■docomo SH-03C 内覧会版 レビュー
抽選モノにはめったに当選したことがないのですが、Fans:Fansが募集していた「docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-」に応募したら当選することができたので、いそいそと参加してdocomoのAndroidスマートフォンを触ってきました。約2時間の間でしたが開発者を含めた各製品関係者からいろいろとお話を伺うことができたので、楽しい時間となりました。有楽町のスマートフォンラウンジでも既に各種製品が展示されていたので、両方合わせた情報をレビューとして書いていこうと思います。ちなみにイベントは以下のページで募集されていたものです。
11月13日(土)開催★100名様特別ご招待!
docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-
http://fansfans.jp/campaigns/detail/103
今回のイベント参加者の記事が以下で読めるようです
http://review.fansfans.jp/campaigns/review/103/review_252_0.html
まずはauのIS03,SoftBankの003SHと並び評価されざるを得ないSHARP SH-03Cからになります。Felicaやワンセグ等の国内独自サービスや3D液晶搭載且つ同時期に発売ということで、どうしても比較されてしまうわけですが、スペック的なものは他所でも散々比較されていると思うので、あまり他のレビューではなさそうなことを書くようにしたいと思います。
■ハードウェア
IS03に近い印象です。と書くと身も蓋もないのですが、003SHと比較するとやはりIS03に近い外形と持ち具合です。スクリーン自体はIS03よりやや大きく003SHと同じ3D液晶なのですが、製品の全体印象は他の2つよりもやや安っぽい印象です…。おそらく前面パネルの透明感ある加工が周辺部でプラスチッキーな感じになってしまっていることが原因だと思います。ハードキーが前面下部に4つ並んでいるのですが、左からメニュー、ホーム、戻る、電源キーとなっており、なんと電源キーが前面になっています。ブースの方の説明では。「通常の携帯電話は側面に電源がないのでこちらの方がわかりやすい」ということでしたが、使用頻度の多いであろう戻るキーの真横は、操作ミスで画面を暗転してしまう可能性が高くなり、使用上の不安が少しあります。多少強めに押さないと反応しないようですが、機体によってはなかなか電源が入らないというくらい鈍くなっていて(ラウンジの機体がそうでした)、正直ボタン部分は微妙な印象です。
左サイド中央やや上にUSB電源…これもIS03と同様に外部バッテリーをつないで使おうとするとやや微妙…。右サイド中央やや下にボリュームキーとカメラボタンなどが配置されているのですが、これも位置的にはちょっと下過ぎるのではないかと思いました。ブラウザ等をボリュームキーでスクロールする時など少し操作しずらい位置のような気がします。
起動時間はラウンジの端末で測定し以下のような感じです。
電源オン→?秒→docomoロゴ→16秒→LYNX 3D アニメロゴ→13秒
→PINロック画面(合計約30秒?)
電源ボタンの反応がよくわからないため、どこで入ったのかよくわかりませんでした…。おそらく反応したら2秒くらいのような気がしますが、押していた時間は10秒くらい、あれ?あれ?という感じに迷って力の入れ加減を変えていました。なんとなくすっきりしません…。ラウンジではPINロックがかけられているので、再起動時には説明員の方にロック解除を依頼する必要がありますので、ご注意ください。
■ソフトウェア(OS)
当然Android2.1-update1なのですが、内覧会とラウンジでビルド番号とカーネルバージョンが違っていました。内覧会のビルド番号はDA273.00.01.04、ラウンジはPA275.00.01.05。カーネルバージョンは内覧会が2.6.29-pref build@sharp #2、ラウンジが2.6.29-pref build@Sharp #4でした。ベースバンドバージョンはどちらも1.00です。ブースの方の説明ではラウンジの方がちょっと新しいということでした。この辺がリリース版ですかと質問すると「まだまだ調整が入ります」と即答されていたので、開発が続いていることがわかります。
設定メニューの構成はほぼIS03/003SHと同じでした。実質的には外形デザインと液晶部分が差異になっていて、基本的なところはほぼ共通と見ていいのかもしれません。ホーム画面のデザインもややカスタマズが入っていますが、左にアプリ一覧、右にタスク管理のアイコンが来る構成は似ています。docomo版のホームもレスポンスはイマイチで、ADW.Launcherをインストールさせてもらって試したのですが、ADW.Launcherを使う方が圧倒的に追従性も応答性も高くなっていいと思いました。SH-03Cを購入される方はまずはホームアプリを変更することをお勧めします。
■ソフトウェア(アプリ)
こちらもIS03/003SHと共通のアプリが多かったです。開発コスト考えると妥当なのですが、比較する観点からはあまり面白みがないというか…。もちろんdocomoのサービスに紐付いたアプリ類はありますので、全てが同じということではありません。SH-03Cで一番驚いたのは「内蔵3D」というアプリで3D液晶用のデモ動画がインストールされているのですが、それに初音ミクのDIVA動画がプリインストールされていること、その動画類は内蔵ROMに収められていて削除も入れ替えもユーザはできないというものでした。デモ動画なのに貴重な内蔵ストレージを消費して、しかも削除できないとか…。3Dコンテンツを楽しめるようにデモをプリインストールというのはわかりますが、削除させないってどういう意味があるのでしょう…。003SHにも3D動画がプリインストールされるようですが、同じようになっているのでしょうか。
SH-03Cはアプリ等をユーザがインストールした際には全てSDカード側にインストールされるということでした。そのためSDカード選びは結構動作速度のポイントになりそうです。その時はふむふむと聞いていたのですが、SDカード交換したら動作どうなっちゃうんでしょう…。こちらはラウンジにまた寄ることがあったら確認してみたいと思います。アプリがコピーで移植できるなら、他人のSDカードにコピーすることもできてしまいそうな気もします。少なくとも設定などは移せそうですし、いろいろなことが起きそうな予感が…。何かしら対策はされているのか気になりますね。
こちらのブラウザのUser-Agentヘッダは以下のようなものでした。
[code]User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.1-update1; ja-jp; SH-03C Build/PA275) Apple WebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17[/code]
■まとめ
正直光るものは感じませんでした。SHARP3機種のうち発表順が最後になってしまったこともありますが、先行2社からのいいとこ取りにもなっていませんし、厳しいようですがdocomoの回線であることが必要でない限り積極的に選ぶ理由は見つかりません。Lバッテリーと対応カバーをすぐに発売して差別化をした方がいいのではないかと思いました。もちろんハードウェアの品質が低いということはありませんし、先行2社の同系機がなければ十分魅力のある内容になっていると思います。発売タイミングが残念という感じでしょうか。
IS03の改善の例を見るとSHARPの開発の方々が非常に努力を続けていらっしゃることがわかります。SH-03CもAndroidのバージョンアップを含めてもちろんどんどん改善されていくと思いますので、正式なリリースまでに標準ホームの基本動作の見直しと、docomoのマーケティングのなんらかの対策を期待したいと思います。