■docomo L-04C 内覧会版 レビュー
 内覧会レビューの3つめです。こちらもFans:Fansが募集していた「docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-」に参加して試した端末になります。正式名称は「Optimus chat L-04C」。名前からもチャット等メッセージングコミュニケーション重視の製品です。有楽町のスマートフォンラウンジでも展示されていて、L-04Cについては同じバージョンの展示となっていました。今回発表された機種の中では残念ながらそれほど注目されていないようで、内覧会でもあまり人が集まっておらずやや寂しい感じでしたが、個人的にはとても使いやすく評価できる端末だと思いました。グローバルモデルということで国内独自サービス対応はありませんが、ぜひとも手に取って試していただきたい端末だと思うので、そういう思いを込めてレビューしていきます。

■ハードウェア
 廉価機として発売されるためのラインナップでもあり、軽量コンパクトで液晶も小さく外装もちょっと安い感じのシルバーでまとめられています。丸っこい外装は手に握ってちょうどいいラウンドになっていて、なんとなく安心感があります。最大の特徴はなんと言っても国内初のキーボード付きAndroid携帯という点でしょう。コンパクトサイズなのでキーボードが使いにくいのではないかと思ったのですが、予想は良い方向に裏切られました。

 初代W-ZERO3、EM-ONE、Advanced/W-ZERO3[es]とキーボード付きWM端末を使ってきた経験から実はあまり期待していなかったのが良かったのかもしれません。Androidとキーボードがこれほどうまくマッチングするとは正直意外でした。キーは決して大きくなく取り立てて素晴らしいハードウェアというわけではありません。長期間使った時の耐久性には若干の不安はあります。しかし、実際に入力をしてみると実にスムーズに使えることに気付くと思います。その理由はAndroid特有の「戻る、メニュー、ホーム」の各キーが、本体前面ディスプレイ下だけでなく、キーボード最下段左端に3つ仲良く独立キーで並んでいること、かつカーソルキーが右下段に存在すること、これらのおかげでキーボードから手を離さないままほぼ全ての操作が可能になっているからです。

 上記の3つのWM端末を使ったことがある方だとすぐにピンと来てくれると思いますが、WM端末の多くはディスプレイ側のキーを使ったり、そうでなくともFnキーとの同時押しでメニューキーなどを代替する実装が多く、キーボード操作の連続性がしばしば阻害されることがありました。しかしL-04CではAndroidのほぼ全ての通常操作に必要なキーが揃っており、キーボードに集中できるのです。そのため、小さめのキーには慣れは必要なものの、操作自体に集中できるため、すぐにキーボードで思い通りの操作をすることができるようになります。また、一番使用頻度の多い戻るキーが一番左端にあり使いやすいのも非常にポイントが高いところです。

 スライドのギミックもしっかり出来ており、ガタツキや壊れそうな不安感というものはほとんど感じませんでした。スライド感触も悪くなく、本体のラウンド形状のおかげかホールド感にも不安はありません。本当に気軽に利用できる印象です。

 液晶ディスプレイは3.2インチハーフVGA(320×480)ということで、ドット感もあり決して品質の高いディスプレイとは言えませんが、独自のホーム画面やメニューを用意することで使い勝手を向上させています。この独自ホームにも若干の不安があったのですが、液晶サイズにマッチしていて操作性もAndroid2.2だけあってフリック等の操作も非常に快適で、こちらも良い方向で裏切られました。日本の携帯メニュー画面を模したアイコン選択画面は確かに初心者にわかりやすく、画面の小ささをうまくカバーしていると思います。LGの担当者の方もメニューには力が入っているとのことでしたが、本当にがんばった成果がうまく出ていると感じました。

 液晶下の操作ボタン類はAndroid端末には珍しく2段構成になっています。液晶下上段はタッチ式で左から「メニュー、戻る、検索」、下段はボタン式で本体が丸くカーブしているところにあり左から「通話、ホーム、電源」となっています。こちらもSH-03Cと同じように電源が本体正面にあるのですが、戻るキーとは列が別で且つ角度も異なる位置にあるので押しミスは起きないですし、横にあるホームキーは物理的に異なる形状且つホームキーの方が少し出ていることで、こちらもミスしにくいうまいハード設計になっていると思います。

■ソフトウェア
 グローバルモデルだけあって当然のようにAndroid2.2を搭載しています。ビルド番号はFRF91、カーネルバージョンは2.6.32.9 lg-electronics@lge-android #1、ソフトウェアバージョンがL-04C-v08c_NOV_01_2010となっていました。設定メニューにもいくらか独自の修正が入っているようで、当然のようにテザリングメニューはなし、代わりに「On-Screen Phone設定」が追加されています。On-Screen PhoneはPC画面上でAndroid携帯を操作できる機能ですが、内覧会会場ではデモはしていませんでした。ネットワークサービスメニューには「簡単メッセージ」という機能があり、「今電話出来ません/すぐに連絡します/すみません、今会議中です/すみません、今手が離せません/SMSを送ってください」という定型文をメッセージできる機能が用意されていました。日本語入力はiWnnが標準搭載されています。Shimejiなど他の日本語入力プログラムも導入は可能だと思いますが、キーボードがフルに利用できるのか聞くのを忘れてしまいました。

 メニューの中で気になったのが「SDカードと端末容量の設定」というところで、端末内部メモリが空き容量 616MBになっていたことです。ここが小さい端末が多い中で、システム標準状態とは言え616MBは非常に大きな値であり、ちょっとびっくりしてしまいました。SDカードは当然別途利用可能なのですが、内部メモリが大きいというのは嬉しいですね。

 設定メニュー内に独自部分は意外と少なく、後はハードウェアキーボードの設定があるのとDivXの登録情報があるくらいで、比較的Android2.2標準構成に近いものとなっています。

 アプリで気になったのはソフトウェアアップデートのアイコンが用意されていること、ThinkFreeOfficeが用意されていることくらいでしょうか。ThinkFreeOfficeは大変便利なアプリだとは思いますが、ディスプレイサイズがサイズだけに、緊急時にやろうと思えば見られるくらいに考えておくのがいいと思います。

こちらのブラウザのUser-Agnetヘッダは以下にようになっていました。
ヘッダを見る限り2.2のアップデートがされているようですね。
[code]User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.2-update1; en-us; L-04C; Build/Froyo) AppleWebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17[/code]

■まとめ
 2時間の内覧会の後半になるとL-04Cブースにはほとんど人がいなくなり担当者さんらがポツンと寂しそうになっていました。おかげでLGの方々とじっくりお話をすることができ、日本市場とAndroidにとても力を入れていることを実感することができました。端末デザインのLGというアピールをしてらしたのですが、Optimusシリーズもがんばっているのはわかりますが、現時点ではSAMSUNGの方が上だと思いますので、そこはもうちょっとがんばりましょうw

 確かに国内独自サービスはないけれど、IS06同様グローバルモデルの方がAndroid端末として実質で良い点が非常に多くあると思うのですが、評価されないことが残念でなりません。少なくともタッチ操作だけでは不安という方や、まずは安くAndroidを始めてみたいという方、W-ZERO3みたいな端末が欲しかったという方などにはオススメですので、ぜひラウンジや量販店等でL-04Cを触れる機会ができたら試してみて欲しいと思います。相当安い価格で販売されるようでLGの方も「すごい安いですよ!」と強くアピールされていました。「安い=使えない」ではないことを実感できると思います。見た目安い印象はしかたありません、実利で勝負できる端末だと思います。

 最後にひとつ注意事項があります。キーボード付きということでTerminalプログラムを使う端末としての利用を検討されている方々に残念なお知らせです。LGの方に質問してがく然としたのですが、現時点でこの端末からCtrlキーとESCキーを利用する操作はできないそうです…。入力する方法がありません…。ですのでviとか使えませんorz
 LGの方には強く強く要望しておきました…が、対応できるかどうかもわかりません…。なんて残念なんだ…。キーコンビネーションでの入力でいいから、いつかファームアップで対応して欲しいと切に願います。

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とりあえず付けておく無駄ではなかったなまぁまぁ読めたちょっと役に立ったかなかなり良かったかも (まだ評価されていません)
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■docomo T-01C 内覧会版 レビュー
 こちらもFans:Fansが募集していた「docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-」に参加して試した端末になります。有楽町のスマートフォンラウンジでも展示されていて、T-01Cについてはほぼ同じバージョンの展示となっていました。auのIS04の兄弟機と言っていいと思いますが、IS04はまだレビューしたことがなく、実際に始めて触る東芝のAndroid携帯になりますので、こちらは少し長めにレビューを書いて行こうと思います。

■ハードウェア
 4インチスクリーンを搭載したやや縦長の印象がある機体ですが、厚みをそれほど感じないことと、重さも他機種よりは重いもののバランスがいいのかそれほど重いという印象はありませんでした。むしろ防水というスマートフォンには貴重なアドバンテージが、しっかりしたハードウェアであるという印象を与えてくれます。防水ということで下面中央にあるUSB電源部のフタが大きく、外部バッテリー利用でのUSB接続時に結構目立ってしまうのは仕方ありませんが、フタの劣化の心配の少ないよう、専用充電端子が本体左側面にあるのがとても嬉しい仕様です。最近のスマートフォンはUSB充電だけのものが多く、専用クレードルなども減りつつあるところに、T-01Cは(ワンセグの面からも)クレードルが利用可能になっていて、日本のケータイユーザには馴染みやすい使い方ができるところは素晴らしいと思います。

 液晶の発色は明瞭で、REGZAエンジンの効果は正直よくわかりませんが(いろんなコンテンツを比較したらわかるのかも…)、輝度も高く十分な品質だと思います。そのかなり大きな液晶の下に3つの物理ボタンがあり、左からメニュー、ホーム、戻るボタンとなっています。ボタン自体の操作感はしっかり押せていい感じなのですが、Xperiaほどではないにしろかなり下に位置するため、片手ホールドで操作しようとすると、手の小さな方だと微妙に操作しずらいのではないかと思いました。また電源ボタンが本体右側面中央やや下にあり、ボタンが小さいためちょっと使いにくいと感じました。通常はクレードルで横置きが前提なので、アンテナ配置と合わせてこの位置になっているようですが、縦持ちの時には非常に微妙な位置だと思います。同じ場所にボリュームキーもあるのですが、こちらも小さく使い勝手は微妙…。本体が大きめな分、側面ボタンの小ささが気になってしまいます。カメラについては他所でいろいろレビューが出ると思いますので、ここでは取り上げません。

 起動時間については以下のような感じです。
 電源オン→着信ランプ消灯→1秒→着信ランプ点灯赤→1秒→
 着信ランプ点灯緑→5秒→防水警告→2秒→REGZAロゴ→7秒→
 docomoロゴ→13秒→ロック画面(約30秒)

 起動は非常に速いと思います。最初画面が一切変化せず、着信ランプでの状況変化しかないので、電源投入ちゃんとできているか心配な感じですが、一旦ロゴが出た後はすぐにロック画面になるように感じます。この辺は東芝だけに白芝という代名詞を持つ高速SDHCカードのように、高速な読み出しを可能にするフラッシュメモリ技術が遺憾なく発揮されているのではないかと思います。

■ソフトウェア(OS
 内覧会でもラウンジでもおよそ同じバージョンでした。Android2.1-update1。カーネルバージョン 2.6.29-rel tsb-android@toshiba #2、ビルド番号 TER018。ベースバンドバージョンが若干違ってラウンジは5011.1906.29、内覧会は5011.1906.27でした。ベースバンドの差は含まれるアプリケーション構成などの差だそうで、最終リリース版は末尾33くらいになるだろうとのことでした。T-01Cはチューニング等は終わりもうほぼ完成状態で、最後にアプリ等の調整をするだけと説明されたので、ラウンジの展示機でもほぼリリース版の操作感を確認することができるということになります。

 そのチューニング済みとされるT-01Cのホーム画面の操作感ですが、フリックの追従はやや遅く少し残念な印象です。使い勝手に重きを置いているようで、画面最下部左のアイコンでマイパレットを呼び出し、ホーム画面にあるウィジェットに簡単にアクセスできるようになっていたり、最初からホームが7面も用意されていたりと、画面印象を大きく変えずに工夫をしている点はいいのですが、レスポンスはもうちょっとなんとかして欲しかったところです。また、東芝製ホーム以外にAndroid標準のLauncherとの切替えを可能にするアプリも用意されているのですが、切り替えてもフリックの追従具合はあまり変わらないため、もうちょっとチューニングの余地があるように感じました…。

 設定メニューの中では東芝独自項目として「マルチメディア設定」があり、ここで「REGZA設定」として高画質化エンジンの使用のON/OFFが出来たり、日本語入力エンジンとしてATOKが採用されているので、「言語とキーボードの設定」からATOKの設定が可能になっています。あとは面白いなと思ったのが、電源オフの時の選択肢が「マナーモード、公共モード、機内モード、電源を切る」となっていて、「公共」を意識した日本らしいカスタマイズが好印象でした。

■ソフトウェア(アプリ)
 T-01Cでアプリ面で最も特徴的なのはATOKによる日本語入力もさることながら、個人的にはDLNAクライアント/サーバが個別アプリで導入されていることだと思っています。DLNAクライアントとしてはデジオン社のDiXiM for Androidのクライアント製品であるDiXiM Playerが、サーバとしてはDiXiM Serverが導入されています。DiXiM for Androidは今回T-01Cが初搭載だそうで、いずれマーケット経由で他のAndroid端末にも導入できるようになるのではないかと言うことでした。

 ブースの説明員の方もDiXiM Playerの詳細な再生可能フォーマットについてはわからないということでしたが、DTCP-IPに対応しているので最近のREGZAテレビ(Z7000等)で録画した番組はDLNA経由で見られるようです。DiXiM Playerはコントローラにもなるので、ネットワーク内のDLNAサーバを検索して、DLNAレンダラー(TVなど)を指定して再生をさせることが可能です。DiXiM Serverもクリックして起動チェックを入れるだけで簡単に起動することができるので、サーバを起動して自端末内のコンテンツをREGZAテレビで再生するというような使い方も可能になっています。日本語のパスやファイル名をサポートしているかどうかはわからないということでした。

【12/22追記】
 T-01CのDLNAアプリはDTCP-IP非対応のようです。内覧会場でDLNAに関して質問したいんですけど、とお願いして担当してくれた説明員さん(たしか東芝の名札を付けていたように記憶していますが…)から聞いたのですが、またガセ情報になってしまいました。自宅でZ7000を使っているので一番に確認したかったことだったため、少なくとも聞き間違いとかはしていないと思います…。ガセを流してすいません。

 他のアプリはあまり試さなかったのですが、ワンセグでなく「テレビ」というアイコンがあったり、REGZAとの連携を意識した作りになっているというのはいろいろな面で感じます。せっかく赤外線があるのにTVリモコンにはならないのですか?と聞いたところ、現在アプリ開発中とのこと。T-01Cのリリースには間に合わず、おそらくマーケットからのダウンロードになるのではないかということでした。T-01Cは背面カメラ横に赤外線ポートがあるので、リモコンとしては使いにくそうですが、DLNAプレイヤーとの連携で音量操作も手元で出来れば、これはよいアドバンテージになるので、ぜひリリースして欲しいと思いました。

こちらのブラウザのUser-Agentヘッダは以下のようでした。
[code]User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.1-update1; ja-jp; T-01C Build/TER018) AppleWebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17[/code]

■まとめ
 T-01Cの印象はやはり防水を前面に出したしっかりしたハードウェアという部分が強いのですが、正直なところdynabook AZとFolio 100のレビュー前例がある通り、東芝製Android端末についてはソフトウェア部分(特にデバイスドライバ)にトラウマのような不安感があり、ホーム画面のチューニング精度を見ても十分とは思えず、その不安感は払拭されることはありませんでした。リリース後十分な期間を置いて各所評価を吟味した上で、初めて購入検討の俎上に載るという感じでしょうか。初めてAndroid端末を購入する方には現時点で個人的にはお勧めできません…。自宅がREGZAシリーズで揃えられていて、DLNA等の特徴的な機能を十分活かせる方ならよい選択肢になることは否定できないと思うのですが…。機能的には魅力があるので、早期のAndroid2.2化や継続的なアップデートを実施することで信頼度を高めてくれることを期待したいと思います。

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■docomo SH-03C 内覧会版 レビュー
 抽選モノにはめったに当選したことがないのですが、Fans:Fansが募集していた「docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-」に応募したら当選することができたので、いそいそと参加してdocomoのAndroidスマートフォンを触ってきました。約2時間の間でしたが開発者を含めた各製品関係者からいろいろとお話を伺うことができたので、楽しい時間となりました。有楽町のスマートフォンラウンジでも既に各種製品が展示されていたので、両方合わせた情報をレビューとして書いていこうと思います。ちなみにイベントは以下のページで募集されていたものです。

 11月13日(土)開催★100名様特別ご招待!
 docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-
 http://fansfans.jp/campaigns/detail/103
 今回のイベント参加者の記事が以下で読めるようです
 http://review.fansfans.jp/campaigns/review/103/review_252_0.html

 まずはauのIS03,SoftBankの003SHと並び評価されざるを得ないSHARP SH-03Cからになります。Felicaやワンセグ等の国内独自サービスや3D液晶搭載且つ同時期に発売ということで、どうしても比較されてしまうわけですが、スペック的なものは他所でも散々比較されていると思うので、あまり他のレビューではなさそうなことを書くようにしたいと思います。

■ハードウェア
 IS03に近い印象です。と書くと身も蓋もないのですが、003SHと比較するとやはりIS03に近い外形と持ち具合です。スクリーン自体はIS03よりやや大きく003SHと同じ3D液晶なのですが、製品の全体印象は他の2つよりもやや安っぽい印象です…。おそらく前面パネルの透明感ある加工が周辺部でプラスチッキーな感じになってしまっていることが原因だと思います。ハードキーが前面下部に4つ並んでいるのですが、左からメニュー、ホーム、戻る、電源キーとなっており、なんと電源キーが前面になっています。ブースの方の説明では。「通常の携帯電話は側面に電源がないのでこちらの方がわかりやすい」ということでしたが、使用頻度の多いであろう戻るキーの真横は、操作ミスで画面を暗転してしまう可能性が高くなり、使用上の不安が少しあります。多少強めに押さないと反応しないようですが、機体によってはなかなか電源が入らないというくらい鈍くなっていて(ラウンジの機体がそうでした)、正直ボタン部分は微妙な印象です。

 左サイド中央やや上にUSB電源…これもIS03と同様に外部バッテリーをつないで使おうとするとやや微妙…。右サイド中央やや下にボリュームキーとカメラボタンなどが配置されているのですが、これも位置的にはちょっと下過ぎるのではないかと思いました。ブラウザ等をボリュームキーでスクロールする時など少し操作しずらい位置のような気がします。

 起動時間はラウンジの端末で測定し以下のような感じです。
 電源オン→?秒→docomoロゴ→16秒→LYNX 3D アニメロゴ→13秒
 →PINロック画面(合計約30秒?)

電源ボタンの反応がよくわからないため、どこで入ったのかよくわかりませんでした…。おそらく反応したら2秒くらいのような気がしますが、押していた時間は10秒くらい、あれ?あれ?という感じに迷って力の入れ加減を変えていました。なんとなくすっきりしません…。ラウンジではPINロックがかけられているので、再起動時には説明員の方にロック解除を依頼する必要がありますので、ご注意ください。

■ソフトウェア(OS)
 当然Android2.1-update1なのですが、内覧会とラウンジでビルド番号とカーネルバージョンが違っていました。内覧会のビルド番号はDA273.00.01.04、ラウンジはPA275.00.01.05。カーネルバージョンは内覧会が2.6.29-pref build@sharp #2、ラウンジが2.6.29-pref build@Sharp #4でした。ベースバンドバージョンはどちらも1.00です。ブースの方の説明ではラウンジの方がちょっと新しいということでした。この辺がリリース版ですかと質問すると「まだまだ調整が入ります」と即答されていたので、開発が続いていることがわかります。

 設定メニューの構成はほぼIS03/003SHと同じでした。実質的には外形デザインと液晶部分が差異になっていて、基本的なところはほぼ共通と見ていいのかもしれません。ホーム画面のデザインもややカスタマズが入っていますが、左にアプリ一覧、右にタスク管理のアイコンが来る構成は似ています。docomo版のホームもレスポンスはイマイチで、ADW.Launcherをインストールさせてもらって試したのですが、ADW.Launcherを使う方が圧倒的に追従性も応答性も高くなっていいと思いました。SH-03Cを購入される方はまずはホームアプリを変更することをお勧めします。

■ソフトウェア(アプリ)
 こちらもIS03/003SHと共通のアプリが多かったです。開発コスト考えると妥当なのですが、比較する観点からはあまり面白みがないというか…。もちろんdocomoのサービスに紐付いたアプリ類はありますので、全てが同じということではありません。SH-03Cで一番驚いたのは「内蔵3D」というアプリで3D液晶用のデモ動画がインストールされているのですが、それに初音ミクのDIVA動画がプリインストールされていること、その動画類は内蔵ROMに収められていて削除も入れ替えもユーザはできないというものでした。デモ動画なのに貴重な内蔵ストレージを消費して、しかも削除できないとか…。3Dコンテンツを楽しめるようにデモをプリインストールというのはわかりますが、削除させないってどういう意味があるのでしょう…。003SHにも3D動画がプリインストールされるようですが、同じようになっているのでしょうか。

 SH-03Cはアプリ等をユーザがインストールした際には全てSDカード側にインストールされるということでした。そのためSDカード選びは結構動作速度のポイントになりそうです。その時はふむふむと聞いていたのですが、SDカード交換したら動作どうなっちゃうんでしょう…。こちらはラウンジにまた寄ることがあったら確認してみたいと思います。アプリがコピーで移植できるなら、他人のSDカードにコピーすることもできてしまいそうな気もします。少なくとも設定などは移せそうですし、いろいろなことが起きそうな予感が…。何かしら対策はされているのか気になりますね。

こちらのブラウザのUser-Agentヘッダは以下のようなものでした。
[code]User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.1-update1; ja-jp; SH-03C Build/PA275) Apple WebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17[/code]

■まとめ
 正直光るものは感じませんでした。SHARP3機種のうち発表順が最後になってしまったこともありますが、先行2社からのいいとこ取りにもなっていませんし、厳しいようですがdocomoの回線であることが必要でない限り積極的に選ぶ理由は見つかりません。Lバッテリーと対応カバーをすぐに発売して差別化をした方がいいのではないかと思いました。もちろんハードウェアの品質が低いということはありませんし、先行2社の同系機がなければ十分魅力のある内容になっていると思います。発売タイミングが残念という感じでしょうか。

 IS03の改善の例を見るとSHARPの開発の方々が非常に努力を続けていらっしゃることがわかります。SH-03CもAndroidのバージョンアップを含めてもちろんどんどん改善されていくと思いますので、正式なリリースまでに標準ホームの基本動作の見直しと、docomoのマーケティングのなんらかの対策を期待したいと思います。

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とりあえず付けておく無駄ではなかったなまぁまぁ読めたちょっと役に立ったかなかなり良かったかも (まだ評価されていません)
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