■CEATEC: MVPen for iPad EN309i 簡易レビュー
fansfansの「最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2011」特別招待日にご招待!」に当選したので招待日にプレスとして参加してきました。そこでPCwatchで紹介されてからというもの早く実機を見たいと思っていた「Smart Pen for iPad」が「MVPen for iPad EN309i」として3A60にて展示されているのを見て、大喜びで触ってきましたので簡単にレビューしたいと思います。
iPad等で手書きしたい場合静電タッチ対応のペンを使えばある程度のことはできるわけですが、ほとんどの対応ペンが太い(仕様上やむなし)ため、実際に書いている部分がよく見えず違和感を感じることがありました。またマルチタッチの仕様上手を画面に置いてしまうと反応してしまう場合もあり、落ち着いて書くというのがやや難しい場合もありました。基本的にタッチ操作を代替するためのペンなのでそれで問題はないのですが、字や絵を書く場合にはやはりせっかくペンを使っているわけなので、手をしっかり安定させてタッチしている先の描画点をちゃんと見ながら書きたいと思うのが普通かなと思います。MVPen for iPadではこれまでのMVPenと同じように、ペン先の位置をiPadに接続したセンサーが関知して動作するため、タッチパネルを無効にしても動作させることができ、ペンを持つ手を画面に置いても誤動作することなく、ペン先を意識しながら操作することが可能になっています。
実際に専用の描画アプリで書き味を試させてもらったところ、ちょうどGigabyteの912Xというタッチ対応ネットブックでArtRageを使った時のような感じでした。912Xは感圧式だったのでペン入力で使用でき反応もわるくなかったのですが、筆圧レベルの検出はできず、ネットプックなので描画反応はちょっと遅れる感じだったのですが、このMVPen for iPadもちょうど0.1〜0.2秒遅れる感じで等幅の線が書かれていくという感じで、個人的にはなんだか懐かしい感覚を覚えてしまいました。もちろん感圧と違ってとてもスムーズにあまり力を入れなくても書けるので、書いている感覚というのはかなり違いますが、反応の仕方が似ているという感じでしょうか。なぜ少し遅い反応になっているのか伺ってみたところ、位置検出して移動する筆跡を追いかけながら、ほぼリアルタイムでベクター演算してなめらかな線を書こうとしているため、ということでした。確かにMVPen for iPadで描かれる筆跡は912Xのように処理が遅延して遅い時に出るカクカクした線ではなく、非常に滑らかな美しい線です。気持ちゆっくりと字を書く時には遅延もほとんど気にならないので、この辺りは使い方で慣れるかもしれません。
実際に書く時にはペン先が少し押し込まれる状態になるよう筆圧をかけて操作するため、まさにペンを利用している感覚で少し面白かったです。MVPen for iPadでは電磁誘導式ペンのように、センサーが常にペン先の位置を画面上に薄いドットで表示してくれるので、自分の書こうとしている位置の確認がしやすいと思いました。ただタブレットの仕様上ペンの当る画面表面と液晶画面の間にガラスが存在するため、ミリ単位で浮いている位置に書く感じになるので、ここも少し慣れが必要だなと思いました。展示機は液晶保護シートが貼られていない初代iPadでしたが、そのままでとてもスムーズに書けるので、むしろ摩擦係数がかわる保護シートは注意して選ぶかいっそない方がいいかもしれません。
現状では専用アプリでしか動作しないそうで、専用アプリではアプリの操作パネルはタッチが有効になっています。メモや方眼紙などの用紙が選べ、簡単なビジネス用途としても十分な使い勝手になっていると思いました。本当に罫線に合わせてストレス少なくメモを書いていけるので面白いです。カメラロールの写真やカメラから直接撮影画像を下絵として取り込むこともできるので、PaparCameraのような写真のスケッチ化フィルターなどと組み合わせて使うとかなり楽しいことができると思います。ArtRageやPainterのような絵を描くようなアプリは作らないのですかと質問したところ、すぐには難しいが可能であれば対応していきたい(APIの公開等も含めて)とのことでした。そのためには十分な量のMVPen for iPadが売れないといけないですねw
MVPen for iPadの発売は11月ごろ、価格は1万円くらいに抑えたいということでしたが、まだ詳細は未定ということでした。大きなロットで販売できれば8000円くらいまでにはなるかもしれないということで、人気が出てくれるといいなぁと思います。販売は当面専用Webストアからのみになるということだったので、実機をお手軽に確認できる機会は少ないかもしれません。お試しできる機会があれば躊躇無く参加されることをオススメします。