■iOS/Android/WP7.5のバッテリー耐久テストをしたメモ
 スマホのバッテリー消費がおよそ同条件でほんとはどれくらい違うのかを試してみたメモ。結論から言うとGalaxyNexusのバッテリー耐久度はすごい。以下テスト条件と結果を簡単に。

■評価機種とバッテリー容量
1)GalaxyNexus Android 4.0.2 1750mAh
2)ARROWS X LTE F-05D Android 2.3.5 1400mAh
3)HTC Radar WindowsPhone 7.5 1520mAh
4)iPhone4 iOS 5.0.1 1420mAh

■評価条件
・初期化(データリセット)を最初に行う
・標準設定のまま追加アプリはインストールしない
・同じWi-Fi設定を行う
・同じGmailアカウントをPush設定で作成する
・同じExchangeアカウント(CommuniGate Proを使用)をPush設定で作成する
・3Gの影響を受けないようフライトモードに設定し、Wi-Fiのみ有効にする
・設定後再起動して標準タスクのみが動作している状況にする
・バッテリー残量表示の出る画面を表示
 Androidは設定アプリ内の電池か端末の状態の画面
 WP7.5はSettingからBattery Saverの画面
 iOSは一般>使用状況>バッテリー残量表示on
・表示を確認したらすぐにスクリーンオフ
・途中何度かテストメールを送り受信状況を確認する
・準備ができたら端末をフル充電状態にしてスタート

※F-05Dは端末初期化後デフォルトホームがPaletteUIでウィジェットもデフォルトで動作していたためそのままの設定状態で評価した。

■バッテリー残量経過
スタート
 GalaxyNexus/100%, F-05D/100%, HTCRadar/100%, iPhone4/100%
3.5時間経過
 GalaxyNexus/99% , F-05D/90% , HTCRadar/100% , iPhone4/100%
6時間経過
 GalaxyNexus/97% , F-05D/83% , HTCRadar/100% , iPhone4/100%
13時間経過
 GalaxyNexus/93% , F-05D/64% , HTCRadar/100% , iPhone4/99%
17.5時間経過
 GalaxyNexus/90% , F-05D/45% , HTCRadar/100% , iPhone4/98%
19.5時間経過
 GalaxyNexus/88% , F-05D/40% , HTCRadar/100% , iPhone4/98%
24時間経過
 GalaxyNexus/85% , F-05D/28% , HTCRadar/100% , iPhone4/97%

■結果
消費度合い
 GalaxyNexus/15% , F-05D/72% , HTCRadar/0% , iPhone4/3%
一時間当りのバッテリ消費
 GalaxyNexus/0.625% , F-05D/3% , HTCRadar/0% , iPhone4/0.125%
メール受信件数
 GalaxyNexus/9件 , F-05D/9件 , HTCRadar/9件 , iPhone4/9件
サーバ通信回数(CommuniGate Proサーバとの同期接続回数)
 GalaxyNexus/839回 , F-05D/77回 , HTCRadar/48回 , iPhone4/100回

■まとめ
 非常に各OSの特徴の出るテスト結果となった。バッテリーの消費度合ではWP7.5を搭載するHTCRadarの圧勝に見えるが、実際にはHTCRadarは原則2時間に一回しかネット接続しておらず、メールはリアルタイムには受信していなかった。操作した時点でメール受信を試み、その後2時間おきにアクセスをし、メールがあれば受信するという仕掛けで、スリープ時にはWi-Fi接続自体を切っているため、長時間稼働はできるもののExchangeアカウントでメールをタイムリーに受信するという目的には向かないことが明らかになった。

 次点となるiOS搭載のiPhone4では原則15分おきにサーバにアクセスしており、通信を行っているもののこちらはメールがあっても自動受信はしておらず、届いているメールはロック解除して端末操作をした際に始めて受信動作し、実際にはタイムリーな受信にはなっていなかった。iOSでは以前テストした際には最もタイムリーにメール受信できていたはずなので、何か仕様が変更されたのかもしれない。時間があれば追検証したいところ。

 3位となったGalaxyNexusではPush同期のため2分おきにサーバにアクセスして、最もタイムリーにメールを受信していることが明らかになった。ExchangeアカウントでPush設定をした場合2分おきの接続はAndroid端末としては標準的な仕様となる。通信回数の多さにも現れているが、これだけの回数の接続を行いメールをほぼタイムリーに受信して、24時間で15%のバッテリー消費というのはなかなか素晴らしいと思われる。単純なバッテリー残量ではHTCRadarとiPhone4が上回るが、メールを非常にタイムリーに受信した上でこれだけの残量を残しているのだから、実質的にはGalaxyNexusが最も優秀と言えると思う。

 最もバッテリー消費の早かったF-05DにおいてはGalaxyNexus同様の設定を行っているにも関わらず、Androidの標準仕様を無視し一切の定期接続をせず、端末を操作した時のみメールの受信を行うという動作結果だった。それにも関わらずバッテリーが著しく消耗するのはやはり標準状態で無駄なタスクがバッテリーを消費していることにほかならない。試験後も放置していたところ27時間40分で端末が自動終了して電源が落ちた。メールの自動受信設定しかしておらず、その設定もまともに機能していないのにこれほど短い時間でバッテリーを使い尽くすというのは信じがたい実装である。カタログスペック上3Gの待受時間が490時間となっているが、どのような条件下で測定したのか明示してもらいたいくらいだ。

 各OSによってバッテリー耐久時間を延ばすために、メールの同期タイミングで工夫がされていることが確認できた。今回Wi-FiでテストしたためかWP7.5とiOS5でPushでのメール受信がうまくいっていないが、他所事例で3G接続している状態ではPush動作に問題がないようなので、この辺りは条件を合わせていずれ検証をしてみたいと思う。

※F-05Dの結果があまりにひどいので、バッテリー持ち対策したパターンでの追検証を検討中。比較のため同じAndroid2.3系のNexusOneも準備中。→追加しました。

 iOS/Android/WP7.5のバッテリー耐久テストをしたメモ2
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1976

 最新の記事はこちら
 update後F-05Dのバッテリー耐久が向上したメモ
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1990

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■スマートフォン対応検疫システムCounterACT + NetAttest LAP
 ITPro EXPOで興味深い製品を見かけたのでメモ。エージェントレスでスマートフォンの検疫システムを構築でき、多拠点型のビジネスモデルでも比較的導入コストを低く抑えられそうで、以前在籍した会社に導入したいなぁと思われたので要点を箇条書きにて整理しておく。

CounterACTは検疫+IPSの組み合わせで動作する
・スマートフォンの検疫はMACアドレスベース
 →PCはOSやAntiVirusなど詳細な条件設定可能
・デバイスの識別はHTTPヘッダ上のUser-Agent
・インライン設置でなくミラーポート設置でOK
・CounterACTのみでは同一セグメントしか検疫できない
 →L3スイッチのARPテーブルの参照やARP・NBT・DHCPリレーの監視等他機器連携で可能だそうです
  関係者の方から訂正をいただきました、ありがとうございます
・今回のケースでは他セグメントはNetAttest LAPをCounterACT連携させて検疫を可能に
・CounterACTが検疫ルールを一元管理
・NetAttest LAPは自管理セグメントの端末検出時にCounterACTに通知
・CounterACTの応答に対応してNetAttest LAPが接続を制御する
・検疫をパスしても不正なパケットはIPS機能で遮断可能という2重防御
・通常IPSは外部からのアクセスに対して設置されることが多いがこれは内部通信向けを想定
・社内でウイルス感染した端末が不正通信を行った場合に検知可能
・対象端末の通信の遮断や遅延(ハニーポット機能あり)をさせることが可能
・ActiveResponse機能はなかなか面白い
・業務システムがDC集中で拠点が多数分散しているようなケースで非常に有効
・NetAttest LAPは小型のアダプタサイズのアプライアンスで非常にコンパクト
・小さい拠点でも設置に困らない←重要
・NetAttest LAP自体もインライン設置でなくミラーポート設置でOK
・5年前に存在していたら当時在籍の会社に即導入提案してたな
・1000ユーザ導入&3年間維持コストで800万くらい?w
・説明員さんが今は亡きリコース社のManHunt IDSを知っててびっくりした
・その説明員さんがこのblog読んでて更にびっくりしたw

 過去にManhunt IDSを在籍企業で導入していた時には、インターネットからのアクセス部分と社内から社外へアクセスする部分の両方を同時監視できるネットワーク構成にして最小のライセンスで運用可能にし、IDSの機能をフルに活用する工夫をしていたが、この場合多数ある拠点とDC間におけるWLAN通信監視が事実上行えず社内側に一部リスクを残す構成になってしまっていた。今回のこの仕組みがあれば全拠点で各セグメント単位にデバイスを配置し、制御は1ヶ所で集中できることから、社内側ネットワークの監視レベルが高く維持でき、比較的運用的にもコスト的にも抑えられそうな印象があり非常に興味をそそられた。少人数の拠点が多い企業では目の行き届かない部分も多く、こうした仕組みは非常に有効だと思われる。エージェントレスなのでキッティングも不要。httpのヘッダが必要という部分はやや気になるが、Untangleのような無償利用可能なUTMのCaptive Portal Webと組み合わせるなど必ずhttp通信を必須とする環境を作ることで対応は可能だと思われる。CounterACTが更に小さくなればサーバラックのない中小企業でも容易に導入できると思うのでぜひコンパクト化を期待したい。

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■国内向けWindows Phone 7.5対応予定端末管理(MDM)製品メモ
 本日から行われているITPro EXPOにおいてWP7系に対応予定としている端末管理(MDM)製品をいくつか確認したのでメモ。一部製品を除いてあくまで対応予定であり、実際の機能の詳細や提供時期などは多くが未定。以下も合わせてどうぞ。

 法人向けWindows Phone 7端末管理(MDM)ソリューションメモ
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1450

・AirWatchデータコントロール社
 既に海外で実績がありWP7用専用アプリも提供されている。国内ではデータコントロール社がローカライズ等を担当し、SaaS型サービスとしてキヤノンITソリューションズ社からサービス提供されることも発表されている(2012年2月より)。専用アプリAirWatch Agent(Ver1.1.0.0)は日本でもMarketplaceからダウンロード可能。ただしこのバージョンでは日本語化はまだされていない。管理コンソール側は日本語対応済み。iOS・Androidにも対応しており、アイコン表示で管理可能な項目が一覧でき非常にわかりやすい。管理コンソールのUIが良くできているので導入もあまり難易度は高くないと思われる。残念ながらWP7.5端末で管理できる項目はiOSやAndroidに比べて少ないということだが、Exchange 2007相当のActiveSyncプロトコルによる端末制御よりは、専用アプリを入れる分だけのメリットがあるはずなので、現在その詳細について問合せ中。

・Optimal Biz for MobileOPTiM社
 Android向けMDM製品として知名度のあるOptimal Biz for MobileもWindows Phone 7.5の対応を予定。Optimal BizとしてはWindows PCは既に対応済みだが今後MacOSXやLinuxにも対応するとのこと。Androidで特徴的な端末画面転送型サポートを可能にするOptimal Remote及び独自キッティングツールについてはWP7.5対応は未定。キッティングツールはぜひ対応してもらいたいが難易度は高そう。

・FENCE-Mobile RemoteManager富士通ビー・エス・シー社)
 Android向けのMDM製品であるFENCE-Mobile RemoteManagerも現在Windows Phone 7.5対応に向けて開発を進めているとのこと。IS12Tがリリースされているわけでぜひがんばってもらいたい。WP7.5端末のハードウェアとソフトウェアの一番近いところで製品開発できるアドバンテージを活かせるかが鍵になりそう。Android端末向けにはSD暗号化ツール FENCE-SVP for Androidや専用キッティングツールを開発していたり、無償アンチウイルス製品のViRobotと提携するなど活発な動きが行われているので、こちらの充実にも期待したい。

 ITPro EXPO会場ではMDMツールの紹介をしているスペースをそれなりに見つけたが、多くがiOS・Android対応止まりで、見落としはあるかもしれないがWP7.5について確認できたのは上記3社だった。事実上AirWatchがサービスも可能な状態になっており一歩先んじている。AirWatchはお試しも用意されている(海外のみ、国内版はまだ未提供の模様)ので、比較的必要な機能が試しやすいというメリットもある。月額運用の価格差もつけにくいところなので、国内勢はサポート面やキッティングサービスなど日本向けサービス部分も並行して取り組むことで総合的な導入環境支援での差別化が必須になるように思われる。今後の動向に注目しておこうと思う。

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■HTC Radar UK版 レビュー
 予約してあったHTC Radar UK版が届いたのでOMNIA7やIS12Tと比較などしながらレビューしてみたいと思います。HTC Radarは同時発売のTITANと同様にWindows Phone 7.5 Mangoを最初から搭載し、前面カメラ+テザリングをサポートして発売された世界初の機種ということになります。IS12TはMango搭載は世界初でしたが早いリリースに合わせるため新しい機能の一部が間に合わなかった(もしくはauが不採用にした)ため、残念ながら前面カメラ+テザリングは搭載されていません。今後登場予定の機種スペックを見る限りMango端末としてはHTC Radarは標準仕様ということになると推測されます。(テザリングはキャリアにより採用されない可能性がありますが)

■ハードウェア
 注文したのはWhiteモデルだったのですが、到着したのはGraphite。Twitterなどを見ている限りどうやらHandtecに入荷したのは全てGraphiteになっているようです。製品の箱にはカラー表記がないのでWhiteは無しになったのでしょうか?(…他社ではWhiteが販売されているのでHandtecの事情のようですorz)そのGraphiteですが一目見た感じはNexusOneかと見まごう印象でした。すごく親近感を感じますw 背面までアルミボディになっているRadarの方が高級感はありますが、大きさや重さも比較的近いのでとても馴染みました。液晶パネルはWP7.5の仕様に沿って800×480の3.8インチと、最近のAndroidの高解像度化競争とは一線を置いてプラットフォームを堅持しています。OMNIA7の有機ELと違って輝度や発色は控えめなものの精細感があり(OMNIA7と比較して)とても美しく感じます。タッチの反応は上々。OMNIA7よりも俊敏でやはりIS12T同様にスクロールが早く快適に使える印象です。液晶下には左から戻る・スタート・検索のタッチ式ボタンが並んでおり、Androidのように機種毎に並びがバラバラということもなく、安心してボタンを操作することができます。

 ボタン類も仕様に沿ってシンプルで、上面には左からヘッドホンジャック・電源ボタン、下面にはマイク穴のみ、右側面には上からボリュームキー・シャッターキー、左側面には下の方にMicroUSB端子があります。クレードルを使うことが想定されているため、クレードルと接続するMicroUSB端子のある側面には他の端子はありません。個人的には左側面にボリュームキーがある端末(iPhone,OMINIA7,NexusOne,001HT)に慣れていたので、ちょっと使いにくさを感じています。背面上部には500万画素背面照射型CMOSのカメラとLEDフラッシュ1灯があり、その横にスピーカがあります。スピーカが結構音が大きく比較的ハッキリしたいい音で聴こえるので少し驚きました。上下にあるアルミ以外のパーツ部分は樹脂製のマットでややしっとりした感じの手触りですべりにくくなっており、OMNIA7の数倍持ちやすいと思いました。IS12Tと比べるとやや重さを意識しますが、持ちやすいのであまり気にはなりません。

 カメラはF2.2+背面照射型CMOSだけに室内でも非常に明るく撮影することができます。フラッシュオート設定での夜間室内でもフラッシュがあまり使われません。また28mm相当と画角が携帯カメラにしては広いので室内撮影でも広く撮れ便利だなと思いました。OMNIA7も画角は広い方で良かったのですが、Radarはそれよりも更に広く感じます。惜しいのは色が非常に薄いというか落ち着いているというか色ノリがイマイチなので、補正が必須かなと思われるところです。それを意識してか、Radarには標準でPhoto Enhancerという写真加工用ソフトがインストールされており、撮影した写真にエフェクトをかけられるようになっています。ただできることは限られるので、しっかり修正したい場合にはPC側で取り込んで作業する方がいいと思われました。撮影時のAF速度は快速です。シャッターボタン半押しで合わせて更に押し込んでシャッターを切るか、画面タッチでAFが動作しシャッターが切れます。シャッターを切る直前で一旦ボケたりするのでドキドキしますが、ちゃんと撮影されたものはピントがあっているので問題ありません。パノラマモードやバースト(連写)モードがなかなか面白いです。前面カメラの方はスペックが見つけられなかったのですが、普通の30万画素くらいの印象でややノイズも多い感じです。

 起動時間は以下のような感じです。WP7端末らしく非常に快適ですね。
 電源オン→3秒→白画面+HTCロゴ→15秒→Windows Phoneロゴ動画→6秒→メイン画面(合計約24秒)

■ソフトウェア
 Androidのようなスタート画面アプリ自体のカスタマイズの権利がそもそもないので、スタート画面はテーマのみカスタマイズされていました。標準ではグリーンのタイル+飾り枠付きの写真アイコンの組み合わせでhtcというテーマ名になっています。さすがHTC細かいところで差別化してきています。Settingメニューに入ると独自項目がいくつか追加されていて、OMNIA7と比較すると増えた項目は Internet Sharing(テザリング)・easy of access(TTY/TDD設定)・attentive phone(音量調節系)・camera modes(カメラ設定へ誘導)・sound enhancer(SRS等イコライザー設定)・SIM applications(SIM入れてないので未確認)という感じです。個人的には音声系の調整項目が増えているのと、イコライザ機能がまさに欲しいと思っていたので嬉しかったです。

 システムのバージョンは以下のようになっていました。
  ソフトウェア:Windows Phone 7.5
  OSバージョン:7.10.7720.68
  ファームウェアリビジョン番号:1600.2200.10803.401
  ハードウェアリビジョン番号:0002
  無線ソフトウェアバージョン:16.23.02.09_2_16.24.00.23U
  無線ハードウェアバージョン:2.102.0.D4
  ブートローダーバージョン:1.8.160015.3(131745)
  チップSOCバージョン:1.6.0.0

 HTCが独自導入しているアプリケーションとしてはDLNA対応のConnected Media、3G接続設定を行うらしいConnection Setup、Flashlight、日本語ヘルプにつながるHelp+How-to、天気予報・ニュース・HTC専用アプリ等を表示するHTC Hub、映画のプロモを見られるHTC Watch、位置情報を記録するLocations、メモを書けるNotes、写真にエフェクトをかけるPhoto enhancerという感じです。端末起動直後の初期設定(ネットワーク未接続状態)の途中でHTCアプリのインストール工程が入るため、WP7.5のOSとは別に専用アプリのインストーラがメモリ内に用意されているようです。ちなみに設定でregion+LanguageをDisplay Language以外はjapaneseに設定可能で、ブラウザの日本語表示や日本語入力等は問題なく利用可能です。またこの設定状況でMarketplaceにおいて日本語アプリがちゃんと表示されていることを確認しています。残念なのは日本語のフォントはあまりキレイではありませんOMNIA7はMangoアップデートでフォントがキレイになったのですが、新しいフォントはRadarには含まれていないようです。【追記】日本のWindows Live IDで設定し直して1日経ってから再起動したら日本語フォントがキレイになっていました。最初OMNIA7で使っていた英国IDだったので設定が適切でなかったのかもしれません。IE表示で比較してみたところ現在はIS12Tと同等表示になっているので、Mango用にビルドされたアプリであれば設定次第で適切な日本語フォントで利用することができるようです。

 ヘッドホンジャックの音質も確認しています。いつものVictorのHA-FXC71-Bを接続して聴いてみたところ、最初モコモコして低音ばかり強調されたひどい感じだったのですが、RadarではデフォルトでSRSエフェクトが有効になっており、設定→sound enhancerでMusicの設定をNo effectsに変更することで、ヘッドホン向けの音質で聴くことができました。001HT同様どうやらRadarもHA-FXC71-Bと相性はいいようで、しっかり芯のある低音と繊細でやや硬質さを感じさせる高音、センターで存在感を出すボーカルがとてもバランスがいい感じです。RadarではIS12TやOMNIA7に比べると低音がしっかり出ているのでより聴きやすい印象です。WP7系端末はIS12TやOMNIA7(Mango)とも共通して左右のセパレーションがしっかりしていて包まれるようなステレオ感がとてもよく出ているのと、ボーカルを含めた中〜高音がクリアで艶がある感じがしますね。この音に慣れるとiPhoneにはちょっと戻れないなと思います。MDR-7506などで聴くとボーカルのサ行がちょっと強く耳に痛い感じになることもありますが、HA-FXC71-Bでは全く気にならず、すごくバランスがいいのでかなりお気に入りです。実際のところイコライザー設定はありますがほとんど使わないで済みそうです。

 例によってテストファイルを使って動画の再生試験をします。DLNAサーバはMacOSX上のPlayback1.8.1。DLNA再生はConnected Mediaでの再生となります。mp4は全てWebOptimizedなファイルです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

DLNA再生
 F,G,H,J,K,L,N,Oは再生可能。720pまでのmp4はほぼ再生可能。
 1080pのI,Mは再生不可。wmvはどちらもOK。mkvとaviはサムネは表示するも再生不可。

 720pまでのmp4であればHPでもコマ落ち感なく再生できたのでDLNAプレイヤーとしては十分使えそうなのですが、残念なことに4:3/16:9どちらのコンテンツも横画面固定且つ縦幅に合わせたフル画面(等比拡大?)再生になってしまい、表示の切替などが全くできないのでちょっと微妙な感じです。4:3なら上下が16:9なら左右が必ず一部欠けることになるので気になるかたはいるかもしれません。Windows Phone 7 Connectorでは720p BPのmp4までであれば無変換で転送でき、Zune Softwareで再生する分には画面の表示切替も行うことができたので、気になる方は転送を利用されることをオススメします。ちなみに動画の音声にもデフォルトでSRSエフェクトがかかっているので、ヘッドホンで視聴する場合には設定でオフにすることをオススメします。

■まとめ
 さすがのHTC端末という感じでしょうか。やはり高級感安定感完成度が素晴らしいと思いました。ディスプレイ輝度に関してだけはOMNIA7の明瞭且つキレイな有機EL発光に魅力はありますが、Radarの液晶の精細感がその分を補ってくれるかなと思います。使ってみて非常に満足度の高い端末で、十分にメイン端末として使うだけのクオリティがあると感じます。個人的にはかなりお気に入りです。音楽再生の音質がとても気に入ったので当面通勤時の音楽プレイヤーとして利用することになりそうです。今回クレードルは購入しなかったのですが、USBの位置的に充電しながら使うのは微妙なので、何気にクレードルがあった方が便利そうだなと感じました。WP7系端末はまだauのIS12Tしか国内では話題がありませんが、Mangoになってかなり全般的なクオリティが上がって使いやすくなっていると思うので、日本のキャリアでももっと扱ってもらえるといいのになぁと素直に思います。マーケティングや販売教育など課題は大きいかなと思いますが…。とりあえずWP7には興味あるけどIS12Tはいろいろちょっと…という方はディスプレイ言語のみ英語になったままで良ければHTC Radarは価格も安いですし、開発機等として試してみるにはちょうどいい端末になるかもしれません。

【追記】Connection Setupは挿入されたSIMに合わせて自動でネットワーク登録を行ってくれるアプリケーションの模様。通話設定は自動でOK。APN設定を行ってくれるわけではないので、データ通信のためのAPN設定は別途「Settings→mobile network→add apn」で設定が必要。APN登録はAPN名、ユーザ名、パスワードのみでほぼOK。Androidのように細かい設定はできない。一応黒SIMとU300で動作までは確認。

【追記2】日本のliveアカウントだと日本語関連がフォント含めて適切に利用できるのはいいが、一部アプリがダウンロードできないなど不便も多い模様…本家Twitterアプリがダウンロードできないとかどういうこと…orz

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■Windows Phone 7 Connectorでバックアップを取得
 OMNIA7をMangoアップデートするに当って7392のバックアップ保持するためのメモ。おそらくMac用のWindows Phone 7 Connector v2.0でも時期が来ればOMNIA7をMangoにアップデートできると思われるが、現時点で更新通知なしの端末をムリヤリアップデートするためにはZuneSoftwareでやる他手順が明確になっている方法がないので、Windows Phone 7 Connector側でバックアップを確保しておき、いつでも戻せるようにしておくつもりで実施したことを中心に書いておく。

1)Windows Phone 7 Connectorでバックアップ作成
・端末をUSBケーブルでMacに接続する
・Windows Phone 7 Connectorを起動する
・左メニューに表示された端末名を選択する
・デバイスオプションボタンをクリック
・「バックアップの作成」をクリック

2)バックアップデータを確保する
・/User/ユーザ名/Library/Application Support/Windows Phone 7 Connectorを開く
・Devicesフォルダの中を確認
・「fba78dcc – xxxxxxxx – fc2932d3 – xxxxxxxx」のようなデバイスコードがある
・その中にある以下の3つを別にコピーして保存する
 Backupフォルダ
 DeviceMediaInfo.xml
 Sync Configuration.xml

3)リストア手順
・端末をUSBケーブルでMacに接続する
・Windows Phone 7 Connectorを起動する
・左メニューに表示された端末名を選択する
・デバイスオプションボタンをクリック
・「復元」をクリック

 リストアでは常に最新のバックアップからの復元が実行されるため、最新のバックアップ(古いバックアップはバックアップ保存場所のパス(上記参照)に「Backup 2011-08-06 01-45-53」のような日付+時間の形式で保存されている)と同じように、復元したい時点のデータをBackupにリネームしてから復元ボタンを押すことで元に戻すことが可能(Mango→NoDoの復元も問題なく可能でした)。

 ちなみにMango端末をWindows Phone 7 Connectorに接続した場合、デバイスオプションの上に「App Marketplace」のボタンが表示され、これを押すことでSafariが起動しWeb版App Marketplaceに接続することができる。また左メニューに「着信音」項目が増えており、iTunesライブラリから30秒未満の曲が自動抽出され、着信音として端末に転送できるようになっている。

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■OMNIA7をWP7.5(Mango)にアップデートしたメモ
 本日から始まったWP7.5(Mango)へのアップデートで手元のOMNIA7をアップデートしたメモ。アップデートの通知は来ていなかったが、ななふぉさんこちらの記事の手順を実行したところ、アップデートを行うことができた。感謝。以下箇条書きでメモ。

・NoDo(7392)の時点で日本語ロケールをレジストリ追加しようか迷ったが今回は止め
・代わりに7392のバックアップを保持しいつでも戻せるようにしておく
・バックアップ保持手順は別途
・アップデート手順は全くななふぉさんの記事の通りでOK
OMNIA7の場合7392→7403へアップデート完了した時点でZuneがデバイスを見失う
そのため一度Zuneを終了し、OMNIA7をPCから外して再接続する必要がある
・7720アップデート直後の起動もあまり時間がかからなかった
(いつもよりやや長いくらい)
・デフォルト青だったタイルが全てマンゴーオレンジにw
・入れていたTwitterアプリのみ青のままで違和感w
・アカウントでTwitterを新規登録しても反映までに少し時間がかかる
・MeからTweet参照もポストもできるけどLists見えないし検索登録単語も利用不可
・結局Twitterアプリは外せない…(なんか別の方法あるのかな?)
・Exchangeアカウントのメールがデフォルトでスレッド化表示になっていた
・表示の修正はsettingsからConversationsをオフに変更すればOK
・ホーム画面のタイルのスクロールが早くなった気がする
・IEのスクロールもかなり快適になっている気がする(追従性も高い)
・IEのフォントがキレイになったような…?
・Nelのスクロールのぎこちなさは変わってないような…?
 →Nelのアップデートで超快適になりました
・日本語入力がJPInputよりやりやすい!(当り前w)
・カーブフリックは未検証(QWERTY入力派なため)
・Hotmailのメール送信動作が早くなったような…w
・顔文字確かに充実してるなぁw
Hotmail経由の日本語メールはMangoでもutf8エンコード&本文base64エンコードorz
・live.comアカウントだからダメなのかな?システムロケールが北米のままだからかな?
・ディスプレイランゲージがjapaneseでないとダメなのかな?
・IS12Tだと問題ないんだろうか…?
・live.jpのアカウントで要検証
・カメラがタッチフォーカスに対応…あれ?前からできたっけ?気付いてなかったかも
・Internet Sharing項目出てこないな…?3Gデータ接続してないとダメなのかな?
 →レジストリいじらないとダメらしい…orz
・ヘッドフォン出力の音質がすごく向上している気がする…!プラシーボ?
・電池の持ちが悪くなったorz 001HTと同じくらいな感じ…
・Wi-Fiへの再接続が早くなった
・スリープしてもWi-Fi接続を維持している時間が長くなった
・Wi-Fi再接続の失敗が激減した
・People Hubの使い勝手が上がったので利用度が上がった
・Nowアプリがバージョンアップして動作が向上した
・gMapsアプリが最初Map画像表示できなかったが端末再起動したら表示した
・スリープしてるアプリのレジュームが速くなった
・メイン端末として使ってみてもいいかな?と思うようになったw

気付いたら随時追記

 とりあえず全般的に非常に快適になった印象。使うのが更に楽しくなった感じ。アカウントとロケールの問題をいろいろ試してみたら、一度7392に戻してみるかもしれない。現状では多くの日本語対応アプリがやはりMarketplaceで表示されない。ロケール関係はほんと面倒だなぁ。

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■法人向けWindows Phone 7端末管理(MDM)ソリューションメモ
 先日のセミナーで海外では実績があるとされた端末管理(MDM)のソリューションを調べてみた。WP7.5でもソフトウェア構成管理の機能がないということなので、実装するためには専用アプリが必須になるはずということで、Windows Phone専用アプリを検索できるサービスで調べてみることに。既に利用されていると思われるWindowsPhone7用MDMソリューションは以下の2つが見つかった。(ちなみにどちらもAndroid/iOS対応)

Tangoe’s MDM
http://www.tangoe.com/Services/mobile-device-management.html
http://www.tangoe.com/Services/windows-mobile-support.html

AirWatch
http://www.air-watch.com/index.html
http://www.air-watch.com/platforms/winmob/index.html

 ざっと確認したところ正式にMango対応している記述は見つけられなかったが、専用アプリがリリースされていることからWP7に対応していることは間違いなく、Mangoの正式リリース以降になんらかの対応表明が出るのではないかと推測する。先行リリースされている海外で2製品しか見つからないところを見ると、やはりOS側に機能が用意されていない構成管理要件を実現するのは難しいということなのか、そもそも企業需要が少ないから同サービスに手を出す企業が少ないのか、どちらにしてもすぐに国内で同様のサービスが展開される可能性は期待薄ということになるだろうか。

 ちなみに国内記事でWP7対応を記載しているMDMも存在はするようだが、専用アプリを作らない限りそもそもWP7にない機能部分は対応できないはずなので、ActiveSync(Exchange 2007以降)同等の機能しか実現できていないはず。それであればわざわざMDMを導入する必然性は低いと思われる(WP7を企業導入しようとするなら社内システムはExchangeベースであろうから)。

MaaS360
http://www.cybernet.co.jp/fiberlink/service/maas360mdm.html

Mobileiron
http://www.mobileiron.com/ja/smartphone-management-products/smartphone-management-for-enterprise-mobility

 ということで、日本国内でWP7.5ベースで企業導入を狙うのはやはり人柱要素が高いということになりそうだ。法人から要望されるであろうことが自明のソフトウェア構成管理要件をMicrosoftがMangoでも実装してこなかったことは、やはりWindows Phone 7自体をコンシューマモデルとして設計し、その思想を貫こうとする意思があるからなのではないかと個人的には想像する。実際に個人用途としては非常に優れた発想でUIやコンセプト設計されていると感じるし、比較的価格を抑えて実装可能なパーツ構成を選択していることや、ZuneやXBox Liveのような連携を重視していることなどから容易に推測ができる。個人的には、急いで法人向けの体裁をWP OSの標準機能として強引に整えるようなことをしなくても、法人向け追加アプリパックのような形で後からアドオンとして販売するような形式で、無理なく展開してもらうといいのではないかと思う。法人利用はWindows Phone 8辺りまでゆっくり待つのがいいのかもしれない。

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 国内向けWindows Phone 7.5対応予定端末管理(MDM)製品メモ
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1598

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■法人向けWindows Phone導入の3つの注意
 本日Microsoft主催の「Tech Fielders セミナー 東京:IT プロのための Windows Phone~企業内利用を考える」に参加してなかなか興味深い話が聞けたので気になったポイントを大きく3つほどまとめておく。各企業のポリシーにもよると思われるが、ある程度企業規模があった場合運用面で厳しい選択を迫られたり、規模が小さい場合にはコスト面で採算が合わなかったりと、いろいろと微妙だなと思うことがあったので正直WP7.5は幅広くオススメできるとは言い難く、慎重に企業ポリシーとの比較検討を行うことが必須だと感じた。特に個人情報を扱うことが多い企業は見送るのが妥当ではないかと思われる。Microsoftから提供されているソリューションを前提にした話のみとなるので、3rd partyからより洗練された解決手段が提示される可能性はあるが、以下の記事は本日のセミナーで得られた情報からのまとめとなる。

1)ソフトウェア構成管理の自由も機能も足りない
 最も重要なポイント。Windows Phone 7系においてはMicrosoftがOSやアプリを含めた全てのソフトウェアの審査・管理を厳密におこなっていることにより、ソフトウェア的な信頼性を担保するという仕組みが採用されている。そのため、企業は自社業務用の独自アプリを端末に導入するためでも、様々なハードルを越える必要がある。特定条件が揃わないと動作しないアプリについてはMSのアプリ審査を通過できる確率が低く、審査を通すためには動作確認ができる条件を用意しなければならない。ベータ版として審査無しで配布する方法もないわけではないが、対象者のLive IDを把握してインストールポイントを通知する必要があり、継続的現実的な運用が難しい。一旦導入したとしても、アップデートをプッシュで自動実行する仕組みがなく、個人がアップデート操作を行わなければ更新されない。これはOSも同様でOSのアップデートはOTAではなくZune Softwareで管理されるため、個人がPCに端末を接続して自分でアップデートを行わなければならない。そして端末内のアプリのバージョン状況を確認したり、アプリの実行権限を制御したり、設定を更新したりする構成管理機能は用意されてない。端末を自由に利用していいというポリシーを採用していない限り、管理のための運用負荷が大きくなる可能性が高く、企業規模が大きくなるほど問題になる可能性が高い。

2)重要データの置き場所を社内に制限することが難しい
 おそらく個人情報を取り扱っている事業者には影響が大きいと思われる内容。一般的に社外持ち出し不可のようなデータをモバイルで扱わざるを得ない場合、VPNで社内アクセスして指定のファイルの読み書きを行うことになる。同様にWP7.5のOffice機能を活用しようとした場合、まずVPNで社内ファイルを利用しようとするとSharePointServer 2010とForefront UAGという専用VPNGatewayが必須になる。UAGを利用する環境は通常ADやExchangeも含めて比較的大きな構成になるため、小規模な事業者には若干負担が大きくなる可能性がある。このUAGによるVPN環境でない限り社内のSharePointServerにアクセスしてフル機能を利用する方法がない。Web UIでSharePointServerを利用することも可能だが、その場合編集保存はできないとのこと。メール送信が可能なドキュメントの場合はExchange ActiveSyncによりSSLを利用した安全な送受信は可能になるが、WP7.5の仕様としてOutlook Mobileで添付ファイルを開いた場合、SkyDriveに「公開:自分のみ」の設定でアップロードされることがあるとのこと。自社管理領域外にデータを送信してしまう可能性と、設定のミスによってそれが公開されてしまう可能性があるため、十分な注意が必要になる。この添付ファイルのアップロード仕様はLive MailやGmailのアカウントのメールでも同様ということらしい。また添付ファイル以外にメッセージ本文においても、People HUB等に各種コンタクト情報やコミュニケーション手段が集約されている結果として、Twitter等の公開アカウント宛てに重要なメッセージ本文を送ってしまうなどうっかりミスでの誤送信で問題を起こしてしまうリスクが否定できないのではないかと心配になった。

3)現状キャリア及びデバイスの選択肢がなく参考事例が存在しない
 国内でWP7.5端末をリリースしているのはIS12Tを発売したauのみ。既にauを企業利用している場合にはキャリアそのものの問題は発生しないが、キャリア乗換えを行うとなるとハードルが非常に高くなる。一般的に通信コストを抑えるために固定回線と抱き合わせてキャリア選択を行ったりするが、そうした通信インフラ全体の見直しのための工数が大きくかかってくることになる。その上上記のように比較的一般的に実施されているであろうソフトウェア構成管理や社内データ利用に大きな壁が存在するため、運用構築やポリシーの見直しなど検討し直さなければならない事項が多く、同キャリア内移行であっても相当な検討工数を割く必要があると思われる。WP7.5を採用しようとする場合には他のスマーフォンと比較して圧倒的なメリットが存在するのでなければ、こうした工数をかける理由を付けられないのだが、現状WP7.5にそうしたメリットは見当たらない。残念ながらセミナーでもWP7.5自体のアピールはあったが、法人でWP7.5を採用すべきメリットはほとんど語られていなかったように思う。採用して良かった等のよくある企業事例もまだ存在しないため、自助努力をせざるを得ず、なかなかハードルは高い。念のため事例がないものか質問をしてみたが、先行していた海外にはソフトウェア構成管理も含めて実現した事例がないわけではないようなのだが、Microsoft的には積極的に紹介したいもの(方法?)ではないようで、あまり歯切れのいい回答はなかった。企業事例を書いたパワポの文書があるとのことで紹介はしてくれるそうだ。

 実際に前職(従業員2500人規模)で、全社一括での携帯電話運用の見直し&置き換えを業務として行ったことがあるが、ガラケですら結構大変だったので、スマートフォンでは更に輪をかけて大変だというのが実感を持って理解できる。当時よりも技術的手段が豊富な分、助かる面はあると思うが、WP7.5ではそうしたアドバンテージがないので、正直なところほとんどの企業担当者はWP7.5は検討対象にしないだろうと思われる。Microsoftもその辺は当然把握しており、構成管理のための System Center Configuration Manager 2012 を2012年1Qにリリース予定とのこと。PCや携帯を一括で管理できることでアドバンテージにしようとしている。Exchange ActiveSyncとの組み合わせで動作させるようなので、いろいろな構成要素を考えると小規模企業向きではないと思われるが、そうした取り組みが行われていることは少なくとも先に期待は持てる。個人的には法人での活用を目指すならば、People HUBに連携できる社内コミュニティ構築ソフト(SPSより容易で廉価なもの)と、People HUBでのメッセージ投稿先制御機能が必須だと感じたので、安心して業務コミュニケーションができる仕組み作りもMicrosoftには検討して欲しいと思う。

 ということで簡単にまとめると、WP7.5の法人利用を検討するならば人柱覚悟でどうぞ。2012年1Q以降なら会社を説得する好材料が少しは手に入るかもしれません。

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■Windows Phone 7 Connector 2.0 アップデートメモ
 WP7系端末とMacを接続するMicrosoft謹製Windows Phone 7 Connector for Macが2.0のアップデートされ、IS12Tを始めとするMango端末や日本語に対応したので使ってみたメモ。

■アップデート内容(抜粋)
・日本語を含む13の言語対応を追加
・Windows Phone Marketplaceに対応(Mango端末必須)
・着信音転送に対応(Mango端末必須)
・Apertureのファイル同期に対応
・Video同期変換時の設定を選べるように(品質orサイズ)
・「デバイスを参照」の項目からドラッグ&ドロップでアイテムインポートが可能に
・Videoのメタタグに対応 等々

■アップデートで確認できたこと
・アイコンが赤四角のMangoロゴに変更された
・OSが日本語優先なら起動時に日本語でちゃんと起動した
・同期されていたコンテンツが全て再同期された
・640×480 HP3の動画が無変換で転送可能になった
・720p以上の動画も品質重視で変換転送すれば十分な画質で再生可能になった
・変換動作が4コアに対応したようで数倍高速になった
・OMNIA7が7392のためMarketplaceは表示されなかった
・ドラッグ&ドロップインポートは思ったより快適
・動画と写真がちゃんとiPhotoに転送できるようになった!

■OMNIA7で撮影された動画について
 WP7では720pのmp4動画が撮影可能になっているが、そのフォーマットをMP4Boxで詳しく確認してみたところ以下のようになっていた。撮影された動画は端末で再生できるので、同じフォーマットなら無変換で転送できるかと期待したが、同じファイルを名前を変更してiTuneに登録し転送しても変換がかかってしまうので、これはもうWindows Phone 7 Connectorの仕様と言わざるをえない。

* Movie Info *
Timescale 1000 - Duration 00:00:21.670
Fragmented File no - 2 track(s)
File Brand isom - version 0
Created: GMT Thu Sep 1 01:18:08 2011

File has no MPEG4 IOD/OD

Track # 1 Info - TrackID 1 - TimeScale 1000 - Duration 00:00:21.670
Media Info: Language "Undetermined" - Type "vide:mp4v" - 520 samples
Visual Track layout: x=0 y=0 width=1280 height=720
MPEG-4 Config: Visual Stream - ObjectTypeIndication 0x20
MPEG-4 Visual Size 1280 x 720 - ISO Reserved Profile
Pixel Aspect Ratio 1:1 - Indicated track size 1280 x 720
Self-synchronized

Track # 2 Info - TrackID 2 - TimeScale 1000 - Duration 00:00:21.610
Media Info: Language "Undetermined" - Type "soun:mp4a" - 1013 samples
MPEG-4 Config: Audio Stream - ObjectTypeIndication 0x40
MPEG-4 Audio AAC LC - 2 Channel(s) - SampleRate 48000
Synchronized on stream 1

■使ってみた感想
 あくまでもiTune連携は変わらずZuneサービスも利用できないが、転送速度も速く、動画変換の速度と品質が向上したことで十分実用的になっていると思われる。日本語にもしっかり対応しているので非常に使いやすくなっている。Mango端末ではMarketplaceに対応したことで使い勝手が非常によくなると思われるので、とりあえずIS12TなどMango端末を早く入手(OMNIA7に早くアップデートが来て欲しい…)しなければと思った。比較的短期間に日本語対応版がリリースされて良かった。世界的にはやはり9/1がMangoリリースのターゲットで、それに合わせて準備されていたのかもと思ってみたり。これから登場するMango端末にも期待したい。

【9/29追記】Mango端末をWindows Phone 7 Connectorに接続した場合、デバイスオプションの上に「App Marketplace」のボタンが表示され、これを押すことでSafariが起動しWeb版App Marketplaceに接続することができる。また左メニューに「着信音」項目が増えており、iTunesライブラリから30秒未満の曲が自動抽出され、着信音として端末に転送できるようになっている。

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■Windows Phone 7 とCommuniGate Proを同期するメモ
 OMNIA7(ビルド7392)とCommuniGate Pro 5.4.1をActiveSync (AirSync)で同期した設定のメモ。Exchange設定で問題なくメール、カレンダー、コンタクトが同期できる。日本語の表示もOK。但し7392だと正式に日本語対応していないため、返信等が全てutf8でエンコードされるため、携帯宛てメールでは注意が必要。ActiveSync設定を行う場合にはSSL経由にすることを強くオススメする。個人でも無償利用可能なStartSSLをサーバ側で使っている想定で証明書のWP7端末へのインストール手順から説明する。

1)StartSSLのCA証明書をWP7端末にインストールする
 WP7端末のIEで以下のURLにアクセスする
  http://www.startssl.com/certs/ca.cer
 「タップしてファイルを開く」と表示されたアイコンをタップする
 「証明書をインストールしますか?」と出るので「インストール」をタップ
 「OK」をタップしてインストール完了
 全てのアプリで利用できるように一度端末を再起動する

2)CommuniGate Proと同期設定をする
 「Settings」>「email & accounts」>「add an account」をタップする
 アカウントタイプから「advanced setup」を選んでタップする 
 同期するメールアドレスとパスワードを入力する
 種類で「Exchange ActiveSync」を選んでタップする
 「domain」にメールアドレスの@以下を、「Server」にサーバのFQDNを入力する
 この時SSL利用にチェックを入れておくこと
 オプション項目は任意に設定
 設定が終わったら「sign in」をタップして完了
 これでOutlookアイコンがホーム画面に作成される

 Outlookアカウントから設定することも可能だが、メールアドレスのドメイン部とサーバ名が一致していないとチェックのため2回ほど待たないとサーバ設定画面に到達できないので、最初からadvanced setupを選択することをオススメ。おそらく最新のMango (7720)でも同様の手順で設定可能と思われる。サーバ同期を組むとiPhoneやAndroidとのスケジュール連携も容易なのでとても使いやすい。

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