■au MOTOROLA PHOTON ISW11M レビュー
 ITmedia +D Mobile主催の「MOTOROLA PHOTON タッチ・アンド・トライ ブロガーミーティング」に参加してきたのでレビューを書いておきます。実はこの端末CEATECでももちろん見てきたのですが、こちらのイベントの予定が入っていたのであまり詳細にはチェックしなかったのでした。MOTOROLA社のプレゼンと合わせて実機にじっくり触り質問もできたのでとても良いイベントでした。

■ハードウェア
 手に持った第一印象は幅広でガッチリという感じでした。4.3インチqHDの大きな画面とそれを取り囲むメタルフレームが相当に強固でしっかりしたインパクトを与えてくれます。その割にひどく重く感じないのは背面カバーの樹脂素材のラウンドデザインと柔らかなマット感によるものかもしれません。手に馴染む感じですべって落としそうなこともなく、安心してホールドできると思いました。プレゼンにあった高級感まではパッケージングには感じませんでしたが、高品質であるとは思います。ディスプレイ自体は非常にキレイで視野角もとても広く表面反射もある程度抑えられているように感じました。タッチ操作の反応も安定感があり非常に好感触です。液晶周辺のメタルフレームが液晶面より少し盛り上がっているため、ホールド感は大振りな感じになってしまってるのですが、むしろ保護ケースを付けているかのような感覚で、ちょっと落としたくらいでは液晶面にはあまりキズがつかなそうな気がします。とはいえ素でそんな感じなので、ケースを付けたりすると女性の手には少し大きすぎるかもしれません。

 ディスプレイ下にはタッチ式ボタンが左から、メニュー・ホーム・戻る・検索と4つ並んでいます。本体の角が少し削れたようなデザインになっているためか、大きさの割に意外と操作しにくい感じはありませんでした。物理的なボタン類は本体右側面に上からボリュームキー・シャッターキー、どちらもボタンに筋がデザインされており使いやすい感じです。上面には左から電源・ヘッドホンジャック、右側面には上からMicroUSB・MicroHDMIとなっており、下部には背面カバーを空けるスキマがあるくらいです。比較的シンプルな印象ですね。ボタン操作も比較重め?でしっかりした印象でした。ISW11Mはクレードルが別途用意され、本体右側面のUSBとHDMI端子を挿入して利用できるようになります。後述しますがその状態でWebTopというMOTOROLAオリジナルのUIを利用することができます。

 バッテリーは1650mAということでスマホとしては大きめ、WiMAXテザリングで240分、3Gテザリングで210分という接続が可能になっているそうです。ただし通常待ち受け時間は210時間とちょっと短めで使い方によっては微妙なところかもしれません。カメラは背面800万画素・前面30万画素となっていましたが(注:当初200万画素と記載していましたがITMedia社よりカタログスペックの記載ミスと訂正メールをいただきました)、低解像度の割にはカメラ切替して前面カメラで表示された画面を見るとノイズも少なくキレイに見える感じがしました。CPUスペックの高さもあってか写真撮影時のAFも素早くスムーズに撮影が可能でした。ただしカメラで設定可能な項目は少なくオプションも少し寂しい感じで、カメラ重視の方には物足りないかもしれません。LEDフラッシュも2コ付きでスペックは悪くないだけにカメラ機能の向上はぜひ実現してほしいところです。

■ソフトウェア
 Androidバージョンは2.3.4,カーネルバージョン 2.6.32.9-00129-gd2042d5 w21120@zkr30Inxdroid20 #2、ベースバンドバージョン N_02.28.15P、ビルド番号 4.5.1A-1_KDI-92_LE-24となっています。ISW11Mに特徴的な項目としてシステムバージョン 45.1.24.ISW11M.KDDI.en.JPという項目と、WebTopバージョン WT-1.2.0-131_29という項目が追加されていました。日本語入力はiWnn IME Ver.2.1.4.jp-Moto-s03となっています。ホームも含めてUIはかなりカスタマイズされており、MOTOBLURというSNSやメールなどのコミュニケーションを統合するアプリと合わせてMOTOROLA製スマートフォンらしい味付けがされています。MOTOBLURについては他のレビュー等を参考にしていただくとして、個人的にはWP7のPeople HUBの方が使い勝手や見通し感はいいなぁと思ってしまいました。MOTOBLUR対応のおかげか、アカウントセットアップで登録可能なサービスは非常に多く、他機種ではあまり見かけないOrkut・LastFM・Photobuket・WindowsLiveなどが利用できるようになっていました。これはユーザには嬉しい部分かもしれません。

 カスタム面でちょっと面白かったのは、内部ストレージ16Gがアプリケーションストレージと内部ストレージに分割されていること。端末容量設定画面で別々に分かれて空き容量が表示されています。ちょっと見ると16Gじゃないの?って驚いてしまうかもしれません。おそらくWebTopの領域が更に別に確保されていると推測されます。また設定にあるアカウント追加メニューが単独アプリケーションとしても用意されており、アカウントという名前になっていました。バッテリーとデータ管理・HDMIなど独自設定メニューになっている項目もあり、使いやすくしようという努力が感じられます。アプリの名前も独自訳が多く、カムコーダーとかテキストメッセージングとか他のスマホではあまり見ない名前になっているものがいくつかありました。その中でも直球だなと思ったのはDLNAアプリで、まんま「DLNA」という名前でアプリになっています。実際の動作確認まではできなかったもののクライアント・サーバ・コントローラと3種類全ての役割が含まれているようです。UIが非常に残念で、必要最低限揃えました、とりあえず使えますという感じ。これについてはもうちょっと工夫してくれてもいいのにと思ってしまいました。ただ特徴的なところとして設定項目に「Xboxのサポート」という項目があり、明示的にXboxへのDLNA接続に対応しているようでした。

 さて、MOTOROLA端末でATRIXに初めて搭載され話題になったWebTopですが、今回ISW11Mに搭載されるに当ってUIやブラウザであるFirefoxが日本語化され日本語入力にも対応し、国内の利用者が問題なく利用できるように改良がほどこされていました。おまけ的位置づけで英語のままになるのではないかと思っていたのですが、UI自体は適切にローカライズされたことで一安心です。残念なのはWebTop向けに用意された各種Webアプリは英語のままということ。DropboxやCITRIXなどシンクライアント的に利用する上で重要なアプリは全て英語のままということで、ちょっと敷居が上がってしまうかもしれません。更にATRIXの頃から実装上心配だった「WebTop=Linux環境」のためセキュリティアップデートがちゃんと提供されるのか、安全のための実装が何か行われているのか」について質問をしてみました。ISW11MのWebTopに実装されているFirefoxは4.0.1でアップデートの予定は現在のところないそうです。WebTop内にアンチウイルス等のセキュリティ実装がされているかもわからないということでした。WebTop自体がUSでアップデートが提供されるようなら、日本でも対応していくが現在のところそうしたアップデートの予定はないとのこと。ARM環境で動くLinuxということで一般的なウイルス感染リスクは少ないと思うものの、比較的狙われやすいブラウザ環境がかなり古いバージョンのままで且つアップデートの仕組みが不透明というのは、ちょっと企業向けにどうこうアピールできる材料ではないのではないかと少し心配になりました。セキュリティ関係については調べてみるということでしたが、どのように公表されるのか興味深いところです(ITmediaの記事?)。とりあえずWebTopを利用しようとする場合には、必ずUTM配下の安全性の高いネットワーク内で試されることをオススメいたします。

■まとめ
 ISW11Mは質実剛健しっかりした拡張可能なハードウェア部分が最大の魅力かなと思いました。残念ながら動画のテストとか音楽の試聴とかもしてこれなかった(試験データ入ったSDを持っていくの忘れたorz)ので具体的な対応フォーマットまではわからないのですが、スタンド付きになっている&クレードルでHDMI出力を便利に利用できるようになっていることからも、メディアプレイヤーとして活躍する場面も多いのではないかと思います。専用クレードルは充電器・HDMIケーブル・リモコンもついて10/21に大手量販店経由8000円くらいで販売されるとのことなので、合わせて購入されるとISW11Mを利用する上でより活用の幅が広がることは間違いないと思います。クレードルにはHDMI1・USB3と拡張ポートがありますのでWebTopでPC的に利用することが容易になっています。一人暮らしでパソコンを占有して置く場所はないが大画面でブラウジングしたい場合などTV接続で活用できる組み合わせは魅力的になるかもしれません(ルータにセキュリティ機能必須ですが…)。HTC EVO ISW11HTが超低価格で販売されている状況下に投入されるので、購入する側も製品の特徴をしっかりと把握して、自身の利用シーンを具体的にイメージしながら選択できるといいなと思います。

【10/26追記】
なんかアクセスが増えたと思ったらITmedia記事からリンクしてもらっていました。イベント時の質問の回答があるのかなと思って確認してみましたが、WebTopのセキュリティに関する質問は記事では一切触れられておらずスルーされてましたorz リンクのために記事内容もチェックしていたと思われるのに、スルーされてしまったのは本当に残念。

 ブロガーイベントで分かった「MOTOROLA PHOTON」、本当の魅力 (2/2)
 http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/1110/25/news002_2.html

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■au htc EVO WiMAX ISW11HT 製品版ビルド? レビュー
 本日秋葉原SofmapにてISW11HTの更新ビルドを触ってきましたので、簡単にレビューしておきます。4月15日発売ということで後述するビルド番号からもほぼ製品版ビルドと思われますが、前回レビューから短い期間に2つバージョンが上がっているようなので、まだ修正は入るかもしれません。ざっと確認して気になったことだけを書いていきます。

■更新ビルド 1.05.970.1 CL339957 release-keys
 Androidバージョンは2.2.1で変更なし。前回のレビューと異なってビルド番号にreleaseの文字列が見えますので、おそらくこれが製品版で間違いないと思われます。ソフトウェアの番号 1.05.970.1、ベースバンドバージョン 2.15.00.03.04 ということで、カーネルやhtc独自項目についての番号に変更はありません。メニュー等をざっと一通り見てみましたがこれまでに比べて特に大きな変更などは行われていないようでした。

 今回試用した展示機も充電ケーブルを挿したままでも抜いても、タッチパネルはとても快適に操作することができました。当初Kスタの展示機で確認された問題は完全に解決されていると思われます。また今回のビルドではタッチパネル操作感が更に向上しているように感じられ、ホーム画面でのスクロールやフリック操作では、iPad2と比較しても遜色のない応答性追従性になっていると感じました。一応再起動して起動時間も計測しましたが46秒でほぼ変わらず。起動時間の改善はないようです。Quadtantの数字も3Gのみ有効の時に1158、Wi-FiやWiMAX有効の時には990〜1111と低くなる傾向も変わらずという感じです。今回はテザリングは有効になっていない状態だったため、デザリングではなくネット接続方式でスコアが変わるようでした。

 唯一気になったのはカメラの応答性です。NexusOneもシャッターラグ(撮影ボタンを押した時と実際に撮影された写真の時間のズレ)を感じる方ですが、ISW11HTはかなり遅く1秒近くラグがあるようです。静止物を撮影する場合にはあまり影響しませんが、歩いている人や動いている物を撮影しようとすると、とてもタイミングが難しいことになります。いろいろ設定を変更して試してみましたが、撮影サイズ、オートフォーカスのon/off、顔認識のon/offなどいろいろ負荷がかかりそうな設定を解除しても、全く改善しませんでした。これまでも遅いなとは思っていたのですが、製品版までに改善されるだろうと漠然と考えていました。しかし、これはISW11HTのカメラの仕様のようです。個人的にはカメラは重視していないのであまり影響はないのですが、カメラがポイントになる方は実機の確認をされることをお勧めします。Xperia arcのカメラの俊敏さを知っている方だと、耐えられないくらい遅く感じてしまうかもしれません…。

 発売が近くなり価格も新規68,250円、月々割2,000円x24ヶ月(auショップ伊勢佐木モールさん参照)ということで、最初の一括分は大きいものの、月約5,000円でテザリングし放題というのはなかなか魅力的ではあります。ただ、当初月々割1500円とされていたのに増額された背景を考えると夏モデルの発表を待つのもちょっとありかなと思ってしまいましたw MNPでは月々割が2,000円x24ヶ月は変わらず、本体が57,750円と更に10,500円下がりますのでより魅力的になります。決して安い本体価格設定ではないのですが、維持費やネットワーク性能を考えると悩ましいですね。とりあえず急いで切り替える理由はないので、発売日の動向を見ていつ購入するか検討しようと思います。

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■au htc EVO WiMAX ISW11HT 更新ビルド レビュー
 本日とある調査で都内に出ていたため、KDDIデザイニングスタジオに寄ってみたところ、EVOのビルドが更新されていたので簡単にレビューをしておきます。1Fの展示機は前回のビルドと新しいビルドのものが混在している状況でした。日曜ということで来客も結構あり、EVOに興味を持つ方もそこそこいらっしゃったので、前回ほどじっくり触ることはできませんでしたが、確認できたことを書いていこうと思います。

 4/6 EVOの製品版ビルドと思われるバージョンを確認したのでレビューを追加しました。
 au HTC EVO WiMAX ISW11HT 製品版ビルド? レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/953

■更新ビルド 1.03.970.1 CL338102 test-keys
 Androidバージョンは2.2.1で変わらず。前回のレビューと異なっているのは、ソフトウェアの番号 1.03.970.1、ベースバンドバージョン 2.15.00.02.23 ということで数字的な変化は大きくなく比較的小規模な修正と思われます。前ビルド1.02.970.1の機体でシステムアップデートのチェックをすると、新しいバージョンがある旨のダイアログが出たので、OTAでアップデートできるようでした。

 このビルドでは2点同時認識は変わりませんが、タッチスクリーンの応答性が更に良くなっているようで、フリック操作やピンチ操作が非常に快速快適になっているように感じました。とてもサクサク動作して非常に気持ちいい感覚です。ブラウザの動作も軽快になっているように感じました。前回問題になっていた充電ケーブルを繋いでいるとタッチ動作が安定しない問題は既に解決されていました。新しいビルドの機体も前ビルドの機体もどちらも充電ケーブルを繋いだままで、全く問題なく動作してくれました。説明員さんに以前来た時と何が変わったのか伺ったのですが、開発機ということもあり本体が変わったものもあるし、ソフトウェアが変わったもの(新ビルドのことと思われる)もあるし、ということで曖昧な感じで詳細なことは教えていただくことはできませんでした。新ビルドで機能的に何が変わったかもよくわからないという感じです。いずれにしても不具合は解消されたということで、EVO購入予定の方は安心していいかと思われます。

 起動時間は以下のような感じでした。
 電源オン→5秒→Android auロゴ→19秒→htcロゴ→22秒→ロック画面(合計約46秒)

 新ビルドでも起動時間は変わりませんでした。Android auロゴ表示までの時間が短くなった分、htcロゴの表示時間が2秒長くなって結果は同じ46秒でした。Quadrantが既にインストールされていたので、試してみたことろ1回目1158、2回目1156ということで、HTC EVO 2.2+よりもちょっと低いという感じでした。ちなみにWiMAXとWiMAXデザリングをonにして計測してみたところ、1回目990、2回目1118ということで3Gのみの時よりもスコアが落ちました。WiMAXは多少負荷が大きいということなのかもしれません。

 残念ながら細かいアップデート内容はわからなかったのですが、不具合が解消しタッチレスポンスが向上していることが判ったので、デザイニングスタジオに寄ってみて良かったと思いました。懸念されるEVOのバッテリー持続時間については既に3500mAhの大容量バッテリーが国内でも5000円程度で入手できるようになっていますし、WiMAXルータとしても十分に活用できそうです。HTCは既に3D対応のデュアルコア新世代EVOを発表しており、海外では今月WiMAX対応の新機種が複数発表されたため、auの夏モデルの発表が気にはなりますが、たぶんISW11HTを購入してしまうような気がしますw

 XOOMも確認したかったのですが、時間がなく諦めざるをえませんでした。こちらについては機会があれば改めてチェックしたいと思います。今回一応説明員さんにISW11HTの発売予定について確認してみたのですが、4月上旬ということで変更の通知は来ていないが地震の影響で遅れる可能性はあるとのことでした。興味がないので知らなかったのですが、実際G11が発売予定日過ぎても関東で発売できていないとのことでしたので、少しずれ込むことは覚悟しておいた方がいいのかもしれません。こればかりは仕方ないので発売まで楽しみに待つとしましょう。

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■au htc EVO WiMAX ISW11HT 簡易レビュー 改訂版
 KDDIデザイニングスタジオで触ってきたEVOのタッチパネルがあまりに酷かった件について、充電ケーブルを外して操作すると問題が解決するという情報をいただいたので、本日3/3昼過ぎに速攻で再レビューのためデザイニングスタジオに行ってきました。そして実際に充電ケーブルを挿している間だけ問題が発生し、抜いた時点で解消することを確認しましたので、先のレビューを全面的に改定したいと思います。この事象についてはデザイニングスタジオの説明員の方に説明し、展示上「操作時は充電ケーブルを抜いてお試しください」など注意書きを置いてもらう等改善の依頼をしました。早速検討しますと言っていただけたので、近日何かしらの対応がされると思います。充電ケーブル接続中にタッチパネル動作が不安定になるのは試作バージョンだからかもしれないとおっしゃっていました。リリース版では改善される可能性はありそうです。

 3/27 EVOの新ビルドを確認したのでレビューを追加しました。
 充電ケーブルに関するタッチ不具合が改善されていることを確認しています。合わせてご確認いただければと思います。
 au HTC EVO WiMAX ISW11HT 更新ビルド レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/907

 4/6 EVOの製品版ビルドと思われるバージョンを確認したのでレビューを追加しました。
 au HTC EVO WiMAX ISW11HT 製品版ビルド? レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/953

 ということで、改めて充電ケーブルを抜いた上でのレビューを先の内容と合わせて修正したレビューをいたします。旧バージョンは本文の修正をしないまま、続きを読む以下に掲載しておきます。

 デザイニングスタジオでは入口入って右奥のカウンターのところに4台のEVOが展示されていました。どれもEVOの最大の特徴であるWiMAXで接続されており、いくつかはWiMAXテザリングがonの設定になっている状況でした。WiMAX接続時には通知バーにWXという文字にアンテナ感度を示すWi-Fiと同じような扇型のアイコンが重なるように表示されて、一目でWiMAX接続中だとわかるようになっています。WiMAXテザリングの場合にはWXの文字に横に広がる波形のアイコンが表示されます。たしかにブラウザ等の読込み自体はかなり高速でWiMAXの快適さがよくわかります。またテザリング中にWiMAX接続をオフにすると、テザ接続中の端末がいる場合自動で3Gテザリングに切り替えて接続し直す様子が通知バーで確認できます。これは素晴らしい機能だと思いました。EVOではWiMAXはKDDIがUQのMVNOとして自動的に契約先となるため、他のWiMAXプロバイダのアカウントは利用できないようです。説明員さんも確定かどうかわからないとされていましたが、現時点では他社のアカウントを利用可能とは説明されていないそうです。設定メニューの「無線とネットワーク」には「WiMAX設定」という項目があり、「タップするとWiMAXサービス」というアカウントを設定できそうな項目はあるのですが、WiMAXがオンでもオフでもグレー表示でクリックしても何も反応せず、KDDI以外のWiMAXプロバイダを選択することができませんでした。これは少し残念でした。

 せっかくなので手持ちのNEC製WM3500R/UQ契約の接続と速度の比較をしてみました。NexusOneをWiFiでテザリング接続して、Xtremelabs Speedtestで「EVOで2回WM3500Rで2回計測」を2回繰り返して、その平均値を取ったところ以下のような結果になりました。

 WM3500R:Down 2331.4Kbit/s MAX 2338.2Kbit/s :Up 1915.0Kbit/s MAX 2140.6Kbit/s
 EVO WiMAX:Down 2706.7Kbit/s MAX 2709.4Kbit/s :Up 1997.8Kbit/s MAX 2193.0Kbit/s

 ダウンロードはEVOの方が約15%、アップロードも4%ほど速いという結果になりました。テストでは3つの機器を同じ展示卓上に置いてテストをしています。EVOは満充電状態で、WM3500Rはファームが1.0.2で充電が1/3以下くらいの状態(帰宅途中でバッテリ切れになったため)でのテストです。WiFiのn/g/bのいずれで接続していたのかはわかりません…。NexusOneでリストされたアクセスポイントを指定してお任せで接続しています。一応EVOの方がCPUが強力なためか少し速かったようです。少なくともUQ契約とKDDIのMVNOで速度的な差はなさそうということがわかります。これでUQ解約してEVOにするか悩む要素が少し減りました。

 ハード面では4.3インチWVGAの液晶はDesire HDと比較しても遜色なく、発色はやや大人しい印象があるものの、十分に精細感のあるキレイな液晶だと思います。タッチスクリーンは充電ケーブルを繋いだ状態では、ダブルタップやフリックの操作を無視するなどとても動作が不安定で使い物にならないのですが、一旦充電ケーブルを抜いて使ったところ、タッチミスもほとんどなく、サクサク快適に操作することができました。その快適さはNexusOneの2.2を上回る追従性応答性であると感じられました。念のため再度充電ケーブルを繋ぐとまたタッチミスが頻発するので、現状これは不具合と認識すべきものだと思いました。EVOを試用する際には必ず充電ケーブルを抜いた状態でお試しされることを強くオススメします。

 液晶下部にあるタッチ式ボタンは左から「ホーム・メニュー・戻る・検索」となっており、どれもタッチ無視等はなく快適に操作することができました。端子類はとてもシンプルで左側面には何もなし、右側面にはボリュームキーのみ、下部にはHDMIとMicroUSB、上部にはイヤホンジャックと電源ボタンとなっています。背面カバーはマットな手触りで非常に持ちやすく好感触です。スクリーンが大きいことで本体幅も大きく厚み重さもそれなりにあるのですが、持ちやすさという点では片手親指でできることはやや限定的ですが、成人男性であればあまり大きな問題はないのではないかと思います。

 起動時間は以下のような感じでした。
 電源オン→7秒→Android auロゴ→19秒→htcロゴ→20秒→ロック画面(合計約46秒)

比較的速い数値ではありますが、ロック画面表示後壁紙表示に更に4秒、HTC Senceはロック解除後更に読込みで10秒ほどかかるため、実際には1分近くかかると考えた方が適切だと思います。こういう点ではDesire HDの高速起動の解決アプローチはとても有効な方法なんだなと実感します。

 Androidのバージョンは2.2.1、カーネルバージョン 2.6.32.17-g5b49f89 htc-kernel@and18-2 #2、ベースバンドバージョン 2.15.00.02.18、ビルド番号 1.02.970.1 CL337213 test-keys、htc独自項目としてソフトウェアの番号 1.02.970.1、ブラウザバージョン Webkit 3.1、PRIバージョン 2.10_01C、PRLバージョン 01001となっています。HTC Senceのバージョンは1.6になるそうです(Desire HDは2.0)。案の定htc版のAndroid2.2は設定にデバイス管理者の項目がなくなっていたり、項目の配置が標準と相当異なっていたりと、かなりカスタマイズされていることが確認できます。日本語入力は iWnn IME for HTC Ver.1.40-HTC43i-09とこちらもHTC用にカスタムされていることがわかります。

 充電ケーブルを抜いた状態で利用するブラウザはとても快適で、WiMAXでの接続と合わせてページのロードはとても速いと思います。複雑なレイアウトのページはさすがにやや重く感じますが、ピンチズーム等の操作もテキスト再配列の一拍はありますが、NexusOneの2.2よりも快速でキビキビとした動作に感じます。Flashの再生にも対応していますが、WiMAXのおかげで読込みが速いため、あまり待ち感がありません。それでも大きなFlashデータはブラウザの全体動作に影響するので、基本は設定でオンデマンドにしておくことをおすすめします。

 今回充電ケーブルの接続状態で動作に大きな差があることがわかったことで、適切な状態で試用してみることができました。最初に情報くださったタカヒロさんや、追加情報をくださった多くの皆さんに感謝いたします。EVOは手持ちのNexusOneと比較しても大画面で見やすく非常にレスポンスのよい端末なので、国内独自サービスが必要でない場合には十分オススメできる端末だと思います。au ICカードに対応していないのでガラケと差し替えで利用できないというデメリットはありますが、それを補って余りあるWiMAX/3Gのテザリング対応という魅力もありますので、対応エリアの方にはコスト面からもお得でいいのではないでしょうか。

 個人的にHTC Senceを導入した端末が必要になっていたことと、NexusOneをソフトウェア動作検証専用にしたいと思っていたので、WiMAXの既存契約部分をよく検討してコスト面の調整をした上で、EVOの購入を積極的に進めようと思います。EVOは電池持ちも心配されていますが、既に常にモバイルバッテリーを持ち歩いているので、こちらはあまり心配はしていません。WiMAXの契約がKDDIオンリーでなくUQアカウントが使えたらいいなぁと言うところがやはり残念に感じます。WM3500Rが死蔵されてしまうのはもったいない…。ともかく、まずはEVOのリリースを楽しみに待ちたいと思います。

 個人的にメイン端末にする可能性もあるので、念のためイヤホンジャックの音質も確認しておきました。普段スマホで使っているのはVictorのHA-FXC71-Bで、量販店で6000円以下という価格の割に遮音性も高く音漏れも少なく、1万円以上するヘッドホン並にとてもいい音で鳴ってくれます。小さい音量ではやや痩せた音に感じますが、ある程度音量を上げるととたんに化ける面白い製品です。これでiPhone3GS、NexusOne、GalaxyTab、EVOと比較してみました。確認方法は普段良く聴く曲を自サイトにmp3でアップロードしておき、端末からブラウザでアクセスして同じ音源を再生するというやり方をしてみました。個人的にはEVOは十分音楽プレイヤーとしても楽しめる品質だと思いました。ヘッドホンとの相性や音質には好みもあるので試聴感覚の個人差は大きいと思いますし、うまく伝えられるものでもないとは思いますが一応参考までに違いを表現しておきます。

 iPhone3GS:華やかで全体にバランスのいい音。女性ボーカルがいい。iPhone向けにチューンされてる?
 NexusOne:高音が抑えられ低音にウェイトのある落ち着いた音。華やかさが失われる。
 GalaxyTab:全体に奥まったようになり音圧が低い印象。音場も狭くなりギュっと詰まった感じ。
 EVO:iPhoneより華やかさが減るが音場広く音の線が少し太く力強くなる印象。ボーカルが気持ちいい。

 以上で現時点のEVOのレビューは全てになります。
 たくさんの方にご覧いただき本当にありがとうございます。

 旧バージョンのレビューではお騒がせしてしまい申し訳ありませんでした。基本的にネガキャンするつもりはなく、自身の体感した事実を書いたのですが、もう少し事象の検証と回避方法の検討を考慮すべきだったと思いました。以下に自戒を込めて旧バージョンを残しておきます。

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■NEC WM3500R WiMAXルータ 簡易レビュー
 YAMADAでWiMAXのキャンペーンをやっていてとても好条件だと聞いたので、仕事帰りにYAMADA新橋店でWiMAXルータWM3500Rで契約をしてきました。評判通り、1年縛りのYAMADA Flat 年間パスポート月額3880円を申し込むことで NEC WM3500Rが2800円、更に今は同時購入した商品(なんでも!)から3150円を値引きということで、実質的にただ同然で入手することができました。YAMADA Flat 年間パスポートは30日以内の解約なら解約無料もちゃんと説明があり、解約日まで使用した分は日数案分での支払いになるということで、実際日常利用するエリアでWiMAXが使いにくかった場合でも、リスクの少ない非常にリーズナブルな契約内容になっていると感じました。

 実際の購入にかかった費用は以下の通りです。
 WM3500R 本体2800円
 WiMAX登録料 2835円(初回利用料と同時請求)
 同時購入割引 -3150円
 実質費用   2485円

 同時購入には普段ほとんど割引のないApple製品で気になっていたAppleTVを選びました。DLNAで既にネットワークがあるので必要不可欠ではないと思っていたのですが、値引きを使わないテはないと思ったので買ってしまいました。まんまとYAMADAの戦略にハマっています。

 YAMADA新橋店で最終的に購入の決め手になったのは、実際に自分の手持ち端末をWiMAXルータ経由でWiFi接続して速度を体感させてくれたことによります。普段家庭内WiFi経由かSoftBank 3G経由で使っているAndroid端末がWiMAXでどんな感じで動作するのか、日常動作と比較することでその速さと快適さが実感できたのがとても大きかったです。比較的重い企業HPやMAPがさくさく読み込まれる様は非常に感動的でした。もちろん目の前にWiMAXルータがあり自分で設定を確認しながら入力したので、(アンテナが有利に配置されている可能性はあるかもしれませんが)端末やソフトに仕掛けなども一切ないとわかっています。Willcom 3GやSoftBank 3Gのレスポンスで持っていた、まぁまぁこんなもんかという感覚が吹き飛びました。WiMAX本当に速いですね!

 もちろん、重要なのはYAMADAの店舗で速いことでなく、日常使う可能性の高いところでどうかということです。帰宅してすぐに設定をいろいろ変更して使ってみました。結果だけ先に書くと以下のような感じです。

 WM3500R ファーム 1.0.2
 iPad 3.2.2 SpeedTest X HD
 測定時間 20:50~21:00ごろ

 1)仕事部屋(ワンセグ受信不可 SoftBank 3G アンテナ1〜2)
  アンテナ2本表示
  Download 774.07Kbps
  Upload 1626.38 Kbps

 2)リビング(ワンセグ受信可 SoftBank 3G アンテナ時々フル)
  アンテナ3本表示
  Download 815.85Kbps
  Upload 1878.95 Kbps

 自宅は横浜ですが、マンションのため構造上電波的には不利な位置になっており、ワンセグはリビング窓側でないと受信できないとか、SoftBank 3Gもアンテナが不安定だとか割と残念な場所なのですが、WiMAXはワンセグが受信できない仕事部屋でもアンテナ2本、十分な速度で動作してくれました。むしろ受信状態が良さそうなリビングでも速度が大幅に変わらないということで、比較的に電波条件が悪くなかったことにびっくりしました。WiMAXとしては必ずしも良い数値ではないのでしょうが、ブラウザのレスポンスはテキスト主体のページなら自宅無線LAN(フレッツ光に接続)と遜色なく、マップも一拍遅れる感はあるものの十分実用的な速度で表示がついてきます。電波状態がよくないかもと思っていましたが、嬉しい誤算です。

 WM3500Rの設定はiPadからWiFi接続の上で http://web.setup/ にアクセスすることで簡単にすることができました。ファームは現在の最新版1.0.2です。NECの機器らしく設定は即時反映すれども「保存」ボタンを押さない限り設定保存されず、設定保存すると必ず再起動というパターンです。WM3500Rは本体にSSIDとWAPのキーが記載されてしまっているので、まずは管理者パスの変更とこれらの無線関連設定を変更します。ファームの更新もWebブラウザから可能ですが、なぜか最新版をチェックすると1.0.0が最新と出てきてしまい、うまくチェックが働いていないようでした。

 年末年始に向けて移動することも多くなると思うので、当面あちこちでWiMAXの接続性や速度を試してみようと思います。バッテリーの持ちや電車等での移動時の利用などについても確認したいですし、現ファームでも切断等の問題があるなど指摘されているWM3500Rですが、その辺りも自身の利用環境で確認できればと思っています。とりあえず、現在のモバイル接続よりもかなり速度アップになりそうですので、iPhoneやAndroid端末が更に快適に利用できることを期待してしばらく楽しんでみたいと思います。

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