■docomo Xperia arc SO-01C ラウンジ版 レビュー
昨日発表のあったdocomoの新製品Xperia arcがスマートフォンラウンジで既に展示されていると聞いて速攻で行ってきました。さすがにXperia arc SO-01Cはすごい人気で、MEDIAS N-04CもOptimus Pad L-06Cも展示されているのに、この機種だけ順番待ち札が出ていて10台ほど?展示されていたにも関わらず、かなりの待ち時間となっていました。18時過ぎという時間だけにサラリーマン風な人も多く、主に男性ばかりでしたがとてもラウンジは賑わっていました。説明員の方も結構たくさんいらっしゃったのですが、順番待ち対応や説明対応にと手が足りていない感じで忙しそうでした。あまり期待はしていなかったのですが、説明に関しては「入荷したばかりでほとんど詳しいことがわからない」「そこまで説明を受けていない」「正確なことはわからないが、正式発売までにまだたくさんの変更があると思う」という感じで、少し突っ込んだ質問にはほとんど回答は得られませんでした。ということで、実感と現状をベースにレビューをしたいと思います。
■ハードウェア
第一印象は軽い!でした。見た目の印象はもうちょっと重そう(大きいので)なのですが、持ってみるとアーチ型に反った背面のせいか持ち手の安定感があり、結構軽く感じられます。形状からしてどんな感触になるのかと思っていましたが、とても自然に違和感なく安定感良くちょっと意外でした。液晶は深い色味で(GUIのカラーマネージメントの影響も大きいと思います)、iPhone4の様にガラス表面に液晶画像が貼り付いているかのような印象を与える作りになっています。iPhone4よりももっと表面に近い感覚で、初めてみると「おっ!違うな」と思うくらいハッキリと感じられます。コントラストもハッキリしていていいのですが、見やすいかと言われると個人的には少し違和感を感じる度合いの方が大きかったと思います(全体的なGUIの色使いが深い青で、本体が黒(Midnight Blue)だったのと相まって少し暗い印象を持ってしまいました)。
大きな液晶下端に左から順に「戻る・ホーム・メニュー」の並びでやや細いボタンが配置されています。片手で操作するのはちょっと厳しい感じですが、ボタン自体の感触は悪くありませんでした。片手操作しようとすると少し持ち手を下持ち加減に持ち直す必要があったのですが、背面の形状のおかげかこの場合でも比較的安定感があったので、とても操作しにくいということにはならないと思います。
充電ケーブルは本体右側面上部端にあるため、充電しながら操作しても持ち手の邪魔になりません。これはIS03等と大きく違う点です。展示機にはL型プラグが刺さっていましたが、これが製品添付のケーブルなのかはわかりませんでした。上部左端に電源ボタンがあるのですが、小さくて正直ちょっと使いにくい感じです。左側面上部端にはイヤホンジャックがありますが、横向きに端子を挿すことになるので胸ポケットなどで入れて使う用途ではとても不便になりそうです。これはもうBlueToothを使えということなのだなと感じました。下部左にはストラップホールがあります。端でも中央でもない微妙な位置なのですが、落下防止に手首に通すタイプのストラップを使う場合には意外といい位置なんじゃないかと思いました。
この機種の特徴としてカメラ性能が挙げられると思うのですが、カメラ部分のソフトウェアはあまり凝った仕掛けはなく基本的な機能という印象、撮影画像も本体で見る分にはあまり違いがわからないので評価は別の方にお任せします。しかしながら、ハードウェア的に本体右側面下部端にシャッターボタンが独立で設けられており、カメラが重視されていることが伺えます。残念ながらボタンは小さく、使い勝手がいいとまでは言えない感じですが、半押しでフォーカス、更に押し込んでシャッターというデジカメと近い動作をしてくれるので、画面タッチで撮影するよりも使いやすいとは思いました。
起動時間については以下のような感じです。
電源オン→10秒→ソニエリロゴ動画→8秒→docomoロゴ表示→38秒→ロック画面(約56秒)。
起動はdocomoロゴ表示時間が意外に長く、あまり速い印象ではありません。この辺りも正式版では改善されるのではないかと思います。
■ソフトウェア(OS)
Androidバージョンは2.3.1、カーネルバージョン 2.6.32.9-pref SEMCUser@SEMCHost #1、ベースバンドバージョン 7X30A-AAABQMAZM-1290_09-01、ビルド番号は3.0.A.2.28でした。docomo版のファームということでメニューの日本語フォントもキレイに表示されていますが、まだ未完成であるらしく一部に英語のままのメニューが残っている状態でした。設定に「Sony Ericsson」というメニュー項目があり、「Connectivity / Connect the phone to other devices or PCs with USB or via Wi-Fi」という名前の項目以下が全て英語のままでした。USB接続モードなどを設定する箇所なので、こちらも正式リリースでは日本語化されると思います。また意外なところで、表示メニューで独自部分である「Mobile BRAVIA engine」も英語表記のままでした。docomo版なので当然のようにテザリングメニューはありません。またAndroid2.3の特徴であるはずの通話設定におけるIP電話(SIP)設定の項目もごっそり無くなっている状態でした。
Android2.3だけあって液晶のタッチ反応は非常に良く、フリックの応答性追従性は申し分ないと思いました。独自UIも小気味よく動作する印象を与えるギミックと、粘り気を感じさせるぬるっとした画面切替えの動きがなかなか面白い感じに組み合わせられていると思いました。操作感そのものはとても心地よい感じになってると思います。再起動直後は若干ぎこちない動きを見せるものの、すぐにそれは解消されました。サクサクした動作感覚を望む場合にはホームアプリを変えるなどの工夫をした方がいいかもしれません。
■ソフトウェア(アプリ)
ソニエリ製品として当然のように「LiveWareマネージャー」がプリインストールされるそうです。もちろんマネージャーは半角カタカナ表記ですw この辺にソニエリのよくわからないこだわりがあるようです。LiveView使いの皆さんはひょっとすると活躍させられるパートナーをやっと手に入れられることになるかもしれません(期待は薄いですが…)。LiveWareマネージャーのバージョンをチェックするのを忘れてしまったのですが、GUIを見た限り新しいバージョンになっているような気がします。
ちょっと気になったアプリとしては「life.episode」のマーケットへのエイリアスが入っていました。マーケットでの名称は「life.episode Japan beta」となっており、日本向けのアプリになっているようです。利用するには自分でマーケットからインストールする必要があります。AndroLibの説明では「life.episode(tm)ベータはニュース、音楽、アニメーション、写真、グルメ情報、ショッピングなど幅広いジャンルの最新情報を発見できる、ソニー・エリクソンによる新しいエンタテインメントです。「ポケット」機能ではお気に入りの情報を簡単にスクラップし、好きな時に取り出すことが可能です。新感覚のインターフェースを体感してみましょう。」ということなので、メーカーが用意するコンテンツサービスということのようです。まだベータということなので、プリインストールではないのだと推測されます。
期待していたDLNA対応は「メディアサーバ」というサーバアプリが導入されていて端末内のコンテンツを共有できるというものでした。詳細表示が英語のままなどまだローカライズが完了していない状態でした。残念ながらDLNAクライアントになるアプリは用意されていないようでした。
■まとめ
全般的に魅力的な端末になっていると思いました。個人的には購入意欲が高い端末だったので期待はしていたのですが、価格次第で十分購入に踏み切れそうだと思いました。ただ夏には国内独自機能を追加したバージョンがリリース予定ということなので、そこが悩みどころかなと思っています。また内部ストレージが512Mしかないという記事をどこかで読んだので、そこも少し気になっています。OSとしてはSDカードにアプリをインストールすることが可能な仕様ですが、多くのアプリが未だにSDに移動できない現状では512Mはちょっと小さすぎるのではないかと心配しています。今回実機で確認してくるのを忘れてしまったのですが、この点は夏モデルで解消して欲しいと思います。
既にデュアルコア時代に入ったAndroid端末ですが、やっと少しずつ世界からの遅れを取り戻してきているように感じます。今回Xperia arcが大きく遅れずにリリースされることは非常に感慨深いものがあります。docomoがAndroid端末の先進性をマーケティング面でも活かそうとしているのが伝わってくるようです。4月からはSIMロック解除もできるようになるということで、国内独自機能に拘らず最新のグローバルモデルをどんどん国内に投入してもらいたいと強く思います。
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