■b-mobile Light Tab 簡易レビュー
 昨日から発売になった日本通信のZTE製7インチAndroid2.2タブレットLight Tabを、ヨドバシ秋葉原店で見てきましたので、簡単にレビューしたいと思います。土曜だったこともありかなり店内は混雑していましたが、IDEOSの時のように順番を待つことはなく、比較的余裕を持って見ることができました。日本通信の説明員の方もIDEOSの時よりもとても慣れていらっしゃっていろいろとお話を伺うことができました。

 ハードウェアはGalaxyTabとかなり近似したサイズで横幅が1cm小さく気持ち厚い感じ。重さもあまり変わらず幅が小さいのでGalaxyTabより少し持ちやすい印象です。一番気になっていた液晶ディスプレイ部は抵抗膜方式にしては思ったより見やすい印象です。E7001のように明らかに抵抗膜のためヤワになって前面がタッチした部分でへこむようなことはなく、一見した印象は静電方式かのようにしっかりした堅めのスクリーン表面になっていて品質的には悪くありません。タッチパネルの精度はシングルタップもダブルタップもフリックも思った以上に良好でした。Android2.2ということもあるのか、非常に操作は快適に感じました。使っていて抵抗膜方式であることを忘れてついピンチズーム操作をしてしまうようなことが度々ありました。もちろんマルチタッチには対応していないので、ピンチズーム操作はできません。7インチで800×480の画素数だけに少し粗い印象はありますし、液晶品質自体もそれほど高くは感じませんが、実用には十分だと思われました。むしろ導入されている標準日本語フォントが丸ゴシックになっており、ブラウザやメニューなど日本語がとても読みやすくなっているため、液晶の粗さをうまくカバーしてくれていると思いました。

 Light Tabはバッテリーが交換できるようになっており裏ぶたを開けることができます。最初起動前に必ず裏ぶたを開けて保護シートを外す必要があるので、購入したら誰でも一度は裏ぶたを外すことになるのですが、最初はかなり開けにくいので注意をする必要があるそうです。SIMやMicroSDはバッテリーを外したところに挿入口があり、SIMはかなり取り外しがしにくい仕様になっているので、セロテープなどで引っ張り出す必要があるとのことでした。実際に作業を見せていただきましたが、慣れている説明員さんでも結構裏ぶたを開けるのが大変そうでした。この辺の使い勝手は低価格製品ぽさを醸し出しているようです。

 一応起動時間も測定したので乗せておきます。
 電源押し→2秒→ZTE中興ロゴ→7秒→ドロイド君画像→15秒→
 アンドロイドロゴ→16秒→ロック画面(合計約40秒)

 結構起動が早くびっくりしました。ロック画面表示前に一部ホームアイコンが表示される間があってからロック画面になります。ロック画面解除はすぐに動作できる状態になっているようです。最初に大きく表示されるZTE中興と言う社名ロゴがなかなかポイントになりそうかなと感じたのですが、説明員さんによるとやや引く人もいるようですが、一部の方はむしろワクワクすると言って楽しんでくれているとのことで、ちょっと面白いなぁと思いましたw

 導入されているAndroidバージョンは2.2、カーネルバージョン 2.6.32.9-pref zte-kernel@Zdroid-SMT、ベースバンドバージョン V9B01、ビルド番号は FRY_JCI_V9V1.0.0B01でした。カーネルはSoftBank Libero 003Zと同一です。試用機は実際に販売されているのと同一とのことでした。日本語入力はiWnn IMEでバージョンが iWnnIME Ver.2.0.2.jp-ZTE-01となっていました。ホーム画面は一応ZTEによるカスタマイズ版になっていますが、あまり凝ったものでなくかなり素のAndroid2.2に近いものだと思いました。抵抗膜方式でもうまく動作するように調整がされているのか、意外と快適に操作することができました。003Zでも感じましたが、ZTEはCPUスペックは決して高くないマシンでもうまく動作するようチューニングをする技術に長けているように思います。公式ページによるとCPUはARM V6 600Mhzとのことですが、それほど遅いようには感じられませんでした。リソース表示画面でメモリが合計420.55Mと表示されていたので、実質512M搭載されているようです。これが快適さの理由かもしれません。

 実際にb-mobile U300を入れた状態でブラウザ等の動作を確認させていただきましたが、テキスト系中心のサイトではとても快適にブラウズ可能です。画像などのデータが多いところは少し待つことはあります。GoogleMapなどはやはり画像のロードに時間がかかるようでやや待たされ感があるという感じでしょうか。この辺りは速度上限の影響を受けますね。このタブレットには3G対応ということもあり、ちゃんとマーケットアプリが導入されているので、アプリケーションの導入は容易です。ちなみに試用機には3rdPartyアプリは入っていない素の状態でした。

 説明員さんによると、IDEOSほど爆発的に売れてはいないが、ビジネスマンの方が複数台まとめて購入されることも多く、バッテリー稼働時間が長い(連続3Gデータ通信時間10時間!)ことからカバンに入れてテザリング利用のための機体として売れているようだとのことでした。確かにSIMフリーで3G接続10時間はなかなかのスペックです。交換バッテリーの単体発売はまだ未定のようですが、それも入手できるようになれば稼働時間は更に容易に延ばせるようになりますし、これはなるほどと思いました。Androidタブレットとして39800円は少し厳しい値段かなと感じましたが、そういう観点であればアリかなとも思います。個人的には実際に使ってみて、スペック表から受ける印象とは大きく異なり、用途を絞ればかなり使える端末という評価に大きく変わりました。それでも自分で購入することを考えると39800円の価格設定は微妙…29800円ならヒット、24800円なら大ヒットかなと思います。GalaxyTabが安くなっていたり、iPadが安くなっている時期だけに価格設定はかなり難しいところですね…。

 b-mobile U300は販売開始当初からNexusOneで利用しましたが、日本通信は本当に面白い試みをしてくれます。今回のタブレットも最初はなんでこんなスペックのものを今更…とか思っていましたが実機を触ってみると意外にも好印象でした。GalaxyTabを持っているので今回は購入検討対象ではないのですが、こうした面白い製品をこれからもぜひがんばってリリースして欲しいと思います。

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■b-mobile IDEOS 簡易レビュー
 ということで年末に日本通信公式Twitterアカウントで、3が日はヨドバシ秋葉原店で担当さんがいてIDEOS(BM-SWU300)実機が見られるということだったので、行って見てきました。場所的にはWillcomブースの辺りでそこに間借りしている感じ。Willcomブースも若干縮小された感もあり、ちょっと寂しい扱いだなぁと思ってしまいました。夕方17時過ぎだったのですが、カウンター棚にはIDEOSの箱がたくさん並んでいて、女性担当者が1名で対応されていました。今回IDEOSの注目度は高いらしく、b-mobile自体をよく知らない人から、明らかにblogネタ取材に来ている人(自分以外にも)まで、少なくとも切れ目無くお客さんがいて、最大4名くらい待ちになっていました。昼間の様子がわからないのでなんともですが、並ぶのを諦めてしまうお客さんも多く、1名で対応するのは少々厳しい感じだったので、夕方以降は応援を入れた方が良かったのではないかと思いました。4日以降は担当さんがいるかいないか確認が必要ということですが、この注目度を見る限り早々に実機を展示するようにするか、夕方以降は説明員を配置した方が販促的にはいいのではないかと感じました。そんな状況の中、夕食を取ったり他所を回りながら比較的空いているタイミングを狙って何度か訪れてみたのですが、どうにも人が引かないので、やむなく並んで短時間ですが試させていただきました。

 まずはいつも通りシステム情報から。Androidバージョン2.2.1、カーネルバージョン、2.6.32.9-pref huawei@product #1、ビルド番号U8150V100R001C126B831SP01、モデル番号 Ideosでした。2.2.1らしく、CPUの割には動作は思ったほどもっさりではありません。ホーム画面もカスタマイズが少ないことが功を奏してかキビキビとまではいきませんが、追従性良く気持ちよく操作できます。タッチ関係やアプリの起動も反応は悪くなく、CPU性能が低いことをあまり意識しないで利用できそうです。ただし、起動から起動直後などはやはりCPUの弱さが出ており、ロック解除後すぐには使い物にならないくらい反応が悪いことがありました。

 端末の起動時間は以下のようになっています。
 電源オン→即→IDEOSロゴ表示→29秒→IDEOSアニメロゴ→34秒→ロック画面(約1分3秒)

 起動はやはり長め、ただ電源オンの反応が非常に早いのは好感触でした。ロック画面表示直後はタッチがうまく反応せず(別のタスクでCPUが忙しいのでしょう)、少し間をおかないとホーム画面に行けません。起動して落ち着いてしまえば、悪くない操作感が戻ってきます。あまり再起動を繰り返すようなことはないと思いますが、再起動には余裕を持った操作が必要だと思います。

 ハードの大きさは非常にコンパクト。ラウンドフォルムがとても持ちやすく、手にしっくり馴染む形になっています。ディスプレイは液晶の品質も悪くはありませんが、QVGAのためHTC Ariaに比べてもドットが非常に目立つ印象で、小さい文字などは正直見やすいとは言えません。メール等は支障ないと思いますがブラウザを多用する用途にはあまりお勧めできません。液晶下にはタッチ式で左から戻る、メニュー、ホーム、検索の各ボタンが並んでいて、反応は十分よいと思いました。IDEOSの特徴として、タッチ式ボタンの下に更にハード式ボタンがあって、左から通話ボタン、カーソルリング+決定ボタン、終話ボタンとなっています。これが意外と使いやすく、通話ボタンは通常時電話アプリを開き、終話ボタンは戻るボタンとして機能します。カーソルリングは方向キーとして使うのですが、なかなか使いやすく便利です。コンタクトに相手が登録してある場合、これらのボタンの連携だけで通話から終話が完全に対応でき、レスポンスも悪くないため、電話機として活用するのにぴったりな操作系になっていると思いました。

 残念ながら肝心のIP電話機能はまだインストールされておらず、遅延や音声の具合を確認することはできませんでした。IP電話アプリはIDEOS以外に対応するかどうかはまだ未定ということでしたが、「アプリを抜いて他機種でインストールした場合、動作は保証できない」という説明があったので、apkを抜かれたりすることは想定されているようで、IDEOSのハードとはチューニング的な相性はあっても、IDEOSでなければ動かないというハード的な縛りは実装されていないようです。IP電話のため何かOSのカスタマイズをされているのか確認したところ、日本通信としてdocomoプラスエリアに対応するよう800MHz対応に関するカスタマイズはしているが、それ以外はほとんどしていないということでした。ということは、IDEOSと同じような素のAndroidに近いものが動作している機種(NexusOneとか)であれば、チューニング的な部分はともかくIP電話アプリが動作する可能性は高いと思われます。そしてダイアラーやコンタクトが独自実装に見えるGalaxy系などでは動作しない可能性が高そうです。カスタマイズ範囲が限定されているようなので、日本通信のIDEOSのmodem.binが入手でき他のSIMフリーIDEOSにインストールする手段が提供されれば、プラスエリア対応に変更することもできそうな気がしますね。

 IP電話のサービスそのものを他のSIPアプリで利用可能にするようなサービスは検討されていないのか質問してみましたが、今のところ検討はされていないようです。Windows環境に提供しているIP電話サービスを例に、他のSIPアプリから使えるようにしていないので、たぶんやらないのではないかということでした。IDEOSに提供されるIP電話アプリそのものは他機種への対応も検討要素にはなっているようなので、適用機種が広がっていくことの期待はしたいと思います。

 IDEOS自体は、国内のdocomo,softbank,EMOBILEの3キャリアのSIMをどれでも使える上に、プラスエリア対応というアドバンテージを持ち、テザリングもOKな低価格SIMフリー端末ということで、魅力的な一面を持つ端末ではあるのですが、低価格ゆえにCPUや液晶スペックに制約があり、正直なところ通話&メール用途を中心でいいという場合以外はオススメしにくいなぁと感じました。軽量コンパクトさを活かしていざという時の予備機という印象が強いのですが、IP電話サービスが十分な品質で提供されるようであれば、業務用の追加番号向けなどで活用できそうな気もします。個人的にはAndroid端末本体がそれなりに魅力的なHTC…はムリでも、LGやAcerのミドルクラス以上をこういう仕様で日本通信が提供してくれると嬉しいなぁと思います。SIMフリーの魅力が活かせるのは、低価格という側面よりも、国内仕様に縛られない最新のOSやスペックが提供されることを期待する側面の方が大きいと思いますので、日本語対応とロットが大きく取りにくいという壁はあると思いますが、ぜひ今後とも日本通信にはがんばってよい端末を選択して国内に提供し続けてもらいたいと思います。

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