものが始めから挿入されていましたが、参加者向けに8Gメモリが別途提供されており、実機で写真を撮影し持ち帰る場合にはそちらと差し替えて使うようにと説明されていました。イベント前半はSHARPの開発担当の方の説明があり、ケータイWatchの編集長さんの話を挟んで、アクオス連携のデモ、その後自由な質疑応答などと続きました。都合約二時間、全体的に人数も少なかったことで非常に和やかに進んでいたと思います。実機を触りながら話を聞いたり質問できたので、非常にわかりやすかったと思いました。今後もこうしたイベントがあればぜひ参加したいと思います。秋冬モデルにも更に新たな端末が提供されてくるようなので、SHARPのAndroid端末への取り組みには興味を持ってこれからもウォッチしていこうと思いました。

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■au 2011夏モデルで気になったことメモ
 auの夏モデルをKDDIデザイニングスタジオで見てきて気になったことのメモ。なかなかに特徴のある製品の揃ったau夏モデルですが、個人的には強烈に欲しくて迷うというほどインパクトのあるところまではいかなかったので(WiMAXモデルに期待しすぎてたかも)、こちらもざっとまとめて気になったことをまとめておきます。展示されていたのは A01, IS11S, IS11CA, IS11SH, IS12SH, IS11T(モックのみ)です。その中でも既にIS11CAについては、かなり興味を持てたので単独レビューを書いていますので、そちらをご覧ください。

■SHARP iida INFOBAR A01
・展示は2Fで10台ほど?今回展示機で最も多数
・常に人がいて人気の度合いがよくわかる
・持った感じは予想外に軽く…安っぽい
・プラスチックな触感がすごく安い印象でちょっと残念
・ボタン類は存外に操作しやすい
・UIデザインは秀逸で動作も機敏(Metro UIよりは好み)
・設定などへ遷移する際に動作不安定感がある
・Androidの基本UIと異なるけどそれなりに使いやすい
・説明員さんが常に待機していて都度再起動をしていた
・なのにビルド番号にはrelease-keyの文字が…マジか…
・カスタム範囲広くちゃんとアップデート更新されるのか不安…
・地雷端末の雰囲気がひしひしと…

■SHARP AQUOS Phone IS11SH
・Hybrid W-ZERO3持ちとしては気になる端末
・ZERO3より薄くて使いやすいよ…
・本体の印象はまさにガラケー(ちょい厚めだけど)
・テンキー操作とAndroidOSはそれなりに使える(WM6はイマイチ…)
・テキスト入力フィールドに入ると方向キーで脱出できなかった…
・選択されている位置がわかりにくい場合が結構ある
・戻るボタンの位置が非常に使いやすい
・本体右下部の音量ボタンの位置は微妙(スライド開状態ならOK)
・画面サイズと解像度の関係で読みにくい字があるかも
・バッテリが少ないのが気になる
・EVOと同様に充電ケーブル挿してるとタッチ反応が悪い(Kスタの問題?)

■SHARP AQUOS Phone IS12SH
・docomo SH-12C相当
・ずんぐりした印象でちょっと重い
・背面のデザインはこちらの方がいい感じ
・IS11SHに比べると特徴に乏しいような…

■Sony Ericsson Xperia acro IS11S
・au独自アプリ以外docomoと大きな違いはなさそう
・カラーセレクトはdocomoの方が上手かも
・先にdocomoで見ているからかauっぽくないなぁと思ってしまった

■TOSHIBA IS11T
・モックのみ展示
・キーボードの印象は品質良さそうでEM-OMEのような感じ
・キーの間が離れていて打ちにくくはない
・Androidキーは大きさ変えた方が使いやすかったかも
・どのキーが何かちょっとわかりにくい

■NECカシオ G’zOne IS11CA
こちら参照

 ということで、SHARP製が半分を占める夏モデルですが、そのSHARP製は全てビルドがrelease-keyという文字列が付いていてびっくり。そう遠くないうちに発売されるんだろうなと思いつつ、こんなペースで製品出してて端末アップデートの維持管理大丈夫なのかとちょっと不安に思ってみたり。特にINFOBARはカスタマイズの範囲が広く、単純にホーム画面の置き換えではなく、一番よく使うUI部分を徹底的にカスタムしているので、Androidのバージョンアップに追従できるのかとても心配です。説明員さんが利用者が使い終わった端末をわざわざ再起動していることも何か不安を感じさせます。auでしか確認していないのですが、今回のSHARP製端末はどれも動作中に電源を長押しして表示されるシャットダウンのダイアログに、Android端末の標準にはない「再起動」のメニューが追加されています。前モデルにはなかったような…?個人的には再起動はよく使うので有り難いのですが、なんとなく「再起動が必要な端末」なのかなと不安な印象を持ってしまいました。IS11SHではそんな不安定は感じなかったので、利便性の向上ということで信じたいところです。Hybrid W-ZERO3持ちとしてはIS11SHを触ってみて、テンキーとAndroidが十分マッチしそうだなと思えたので、Hybrid W-ZERO3にもAndroid提供してくれないかなーと正直思ってしまいました。WM6は悲しすぎる…。

 今回IS11SHでも充電ケーブルを挿しているとタッチ反応が異常に悪くなっていたので、説明員さんにも確認してもらい改善をお願いしておきました。他の機種では起きていなかったのと、今回は他にあまりそのような事例を聞かないので、Kスタの電源環境かケーブルがあまりよくない(アースに不備があるとか)のではないかと思ってしまいました。発売前の端末をユーザが試せる貴重な場所なので、ぜひその辺りの設備的な不備であるならば早めに改善をして欲しいなと思います。

 IS11CAの記事でも書きましたが、夏モデルにおいてはAndroid端末の特徴づけという点でauは他社に先行しとても成功したと思っています。ただ特徴づけされた端末はOS等の更新の心配も同時に発生してしまうので、ぜひauもアップデート保証ガイドラインへの参加を実現してユーザへの安心感を提供した上で、今後とも他社とは一味違う端末を提供し続けて欲しいと思います。

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au IS11CA KDDIデザイニングスタジオ版 簡易レビュー

■au IS11CA KDDIデザイニングスタジオ版 簡易レビュー
 2011夏モデルの中でも特にキャラクターが光っているIS11CAをKDDIデザイニングスタジオで見てきました。1F正面展示台の左側に4台展示されていた実機は、iida, acroに次いで3番目くらいの人の集まり度合い。やはり見ているのは男性が中心のようでした。docomoの夏モデルに比べてそれぞれの端末に非常に個性が感じられるauのラインナップですが、個人的には実機を見て防水・防塵・耐衝撃性能を誇るこの端末に非常に興味をひかれました。アウトドアがお好きな方には特に所有欲をかき立てられるいい端末だと思います。ということでこの端末は個別にレビューしたいと思います。

■ハードウェア
 カシオのG’zOneシリーズらしいAndroid端末としては非常に特徴的な外観ですが、実際に持ってみるとそれほど重くもなく、むしろ剛性に安心感があり樹脂のケースが手に馴染み持ちやすく感じられました。ボタン類は最小で、端末右側面にイヤホンジャック・赤外線?・USB端子、左側面に電源・音量・アクティブキーが並んでいます。イヤホンとUSBは防水のためのしっかりしたカバーが付いているのですが、外しにくいというようなことはなく、日常でも使い勝手は悪くない印象でした。ボタン類もクリック感はないものの操作はしやすく好感触です。設定で機能の割当が変更できるアクティブキーだけは1秒程度押し続けないと機能しないように設定されているのか、少し反応が遅い印象がありました。これはソフトウェアとの関係でそのようになっているのかもしれません。USB端子の位置が低いので充電しながら使うにはちょっと微妙な感じになりそうです。

 液晶は画面はそれほど大きくないものの、非常に明瞭でクリアに表示され見やすいものになっています。キズが付きにくいようにケース部分より低くなっているので操作への影響があるかなと思いましたが、全く支障はありませんでした。液晶画面下のタッチ式ボタン(左からメニュー・ホーム・戻る)も違和感なく使えますが、たまたま使っていた展示機は戻るボタンだけは少しだけタッチ反応が悪かったようです。他機では問題がなかったので特定の個体の問題のようでした。液晶画面上部にはセンサー類が集中して配置されているように見えますが、どれがなんの機能なのかは詳細にはわかりませんでした。背面上部中央にはカメラが搭載されていて位置的に指でカメラが隠れてしまうようなことはありません。カメラ自体の反応も快適で十分にさくさく撮影ができると思います。

 展示機には2GのSDカードが入っていたようです。空き容量は1.78Gになっていたのでほとんど空でした。内蔵ストレージは空きが167Mだったので、あまり余裕はない感じですね。G’zOneシリーズ専用アプリで内蔵ストレージを消費してしまっているのかもしれません。SDに移動できるかどうかまでは確認していないのですが、アプリ容量には注意が必要かもしれません。

 起動時間は以下のような感じです。
 電源オン→4秒→Android auロゴ→8秒→IS11CAロゴ→44秒→G’zOneロゴ動画→32秒
 →au ICカード読み込み表示→5秒→ロック画面(合計約103秒)

 ちょっと驚きましたが、最近の端末としてはかなり遅いです。IS11CAロゴが相当長いのでここでひょっとして起動前システムチェックとかをかなり厳密にやっているのかなと思いました。米国のMIL規格を満たす仕様になっているようなので、厳密なチェックはしていてもおかしくないかもと勝手に想像してしまいます。

■ソフトウェア
 Androidバージョンは2.3.3,カーネルバージョン 2.6.35.7-pref ncmc@ncmc #3、ビルド番号 00.15.51、ベースバンドバージョン M0001860となっていました。設定関連のメニュー構成はNECカシオらしくecoモード、au端末としてau one-ID設定が追加されているくらい。日本語入力プログラムにはATOK 1.0.0が搭載されています。AndroidのOS部分へのカスタマイズは必要最小限という感じです。

 アプリケーションではG’zOneシリーズ用の特徴的なアプリが導入されていて非常に興味深いです。専用アプリG’zGearは EARTH COMPASS(電子コンパス)・TRIP MEMORY(位置情報記録)・THERMO-METER(温度計)・SEA TIDE(潮位情報)・SUN/MOON(太陽や月の位置表示)・STAR PLATE(星座座標表示)の6種類。屋外で活動する際に役に立つ情報を表示してくれます。個人的には潮汐や日出日の入情報は釣りをする時に便利かなと思いました。これで後湿度計もあると個人的には嬉しかったです。更にアクティブキーと連携するActiveSlotという独自ランチャーも用意されています。アクティブキーへの割当は個人設定メニューのACTIVEキー設定から変えられますが、ActiveSlot・Flashlight ON/OFF・検索・機能OFFの4つの選択肢となっていました。

 もちろんau独自サービスの各アプリケーションやSkypeも導入されているので、この辺りは他機種と大きな差はありません。Android端末としての動作自体は快適でタッチ反応も含めて十分なレベルになっていると思います。水滴がついた時の動作などいろいろこの端末ならではで確認したいことはありましたが、展示機で試すというわけにも行かず、こちらは購入された方のレビューを待ちたいと思います。可能ならデザイニングスタジオでもそうしたタフネス機能のアピールができる展示方法も検討してもらえるといいなと思いました。

■まとめ
 通常のAndroid携帯とは別に休日用に一台持っておきたいと思わせる端末になっていると思います。au端末を既にお持ちならICカードを入れ替えて使うというのもいいのではないかと思います。ワンセグがないのは屋外での情報入手手段が減ってしまうので少し残念なところではありますが、性能を担保するにはアンテナ等が障害になる可能性があるため、コスト等も考えると見送りになっても致し方ないのかなとも思いました。この端末のために新規契約をするかまでは微妙かなぁと思いますが、Wi-Fiオンリーでも利用可能なら白ロムが出たらぜひ入手しておきたいと思わせるものはありますね。夏モデルにおいてはAndroid端末の特徴づけという点でauは他社に先行しとても成功したと思っています。ただ特徴づけされた端末はOS等の更新の心配も同時に発生してしまうので、ぜひauもアップデート保証ガイドラインへの参加を実現してユーザへの安心感を提供した上で、今後とも他社とは一味違う端末を提供し続けて欲しいと思います。

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■au htc EVO WiMAX ISW11HT 製品版ビルド? レビュー
 本日秋葉原SofmapにてISW11HTの更新ビルドを触ってきましたので、簡単にレビューしておきます。4月15日発売ということで後述するビルド番号からもほぼ製品版ビルドと思われますが、前回レビューから短い期間に2つバージョンが上がっているようなので、まだ修正は入るかもしれません。ざっと確認して気になったことだけを書いていきます。

■更新ビルド 1.05.970.1 CL339957 release-keys
 Androidバージョンは2.2.1で変更なし。前回のレビューと異なってビルド番号にreleaseの文字列が見えますので、おそらくこれが製品版で間違いないと思われます。ソフトウェアの番号 1.05.970.1、ベースバンドバージョン 2.15.00.03.04 ということで、カーネルやhtc独自項目についての番号に変更はありません。メニュー等をざっと一通り見てみましたがこれまでに比べて特に大きな変更などは行われていないようでした。

 今回試用した展示機も充電ケーブルを挿したままでも抜いても、タッチパネルはとても快適に操作することができました。当初Kスタの展示機で確認された問題は完全に解決されていると思われます。また今回のビルドではタッチパネル操作感が更に向上しているように感じられ、ホーム画面でのスクロールやフリック操作では、iPad2と比較しても遜色のない応答性追従性になっていると感じました。一応再起動して起動時間も計測しましたが46秒でほぼ変わらず。起動時間の改善はないようです。Quadtantの数字も3Gのみ有効の時に1158、Wi-FiやWiMAX有効の時には990〜1111と低くなる傾向も変わらずという感じです。今回はテザリングは有効になっていない状態だったため、デザリングではなくネット接続方式でスコアが変わるようでした。

 唯一気になったのはカメラの応答性です。NexusOneもシャッターラグ(撮影ボタンを押した時と実際に撮影された写真の時間のズレ)を感じる方ですが、ISW11HTはかなり遅く1秒近くラグがあるようです。静止物を撮影する場合にはあまり影響しませんが、歩いている人や動いている物を撮影しようとすると、とてもタイミングが難しいことになります。いろいろ設定を変更して試してみましたが、撮影サイズ、オートフォーカスのon/off、顔認識のon/offなどいろいろ負荷がかかりそうな設定を解除しても、全く改善しませんでした。これまでも遅いなとは思っていたのですが、製品版までに改善されるだろうと漠然と考えていました。しかし、これはISW11HTのカメラの仕様のようです。個人的にはカメラは重視していないのであまり影響はないのですが、カメラがポイントになる方は実機の確認をされることをお勧めします。Xperia arcのカメラの俊敏さを知っている方だと、耐えられないくらい遅く感じてしまうかもしれません…。

 発売が近くなり価格も新規68,250円、月々割2,000円x24ヶ月(auショップ伊勢佐木モールさん参照)ということで、最初の一括分は大きいものの、月約5,000円でテザリングし放題というのはなかなか魅力的ではあります。ただ、当初月々割1500円とされていたのに増額された背景を考えると夏モデルの発表を待つのもちょっとありかなと思ってしまいましたw MNPでは月々割が2,000円x24ヶ月は変わらず、本体が57,750円と更に10,500円下がりますのでより魅力的になります。決して安い本体価格設定ではないのですが、維持費やネットワーク性能を考えると悩ましいですね。とりあえず急いで切り替える理由はないので、発売日の動向を見ていつ購入するか検討しようと思います。

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■au htc EVO WiMAX ISW11HT 更新ビルド レビュー
 本日とある調査で都内に出ていたため、KDDIデザイニングスタジオに寄ってみたところ、EVOのビルドが更新されていたので簡単にレビューをしておきます。1Fの展示機は前回のビルドと新しいビルドのものが混在している状況でした。日曜ということで来客も結構あり、EVOに興味を持つ方もそこそこいらっしゃったので、前回ほどじっくり触ることはできませんでしたが、確認できたことを書いていこうと思います。

 4/6 EVOの製品版ビルドと思われるバージョンを確認したのでレビューを追加しました。
 au HTC EVO WiMAX ISW11HT 製品版ビルド? レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/953

■更新ビルド 1.03.970.1 CL338102 test-keys
 Androidバージョンは2.2.1で変わらず。前回のレビューと異なっているのは、ソフトウェアの番号 1.03.970.1、ベースバンドバージョン 2.15.00.02.23 ということで数字的な変化は大きくなく比較的小規模な修正と思われます。前ビルド1.02.970.1の機体でシステムアップデートのチェックをすると、新しいバージョンがある旨のダイアログが出たので、OTAでアップデートできるようでした。

 このビルドでは2点同時認識は変わりませんが、タッチスクリーンの応答性が更に良くなっているようで、フリック操作やピンチ操作が非常に快速快適になっているように感じました。とてもサクサク動作して非常に気持ちいい感覚です。ブラウザの動作も軽快になっているように感じました。前回問題になっていた充電ケーブルを繋いでいるとタッチ動作が安定しない問題は既に解決されていました。新しいビルドの機体も前ビルドの機体もどちらも充電ケーブルを繋いだままで、全く問題なく動作してくれました。説明員さんに以前来た時と何が変わったのか伺ったのですが、開発機ということもあり本体が変わったものもあるし、ソフトウェアが変わったもの(新ビルドのことと思われる)もあるし、ということで曖昧な感じで詳細なことは教えていただくことはできませんでした。新ビルドで機能的に何が変わったかもよくわからないという感じです。いずれにしても不具合は解消されたということで、EVO購入予定の方は安心していいかと思われます。

 起動時間は以下のような感じでした。
 電源オン→5秒→Android auロゴ→19秒→htcロゴ→22秒→ロック画面(合計約46秒)

 新ビルドでも起動時間は変わりませんでした。Android auロゴ表示までの時間が短くなった分、htcロゴの表示時間が2秒長くなって結果は同じ46秒でした。Quadrantが既にインストールされていたので、試してみたことろ1回目1158、2回目1156ということで、HTC EVO 2.2+よりもちょっと低いという感じでした。ちなみにWiMAXとWiMAXデザリングをonにして計測してみたところ、1回目990、2回目1118ということで3Gのみの時よりもスコアが落ちました。WiMAXは多少負荷が大きいということなのかもしれません。

 残念ながら細かいアップデート内容はわからなかったのですが、不具合が解消しタッチレスポンスが向上していることが判ったので、デザイニングスタジオに寄ってみて良かったと思いました。懸念されるEVOのバッテリー持続時間については既に3500mAhの大容量バッテリーが国内でも5000円程度で入手できるようになっていますし、WiMAXルータとしても十分に活用できそうです。HTCは既に3D対応のデュアルコア新世代EVOを発表しており、海外では今月WiMAX対応の新機種が複数発表されたため、auの夏モデルの発表が気にはなりますが、たぶんISW11HTを購入してしまうような気がしますw

 XOOMも確認したかったのですが、時間がなく諦めざるをえませんでした。こちらについては機会があれば改めてチェックしたいと思います。今回一応説明員さんにISW11HTの発売予定について確認してみたのですが、4月上旬ということで変更の通知は来ていないが地震の影響で遅れる可能性はあるとのことでした。興味がないので知らなかったのですが、実際G11が発売予定日過ぎても関東で発売できていないとのことでしたので、少しずれ込むことは覚悟しておいた方がいいのかもしれません。こればかりは仕方ないので発売まで楽しみに待つとしましょう。

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