■EMOBILE Sony Ericsson Mini S51SE レビュー
 fansfansの「Sony Ericsson mini タッチ&トライ ブロガーミーティング」に参加して、イーモバイルから明日発売されるS51SEをじっくり触ってくることができたのでレビューを書いておきます。とっても小さいのにflash/GPS等グロスマfull機能で使いやすく明るく音もいい、まるで「種島ぽぷら」のような端末です(WORKING!!大好きですw)。これまでの端末ラインアップを見てもイーモバイルには小っちゃいモノ好きの方がいるような気がして仕方ありませんw 性能は今となっては突出したものではないのですが、低価格コンパクト機にありがちなCPUや動画再生能力に関する妥協がほとんどありません。ちょっとだけ厚めのグラマラスなボディも持ちやすく気持ちいい感じです。このサイズに1年前のハイエンドレベルの性能を凝縮したソニエリの開発力は素晴らしいと思いました。ということで若干のバイアスがかかりつついつものようにレビューしていきます。

■ハードウェア
 日本最小・最軽量と謳うだけあって最初の印象は本当に小さいなという感じでした。その割に厚みが少しあってちょうど手の平の中にすっぽりと収まってしまう感じです。背面がマットな感じのカバーになっているのですべりにくく、しっかりとフィットしてくれます(同梱のピンクとブルーのカバーはマットでなくつるつるした表面になっています)。前面の液晶は3インチHVGAということでS31HT Ariaと同じく480×320と解像度がやや粗いため精細感はなくドットは少し目立ちます。液晶自体は発色も良く明るく視野角も広いので非常に好印象です。Xperiaシリーズ同様のカスタムされたホーム画面のカラーがよく映えます。タッチパネルの反応も非常にいい感じで、動作もコンパクト機らしくないサクサクした操作感を味わうことができます。画面が小さいとアイコン類も小さくなりがちですが、後述する「4 Corner UI」のおかげで常用する操作は非常に快適に行うことができます。

 液晶下には最近のソニエリデザイン同様左から戻る・ホーム・メニューの順でボタンが並び、ホームが物理ボタン、他はタッチ式になっています。本体のコンパクトさからかRayよりは操作がしやすいと感じました。本体上面には左から電源・通知用LED・セカンドマイク穴があり、右側面には上からボリュームキー・シャッターキー、下面に左からMicroUSB(フタ付き)・マイク・ストラップホール・ヘッドホンジャックとなっています。右側面のキー類はクリック感もあり非常に押しやすい印象でした。左側面には何もありません。MicroUSBのフタは気持ち開けにくい感じで充電のたびにここを開けるのはちょっと面倒かなと思ってしまいました。背面にはカメラとLEDフラッシュ・スピーカがあります。下の方にソニエリロゴが配置されているのですが、小さいのに何かすごくインパクトがあります。ストラップホールとヘッドホンジャックがほぼ同じ位置にあるのは、ネックストラップ型ヘッドホンと相性が良さそうです。

 カメラの動作がかなり速いのが印象的でAFもシャッターもほとんどラグなく撮影できる感じです。液晶が小さいので画像の評価はできませんが、これだけ動作が快適というのはコンパクト機としては非常に素晴らしいと思いました。ちなみに液晶が3D対応ではないのですが、カメラは3D撮影に対応しており、パノラマ3D撮影などが可能になっていました。撮影した画像を本体で見ようとすると「3Dで表示する場合、3Dをサポートする機器を使用してください。」と出てしまうのがご愛嬌、3Dブラビアなどが必要になるということのようです。シャッターキーはカメラ起動もできるのですが、WP7端末のようにロック画面から直接起動できるような機能はなく、ロック解除後の使用中の状態であればシャッターキーでカメラに移動できるという感じです。最近WP7系に慣れてきてたのでちょっとここは残念な感じがしました。

 起動時間は以下のような感じです。まずますの速度ですね。
 電源長押し→11秒→ソニエリロゴ→13秒→ソニエリロゴ動画→6秒→EMOBILEロゴ
 →9秒→ロック画面(合計約39秒)

■ソフトウェア
 Androidバージョンは2.3.4、カーネルバージョン 2.6.32.9-pref SEMCUer@SEMCHost #1、ベースバンドバージョン 8x55A-AAABQOAZM-203028D-58、ビルド番号 4.0.2.A.0.58となっていました。日本語入力プログラムはPOBox v4.3ということです。標準で中国語入力にも対応しています。設定から開く項目にはSony Ericsson項目があり、Sony Ericsson端末用Facebookの設定やPC Companionのインストール設定などが可能になっています。テザリング設定も当然可能です。ソニエリということで映像にはブラビアエンジンの設定があり、音の設定にもxLOUDの設定が追加されています。特徴的なアプリではDLNA対応のConnected devicesやLiveWareマネージャー・SE Storeが初期状態でインストールされています。イーモバイル端末としてモバゲーやGREEなど国産アプリも標準でいくつか導入されていました。

 S51SEではホームが大きくカスタマイズされていて、海外のXperiaシリーズのコンパクト機に標準導入されている「4 Corner UI」が採用されています。これは画面の四隅にアイコンエリアを設けて、片手親指操作だけでほぼ必要な動作がシンプルに実行できるようになっている非常に優れたUIです。実際使ってみると画面のサイズが小さいおかげで全画面エリアを親指だけでカバーでき、小さい画面に対してアイコンの大きさなどが適切に調整されていることで誤操作をほとんどすることなく非常に容易に目的のアイコンを実行することができます。Androidではホームのカスタマイズ例は多岐に渡って存在しデザイン重視の事例が特に多いのですが、これほど機能と操作性がベストマッチしているカスタム例は希有ではないかと思いました。とても素晴らしいと思います。また、電源キー長押しで出てくる再起動ダイアログで、スクリーンショットが撮れるようになっているのはなかなかいいなと思いました。

 日本語入力のPOBoxも小さい画面に合わせて高度なカスタマイズがされており、不要なキーを非表示にしたり、次に入力可能なキー以外を無効にするなど小さい画面を有効に使う工夫が随所にされています。キーの大きさ自体も利用度合や位置によって細かく変化させてあるなど、日本人的心配りが見てとれます。画面が小さいことでキー操作自体が難しいという方向けに音声入力も用意されており、キー入力画面から簡単に音声入力を行うことができるように工夫がされていました(音声の変換効率は試していません)。POBox自体評価の高いプログラムだと思いますが、S51SE用の最新バージョンは本当に本体に合わせた工夫が素晴らしいと思いました。

 DLNA対応のConnected devicesはS51SEをサーバとして利用するもので、ブラビアを始めとするDLNA対応TVに端末内のコンテンツを表示できるようにするのがメインの機能のようです。他DLNAサーバのコンテンツを端末側で再生することができるかはわかりませんでした。

 画面は小さいのですが、一応MicroSDにテストファイルを入れて動画再生テストもしてみました。MicroSDからの再生結果は以下の通りでした。再生アプリはギャラリーアプリから標準動画プレイヤーです。mp4は全てWebOptimizedなファイルです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
  P) MP4 60fps w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  Q) MP4 60fps w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

MicroSDでのローカル再生
 F,G,H,J,K,Lは再生可能。Pは音声のみ再生可能。
 mp4以外はリストすらされず。mp4でも1080pファイルはサムネ表示も再生も不可。

 画面が小さいのに720pまでのmp4動画はしっかり再生可能でした。この辺りの妥協のなさは素晴らしいですね。画面が小さいのと粗めなのでキレイとは行きませんが、十分視聴には堪えると思います。ちなみに音声の方もいつものVictorのHA-FXC71-Bで確認してみましたが、Xperiaシリーズの中で一番相性がいいようで、xLOUD=オフ・イコライザ=フラットの設定で非常に明るく聞きやすいバランスのいい音で音楽を聴かせてくれました。イコライザはほとんど使わなくていい感じです。音像が締まった感じでなく広がりのある印象なので好みはあるかもしれませんが、音楽プレイヤーとしてもかなりオススメできると思いました。xLOUDの設定は本体スピーカではオンにするととても聞きやすく効果があるのですが、ヘッドホンではあまり効果が感じられませんでした。

■まとめ
 小さいコンパクト機が欲しいが性能にあまり妥協したくないという方にはバッチリな端末だと思います。100gを切る重さはネックストラップにもマッチすると思いますし、日常首から下げていてもあまり疲れない現状唯一のスマートフォンなのではないかと思います。イベントの中でソニエリの開発担当者の方々が工夫を語ってくださったのですが、その全てが非常に高度に凝縮されてうまく実装に反映されている素晴らしい端末だと思いました。ただ個人的には割と動画重視だったりするのでこの端末自体はすごいと思うのですが、画面の小ささ粗さ故に残念ながら購買意欲はあまりかき立てられませんでした。バッテリーも1200mAとやや小さめ(実質テザリング時間聞くの忘れた…)なので、大容量バッテリーが出るといいなとは思いました。多少厚さが増しても持ちやすさにあまり影響がなさそうですし、背面カバーも全取っ換え可能で大容量バッテリーが発売されやすいタイプだと思うので、テザリング重視の場合そこはぜひ期待したいところですね。

 イーモバイルとしては女性向け若者層向けの商品展開ということのようですので、ぜひスマートフォン界の「種島ぽぷら」というキャッチフレーズで販売してくれることを要望したいと思いますw

【追記】「全部入り」表記はガラスマと誤解されかねないので修正。テザリング時間は240分だそうです。

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とりあえず付けておく無駄ではなかったなまぁまぁ読めたちょっと役に立ったかなかなり良かったかも (まだ評価されていません)
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