■au IS03 CEATEC版レビュー
【11/10追記】IS03の最新レビューはこちら
au IS03 更新ビルド2種 レビュー
http://blog.isnext.net/issy/archives/482
CEATECで昨日発表されたauのAndroidスマートフォン「IS03」の展示機をじっくり触ってきたのでレビューしておこうと思います。auのIS03コーナーは比較的落ち着いた黒メインの装飾で、展示機もSHARPのコーナー合わせてざっと30台以上はあったため、余裕を持ったお試し環境になっていたと思います。説明員の方もあまり積極的に声をかけることなく、来場者にじっくりと見極めてもらう戦略をとっていたように感じました。
■ハードウェア
手に持った感覚は厚みのある樹脂カバーのためか、割としっくり馴染む感じ。樹脂ケース安っぽいかと思ったけど、そんなこともなく交換が容易そうで好感触です。形もNexusOneより厚いのですが、ちょうど手にすっぽり収まるカーブを意識しているようで持ちやすい形です。特徴的なカメラシャッターボタンはやっぱり便利。撮影時にいい位置にあるのでとても撮影しやすいです。ストラップホールが本体真下中心にあるので、バランスもよくこちらも日本的配慮が嬉しいポイントです。ただ、充電のためのUSBコネクタ部がカバー付きで左側面やや上側にあるため、外部バッテリ利用の際持ち方がちょっと不便になりそうなのが残念。バッテリー容量が少ないので、外部バッテリー必須と思われるだけに、ここは気になりました。もっともSHARPさんで話を聞いたところバッテリー交換可能というポイントを強く打ち出されていたので、交換バッテリーを利用することを前提としていたのかもしれません。設計上あそこになってしまったともおっしゃっていました。
コンビネーション液晶のアイデアもなかなか嬉しいところ。iPhone4と匹敵するメイン液晶はiPhone4よりも色がしっかり出て好感触です。精細感もありSHARPの液晶らしい高品質な印象。展示機はどれも輝度最大にしていない状態のようでしたがコントラストもはっきりてとても見やすい液晶でした。ただ標準の壁紙やホームのアイコン類は液晶の良さをあまり活かせてない配色のような気がします…。下部にあるメモリ液晶は解像度こそ粗いものの、操作や時計表示には十分で、本体の向きに合わせて表示も変わるので使いやすいと思います。特にメインディスプレイオフの時に時計や着信表示をしてくれるのはスマートフォンにはあまりなかった機能なので嬉しいですね。
連続稼働中の本体は裏面上部?がそこそこ熱くなりますが、操作に支障が出るようなことはありませんでした。CCDのカメラもとてもキレイに撮影できます(本体液晶でしか見ていませんが…)。CMOSでなくてなんでCCDにしたのかとSHARPの方に伺ったところ、この製品はCCDにしたかったのです!とおっしゃってました。CCDの方が品質が高くCPU負荷も低いということでかなり自信を持った選択だったようです。
■ソフトウェア(OS)
Androidのバージョンは2.1-update1。展示機はカーネル 2.6.29-perf nbproj@TG721404#1、ビルド番号 D9156 でした。ホームはSHARPのカスタムですが、残念ながら操作感はよくありません。フリック等の追従がコンマ数秒遅れて反応する印象。タスクマネージャが標準で下段右端に用意されているのですが、操作が重くちょっと使い物になりません。ホームとタスクマネージャーは別のものを使ったほうが良さそうです。
起動時間も測ってみました。
電源オン→1秒→Android auロゴ→28秒→ローディングアニメ→7秒→メモリ液晶表示
→6秒→au ICカード読み込み表示→3秒→ロック画面(合計約45秒)
起動後もロック画面を解除してから実際に使えるようになるまで(メディアの読み込みが終わるまで)更に時間がかかるので、一度再起動すると1分以上待つことになります。更にメディア読み込みが終わって落ち着くまでに、なんらかのアプリを起動すると強制終了したり無視されたりするので、このヘンは要改善かなと思いました。一度起動してしまえば1GHzだけあって快適に動作はしますので、このヘンはAndroid2.2になれば改善されることを期待したいですね。
ちなみにSHARPの説明員の方は「Android2.2には必ずなりますが、時期はまだ明言できません」と話されていました。Galaxy SやNexusOneの2.2との比較がやはり気になるようで、逆にいろいろどのヘンが違ってどのヘンがいいのかと質問されてしまいました。
■ソフトウェア(アプリ)
気になる日本語入力ソフトはiWnn IME -SH editionでした。入力時の最下段に区読点があるのですが、10キーが不均等割で並んでいるため、ちょっと打ちづらいのが微妙なところ。変換速度や反応自体には大きな不満はありません。マーケットはauマーケットとGoogleマーケットの両方が存在し、どちらも利用できるようになっていました。
au独自アプリとして一番注目したLISMOですが、LISMOが導入されることで、そこから購入した以外のコンテンツ再生が制限されるかと心配したのですが、プレイヤー自体にはau版表示カスタマイズがされているものの、SDcardに入った音楽や動画はAndroid2.1で再生可能なものであればなんら制限なく再生できるそうです。そうするとLISMOでコンテンツ購入する人いるのか?とも思いましたが、そのヘンの戦略は聞かないことにしましたw
むしろLISMOで驚いたのはLISMOPlayerの初回起動時のメッセージです。「コンテンツ登録中 LISMOPlayerで再生するコンテンツを登録中です。SDカード上のコンテンツファイル数によっては起動まで数分〜数十分かかる場合があります。」携帯で数十分とか…。途中キャンセルすることで残りを次回起動時に読み込むことができる旨も書かれていますが、登録が終わるまで何度もこのダイアログが出続けるかと思うと、うっかりSDにデータ入れられない気がします…。
一番驚いたのはブラウザの改修で、Android標準ブラウザにau版の改修を加えており、au携帯ブラウザ同様に3G接続時には端末識別情報を送出するようになっているとのこと。そのため、簡単ログインや携帯専用サイトが標準ブラウザでできるようになっているそうです。最初耳を疑いましたが本当のようで、セキュリティの対策として「設定」アプリの「au one-ID設定」から変更ができるようになっているようです。これは便利と言っていいのか…。スマートフォン初の実装だと思いますが、セキュリティ界隈でそう遠くない内に話題になりそうなネタだなぁと思うだけで、そこで議論はしないことにしました。
【10/9追記】2chやらTwitterやらで紹介されてこの記事のアクセスがすごいことになったので、話題になっていることについて少し追記します。ブラウザの件について説明をしてくださったのはSAHRPブースの説明員の方でした。端末識別情報が送出する具体的な内容(電話番号なのかau-one IDなのか、その組み合わせなのか)までは確認していません。3G接続の時限定して送出されるということから、キャリアゲートウェイと連動して機能すると推測できます。「au-one ID設定」の画面では(写真撮らなかったので正確な文字列は覚えていませんが)、ここの設定を変更するとこれまでアクセスしていたサイトへのログインができなくなる等の記述があったので、au-one IDと端末識別情報が連携していることが推測されます(どなたか画面写真をアップしてくれるといいのですが…)。EZWebについて利用可能とはおっしゃっていませんでした。あくまで「簡単ログインが利用できる」「携帯専用サイトが利用できる」です。EZWeb=一般的な携帯専用サイトと認識されている方には「利用可能」ということになりますが、EZWeb=EZアプリ等au独自のEZサイト群と認識されている場合は「利用できない」ということになるのだと思われます。
【10/17追記】KDDIデザイニングスタジオでブラウザの件確認してきました。追加訂正分は以下をご確認ください。
au IS03 KDDIデザイニングスタジオ版 検証追加レビュー
http://blog.isnext.net/issy/archives/435
これら以外にも同期アカウントへのtwitter組み込みとか、歩数計設定があるとか、静電容量式なのにタッチパネル調整があるとか、Felica機能があるとか話題は尽きない端末ですが、とりあえずこのくらいで。
■まとめ
SHARPの説明員さんの力の入れ方や実機の作り込み度からもauの本気度はとてもよくわかりました。展示のスタンスからもお客様に選んでいただける自信作だという強い意志が伝わってくるようです。いくつかの機能利用は先に予定されてしまっていますが、少なくとも本気でスマートフォンと日本の携帯市場を融合させようという、最初の端末としてはよく出来ていると思います。auを現時点でお使いの方で携帯機能をガンガン使っているなら他社も含めて最良のスマートフォン選択肢になると思います。個人的にもブラウザの件を知らなかったらプラン次第で買っていたかもしれません…。でもとりあえずAndroid2.2へのアップデートの様子を見てからにしようと思いました。
android, au, review
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