■docomo Galaxy Tab レビュー
引き続きGalaxy Tabのレビューを書いていきます。個人的にはGalaxy Sよりもこちらの注目度が高かったので、何度か間をおいて違う個体の展示機を使ってじっくりと試してみました。説明員の方はSにもTabにも精通されているようで、どちらの内容もしっかりと応対してくださっており、Galaxyシリーズの発売に向けてよい体制ができていることを期待させてくれます。競合機種の研究にも余念がないようで、真剣なまなざしでIS03を操作しているDocomo説明員(服装そのままだったのですぐにわかりました)の方をSHARPブースでお見かけして、その真剣さに少し感動してしまいました。
既に国内でもいくつか輸入販売されている低価格のAndroidタブレット製品(aPadとかoPadとか)はありますが、どれも正直iPadを脅かすような存在にはなりえない品質と言わざるを得ませんでした。液晶の質は低く感圧式タッチパネルの操作感も悪く、iPadの軽快かつ快適な操作感覚とは次元が違うものばかりでした。7インチの軽量タブレット自体はサイズ的には日本人の日常ユースにはiPadよりも適していると個人的に思うのですが、その期待に応える完成度の製品はなかなか出てこない。そんながっかり感を完全に払拭してくれるのがGalaxy Tabです。
■ハードウェア
国際版とほぼ同じ7インチ軽量コンパクトなサイズで、明るく高品質な液晶画面に応答性の高い静電容量式タッチパネルは期待通りの出来栄えでした。7インチでありながら一般的な800×480ではなく1024×600という解像度を採用したことで、液晶のドッドが悪目立ちせず非常に見やすい表示になっていることがとても好感触でした。800×480はスマートフォンの4インチ程度までのサイズであれば精細感があるのですが、7インチになるとドットが目立って返って目が疲れる印象があります。もちろん慣れれば800×480でも問題はないでしょうが、Galaxy Tabの液晶はドットを意識しない非常にスムーズに受け入れられる表示品質と感じられました。液晶自体もナナメ方向から見た表示に強く、iPadのIPS液晶に劣らない印象でした。タッチパネルの追従性も高くiPadと互角、むしろGalaxy Tabのフリック操作の方がAndroid2.2の性能と相まって快適な気さえします。
カメラやボタン類はどれも快適に利用可能で、特に反応が悪いとか使いにくいということはありませんでした。カメラの画像も最大解像度は2048×1536、連射やパノラマ、スマイル撮影など機能的にも充実しており、実機で見る限り画像の品質も悪くはありませんでした。
起動時間は以下のような感じです。
電源オン→2秒→docomoロゴ→2秒→Galaxy Tabロゴ→5秒→SAMSUNGロゴアニメ→4秒
→ローディング→14秒→ロック画面(合計約34秒)
ロック画面解除後もメディアスキャンが短くすぐに動作可能なので待たされ感は少ないです。
展示機はドックと一緒に展示されていたのですが、購入時にドックは付属せずオプションとなるそうです。通常は充電ケーブル、ACアダプタ、イヤフォンマイクの3つが付属となるそうです。日本では通話ができないのではないかと心配されましたが、付属にイヤフォンマイクが付く通り、通話は可能で付属品を使うかスピーカフォンとして使うかBlueTooth経由でヘッドセットでの通話になるということでした。Galaxy Tabの場合、音声なしで使うケースもあると思うので、データのみプランやWiFiのみプランなどのバリエーションを期待したいところですが、その辺りの内容については現在は未公表ということのようです。
【10/10追記】会場の説明員の方からはイヤフォンマイクが付くと確かに伺ったのですが、公式ページには別売りとなっているようです。
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/smart_phone/sc01c/index.html
■ソフトウェア(OS)
Galaxy Sとほぼ同じ印象です(Galaxy Sについてはこちらをご参照ください)。ハッキリと見やすいアイコンは好印象です。画面が大きくなった分フォントもはっきり読めるのですが、標準ではやや固い印象のフォント(ゴシック系)なので、個人的には丸ゴシック系にしてほしいなぁと思いました。小さい画面では気にならなかったのですが、7インチだとフォントの印象はかなり強いので、重要な要素だなと思います。
展示機のAndroidバージョンは2.2、カーネル 2.6.32.9 root@sep-40#1、ビルド番号 FROYO.OMJI6ということなので、ほぼ中身もGalaxy Sと共通化されているのではないかと推測されます。となると心配されたプチフリもS同様、Android2.2を採用して最新になっていることで発生はしない…ことを期待したいと思います。
■ソフトウェア(アプリ)
Galaxy Sと同じくDocomo版ではアカウントと同期の設定で「facebook」「MySpace」「twitter」「mixi」「docomo」が追加されています。Exchange同期やリモートワイプももちろん対応ということで、本当に大きなサイズのGalaxy Sという感じです。ただし画面が大きいことで、ThinkFreeOfficeなどオフィスドキュメントの閲覧や編集に大きな違いが生じます。7インチサイズで使うThinkFreeOfficeは表示領域としては広いとは言えないものの、それなりに十分な情報量となります。キーボードもキーの大きさが少し大きめに表示されることで誤入力のリスクが減らせるので、慣れればそこそこ快適と感じられるのではないかと思いました。
■まとめ
実はGalaxy Tabは実機を触ってすぐに気に入ってしまったので、いろんなアプリを試してみるということよりも、説明員の方とお話する方に夢中になってしまい、後から気付いたらあまり写真や動画を撮影していませんでした。現在iPadやE7001を所有して日常で使っていますが、Galaxy Tabは購入をすぐに決意するくらいよい製品だと思います。自宅内ではiPad、寝室や外出時の持ち出しはGalaxy Tabを使うイメージが明確に出来ています。ひょっとするとiPadの利用頻度は大きく下がるかもしれません。当初はSIMフリーの海外版という選択肢も考慮していたのですが、保証面(バッテリーの保守交換など)や価格も考慮するなら、最終的にはプラン内容によるものの、国内版を選択する意味は十分あるのではないかと思いました。本体バッテリーの長時間稼働特性を活かして、BlueToothヘッドセットとソニエリから発売予定のLiveViewと組み合わせれば、メインとしても十分活用可能ではないかと、今からワクワクしています。
おそらく本当の意味でiPadのライバルになる初のAndroidタブレット製品だと思います。ビジネス用途においてはソフトウェアの運用性を考えるとiPadよりもよい選択肢になる可能性は高いので、法人需要が喚起されるかもしれません。個人的にはこの製品が日本国内のAndroidのブレイクスルーを起こす可能性が高いと思っています。セキュリティや製品継続性などいろいろ課題は多いと思うものの、今後の展開が非常に楽しみな製品です。願わくば戦略的プランが設定されることを…。