■TOSHIBA Android端末 dynabook AZ 製品版レビュー
やっと製品が出荷されたということで、ヨドバシ横浜に製品版を触りに行ってきました。ASCIIのイベントで公開されていた試作機と製品版がどんな風に違っているか簡単に対比してレビューしたいと思います。試作機のレビューは以下の記事をご覧ください。
TOSHIBA Android端末 dynabook AZ レビュー
http://blog.isnext.net/issy/archives/295
■ハードウェアについて
ほぼ試作機と同じ印象でした。液晶は非常に明るく好印象。ブライトネスを1/3程度にしてもヨドバシの明るい店内で見て十分な明るさだと思いました。キーボードの印象も特に変わらず、個人的に打ちやすいとは感じませんが、十分使えると思います。改めて感じたのはタッチパッド部がもうちょっと縦に広いともっと使いやすいのになぁということくらい。クリックボタンの強度は試作機ほどヤワな感じはありませんでしたが、やはり長く使うと割れそうで心配。
■操作感について
実はここが一番驚きました。試作機に比べて全てにおいてレスポンスが向上している印象です。まさにサクサクとはこのことかと思いました。試作機のレビューで気になっていた起動時間の長さは改善されています。電源ONからデスクトップ表示まで40秒だったものが、製品版では28秒でした。デスクトップが表示された時点で日本語入力もほぼ遅滞なく利用可能で、単に画面表示だけ速くしたということではないことがわかります。ソフトウェアの改善もあるでしょうが、起動のプロセスを見るとアンドロイドロゴが表示された以降が速くなっていたため、内蔵SSDのレスポンスがよくなった可能性が高いと思っています。サスペンドからの回帰時間も相当短縮されているようで、ディスクからの読み出し性能が上がっていることが想定されます。なににせよ、非常に使い勝手が良くなっていると感じられる改善なので、歓迎したいところです。
WiFiでのネット接続もできたのですが、livedoor-freeに接続していたので外部には出られず前回と同じページを表示してみることはできませんでした。ただページの表示は非常にスムーズで快適でした。縦方向のスクロールも比較的よくなっていると思いましたが、画面全体を等速でスクロールするのではなく、リンクの選択部位が順番に移動していく結果画面がスクロールするという実装のようで、若干使いにくい印象が残りました。
試作機と比べて非常にキビキビ快適に動くので、製品版での改良は大成功していると思います。残念ながらTegraの実力の発揮しどころである動画再生などが試せなかったので、また日を改めて確認してみたいと思います。
■搭載OSについて
試作機と同じ表示部分を比較してみました。異なる部分を太字にしています。
TOSHIBA Service Stationというアプリに表示されていた内容は以下です。
アプリケーションバージョン:1.0.6
Androidバージョン:2.1.5.0049
モデル名:dynabook AZ/05M
型番:PNAZ05MNA
設定アプリで表示されていた情報は以下。(ベースバンドバージョンはなかった)
モデル番号:TOSHIBA_AC_AND_AZ
ファームウェアバージョン:2.1
カーネルバージョン:2.6.29-arm2-svn1996 / sl@project-laptop #1
ビルド番号:PAZ0000.5.0049
3Gのアンテナ表示もバツマーク付きでメニューに出たまま、ウィジェットにも3GのON/OFF表示はあれどOFFのままということで、SIM入れても使えないなら出さなくてもいいのにと改めて思ってしまいました。
製品版を試してみて、試作機に比べて本当に実用的な部分で改良されたなという実感がありました。前回はUbuntu/SSD入りNetbookの方がいいかもという結果でしたが、今回はdynabook AZのレスポンスに軍配を上げます。タブレットタイプのAndroid端末が注目を浴びる中、どうしても入力という観点では感圧式タブレットでは厳しいと言わざるを得ないのですが、このキーボード付きAndroid端末はテキスト入力(特にEverNote利用者にとっては)用として稼働時間の長さも合わせて十分に存在感を出せると思います。
できることならAndroid2.2以降へのアップデートが提供されることを望みますが、TOSHIBAのここ最近のAndroid系の噂を聞く限りでは無謀な期待ではないかもしれません。残念ながら世界レベルで比較すると日本はAndroid端末については現在後進国であると言わざるを得ないと思いますが、ぜひTOSHIBAには品質や継続アップデートサポートなど日本企業らしい部分で巻き返していただきたいと思います。正直個人的にはAndroidのアップデートが提供されるかどうかが、この端末を購入するかどうかの大きなポイントになるので、サポートポリシーが発表されることを期待しておきたいと思います。