■MacOSX用DLNA/UPnPサーバソフト4種比較
これまで利用してきたPS3 Media Serverだが、iOS4.2以降DLNA対応アプリケーションで動画再生がうまくできなくなってしまった。そこで仕方なくiPadのiOSを3.2に戻して使ってきたが、今回iOS4.3のリリースに向けて現状改善のためMac用のDNLAサーバをいろいろ試してみることにしたメモ。とりあえずAirPlayerでmp4ファイルが再生できるまでを検証。各種フォーマットについては別途検証記事を書く予定。検証に使ったiMac(Core i7)のOSは10.6.6。再生はiPhone 3GS/iOS4.2.1上のAirPlayer 1.0.08。日本語環境での実験。
■PS3 Media Server 1.10.5(無償)
http://ps3mediaserver.blogspot.com/
MacOSX用に1.20.409-Betaも存在するが、UNSTABLEだけあって手元の環境では起動しなかった。1.10.5のままだとmp4は再生不可能。調べてみたところMedia Link Playerをリリースしているアルファシステムズ社のページに以下の記述があった。
PS3 Media Serverが特定の通信方式(keep-alive)に対応していないため、iOS4.2ではPS3 Media Server上の動画は再生できません。
接続を確認済みのデバイス
http://www.alpha.co.jp/biz/products/dlna/mlplayer/device_connectivity.shtml
ということでiOS4.2以降では現行のPS3 Media Serverを使っている限り再生はできない可能性が高い。バージョンアップで対応される可能性は否定できないが、ベータリリース版の日付を見ても当面期待薄なので、やはり他のサーバを利用するしかなさそうだ。
■TwonkyMediaServer 6.0.28(1795円 30日間試用可能 日本語UI)
http://www.twonkymedia.com/products/twonkyserver/default.aspx
Windows/Android系でもよく利用されるDLNA対応製品をいろいろリリースしているTwonkeyの製品。利用者も多いだけあって日本語のドキュメントも用意されている。価格も安く手ごろ。OSX用アプリは起動後ブラウザで設定を行うタイプ。http://localhost:9000/にアクセスするので、同じポートを使用していないか確認すること。
AirPlayerでmp4再生可能。再生自体は安定しているが、AirPlayerがサーバをサーチするDevice Listを開いてもなかなかリストに出てこない。しばらく待つと出てくるのだが、遅くて結構イライラするかも。設定は容易だが、複数のビデオフォルダを共有すると、AirPlayer側で「ビデオフォルダー」を選択した時に、(「全てのビデオフォルダー」を選択していないのに)共有設定したフォルダの中身が全部フラットにリストされてびっくりした。「全てのビデオフォルダー」を選ぶとフォルダなしで全動画ファイルがリストされるが、「ビデオフォルダー」ではちゃんとフォルダ分けはされている。共有設定したフォルダの1階層目にあるファイルが全部まとめて表示されてしまうよう。設定でなんとかできるのかもしれないが、ちょっと不便さを感じた。
■MediaLink 2.14(20$ 30分間試用可能 英語UI)
http://www.nullriver.com/products/medialink
App Storeからも入手可能。コントロールパネルに直接インストールされるサーバアプリ。設定は非常に容易。トランスコード用の設定も済んでいるので気軽に利用できる。ApertureやiPhoto、iTunesと連携しているのでOSXとの親和性は高い。残念ながらAirPlayerではDevice Listへの表示はすぐだったものの、mp4再生ができなかった。Media Link Playerでは適切に再生可能なことからKeep-Aliveとは違う事情で再生ができない模様。使い勝手がかなりいい感じなのでちょっと残念。mp4でライブラリが構成されているならMedia Link Playerと合わせて利用することで便利だと思われる。
■Playback 1.7.2(1300円 6日間一回30分2セッション試用可能 英語UI)
http://www.yazsoft.com/products/playback/
アプリケーションフォルダにインストールする普通のアプリ。コンパクトな設定画面で使い勝手もいい。ApertureやiPhotoに加えてAdobe LightroomやPhoto Boothにも連携対応している。帯域制限もかけられるので秀逸。AirPlayerでのmp4再生問題なし、Device Listへの表示も速く再生も安定している。価格も有償3種の中では最も安くオススメできる。試用の制限が厳しく見えるが一度終了すれば期間内なら何度も30分2セッションで試用が可能。またライセンスを入手しやすくする試みが行われており、kagi.comのこちらのページから購入すると1300円で3ライセンス+Attachments Menu1ライセンスのおまけが付き、更にこちらのページによると各種ディスカウントが受けられるようだ。日本からの申請が可能かわからないが、試してみようと思う。
※blog記事の件を翻訳のリンクを添えてPlaybackの開発元Yazsoftに通知したところ、翌朝にはNFR (Not for Resale)のライセンスをメールでくださいました。メールへのお礼も別途丁寧にいただきました。とても素晴らしい対応だと思います。
■まとめ
現時点でiOS4.2以降のデバイスのために、OSXでDLNA/UPnPサーバを立てる場合にはPlaybackが最もオススメな選択肢になると思われる。これでやっとiPadをiOS3.2からアップデートできそうで安心できた。今回はiOS向けだったが、近日他のDLNAクライアントアプリの動作比較や、Android端末での検証も行ってみたいと思う。