■Samsung GalaxyTab 7.7 P6800 HK版 レビュー
 expansys.jpで発注したGalaxyTab 7.7が届いたのでレビューを書いておきます。主に直接の競合であるXOOM2 MEとの比較をしながら書いていこうと思います。型番から判るように3G対応ですが、今回はそちらの動作確認まではしていません。電話関連の機能については機会があれば追加レビューしたいと思います。

■ハードウェア
 予想通りというか初代GalaxyTab同様に本当にコンパクトなパッケージです。非常にタイトになっていて、フタを開けて取り出そうとして箱を逆さにしても落ちてきません。右側に用意されたプルタブを引っ張って取り出す必要がありました。ここまできっちりパッケージにしていることにまず驚きました。付属品はHK用電源アダプタ・電源ケーブル(5V2A)・専用USBケーブル・ヘッドホンという感じで、expansysからの購入者向けには国内用のUSB電源アダプタ(5V1A)が付属してきます。出力が低いのでこちらを利用すると充電にかなり時間がかかるようです。iPad用など2A出力のあるUSB電源アダプタを利用するか、初代同様電源ケーブルはメガネ型コネクタタイプになっているので別途購入して利用する必要があります。

 取り出した本体は本当に薄くコンパクトですが、金属筐体故か軽さよりもしっかりとした重みがある印象でした。その質感はiPadのそれに非常に似ていて滑りやすい感じもなくとても高級感を感じる手触りです。本体が薄くXOOM2 MEよりも僅かに横幅も小さいため、片手でしっかりと鷲掴みでホールドすることが可能です。かなり持ちやすいと思いました。スペック上の重量は335gで、ホールドしても手首にあまり負担感はありません。これで初代よりも多い5100mAhのバッテリーが搭載されているのですから驚きです。

 メインのディスプレイは7.7インチ1280×800のSuper AMOLED Plusになります。さすがに発色は素晴らしくコントラストも非常に高いのでとても美しく見えます。XOOM2 MEのIPS液晶が落ち着いた優等生だとすれば、GalaxyTab 7.7は元気はつらつなスポーツマンという感じでしょうか。サムスンらしい派手な色味になっているので好みはあると思いますが、見比べた場合多くの人はGalaxyTab 7.7のディスプレイの方をキレイだと感じるのではないかと思います。ドット感もないわけではありませんが、基本的に輝度が高いせいかXOOM2 MEよりも気にはならない印象です。ただ長時間使う場合にはXOOM2 MEの液晶の方が目には優しいような気がします。Super AMOLED Plusはフリック等の操作しても残像感を感じることはほとんどなく、速いスクロールや動きのある動画などでも非常に見やすいと思いました。タッチスクリーンの反応もとても快適です。Galaxy Nexusでも感じましたが、最近のサムスン製品のスクリーンはガラス部分のしっとりした感じが操作していてとても心地よく、皮脂対策もかなり優秀なので使っていてとても快適です。同じように使っていてもXOOM2 MEでは皮脂跡がそれなりに残るのに、GalaxyTab 7.7ではほとんど気になりません。この差はかなり大きい感じがします。

 ボタン類は本体右側面に上から電源ボタン・ボリュームキー、左側面に上からSIMスロット(標準サイズ)・MicroSDとなっています。本体上面にはヘッドホンジャックとマイク、下面には両サイドにスピーカーと中央に独自コネクタとマイクがあります。ボタンはデザインに合わせて細目ですがクリック感のしっかりあるタイプ、スロットのフタは外しやすく閉めやすいいい感じに仕上がっています。この辺りの細かい使い勝手の良さはさすがだなと思います。外部スピーカーの音質は標準設定での中低音の充実感でXOOM2 MEの方に軍配が上がりますが、GalaxyTab 7.7も低音は出ないもののコンパクトなタブレットとしてはかなり聴きやすい音質になっていると思いました。逆にヘッドホン出力ではいつものVictorのHA-FXC71-Bで聴く限り、中高音が非常にクリアで音場も広く低音もしっかり出てくるGalaxyTab 7.7の方が圧倒的に好みでいいと思いました。最近お気に入りのGalaxy Nexusよりもクリアな上に艶があり更にいい感じです。

 起動時間は以下のような感じです。XOOM2 MEよりやや速い感じですね。
 電源長押し→3秒→Samsungロゴ→7秒→Samsungロゴ動画→18秒→ロック画面(合計約28秒)

■ソフトウェア
 Androidバージョンは3.2です。カーネルバージョン 2.6.36-P6800ZSKL2-CL599695 se.infra@SEP-64 #3 SMP PREEMPT Fri Dec 16、ベースバンドバージョン P6800XXKL1、ビルド番号 HTJ85B.ZSKL2 P6800ZSKL2となっています。システムの初期設定時から日本語は選択可能で日本語で設定等を行うことは可能ですが、IMEは組み込まれていませんし、フォントもCJKフォントになっています。この辺はXOOM2 MEと同じですね。Galaxyシリーズはフォント変更できる仕組みがあるのでマーケットからFontomizerをインストールして、FontomizerからJapanese Fontを選択しVLゴシック等をダウンロードしてそのapkをインストールし、設定>画面>画面表示>フォントスタイルで指定してやれば、root化をしなくても適切な日本語フォントで表示することができるようになります。現状で日本語フォントとして用意されているのはモトヤLシーダ・モトヤLマルベリ・VLゴシックの3つです。ATOKやGoogle日本語入力と組み合わせればほぼ問題なく日本語環境で利用することができるようになります。

 ホームアプリはサムスン独自のTouchWIZ UIになっています。キャプチャ用アイコンが用意されていたりウィジェットが使いやすくなっていたり、それなりに便利になっていますがレスポンスも悪くないのでチューニングがうまくできているのだなと思いました。CPUにサムスン独自の1.4GHzデュアルコアのExynos 4210が採用されており、サムスン製品で統一されていることが効果を上げているのかもしれません。ブラウザでのスクロールやピンチズームも非常にスムーズでITmediaの様な比較的重いページでも使っていてかなり快適に感じました。Android系端末でここまで快適な動作をするのは初めてではないかとちょっと驚いてしまいました。iPad2のスムーズさにかなり近づいている気がします。

 プリインストールアプリはサムスン製品らしく、All ShareやSocial HUBを始めとした独自Samsung Apps系がいくつか導入されていますが、それほど数は多くなく10コにも満たない感じで、アプリ全部でも39コという感じです。キャリア系の余計なものがない分非常にシンプルに感じます。独自アプリもほぼ日本語に対応しているので安心して利用可能です。GalaxyTab 7.7では本来Android3.xが電話機能をサポートしていないところ、7.0 plus同様サムスンの独自カスタマイズで対応させているということです。そのためマーケットから導入可能な各種電話関連のアプリとの互換性については注意が必要な場合がありそうです。

 とりあえずいつものように動画の再生関係のテストをしてみたので結果を書いておきます。DLNA再生アプリは動作結果が異なったので3種類試してみました。ローカル再生はギャラリーアプリです。DLNAサーバはMacOSX上のPlayback1.8.8。mp4は全てWebOptimizedなファイルです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
  P) MP4 60fps w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  Q) MP4 60fps w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

DLNA再生1:All Share
 D,EのMKV以外が再生可能。P,Qは再生可能だがバッファリングが頻繁で実用にならず。
 4:3の動画も全て16:9再生になってしまい、アスペクト比変更ボタンはあるが機能せず。
 再生時間のスライダも表示されるものの機能せず。

DLNA再生2:Skifta
 mp4以外再生できず。P,Qは再生可能だがバッファリングが頻繁で実用にならず。
 アスペクト比変更ボタンは表示され適切に動作する。

DLNA再生3:AwoX MediaCTRL
 全ファイル再生可能。P,Qは再生可能だがバッファリングが頻繁で実用にならず。
 アスペクト比変更ボタンは表示されないが正しいアスペクト比で再生される。
 ビルトインのプレイヤーで再生されている模様。再生画面の操作系表示が異なる。

ローカル再生
 全ファイル再生可能。Qのみバッファの影響かコマ落ち激しい。
 こちらはアスペクト比変更ボタンがちゃんと機能する。

 DLNAアプリによって再生可能なフォーマットが異なるのにはちょっと驚きましたが、概ね動画の再生については初代同様非常に優れたパフォーマンスを発揮してくれます。特にローカル再生では同じMicroSDに入っていたflvの動画も再生できてしまいました。動画再生についてはディスプレイの違いも大きくXOOM2 MEとは圧倒的な差があると感じました。720pのmp4 60fpsの動画も問題なく、Super AMOLED Plusのディスプレイのおかげで残像感なく非常にキレイにスムーズに再生されるので、最強の動画再生環境と言えると思います。さすがに1080p 60fpsは厳しいですが、これまで試験したどの機種よりもコマ落ち度合いは少なく、高速な読み出しが可能なMicroSDなら相当いいところまで再生してくれそうな気がします(試験で使用したのはClass4の東芝製) かなりがんばっている感じはします(東芝製Class10 SD-C08GR6WAAでもコマ落ちするのでやはり再生自体が厳しいようです)。標準アプリのDLNAソフト All Shareでmkvファイルが再生できなかったのは残念ですが、初代でも同様だったのでしかたないところかもしれません。AwoX MediaCTRLではmkvも再生可能になるので、GalaxyTab 7.7では便利に使えそうです。

■まとめ
 総合的に見て非常に完成度満足度の高い製品だと思います。少なくとも個人的にはArchos 80 G9もXOOM2 MEももう使わなくなるかもしれないと思いました。軽くて薄くて長時間稼働で質感もいいということで、防水とかDTCP-IP対応とか求めなければ、現時点では7〜8インチクラスで最高のAndroidタブレットであるような気がします。動画プレイヤーとして使われる方には本当にオススメできると思いました。同クラスでは値段が一段高い製品になるのですが、その理由も納得できる感じです。とりあえずざっとレビューしましたが、これからメインタブレットとして使いこんでみて気になることがあれば追記していこうと思います。

参考:XOOM2 MEとの比較写真
 http://t.co/antwHjp0 横幅はあんまり変わらないけど縦がかなり違う
 http://t.co/Ndr4Twk8 スクリーンの反射はGalaxyTabの方が抑えられている感じ
 http://t.co/LRTcIEgB 設定アプリの標準テキストサイズがものすごく違う
 http://t.co/HGh4zDQu 同じholoを壁紙に設定して発色の違いを比べてみる

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とりあえず付けておく無駄ではなかったなまぁまぁ読めたちょっと役に立ったかなかなり良かったかも (3 投票, 平均値/最大値: 5.00 / 5)
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