■EMOBILE Pocket WiFi S (S31HW) 簡易レビュー
 Pocket WiFi SことS31HWが発売になったということで、ヨドバシ秋葉原店で触ってきました。ハード的には先にレビューした日本通信のIDEOSとほぼ同じで、通信対応方式の違いなどはいろいろなところで紹介されているので、ここではソフト的な違いの部分などを簡単にレビューしたいと思います。日本通信のIDEOSのレビューは以下をどうぞ。

 b-mobile IDEOS 簡易レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/655

 S31HWのAndroidバージョンは2.2、カーネルバージョン 2.6.32.9-pref huawei@server-1 #1、ベースバンドバージョン 22201003、ビルド番号 U8150V100R001C26B830でした。ホームなどはカスタマイズは最小らしく、ほぼAndroid標準でIDEOSとあまり変わりません。最も違うのは日本語関連部分で、S31HWは日本語入力プラグラムとしてFSKAREN Version 1.0.1H01101が導入されており、フォントも日本語が正しく表示できるようになっています。日本通信のIDEOSは標準では日本語入力プログラムは無く(TouchPad選択でひらがな入力はできるが漢字変換できない)、OpenWnnなど別途マーケットから対応アプリをインストールする必要がある上、フォントはCJKフォントのため一部中国簡体字で表示されてしまいます。この部分は正式にローカライズされているS31HWの優位なところですね。ただ実際には液晶画素が粗いため、若干S31HWの方がフォントが丸っこいかな?というくらいで、あまり大きな違いとして意識されることはありません。中国漢字については違和感を感じることもあるかもしれませんが、小さい表示ではこちらもあまり気になりません。(NexusOneで慣れただけかも…)そのフォントにしてもIDEOSをroot化して変更する方法はあるので、圧倒的な優位とまでは言えません。

 正直なところEMOBILEのテザリング対応なAndroid端末としてはHTC Ariaの方が、メールやWebを日常使用するものとしては圧倒的によい端末だと思います。S31HWはベーシックでも19800円という低価格は魅力的なので、テザリングメインで使うか、低い維持コストで電話番号をもうひとつ持ちたいというニーズには合っていると思います。ただテザリングメインということであれば、現状ではWiMAXを利用する方が規制もなく速度も十分出るので、敢えて規制の強いEMOBILEを選択する必要はないのではないかと思ってしまいます。WiMAXの場合電話番号が持てないことになりますが、コヴィアネットワークスが提供するFleaLine Lightのような月400円から利用できる050番号のIP電話をSipdroidで利用するという方法もありますので、これなら日本通信のIDEOSとU300の組み合わせで使えるIP電話サービスと同様の利用形態になると思います。

 コヴィアネットワークス FleaLine Light
 http://www.covia.jp/net/flealine-light01.html

 非常に微妙なところですが、個人的には低価格以外の魅力を感じられませんでした…。使い続けられる魅力はあまりないように思います。とても主観的で申し訳ないのですが、Android端末としていろいろ使ってみたいと思ってS31HWをご検討の方にはHTC Ariaのご検討をぜひともオススメしたいと思います。

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■au SMT-i9100 タブレット 簡易レビュー
 KDDIデザイニングスタジオで、実機がひっそり展示されていたので触ってきました。こちらも2月後半発売予定ということですが、2Fの隅っこにひっそり置いてあって、IS06と合わせてデザイニングスタジオでの国産端末以外の扱いはなんかひどい感じです…。それはさておき、7インチのWifi対応Androidタブレットということで、GalaxyTabの兄弟機に当るわけですが、実際にはGalaxyTabより横幅が大きくてちょっと重くなっています。画面の質感は非常に高くGalaxyTabと同等と言えると思います。ベゼルが太く見え、厚みもあるのでスマートさには欠けますが、持った時の安心感はあります。基本は横置きで使うことが想定されているらしく、クレードルも横置きのみ、Ocean UIのホーム画面も横画面にしか対応していません(アプリは縦表示もできます)。クレードルには置きやすく充電接点も面倒なく接触してくれます。ハード自体は安っぽさをあまり感じない白モノ家電っぽい印象なので、バッテリー容量を考えてもさっと調べ物をするとかリビング等宅内で活用するには悪くないと思いました。

 Androidバージョンは2.2、カーネルバージョン 2.6.32.9 i9100@ytopia #7、ビルド番号 FROYO.DL09。ベースバンドの表示はありません。ホームはOcean UIで操作感は悪くはないのですが、GalaxyTabに比べるといまひとつと感じてしまいます。アプリ等の起動は快適です。タスクマネージャー他GalaxyTabと同じUI デザインがあちこちに見えます。購入したらやはりホームアプリは変更した方がいいと思いました。

 起動時間は以下のような感じです。
 電源オン→5秒→アンドロイド君表示→14秒→アンドロイドロゴ→17秒→ロック画面(約36秒)

 電源オフ時にはSAMSUNGロゴが表示されますが、起動時にはアンドロイド君とロゴだけでした。なんとなく不思議な感じ。でも起動が速いのはありがたいですね。ロック解除後メディアスキャンが入りますが、概ね快適に操作可能です。auの独自アプリがいくつか入っていましたが、興味深かったのはNorton Securityがインストールされていたことです。標準アプリなのかわかりませんでしたが、ISシリーズには導入されていないので、もし標準で導入されるのであればこれは画期的かもしれません。またWiFiオンリーモデルですがマーケットアプリはインストールされていました。日本語はSamsung日本語キーボードが導入され、入力することができるようになっています。マーケットがインストールされているので、他の日本語入力プログラムの導入も容易だと思われます。

 実際に触った印象はホームを除けば、ちょっと重くて持ちにくいけどGalaxyTabそのものです。操作感もいいのでGalaxyTabよりも購入しやすい条件が出れば、それなりにヒットするかもしれません。WiMAX契約済みでWM3500Rなどをご利用中の場合には外でも活用できそうです。最終的には値段次第だと思いますが、正直GalaxyTabが一括0円購入できる現状ではかなり販売戦略は厳しく、単体で3.5万程度でないとほとんど売れないだろうと思います。データ通信系とセット割引などでdocomo同様0円に近づけないと、GalaxyTabに比べて魅力的に思える要素が現状ではあまりありません。次期iPadも噂されている時期に発売するのは、なかなか大変だと思います。そういう意味では価格が下がりやすく、狙い目の端末になるかもしれません。

 auのAndroidマーケティング戦略はどうにも国産機を優先しすぎて失敗しているように感じます。IS06やSMT-i9100を低価格で早めに発売してベースユーザを増やして、Android上のソフトウェアサービスで稼げる土壌を構築する方が適切だったのではないかと思ってしまいます。Felica等の国内独自サービスにこだわった結果世界の周回遅れになったのに、追いつけそうな土俵の上でまた同じことを繰り返すのでは残念でなりません。Android auの看板にふさわしい魅力的な最新端末を国産にこだわらずにどんどん投入して、シェアを回復して元気になって、更に素晴らしいサービスを提供してもらいたいと思います。

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■au IS04 KDDIデザイニングスタジオ版 レビュー
 KDDIデザイニングスタジオでIS04の実機とIS05のモックが展示されたという話を聞いて、早速確認に行ってきました。IS04の展示にはIS03の時同様かなり力が入っていて、1Fと2Fで合計14台が展示されており十分な人数が同時に触れるようになっていました。IS05も2Fにモックが3台色違いで3色が展示されていました。この辺りはauの力の入れ具合が良くわかります。今回レビューするIS04は先行して発売されたdocomoのT-01Cと兄弟機となり、ハードウェアの仕様はほぼ共通で違いはクレードル対応しているかどうかくらいなので、ハード面についてはT-01Cのレビューも参考になると思います。実際触ってみてケース背面の質感(黒はマット、白はつるつる)やクレードル充電端子の有無くらいしか違いはわかりませんでした。そのためOSやソフト面について確認した部分を中心にレビューしたいと思います。

 docomo T-01C 内覧会版 レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/495

■ハードウェア
 起動時間の測定をしているので書いておきます。
  電源オン→2秒→電源ランプ点灯緑→6秒→Android auロゴ→14秒→防水警告→8秒→
  REGZAロゴ→9秒→ICカード読み込み表示→5秒→ロック画面(約45秒)

 T-01Cに比べてロック画面表示までの時間が若干長いようです。防水警告が長いのがちょっと意外でした。ただし、起動後は(メディアの読込み除けば)比較的スムーズに利用できるので、それほど気にはならないと思います。

■ソフトウェア(OS)
 ファームウェアバージョン 2.1-update1、カーネルバージョン 2.6.29-rel ftml-android@ftml #4、ベースバンドバージョン 5011.1907.18、ビルド番号FEK100。T-01Cではカーネルにtoshibaの文字列が入っていましたが、こちらは富士通東芝モバイルコミュニケーションズの略称であるftmlに変わっています。docomoもT-01CのTVCMでT型番なのに東芝の名前をいっさい出さず富士通としか表示しなかったので、理由は不明ですが東芝色を消してしまいたいようですね。(東芝のノート型やタブレット型Android端末が不評なのを受けて影響を回避するためかもしれませんが…)

 ホームにはauのOcean UIの他にオリジナルのNX! UI(IS04オリジナルと表示されます)も導入されており、起動時にはOcean UIが標準で動作しますが、ホーム切替アプリでNX! UIに切替ができるようになっています。NX! UIはT-01Cよりチューニングが進んだのか、Android2.1としては十分快適に操作できるレベルで仕上がっています。2.2の俊敏さまでは感じませんが追従性も良くフリックやタッチに非常に快適に反応してくれます。ただし画面全面のWidgetを表示する時には若干反応が落ちますので、使うWidgetは選んだ方がいいかもしれません。こちらのNX! UIならホームアプリはそのまま使ってもいいのではないかと思いました。アプリケーションの起動も十分快適です。如何にOcean UIが操作感をスポイルしているか実際利用されると実感できると思いますが、auはUIの戦略を早々に見直して2.2アップデートで方向転換を行うべきだと感じました。

 日本語入力にはこちらもATOKを採用、Ver.1.0.0が導入されています。T-01Cと違っていたのは、電源オフ時に「公共モード」がなくなっていたこと。機内モードやマナーモードとは別に用意されているところが面白いなと感じたのですが、メーカーによる独自カスタマイズかと思ったのですが、どうやらdocomo仕様のカスタマイズだったようです。また、同期できるアカウントの設定がかなり増えていて、mixiプリセット、twitterプリセット、twitter、Facebookプリセット、コーポレート(Exchange)、YouTubeプリセット、Picasaプリセット、Flickrプリセット、Google(gmail)と、大盤振る舞いになっていました。

■ソフトウェア(アプリ)
 展示機にはskypeやjibe、au one関連アプリがある程度入っていたので、この展示機はリリース版ですか?と説明員さんに確認したところ、やはりまだ開発途中でこれから修正が入る可能性があるとのことでした。実際auのイチオシであるはずのLISMOアプリが見当たらないので、LISMOアプリは入るんですよね?と軽く確認したつもりが、バックヤードに問い合わせされた上で、IS04の印刷物を持ってきてその画面上にLISMOアイコンがあるので入ると思いますがリリースまでわかりませんと説明されてしまいました…。auの最新アンテナショップとして、それはどうだろうかと…。

 今回はカメラアプリも少し見てみたのですが、詳細設定に「グリッド線を表示」「デジタル補正」「自動タグ」「手振れ補正」など興味深い機能がありました。撮影音が結構大きくてびっくりしたので、こうした機能をいろいろ試すことはしませんでしたが、うまく機能すれば便利そうなものが多かったので、カメラアプリにはかなり力が入っていることを確認できました。また画質という観点で、興味のあったワンセグ表示でのREGZAエンジンのON/OFF時の表示品質の差を比べてみました。実際にONにすると確かにノイズが減って平坦な見やすい表示にはなるのですが、静止画面ではかなり有効ですが動きのある画面ではあまり意味を感じませんでした。正直…高画質というのはちょっと微妙な表現かなと思いました。

 こちらにもDLNAアプリとしてデジオン社のDiXiM for Androidのクライアント製品であるDiXiM Playerが、サーバとしてはDiXiM Serverが導入されています。DTCP-IPに対応していないのが残念ですが、DiXiMブランドはiPhoneやアイオーデータ向け製品でDTCP-IP対応をしているので、ぜひREGZA TVとの連携のためにもアップデートで対応してもらいたいと思います。

 ちょっと面白いと思ったのが「履歴消しゴム」というアプリで、通話履歴、連絡先、ブラウザ、Googleアプリ、その他、一括削除とメニューがあり履歴を個別アプリではなく、このアプリで一気に消してくれるようになっています。これはなかなか便利そうなので、ぜひ他機種でもマネしてもらいたいですね。

■まとめ
 IS04は発売が遅くなった分、十分なチューニングをされているように感じます。もちろんT-01Cのフィードバックのおかげもあると思います。2.1端末として今発売されること自体は、Android開発における日本メーカーの周回遅れの実態を痛感せざるを得ないのですが、比較的良い完成度でリリースされると思いますので、IS04待ちの方はあまり失望されることはないのではないかと思います。
 ただauのAndroidに対する本気度は今回少しばかり疑念を感じざるを得ませんでした。デザイニングスタジオの展示台数は多いもののメイン展示が1Fから2Fに移動しており、主力の展示とは感じられませんでした。実機を熱心に触っているお客さんも主にIS03を見ている人で、あまりIS04を長く触っている人はいなかったようです。またIS05のモックを確認する人もほとんどおらずで、たまたまそういうタイミングだったのかもしれませんが、IS03展示の時の熱狂ぶりに比べるとIS04/IS05に対してはずいぶん冷めた印象を持たざるを得ませんでした。IS06に至っては展示数も少ない上に他の機体が適切にWiFi設定されて快適なブラウジングを体験できるようにしてあるところ、WiFi設定がされていなかったりしました。一番残念なのは上記の例のように説明員さんの習熟度合もまだまだのようでIS04の質問に対して満足な解答はあまり得られないという状態でした。デザイニングスタジオはマーケティング目的の場所なので、技術に詳しくなくても仕方ない面はあるかと思いますが、何でも質問してくださいと言われて質問すると、その度バックヤードに問い合わせしやや要領を得ない回答をされるのでは、質問する側の気も失せるというものです…。最先端のマーケティングスポットがこのような状態ではやはり本気度が疑われても仕方ないのではないでしょうか…。IS04の販売予定時期は2月中旬以降ということでしたが、発売後のアップデートも含めてぜひとも国産ブランドの端末を安心して購入できるよう、auの本気を見せ続けてもらいたいと思います。

 ちなみにIS05のモックですが、とてもコンパクトで手の収まりが良く、片手親指でほぼスクリーン全体に容易にタッチができそうな印象でした。早くホットモックを使ってみたいと思わせるサイズと形でした。噂通りCPUがアップグレードされるとなると、最強売れ筋端末になるのではないかと思います。こちらにも期待したいと思います。

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