■Windows Phone 7 Connectorでバックアップを取得
 OMNIA7をMangoアップデートするに当って7392のバックアップ保持するためのメモ。おそらくMac用のWindows Phone 7 Connector v2.0でも時期が来ればOMNIA7をMangoにアップデートできると思われるが、現時点で更新通知なしの端末をムリヤリアップデートするためにはZuneSoftwareでやる他手順が明確になっている方法がないので、Windows Phone 7 Connector側でバックアップを確保しておき、いつでも戻せるようにしておくつもりで実施したことを中心に書いておく。

1)Windows Phone 7 Connectorでバックアップ作成
・端末をUSBケーブルでMacに接続する
・Windows Phone 7 Connectorを起動する
・左メニューに表示された端末名を選択する
・デバイスオプションボタンをクリック
・「バックアップの作成」をクリック

2)バックアップデータを確保する
・/User/ユーザ名/Library/Application Support/Windows Phone 7 Connectorを開く
・Devicesフォルダの中を確認
・「fba78dcc – xxxxxxxx – fc2932d3 – xxxxxxxx」のようなデバイスコードがある
・その中にある以下の3つを別にコピーして保存する
 Backupフォルダ
 DeviceMediaInfo.xml
 Sync Configuration.xml

3)リストア手順
・端末をUSBケーブルでMacに接続する
・Windows Phone 7 Connectorを起動する
・左メニューに表示された端末名を選択する
・デバイスオプションボタンをクリック
・「復元」をクリック

 リストアでは常に最新のバックアップからの復元が実行されるため、最新のバックアップ(古いバックアップはバックアップ保存場所のパス(上記参照)に「Backup 2011-08-06 01-45-53」のような日付+時間の形式で保存されている)と同じように、復元したい時点のデータをBackupにリネームしてから復元ボタンを押すことで元に戻すことが可能(Mango→NoDoの復元も問題なく可能でした)。

 ちなみにMango端末をWindows Phone 7 Connectorに接続した場合、デバイスオプションの上に「App Marketplace」のボタンが表示され、これを押すことでSafariが起動しWeb版App Marketplaceに接続することができる。また左メニューに「着信音」項目が増えており、iTunesライブラリから30秒未満の曲が自動抽出され、着信音として端末に転送できるようになっている。

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とりあえず付けておく無駄ではなかったなまぁまぁ読めたちょっと役に立ったかなかなり良かったかも (まだ評価されていません)
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■OMNIA7をWP7.5(Mango)にアップデートしたメモ
 本日から始まったWP7.5(Mango)へのアップデートで手元のOMNIA7をアップデートしたメモ。アップデートの通知は来ていなかったが、ななふぉさんこちらの記事の手順を実行したところ、アップデートを行うことができた。感謝。以下箇条書きでメモ。

・NoDo(7392)の時点で日本語ロケールをレジストリ追加しようか迷ったが今回は止め
・代わりに7392のバックアップを保持しいつでも戻せるようにしておく
・バックアップ保持手順は別途
・アップデート手順は全くななふぉさんの記事の通りでOK
OMNIA7の場合7392→7403へアップデート完了した時点でZuneがデバイスを見失う
そのため一度Zuneを終了し、OMNIA7をPCから外して再接続する必要がある
・7720アップデート直後の起動もあまり時間がかからなかった
(いつもよりやや長いくらい)
・デフォルト青だったタイルが全てマンゴーオレンジにw
・入れていたTwitterアプリのみ青のままで違和感w
・アカウントでTwitterを新規登録しても反映までに少し時間がかかる
・MeからTweet参照もポストもできるけどLists見えないし検索登録単語も利用不可
・結局Twitterアプリは外せない…(なんか別の方法あるのかな?)
・Exchangeアカウントのメールがデフォルトでスレッド化表示になっていた
・表示の修正はsettingsからConversationsをオフに変更すればOK
・ホーム画面のタイルのスクロールが早くなった気がする
・IEのスクロールもかなり快適になっている気がする(追従性も高い)
・IEのフォントがキレイになったような…?
・Nelのスクロールのぎこちなさは変わってないような…?
 →Nelのアップデートで超快適になりました
・日本語入力がJPInputよりやりやすい!(当り前w)
・カーブフリックは未検証(QWERTY入力派なため)
・Hotmailのメール送信動作が早くなったような…w
・顔文字確かに充実してるなぁw
Hotmail経由の日本語メールはMangoでもutf8エンコード&本文base64エンコードorz
・live.comアカウントだからダメなのかな?システムロケールが北米のままだからかな?
・ディスプレイランゲージがjapaneseでないとダメなのかな?
・IS12Tだと問題ないんだろうか…?
・live.jpのアカウントで要検証
・カメラがタッチフォーカスに対応…あれ?前からできたっけ?気付いてなかったかも
・Internet Sharing項目出てこないな…?3Gデータ接続してないとダメなのかな?
 →レジストリいじらないとダメらしい…orz
・ヘッドフォン出力の音質がすごく向上している気がする…!プラシーボ?
・電池の持ちが悪くなったorz 001HTと同じくらいな感じ…
・Wi-Fiへの再接続が早くなった
・スリープしてもWi-Fi接続を維持している時間が長くなった
・Wi-Fi再接続の失敗が激減した
・People Hubの使い勝手が上がったので利用度が上がった
・Nowアプリがバージョンアップして動作が向上した
・gMapsアプリが最初Map画像表示できなかったが端末再起動したら表示した
・スリープしてるアプリのレジュームが速くなった
・メイン端末として使ってみてもいいかな?と思うようになったw

気付いたら随時追記

 とりあえず全般的に非常に快適になった印象。使うのが更に楽しくなった感じ。アカウントとロケールの問題をいろいろ試してみたら、一度7392に戻してみるかもしれない。現状では多くの日本語対応アプリがやはりMarketplaceで表示されない。ロケール関係はほんと面倒だなぁ。

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■Windows Phone 7 Connector 2.0 アップデートメモ
 WP7系端末とMacを接続するMicrosoft謹製Windows Phone 7 Connector for Macが2.0のアップデートされ、IS12Tを始めとするMango端末や日本語に対応したので使ってみたメモ。

■アップデート内容(抜粋)
・日本語を含む13の言語対応を追加
・Windows Phone Marketplaceに対応(Mango端末必須)
・着信音転送に対応(Mango端末必須)
・Apertureのファイル同期に対応
・Video同期変換時の設定を選べるように(品質orサイズ)
・「デバイスを参照」の項目からドラッグ&ドロップでアイテムインポートが可能に
・Videoのメタタグに対応 等々

■アップデートで確認できたこと
・アイコンが赤四角のMangoロゴに変更された
・OSが日本語優先なら起動時に日本語でちゃんと起動した
・同期されていたコンテンツが全て再同期された
・640×480 HP3の動画が無変換で転送可能になった
・720p以上の動画も品質重視で変換転送すれば十分な画質で再生可能になった
・変換動作が4コアに対応したようで数倍高速になった
・OMNIA7が7392のためMarketplaceは表示されなかった
・ドラッグ&ドロップインポートは思ったより快適
・動画と写真がちゃんとiPhotoに転送できるようになった!

■OMNIA7で撮影された動画について
 WP7では720pのmp4動画が撮影可能になっているが、そのフォーマットをMP4Boxで詳しく確認してみたところ以下のようになっていた。撮影された動画は端末で再生できるので、同じフォーマットなら無変換で転送できるかと期待したが、同じファイルを名前を変更してiTuneに登録し転送しても変換がかかってしまうので、これはもうWindows Phone 7 Connectorの仕様と言わざるをえない。

* Movie Info *
Timescale 1000 - Duration 00:00:21.670
Fragmented File no - 2 track(s)
File Brand isom - version 0
Created: GMT Thu Sep 1 01:18:08 2011

File has no MPEG4 IOD/OD

Track # 1 Info - TrackID 1 - TimeScale 1000 - Duration 00:00:21.670
Media Info: Language "Undetermined" - Type "vide:mp4v" - 520 samples
Visual Track layout: x=0 y=0 width=1280 height=720
MPEG-4 Config: Visual Stream - ObjectTypeIndication 0x20
MPEG-4 Visual Size 1280 x 720 - ISO Reserved Profile
Pixel Aspect Ratio 1:1 - Indicated track size 1280 x 720
Self-synchronized

Track # 2 Info - TrackID 2 - TimeScale 1000 - Duration 00:00:21.610
Media Info: Language "Undetermined" - Type "soun:mp4a" - 1013 samples
MPEG-4 Config: Audio Stream - ObjectTypeIndication 0x40
MPEG-4 Audio AAC LC - 2 Channel(s) - SampleRate 48000
Synchronized on stream 1

■使ってみた感想
 あくまでもiTune連携は変わらずZuneサービスも利用できないが、転送速度も速く、動画変換の速度と品質が向上したことで十分実用的になっていると思われる。日本語にもしっかり対応しているので非常に使いやすくなっている。Mango端末ではMarketplaceに対応したことで使い勝手が非常によくなると思われるので、とりあえずIS12TなどMango端末を早く入手(OMNIA7に早くアップデートが来て欲しい…)しなければと思った。比較的短期間に日本語対応版がリリースされて良かった。世界的にはやはり9/1がMangoリリースのターゲットで、それに合わせて準備されていたのかもと思ってみたり。これから登場するMango端末にも期待したい。

【9/29追記】Mango端末をWindows Phone 7 Connectorに接続した場合、デバイスオプションの上に「App Marketplace」のボタンが表示され、これを押すことでSafariが起動しWeb版App Marketplaceに接続することができる。また左メニューに「着信音」項目が増えており、iTunesライブラリから30秒未満の曲が自動抽出され、着信音として端末に転送できるようになっている。

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■Windows Phone 7 とCommuniGate Proを同期するメモ
 OMNIA7(ビルド7392)とCommuniGate Pro 5.4.1をActiveSync (AirSync)で同期した設定のメモ。Exchange設定で問題なくメール、カレンダー、コンタクトが同期できる。日本語の表示もOK。但し7392だと正式に日本語対応していないため、返信等が全てutf8でエンコードされるため、携帯宛てメールでは注意が必要。ActiveSync設定を行う場合にはSSL経由にすることを強くオススメする。個人でも無償利用可能なStartSSLをサーバ側で使っている想定で証明書のWP7端末へのインストール手順から説明する。

1)StartSSLのCA証明書をWP7端末にインストールする
 WP7端末のIEで以下のURLにアクセスする
  http://www.startssl.com/certs/ca.cer
 「タップしてファイルを開く」と表示されたアイコンをタップする
 「証明書をインストールしますか?」と出るので「インストール」をタップ
 「OK」をタップしてインストール完了
 全てのアプリで利用できるように一度端末を再起動する

2)CommuniGate Proと同期設定をする
 「Settings」>「email & accounts」>「add an account」をタップする
 アカウントタイプから「advanced setup」を選んでタップする 
 同期するメールアドレスとパスワードを入力する
 種類で「Exchange ActiveSync」を選んでタップする
 「domain」にメールアドレスの@以下を、「Server」にサーバのFQDNを入力する
 この時SSL利用にチェックを入れておくこと
 オプション項目は任意に設定
 設定が終わったら「sign in」をタップして完了
 これでOutlookアイコンがホーム画面に作成される

 Outlookアカウントから設定することも可能だが、メールアドレスのドメイン部とサーバ名が一致していないとチェックのため2回ほど待たないとサーバ設定画面に到達できないので、最初からadvanced setupを選択することをオススメ。おそらく最新のMango (7720)でも同様の手順で設定可能と思われる。サーバ同期を組むとiPhoneやAndroidとのスケジュール連携も容易なのでとても使いやすい。

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■Windows Phone 7 Connector for Macで動画無変換転送
 IS12Tは手に入れてないけど、とりあえずOMNIA7を使ってWindows Phone 7 Connector for Mac 1.1 (8/27現在の最新)でMacから無変換で端末に転送可能な動画ファイルを調べたメモ。Windows Phone 7 Connector for MacはiTunesに登録されたコンテンツから転送するものを選択することになるので、非常に限られたものしか転送できない。転送の制限は端末のOSバージョンではなくアプリ側の制限らしいので、おそらく現バージョンを使う限りIS12Tに対しても同じものしか転送できないと思われる。

■転送できたファイル
 いつもの再生テスト用のファイルを流用。無変換転送できたものは○。転送はできたが変換されたものは△。iTunesに登録すらできなかったものは×。

  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi ×
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi ×
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi ×
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv ×
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv ×
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4 ○
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4 ○
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4 △
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4 △
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4 △
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4 △
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4 △
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4 △
  N) WMV 24fps 640×480.wmv ×
  O) WMV 60fps 640×480.wmv ×
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

結果iTunesにはmp4以外は登録できず。mp4も480pのBPまでで、HPになると変換されてしまう。残念ながら変換精度は低く変換された動画の品質は非常に低い。キレイに見たければMac側でHandBrakeやPermuteを利用して480pのBPでエンコードしておくことが必須。ちなみにOMNIA7で撮影された720p動画はmp4形式で保存されているらしく、Windows Phone 7 Connector for MacのBrowse Deviceメニューから見え、選択してImport select itemsボタンを押すことで本来Mac側のiPhotoに取り込まれるようなのだが、手元の環境OSX 10.6.8、iPhoto 8.1.2ではiPhotoは起動するもののデータは取り込まれないという状態になっている。いろんな意味で微妙…。

ちなみにWP7の正式なサポートフォーマットリストはこちらを参照してください。
 MSDN(Mango)
 http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ff462087(v=VS.92).aspx
 ちょっと前の分
 http://wpsevens.jpn.org/2010/07/1170/

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■MacとWindows Phone 7を同期する
 OMNIA7をMacと同期できるようにしてみたのでメモ。端末のアップデートもできます。ハッキリ言ってZuneのサービス使わないなら設定なども含めて日常的な使い勝手はこっちの方がずっと楽な気がする…。

1)MacのメニューからApp Storeを起動する
2)「zune」で検索する
3)見つかった「Windows Phone 7 Connector(無料)」をインストールする
4)MicroUSBケーブルでOMNIA7をMacに接続する
5)Windows Phone 7 Connectorを起動する
6)同期するコンテンツを選ぶ

 なんだか当然のようにiTunesのコンテンツがiPhone同様に同期できるようになってます。同期可能なのは音楽・写真・ビデオ・ポッドキャストで、iTunes/iPhotoで管理されているコンテンツが対象です(DRMコンテンツは転送できませんし、動画はWP用に変換して転送されるようなので転送時に時間がかかります)。WP7端末内のコンテンツもMac側で見ることが可能です。左メニューに表示されている端末名をクリックして「Device Options」ボタンを押すと細かい設定が可能で、ここから端末のアップデート等も可能です。7004から7392へのアップデートを普通にWindows7でやってしまったのだけど、Macで試してみたら良かったなぁ。

 Windows Phone 7 Connector for Mac の現在のバージョンは1.1。10.6.xでしか動作させていないので10.7で適切に動作するかはわかりません。Mangoの登場に合わせてタイムリーにアップデートしてくれると嬉しいのですが、さてどうなりますか。

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■au IS12T デザイニングスタジオ版レビュー
 昨日発表になった日本初のWindows Phone 7系端末 IS12T が本日よりKDDIデザイニングスタジオで展示されるということだったので早速見に行ってきました。展示は2Fの中央、6台ほどが展示されており展示初日ということもあってか並ぶほどではないものの常に誰かしらが見ているという感じで、平日昼間としては人が集まっていたのではないかと思います。全く新しいタイプの製品(WM6系とは完全に別モノですし)ということで、説明員さんも少し戸惑っている様子で、事前にマニュアル等は案内されたがまだわからないことがいっぱいと正直に話してくれていました。ちょっと面白かったのは見ていた限り意外と女性の注目を集めていたことと、女性の製品評価がすごく高かったことでした。数台横の端末を使っていたカップルの女性がとても気に入って喜んでいる様子がとても印象的で、個人的にも製品を見てなるほどなと思うところもあり、出足を心配されているWP7端末ですがauのマーケティング次第では結構イケルんじゃないかなと感じました。

■ハードウェア
 正直に行ってハードスペック的には防水防塵+1320万画素カメラという特徴があるとはいえ実質中身はIS05相当(MSM8655)で、昨今のAndroid端末のスペックに比べれば特にハードウェア的に見るべきものはありません。Windows Phone 7からMicrosoft社がハードウェアの仕様を厳密に定めたことでAndroid系に比べてメーカーの特色が出しにくくなっていることが影響していると感じざるを得ません。もちろんハードウェアがプアという訳ではなく、全体の印象はボタン類も少なくシンプルで軽量、剛性も高くしっかりした本体で、持った感じもコンパクトで意外と持ちやすい印象です。液晶も表示は美しくタッチ反応も非常に軽快で好感触です。液晶下部に物理ボタンで左から 戻る・スタート・検索とボタンが並んでいますが、こちらの操作感も悪くありません。側面のボタン類は右側面に上から 電源・音量・カメラボタンと並び、上部にイヤホンジャックとMicroUSB端子、下部にはストラップホール、左側面には何もなし、という極めてシンプルな構成です。ストラップホールを除いてはWP7系端末としては標準的な構成で、手元のOMNIA7もほぼ同じ構成要素で成り立っています。既に世界で出荷されているWP7系端末と比較して特徴的だとすると、本体に黒ではないカラーが付けられていることは興味深いポイントです。

 起動時間はWP7のおかげで非常に速く、以下のような感じになっています。
 電源オン→6秒→防水性能注意画面→10秒→au by KDDIロゴ→7秒
 →Windows Phoneロゴ動画→3秒→メイン画面(合計約26秒)

 電源オンからたった26秒でメイン画面になる俊敏さは今のAndroid端末にはない強みだと思います。これでも同じWP7系端末であるOMNIA7と比較すれば遅いくらいでOMNIA7は24秒ほどで起動してしまいます。IS12Tは他言語対応を果たして多機能になったWindows Phone 7.5 (7716)を搭載しており、OMNIA7は初期のWindows Phone 7 (7004)を搭載しているということでシンプルな分OMNIA7の方が勝ったのかもしれません。いずれにしても起動が一分程度かかる端末が多いAndroid系に対してそれなりに嬉しいポイントではあります。

■ソフトウェア
 Windows Phone 7.5 Mangoの動作している実物を触るのが初めてだったので個人的にはすごくいろんな変化を期待していたのですが、日本語に対応したという大きな変化はもちろんあるものの実際のメニュー構成の中身などを確認してみると、英語で動作しているWP7の(日本語表示は可能)OMNIA7と比較してもさほど大きな変化を実感できず、やや期待外れというのが率直な印象でした。もっと大きな変化があるかもという期待が大きすぎたようです。もちろんOMNIA7に比較して画面のスクロールが3〜5割程度速く快適になっていたり、日本語フォントがきれいに表示されていたり、アニメーションのスムーズさが体感でわかるなど全般的に向上している部分は実感できますが、それがハードウェアの力なのかソフトウェアの改善なのか判断することはできませんでした。これらはOMNIA7がMangoになった時に改めて比較してみたいと思っています。展示されていたIS12TのOS情報ですが、以下のようになっています。

 ソフトウェア:Windows Phone 7.5
 OSバージョン:7716.WM7_Main (mojobld).20110718-1440
 ファームウェアリビジョン番号:5008.1907.952.450
 ハードウェアリビジョン番号:112.1410.2.0
 無線ソフトウェアバージョン:0.9.04.50
 無線ハードウェアバージョン:8655
 ブートローダーバージョン:7.17.2.0
 チップSOCバージョン:0.75.2.1

 WP7の開発者向けに最新で提供されたMangoバージョンが7716で、完成版Mangoが7720ということらしいので、展示されていたのは開発者向けと同じ最新バージョンということになります。9月発売時には7720以降の番号で発売されることが予想されますが、現在と大きく中身が変わることはないと思うので、IS12Tに興味のある方はすぐに実機確認に行かれてもいいのではないかと思います。

 Windows Phone 7.5になってもUIなどの操作感やメニュー構成などはほとんどWindows Phone 7の時と変わっていないように感じます。日本語化された設定メニューも並び順も含めてほぼ同じ内容です。IS12Tで追加されているのが確認できたのは「バッテリーセイバー」「ワイヤレス設定」「SIMセキュリティ」「音質設定」の4項目で、どれもとてもシンプルな設定内容になっています。WP7の特徴として設定できる項目が非常に少ないことが上げられると思いますが、Androidを日常使っている人がWP7端末を初めて触って設定画面を見た時に感じるのは「えっ?これしか設定できないの?」という驚きではないでしょうか。iPhoneも設定できることが少ないと思いますが、それよりも更にシンプルになっている印象です。一つの設定メニュー項目を選択して出てくる画面で設定できるのは1つか2つが当り前、ページをスクロールして設定項目が並ぶような画面はとても少ないのでびっくりしてしまいます。WM6系ではどこで何が設定できるのか困ることがままありましたが、WP7では本当に思い切ってシンプルになっており見通しもよくなっていてMicrosoftの本気を感じさせます。

 タイル状アイコンを操作する2次元的で非常にフラットな印象が強いメトロUIですが、設定項目のシンプルさからも判るようにMS的にシンプルさと使いやすさを追求した結果到達したユーザインターフェースであることは、使ってみると非常に実感ができると思います。IS12Tはauの製品だけにINFO BARのUIと比較されることも多いようですが、表面的にカスタマイズされただけのAndroidのUIと、設計思想として貫かれたWP7のメトロUIではその操作感も統一感も比べ物にはならないというのが正直な感想です。ただ英語でWP7を使っていた印象からすると、日本語でのメニュー表記等はフォントも含めてやはりデザインの一貫性を微妙にするような違和感を感じる部分が残ってしまっていると思います。いっそユーザにフォントを選択させてくれたらいいのにと思うのですが…。またIS12Tには残念ながらWP7の設計思想を無視した国内アプリも標準搭載されてしまうようですが、ぜひとも早期にWP7専用のアプリとして再リリースして欲しいと感じます。明るいカラータイルに小さく表示される情報は、40代以降の視力に自信がなくなってくるくらいの世代にはちょっと厳しい感じがしますし、たくさんのアプリを入れたり細かくいろいろ設定をしたい人にはあまり好まれないと思うので、メトロUIは万人向けのUIとは思いませんが、前述の通りシンプルな使い勝手を望む層で特に女性には印象的にも好まれると感じました。

 日本語入力は話題になっているカーブフリックの他、通常のqwertyキーボードでの日本語入力も可能です。変換精度はAndroidのATOKほど優秀ではない印象ですが、FSKARENよりはマシという印象でした。日常Androidでqwertyキーボード入力なのですが、IS12Tでは思った以上に誤入力をしてしまい、ちょっと慣れが必要かなと感じました。各キーがなんとなく小さめに感じるのはスクリーンサイズというよりは、配列デザインの問題のような気もします。

 少し気になったのは展示機では「音声(speech)」の機能が使えないようになっていたことです。英語設定であればスタートボタンを長押しして音声で端末コントロールをすることができるのですが、日本語設定では「現在の言語設定では、音声は使用できません。」となって利用できない旨が表示されてしまいます。これはAndroidが音声検索等で先行していることもあり、ちょっと残念なところです。できないと言えば、IS12Tには国内で比較的要望の多い赤外線通信の機能がないのですが、そのカバーとして「プロフィール交換」というアプリが用意されていました。自分の情報をQRコードで表示できるアプリでdocomoやsoftbank向けコードを生成することもできます。これでQRコードを相手の携帯カメラで撮影して読み取ってもらうことで簡単にアドレス交換できるという仕組みです。次善の策ということなのでしょうが、嬉しい工夫だと思いました。

 1320万画素とスマホとしては高い画素数を誇るカメラ部ですが、WP7のソフトウェア的な部分でカメラ対応があまりレベルが高くないせいか、撮影レスポンスはそれほど悪くない(こちらも解像度が違うとは言えOMNIA7の方がやや快速)ものの、機能的な部分で最近のAndroid端末にはやや見劣りしてしまいます。本体側面のカメラシャッターボタンの長押しでいつでもカメラが起動できるなど使い勝手は悪くないのですが、カメラ重視の方はできるだけ実機確認をされた方がいいと思います。カメラで撮影するとデフォルトでSkyDriveにアップロードしようとするので、その辺の設定も含めてプライバシーを重視したい方は注意をする必要があります。

 ちなみにキャリア毎に選択となっているらしいテザリングの機能はIS12Tには見当たりませんでしたorz

■まとめ
 日本語化されて国内にいよいよお目見えするWindows Phone 7.5を搭載したIS12Tですが、KDDIデザイニングスタジオで実際に端末を触っている人たちの感想を聞いている限りでは、シンプルさ分かりやすさを望む層には十分訴求できるのではないかと思いました。IS11PTのようにシンプルメニューを選択して利用するくらいならIS12Tはそれに近い簡便さを提供してくれるように感じます。おそらくauもそうした層を意識してカラーを選択できるようにし、CM等にも若い女性層に受けるキャラクターを使ってくるのではないかと推測しています。個人的には一般向けモバイルデバイスの選択肢のひとつとして十分な素養はあるのではないかと思いますが、WindowsMobileは企業向けという既成概念をうまく打ち壊して、シンプル且つ動作が軽快というポイントをうまく伝えて実機をどこかで体験してもらう戦略を取っていかないと、相当値段を安くしない限り選択肢が豊富なAndroid端末と比べて積極的に選択してもらうのは国内の現状では難しいのではないかとも思います。Android auで訴求してきたauがどのような広告戦略を取るのか、今後の動向を非常に興味深く見ていきたいと思います。

 そうそう。Microsoftが提供するHotmailはセキュリティの面でこれまで何度も問題になっていたりしますし、WP7自体がクラウド指向でSkyDriveを利用するように誘導されているため写真撮ってクラウドにアップしてたら知らない間に世界中に公開されちゃってて大慌てみたいなことにならないといいですよねーなどと、説明員さんとも話していたのですが実際にありそうで恐いので、やっぱり設定には慎重になりたいところですね。IS12Tに導入されるリリース版のMangoのデフォルト設定が安全側へ誘導(デフォルトでネットへアップじゃない)になっているよう祈りたいと思います。

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