■AMD FX-8350のベンチマーク
ということでAMDブロガー勉強会でいただいたFX-8350バルクとASUS SABERTOOTH 990FX R2.0を使って早速マシンを組んでみたので、たぶんあまり一般的でない方法でベンチマークをとってみたメモ。マシンの構成はこんな感じ。
■構成パーツ
ケース
CORSAIR Carbideシリーズ CC-9011015-WW(550D) ¥12,300
CPU
AMD FX-8350
CPUクーラー
ENERMAX 冷却 CPUクーラー ETS-T40-TB ¥3,000
マザー
ASUS SABERTOOTH 990FX R2.0
ATX電源
玄人志向 500W 80PLUS Platinum KRPW-PT500W/92+ ¥8,400
メモリー
A-DATA〈XPG Gaming series〉DDR3-1866 AX3U1866GC4G9B-DG2 4Gx2 ¥4,400(合計8G)
SSD
Micron C300 MTFDDAC064MAG-1G1(2.5インチ 64G)手持ち
VGA
PowerColor Go! Green HD6750 1GB GDDR5 手持ち
合計金額 28,100円(新規購入分のみ)
■ベンチマーク手法
SiliconPower製4G USBメモリにUbuntu 12.10をインストールし、ベンチ用にfio・orion・handbrakeを追加する。マシンをUSBメモリから起動し、C300に対してベンチマークを行う。測定結果は5回の平均値。またC300上に800MB程度のtsファイルを用意し、それをhandbrake標準のm4v HighProfile設定でエンコードし平均FPSとエンコード時間を測定する。消費電力はサンワダイレクトのワットメーター付き電源タップ 700-TP1052DWでの結果を参考として記録する。
比較のためCore i5 2500 /ASRock H67M-ITX /CFD Elixir DDR3 SDRAM PC3-10600 4Gx2 /内蔵GPUのマシンを同じ方法でベンチマークした結果も記載する。
■ベンチマーク結果
1)fio
FX-8350 6481 /6432 /6448 /6416 /6448 = 6445 IOPS
i5-2500 7710 /7573 /7701 /7734 /7710 = 7685.2 IOPS
2)orion (-run simple -num_disks 1 結果の5項目)
FX-8350 6133 /11464 /20042 /24311 /27251 = 27251 IOPS
i5-2500 6308 /11693 /16239 /19297 /20896 = 20896 IOPS
3)orion (-run simple -num_disks 4 結果の後5項目)
FX-8350 33179 /33280 /33338 /33376 /33402 = 33402 IOPS
i5-2500 27197 /27438 /27663 /27853 /27956 = 27956 IOPS
4)Handbrake
FX-8350 11分13秒 25.27FPS
i5-2500 14分17秒 20.03FPS
5)消費電力
FX-8350 150-172W(orion) 190-235W(Handbrake)
i5-2500 32-37W(orion) 113-117W(Handbrake)
■まとめ
とりあえず手持ちのCore i5 2500のマシンと比較してみたが、fioの結果がもうひとつ奮わない謎…。データベースの性能を表すorionでは同じSSDのC300に対してクロックが高いアドバンテージがちゃんと出たという感じか。実際の負荷ではどちらも最大で45%程度しか使っていなかったので、マルチコアの性能差までには至っていない感じ。Handbrakeでは存分にCPUを使っていたのでこちらの方がマルチコア差が出ているはずで、3分以上短い時間で終了していることからもエンコードの性能はかなり高いことが実感できる。クロックのベースが高いし物理コアが多いのでデータベースには有利なのではないかと思ったが、それなりの結果になじったのでまぁ良かったのかな。もっとI/O性能の高いSSDを利用すると差がわかりやすく出るような気もする。ただ、各種ベンチマーク記事で見られた通りFX側はGPUがそれなりに電力を食うRADEON 6750が搭載されているとは言え、常用域ではちょっと性能比で割に合わない消費電力量かなと思ってしまう感じ。やはりFX-8350はマルチコアを活かしてガンガン使う環境で利用するかOCして楽しむためのCPUという印象。消費電力は一般用途ではかなり大きな選択基準になると思うので、Intelの有利を覆せるようAMDにはぜひがんばって欲しいと思う。
amd, asus, fio, orion, ubuntu
Loading...
■AMDブロガー勉強会に参加した
11月21日に日本AMDオフィスで行われたブロガー勉強会に参加してきたので、勉強会の感想などを書いておきます。FX-8350などのベンチマークなどはこの後の別記事で。ここでは勉強会そのものについて初参加の視点で簡潔にまとめておこうと思います。
このところずっとIntel CPUを使い付けてきた自分が今回AMDの勉強会に応募した動機は極単純で、Core iシリーズが市場で優勢と思われる中メディアのベンチマーク記事を見ても消費電力面などであまり評価が芳しくないと感じられるAMDの最新のプロセッサVisheraでどんな戦略を持っているのか興味を持ったから。勉強会って書いているけどきっと緩いファンイベントみたいな感じかもしれないから期待はできないかもしれないな…などと、AMDブロガー勉強会について不勉強極まるスタンスでの応募でした。これは後で後悔することになりますw
一応応募はしてみたけれど、このblogは主にソフトウェア面の記事が多く自作ネタもあることはあるけど比率としては著しく低いし、どちらかと言えば低消費電力高CPの自宅サーバを構築する感じの内容なので、ちょっと今回のAMDのターゲットとは違うだろうから、まぁ抽選で落ちるだろうなと考えていました。そして案の定11月19日に落選通知のメールが。やっぱりかーとがっくりしていたところ、20日になってキャンセルが出たための繰り上げ当選のお知らせが!喜び勇んでiPhoneから参加の意思表明をさせていただきました。繰り上げに選んでいただいて感謝です。そこから改めてFX系の発表記事やアーキテキチャ・ベンチマーク関連の記事を読みまくり(PCwatchやASCIIがとっても参考になりました これとかこれとか)一夜漬けのテスト勉強の様相で当日を迎えました。
会場は東京駅のほど近く、新しい綺麗なビルで会場もとってもいい感じでした。勉強会開始ギリギリでの到着だったので、既に大勢の方が入られていて賑わった状況でした。テーブルにはお弁当と飲み物、そしてお土産のマザボとCPUの入った大きな袋が置いてありました。前の方にも空き席はありましたが初心者なので会場の後ろ側に席を取り勉強会の最中はおとなしくしていましたw(というか質問のレベルが高くて発言できるような余地がなかったw)
勉強会の写真は撮影していないのでざっくりと内容だけ説明すると、始めに日本AMDの稲川さんからのご挨拶があり、今回が4回目のブロガー勉強会であること、AMDの現在のシェア、今回の勉強会などを通じてVishera登場直後の様に盛り上げをしていきたいことなどのお話をされました。AMDのシェアはTrinityの前で9〜10%前後だったところ、TrinityやVishera登場直後は一時的に販売で35%もの数字が上がったこともあるそうで、ボーナス商戦を前にそうした盛り上げを再度期待したいということなのだと理解しました。通常であれば広告を打ち値引きをするのがわかりやすい販売戦略なのでしょうが、日本AMDがブロガーのパワーを信じてこうした企画を実施するのは、広告やメディアの記事などでは伝わらないハードウェアスペック以外の重要な情報=AMDファンの気持ちや実体験を伝えることが重要であると位置づけていることの現れなのだと思いました。
その後Visheraの概要説明・アピールポイント・比較などの説明があり、更にエンジニアの方によるアーキテクチャの改良点の詳細な解説、ASUSの方による製品の説明へと続きます。Visheraの概要説明では公式ではなかなか出ないIntelとの比較がブロガー勉強会だからと出してもらえたり(ベンチ比較とかもありました)、アーキテクチャの解説においてはPCwatchの後藤弘茂さんの記事を読んでいるかのような詳細な説明と質疑応答(会場参加者には常連さんも多いようで説明されているエンジニアの方とレベルの高い内容を当り前のようにやりとりされていました。勉強会の名に恥じないすごい内容だなと本当に感心しました。メモもとったのですがちゃんと理解できていないので、これを記事に書く勇気はありませんw)がされていました。ASUSの製品説明は営業サイドの方のようでお話もうまく、技術者ではないと前置きされながらも製品技術についてもしっかり把握されていたので、ASUSのファンをガッツリと増やしていましたw 私自身はもとよりASUSのファンでマザボはまずASUSから選択肢を探す方ですが、改めてASUSの製品はいいなぁと感じるくらい魅力的なお話をされる方でした。個人的にはASUSの日本での知名度も上がってきているので、グローバルな製品保証体制のため代理店モデルから直販モデルへとそろそろ移行して欲しいなと思っています。がんばってほしいですw 最後にゲーム関連でイベントのためにPCを良く持ち運ぶという事例での面白いお話をされた方がいらしたのですが、イベント終了までに出されたお弁当を食べてしまわなければと焦っていたので、ちゃんとメモしていませんでした。ごめんなさい。
ということで枕が長い割に、イベント内容は薄いという記事になってしまいましたがw、勉強会を通じて面白かったキーワードを最後に並べておきたいと思います。勉強会自体は非常にレベルが高く技術者の方とも直接お話できる希有な機会だったので、個人的には昔PowerPCを追いかけていた頃のようにちゃんと勉強して臨めばもっと得られるものは多かっただろうと思うと、もったいないことをしてしまったと感じます。イベント後談笑する企画側の方々を見て、こうした機会を設けてくれる日本AMDはいい会社なんだなと思いました。AMD製品ではCPUよりもGPUの方がファン度が高い(RADEON主義者なのでw)ので、ぜひまたそうした機会があれば応募したいと思いました。
■面白かったキーワード
・FXだけにハイリスクハイリターン
・パイルドライバーはプロレス技だけじゃなく杭打ち機
・社内ではK10と言わずグレイハウンド
・ASUSのOC向けマザーなのに初心者向けAUTO設定機能(対応メモリ挿すと設定自動で変わるとか)
・ブロガー向け勉強会を先にやると叩かれない(えw
・ASUSはTCOを推進しています
・12/8に秋葉原
・OC世界一を目指す!(翌日記録が報道されました!)
amd, asus, event
Loading...