■au IS03 更新ビルド2種 レビュー
ありがたいことに前回のレビューの後、IS03の更新されたビルドを試す機会があったので、OSの部分のみ主にレスポンス面についてレビューを追加しておこうと思います。もうすぐ発売になるということもあり、Android2.1でどこまで勝負できるか気になっている方も多いと思いますが、SHARPは本当にがんばってくれたんだなと実感できる出来上がりになっていると思います。先のレビューは以下から読めます。
au IS03 CEATEC版レビュー【10/17追記】
http://blog.isnext.net/issy/archives/406
au IS03 KDDIデザイニングスタジオ版 検証追加レビュー
http://blog.isnext.net/issy/archives/435
■更新版ビルド RA125.00.02.00
ヨドバシ秋葉原店で店員さんに「動くIS03を見たいんですけど」と聞くと奥から出してきてくれる1台しかないらしいホットモックのバージョン。店員さんによるとリリース版に非常に近いバージョンとのこと。Androidバージョンはもちろん2.1-update1、カーネル 2.6.29-pref nbproj@TG712205 #1。ビルド番号のルールがCEATEC版のD9156から大きく変わっている模様。いろいろなアプリを導入して検証しているようで、たくさんの3rdパーティアプリが導入されており、出された当初ホームがADWLauncherになっててUIが変わったのかと思ってびっくりしました。店員さんもよくわかっていなかったみたいで「標準ですよ」と言ってましたが、知らない人が見たら本当に誤解するからもうちょっと勉強して欲しいと思います…。Ocean UIに切り替えて動作を確認すると、やはり左右フリックはややもたつく感じ。標準ホームアプリ自体は残念ながらこのビルドではあまり改良された感じはしませんでした。ただADWLauncherで利用する限り、フリックの追従性も良くAndroid2.1としては十分に快適な操作が可能であることが確認できました。この時点ではIS03を購入された方はホームアプリを変更することを強くお勧めすると思いました。
起動時間の測定結果はCEATEC版より悪くなっています。
電源オン→1秒→Android auロゴ→50秒→ローディングアニメ→16秒→メモリ液晶表示
→5秒→au ICカード読み込み表示→5秒→ロック画面(合計約77秒)
30秒近く起動が遅くなっていますが、ロック画面解除後の動作はスムーズでした。それでも起動が長くなったのはちょっと残念な印象でした。
■更新版ビルド 01.00.00
出所が明示できなくて申し訳ないのですが、NDAではないと確認したので、こちらのビルドについてもレビューをします(数日後この部分が消えていたらすいません)。Androidバージョンはこちらももちろん2.1-update1、カーネル 2.6.29-pref nbproj@TG721404 #1。カーネルはCEATECと同じバージョンのようですが、ビルド番号ルール?がこちらも違っており、なんとなくキレイな数字になっています。
こちらは起動時間から見てみます。
電源オン→1秒→Android auロゴ→31秒→ローディングアニメ→7秒→メモリ液晶表示
→5秒→au ICカード読み込み表示→2秒→ロック画面(合計約46秒)
CEATEC版と遜色ない速度で起動していて、ロック解除後の動作もスムーズでした。標準ホームでのフリック操作も少し遅れ気味に見える動きではあるものの、それはOcean UIの視覚効果の問題でタッチ自体のレスポンスは非常に良いように感じました。こちらのビルドにはau独自アプリがほとんど入っていなかったため、それが快適な理由になっている可能性は否定できないのですが、もしこちらのビルドがよりリリース版に近いものだとすれば、標準ホームでも十分快適さを感じることができるのではないかと思いました。もちろんADWLauncherにホームを変更すればもっと快適になると思います。ブラウザやワンセグも快適に動作し、若干縦横切り替えが遅い印象はありますが、非常に安定しており十分欲しいと思わせる完成度だと感じました。
ブラウザのピンチズーム操作も非常に快適だったのですが、Flashが多かったりテーブルネスト構造が複雑なページだったりすると、ピンチズームがカクカクになることも確認しました。サイト側の作り方に大きく影響を受けるということのようです。アンテナの受信感度のそれほどいい場所ではなかったのですが(2〜3本表示)、ページによっては非常に速い速度で表示できたりしていたので、auのパケットは比較的余裕があるのかもしれません。
こちらについては3G経由proxy無しSSL接続時のサーバ側受信ヘッダがフルに取れたのでそれも紹介しておきます。
[code]GET / HTTP/1.1
Host: cgpadmin.isnext.net:9100
Accept-Encoding: gzip
Accept-Language: ja-JP, en-US
Accept: application/xml,application/xhtml+xml,text/html;q=0.9,text/plain;q=0.8,image/png,*/*;q=0.5
User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.1-update1; ja-jp; IS03 Build/SA300) AppleWebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17
Accept-Charset: utf-8, iso-8859-1, utf-16, *;q=0.7[/code]
ネットワークアドレスは以下からでした。
inetnum: 111.236.17.0 – 111.236.17.255
netname: KDDI-NET
descr: KDDI CORPORATION
■設定項目等
気になった設定項目を書いておきます。ここで紹介する項目は上のどちらのビルドにもありました。まずは「センサー感度補正」。SoftBankの003SHで確認した時に気付いた項目だったのですが、IS03にも同様に存在しました。「テキスト読み上げ」という項目も今回気付いたのですが、設定アイコンをクリックした最初の項目一覧の中に並んでいました。Froyo標準では「音声入出力」の下の階層だったと思うので、少し優先順位が上がっているようです。「フォント切替」ではモリサワ新ゴR、LC明朝、SHクリスタルタッチ、DroidSansの4つのフォントに変更可能になっています。また本体での簡易留守録として「音声・伝言メモ」という項目があります。003SHでは「簡易留守録設定」なのにIS03では「伝言メモ」になっています。ヨドバシの店員さんに伺ったところ本体で設定できる留守録で間違いないということなので、名称だけが異なっているようです。
■まとめ
ISフラットや月々割など非常に魅力的なプランが用意されたことでISシリーズの購入がぐっと魅力的になってきました。純粋にレスポンスを求める向きには今もIS06を強くお勧めしますが、ワンセグを始めとする国内独自サービスを存分に使いたい場合にはIS03は非常に心強い選択肢になったと思います。CEATEC版ではもっさり感の強かった動作状況も、かなりチューニングが進み十分快適(Ocean UI除く)と言える状況になってきているようです。iPhone4やAndroid2.2のDesireを当り前に触っている人たちがビルド01.00.00のIS03を使って「これはぜひ欲しい」と悩み始める様子を見ていて非常に興味深かったです。
本当のリリース版がどういう状態で出てくるのかは知る由もありませんが、今回レビューしたビルドの状況と利用者の反応を見る限り非常に期待できるものになっているのではないかとワクワクします。バッテリー容量やメモリ量など不安要素がないわけではありませんが、Android2.1端末としては非常にがんばったものになっていると思います。正式な価格発表と発売を楽しみに待ちたいと思います。