■法人向けAndroid端末管理(MDM)ソリューションメモ
 企業がAndroid端末を導入しようとする際に、アンチウイルス等のセキュリティ製品に加えて検討すべき、アプリ制御等の構成管理機能を含んだMDMソリューションを調べてみたのでメモ。紹介順に大意なし。製品詳細は各リンク先参照。

SPPM for Android
http://www.axseed.co.jp/
http://www.axseed.co.jp/?page_id=1149

CLOMO
http://www.i3-systems.com/
http://www.i3-systems.com/cloud_mobile_management.html

Optimal Biz
http://www.optimalandroid.jp/
http://www.optimalandroid.jp/biz.html

ConnectOne
http://www.connectone.co.jp/
http://www.connectone.co.jp/product/android.html

AirWatch
http://www.datacontrol.co.jp/
http://www.datacontrol.co.jp/products/airwatch/index.html

VECTANT セキュアデバイスマネージメント
https://www.marubeni-access.com/
https://www.marubeni-access.com/topics/20110907-16.html

Trend Micro Mobile Security(TMMS) 7.0
http://jp.trendmicro.com/jp/home/
http://jp.trendmicro.com/jp/about/news/pr/article/20110706102858.html

KDDI 3LM Security
http://www.kddi.com/business/
http://www.kddi.com/business/3lm_security/index.html

ビジネス便利パック for Android
http://www.kddi.com/business/
http://www.kddi.com/business/benri_android/index.html

スマートフォン遠隔制御サービス
http://www.docomo.biz/
http://www.docomo.biz/html/service/remotecontrol/

ISM CloudOne
http://www.quality.co.jp/
http://www.quality.co.jp/company/newsrelease/news_20110906.html

Sophos Mobile Control
http://www.sophos.co.jp/
http://www.sophos.co.jp/products/enterprise/encryption/mobile-control/

SKYSEA Client View for Android
http://www.skygroup.jp/
http://www.skygroup.jp/news/110711_2/

McAfee Enterprise Mobility Management(EMM)
http://www.mcafee.com/japan/
http://www.mcafee.com/japan/products/enterprise-mobility-management.asp

ComputraceMobile for Android
http://www.absolute.com/ja-JP/
http://www.absolute.com/ja-JP/products/computrace/cm-overview/features.aspx

Android Biz Suite
http://www.sunmoretec.co.jp/
http://www.sunmoretec.co.jp/news/2009/press_20091001.html

mdport MDM for Android
http://www.t-gaia.co.jp/
(製品ページ無し?CEATECで確認、開発元がAXSEEDなのでSPPM for Androidと同じか?)

意外と国産ソフトウェアががんばっていて驚いた。MDMにおいては技術的手法よりも、端末調達からキッティング・配布・運用・修理交換・回線廃止まで総合的な運用サイクルをきっちり想定してから何を利用すべきか判断すべきと思う。またその過程で自社に必要なセキュリティ要件を定義できていないと製品選択もできないし、使わない余計な機能のためのライセンスコストを払い続けることになりかねないため、事前の要件設定が最も肝心なポイントになる。そういう観点ではキャリアが直接提供するサービスは企業規模が大きいほど運用面コスト面でのメリットが大きくなるかもしれない(調達から廃止までワンストップで構築できる可能性がある)。マルチキャリア・マルチデバイスの場合には技術的対応を重視する方がメリットが高いかもしれない。

昨今コストダウンのため法人名義で端末を貸与するのでなく、従業員の私物を社用で利用するケースを容認する事例が増えているようで、少々心配になる。スマートフォンの場合には、個人情報などが含まれる確率が極めて高く扱えるデータの範囲が広く自由度が高い分、利用者個人の意志に関わらず必要な時点で必要な対処ができるよう、法人が第一優先で管理権(データの消去権としてもいい)を持てるようできる限り貸与による運用を行うことが望ましいと考える。従業員との間でトラブルを起こさないためにも実はかなり大きなポイントになると思う。

上記の製品を調べる過程でKDDIがAndroid向けに相当本気で取り組んでいることを改めて実感した。自身で複数のサービスを提供するのみならず、他製品を作成している会社の取引先等にも名前を連ねていたりして、当該サービスを実現するまでにいろいろと努力があったことを伺わせる。docomoも同様と思うがあまり注目されていないのは、サービス名が「遠隔制御サービス」という管理っぽくない名称のせいのような気がする。SoftBankについてはアンチウイルスやワイプ等の基本サービスはあるが、アプリ制御などの法人として欲しい部分がないので独自にMDMの仕組みを構築することが必須になる。

個人的にはWhisperCoreのような本質的にセキュアを実現しようとする試みと連携できるMDM製品が出てきてくれることに期待したい。

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■DTCP-IP対応Android端末メモ(2012/11版)
 DTCP-IPに対応したAndroid端末のメモ。新しいものが追加されたら追記の上、更新月を変更で対応中。

 2012年6月よりマーケットで無償配布されているアプリTwonky BeamがDTCP-IP対応となったため、Android4.0以上を搭載したAndroid端末であればDTCP-IPコンテンツを再生出来る可能性があります。(東芝REGZA Z7000で外付けUSBディスクに録画したデータをRECBOXにムーブしたコンテンツを再生しようとしたところ、音声のみ再生され画像を表示することができませんでした。録画品質により再生できるかどうかの検証が個別に必要かもしれません。2012年11月にiOS版もリリースされていますがZ7000の録画は再生できずで同じでしたorz)

■DTCP-IP対応端末(端末組込み:カッコ内は対応アプリ)
・docomo
 SH-12C(スマートファミリンク対応アップデート有り)
 SH-13C(スマートファミリンク)
 SH-01D(おそらくスマートファミリンクと思われる)
 SH-02D(おそらくスマートファミリンクと思われる)
 SH-04D(おそらくスマートファミリンクと思われる)
 SH-06D(スマートファミリンク)
 SH-07D(おそらくスマートファミリンクと思われる)
 SH-01E(スマートファミリンク)Vivienne Westwood含む
 SH-09D(Twonky Beam)
 SH-10D(Twonky Beam)
 SO-04D(Twonky Beam)
 SO-05D(不明)
 F-01D(DiXiM Player)
 F-05D(DiXiM Player)
 F-07D(DiXiM Player)
 F-08D(DiXiM Player)
 F-10D(DiXiM Player & Twonky Beam)
 T-01D(DiXiM Player)
 T-02D(おそらくDiXiM Playerと思われる)
 N-04D(DiXiM Player)
 N-05D(DiXiM Player)
 N-06D(DiXiM Player)
 N-07D(おそらくDiXiM Playerと思われる)
 N-08D(DiXiM Player)
 P-02D(DLNA アルファシステムズ社製)
 P-05D(おそらくアルファシステムズ社製と思われる)
 P-06D(おそらくアルファシステムズ社製と思われる)
 P-07D(Twonky Beam)
 P-08D(Twonky Beam)
 HW-01E(アプリ不明)

・au
 IS11SH(スマートファミリンク)
 IS12SH(スマートファミリンク)
 IS13SH(スマートファミリンク)
 IS14SH(スマートファミリンク)
 IS15SH(スマートファミリンク)
 ISW16SH(スマートファミリンク)
 IS17SH(おそらくスマートファミリンクと思われる)
 INFOBAR A01(スマートファミリンク)
 INFOBAR C01(スマートファミリンク)
 IS11T(DiXiM Player)
 ISW11F(DiXiM Player)
 IS12F(DiXiM Player)
 ISW13F(おそらくDiXiM Playerと思われる)
 AT500/26F(不明)

・softbank
 006SH(スマートファミリンク)
 007SH(スマートファミリンク)
 009SH(スマートファミリンク)
 101SH(スマートファミリンク)
 102SH(スマートファミリンク)
 102SHII(スマートファミリンク)
 103SH(スマートファミリンク)
 104SH(スマートファミリンク:対応予定)
 106SH(スマートファミリンク)
 107SH(スマートファミリンク)
 101P(おそらくアルファシステムズ社製と思われる)
 101F(おそらくDiXiM Playerと思われる)

・他(ノンキャリア/単体販売)
 SV-MV100/Panasonic(アプリ名不明)
 SV-ME1000/Panasonic(アプリ名不明)
 UN-MT300/Panasonic(アプリ名不明)
 UN-W700/Panasonic(アプリ名不明)
 AT700/Toshiba(sMedio True Link+)
 AT3S0/Toshiba(sMedio True Link+)
 AT830/Toshiba(不明)(注1
 AT700/Toshiba(不明)(注1:2012/05/14発表モデル
 AT570/Toshiba(不明)(注1
 AT500/Toshiba(不明)(注1
 SonyTablet S/P(RECOPLA Android4.0updateで対応)
 FAR70A/Fujitsu(DiXiM Player)
 FAR75A/Fujitsu(DiXiM Player)
 LifTouch L/NEC(DiXiM Player)
 Xperia Tablet S/SONY(RECOPLA)

・DTCP-IP対応の可能性のある機種及びアプリ
 P-04D(おそらくアルファシステムズ社製と思われる)(注1
 102P(おそらくアルファシステムズ社製と思われる)(注1
 ビエラリモート2.0(対応の可能性有り。但し機種限定?)(注1

 (注1 公式にはDTCP-IPの記載無し。ただし機能的にDTCP-IP対応で実現されていると思われる内容が確認できる。
→ パナソニックhttp://panasonic.jp/viera/products/vt5/p_link.html
→ 東芝http://www.toshiba.co.jp/about/press/2012_05/pr_j1401.htm
 DTCP-IP対応サーバ接続での動作を確認された方の情報をお待ちします。

■DTCP-IP対応アプリ
 マーケット対応アプリ
 Twonky Beam(無償配布 Android4.0以上必須)
 RECOPLA(DTCP-IPについてはSONY Tablet専用)
 PowerDVD for Android(対応予定未発売)
 AwoX MediaCTRL(対応予定?)
 メーカープリインストールアプリ
 スマートファミリンク(SHARP専用非売アプリ)
 DiXiM Player/Server(非売アプリ)
 DLNA(非売アプリ アルファシステムズ社製)
 sMedio True Link+(非売アプリ Android3.0+)
 sMedio True Link+ for Mobile(開発中 非売アプリ)

※間違いや追加があればコメント欄へお願いします。
こちらのページでは主に再生用途を前提としてリスト作成しています。DTCP-IP対応サーバ機能などより詳細についてはよくコメントをくださるshigeorgさんのページもご確認ください。

 でじたるなくらし:各製品の DTCP-IP 対応状況一覧 (その3)
 http://shigeorg.web.fc2.com/dtcp-ip-3.html#table7

DiXiM PlayerはDTCP-IP対応版と非対応版があるので注意。IS04とT-01CにもDiXiM Playerが搭載されているが、DTCP-IP対応しているのは現在のところ上記記載分のみ。DiXiM Server含めて搭載機種と対応機能の詳細な記述がHPで公開されているので参照をオススメ。

AwoX MediaCTRLが株式会社グレープシステムのHPの説明によるとDTCP-IP対応済みのように記載されているので、Androidマーケットから購入(325円)しレグザからRECBOXにコピーしたTV番組で再生確認してみたが、エラーになり再生することができなかった。PS3からは適切に再生できるので、やはり現状(Ver.1.10)ではDTCP-IPには対応していない模様。

DTCP-IP対応アプリが非売アプリばかりでがっかりされた方へ。マーケットで販売されていなかった理由を知りたい時には以下の記事にその理由が紹介されていますのでよろしければどうぞ。※現在はTwonky BeamがAndroid版 iOS版ともにリリースされたので状況は変わっておりますのでご注意ください。

 CEATEC: DTCP-IP対応アプリ sMedio True Link+
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1538

【9/26】auの新機種発表を受けてISW11Fを追記。ケータイWatchの記事でDiXiM Playerを確認。
【9/29】Softbankの新機種発表を受けて101SH・102SH・103SH・104SHを追記。
【10/4】CEATECにてAT700/AT3S0を確認したので追記。
【10/6】見落としていたIS13SHを追記。SonyTablet S/Pが対応予定のみ発表したため追記。
【10/7】av watchの記事により101Pを追記。
【10/18】docomoの新機種発表を受けてSH-01D,SH-02D,SH-04D,F-05D,F-07D,T-01D,N-04D,P-02Dを追記。
【11/9】P-02DのDLNAアプリ(アプリ名がDLNA、プロセス名はMediaServerService)がサービス確認の画面でjp.co.alpha.dlna.dmsと記載されていたことから、DTCP-IP対応はアルファシステムズ社のSDKと特定できたため追記。
【12/6】auの新機種発表を受けてIS12Fを追記。
【12/19】auの新機種発表を受けてIS14SHを追記。
【1/6】IS12FのDiXiM Player記述を確定。
【1/12】富士通 ARROWS Tab Wi-Fiの発表を受けてFAR70AとFAR75Aを追記。
【1/21】INFOBAR C01のスマートファミリンク対応を確認したので追記。
【1/28】NEC N-05Dを追加とN-04DのDTCP-IP対応アプリ名を確認したので追記。
【2/2】docomoの新機種発表を受けてF-08DとP-05Dを追記。
【2/16】docomoの新機種発表を受けてSH-06DとN-06Dを追記。
【3/22】より詳細な情報を必要とする方のためshigeorgさんのblogへのリンクを追記。
【3/23】P-04D,102P,ビエラリモート2.0をDTCP-IP対応可能性有りということで注記付きで記載。
【3/28】DTCP-IP対応アプリの詳細へのリンクを追加、一部レイアウトを修正
【5/14】Toshibaの新製品発表によりAndroid4.0搭載AT830/AT700/AT570/AT500を注記付きで追記
【5/15】auの新製品発表によりISW13F/IS15SH/ISW16SH/IS17SH/AT500をAVWatchの記事に基づき追記
【5/16】docomoの新製品発表によりSH-07D/SH-09D/SH-10D/SO-04D/SO-05D/N-07D/P-06D/P-08DをケータイWatchの5/16 12:24の記事を参考に追記(今回公式資料よりDTCP-IP表記が省略されたため)
【5/17】DLNAアプリTwonky BeamがDTCP-IP対応&無償配布を発表したため追記。またshigeorgさんのコメント及びTwonky Beam搭載情報等からF-10D/T-02D/P-07Dを追記。
【5/30】Softbankの新製品発表により101F/102SHII/106SH/107SHを追記。SonyTabletのDTCP-IP対応及び対応アプリについて追記。
【5/31】Panasonicの新製品発表によりSV-ME1000/UN-MT300/UN-W700をAVWatchの記事を参考に追記。
【6/14】Twonky BeamがDTCP-IP対応版になり無償配布が始まったので記述を修正
【6/27】NEC LifeTouch Lの発表を受けて追記
【8/31】docomoの新製品発表によりN-08D/SH-01E/HW-01Eを追記
【9/6】SONYの新製品発表によりXperia Tablet Sを追記
【11/29】リンクの修正及びTwonky Beam iOS版リリースに伴い記事に注記を挿入

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■PS3 Media Server 1.40.0-b2を試したメモ
 気付いたら8/27にPSMの最新ベータが出ていたので試してみたメモ。バージョンは1.40.0.-b2。Win/Mac/linux用が揃って提供されている。試したのはMacOSX版。OSは10.6.8。気付いたことだけ簡単にメモ。常用はムリ。

・iOS4.2以降のDLNAクライアントアプリへのmp4提供はやはりNG
 理由はこちら
・デフォルトでは起動時に最初に見つかったネットワークに向く
 複数I/Fがある場合、「基本設定」から明示的にI/Fを選択する必要がある
・互換性に問題が結構ありそう
 GalaxyTabのAllShareではサーバリストに出るのにTF101のMyNETにはリストされないなど
・mp4なのにunsupprtedで再生できないことがある(原因調査してない)
・Detected media renderersにAirPlayerがアイコン付きで表示されてる
・AllShareからのアクセスはAndroidでロボットアイコン付きで表示される
・設定ファイルの位置
 ~/Library/Application support/PMS/PMS.conf
・Media Link Playerからはmp4ファイルのフォーマットにMPEG2と表示…
・PMS.confを捨ててやり直してみると AllShareやMedia Link Playerからも見えなく…
・何故かAirPlayerとHTCSenseのギャラリー(001HT)からは見える
・AirPlayerはQuickTime Pluginではmp4再生不可だが、FFmpeg Pluginなら再生可能
・HTCSenseギャラリーからは720pまでのmp4が再生可能

 あまりにも不安定感が大きすぎて心配な感じ。WindowsやLinux版も同様なのだろうか?ちょっと確認してみたくなるくらい…。常用しているPlaybackはトランスコード機能がないのでPMSにはちょっと期待しているのだが…なかなか厳しい感じ。

※ちなみにPS3から接続して再生する分には、mkvのトランスコードで失敗した後次のmkvファイルが非対応ファイルと言われて再生できないこと以外は、wmvやaviのトランスコード再生含め大きな問題はない模様。

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■Sony Tablet S/P 9/1版 簡易レビュー
 本日国内正式発表され銀座ソニーショールームで展示が開始されたSony Tablet S/Pの両機種を早速見に行ってきたので、簡単にレビューしておきたいと思います。両機種の詳細はこちら( Sony Tablet S)こちら(Sony Tablet P)が詳しいのでご参照ください。どちらもソニーショールームの中2階で展示されており、Sは十数台、Pも4台ほど?自由に触れるようになっていました。説明員さんも十分に配置されており、気軽に質問できるようになっていますが、さすがに発表即展示ということで詳細な部分についてはわからないことも多かったようです。

■Sony Tablet S
 9.4インチの比較的一般的なタイプのタブレット。楔形という独自形状ですがこの形のおかげかホールド感は悪くなく、iPadやTF101に比べるとかなりコンパクトで軽く感じます。液晶画面は非常にきれいで発色もいいのですが、如何せんAnti-reflectionや防指紋処理も何もされていないが如く反射しまくる&指紋つきまくるため、ちょっと画面を見ているのがしんどい感じがしました。おそらくショールームならではの照明配置のせいではないかと思いますが、タブレットのコーナーの照明は見直しした方がいいのではないかと思いました。液晶自体は説明員さんに確認してもわからなかったのですが、PC WatchによるとIPS液晶ということのようです。Sについてはリビングで家族一緒に利用することを想定しているため視野角の広い液晶になっているとのことでした。タッチスクリーンの反応は上々で非常に快適快速に動作します。画面が広いこともあり、文字入力でもあまり誤タッチをすることはありませんでした。

 本体が楔形という独自形状のため、主なコネクタ類は横向きの左右に振り分けられています。本体左側面には上(太い方)からヘッドホンジャック・USB・スピーカー・ストラップホール。本体右側面には上から電源・ボリュームキー・リセットホール・スピーカーとなっています。本体下面にはクレードル接続や電源接続につかう独自コネクタがあります。背面上部中央にカメラ、液晶上部中央にインカメラがあります。タブレットでストラップホール(実はセキュリティロック用?)があるのは嬉しいですね。ちょっと驚いたのはハードリセットに使うリセットスイッチ(穴にピンを挿して使うらしい)が用意されていることです。説明員さんの話では端末を初期化するのではなく、本体がフリーズした際にリセットするためのものということなので、一般的なPCで言うところのリセットスイッチで間違いないようです。えーと…要するにリセットスイッチが必要なくらい…ということ?うーむ。

 楔形の形状は思ったほど違和感はありませんでしたが、特別に持ちやすいかというとそれほどとは思いませんでした。むしろ重量配分で軽く感じさせる効果の方が重視されているように思います。ソニーとしてはソファに座って低めのリビングテーブルに置いて使うという感じの想定をしているようで、角度が付いているメリットを強調していましたが、タッチパネルでのキーボード入力に便利なほどの角度ではないように思いました。どちらかと言えばリモコンやDLNAコントローラとして操作する際に便利かなという感じです。

 本体と同時発売になるクレードルも展示されていましたが、横置きするタイプでちょっと場所を取るなぁという印象です。クレードルとの接続は比較的容易で、接点は緩い感じでガッチリした感覚を期待するとがっかりすると思います。同じ接点に充電ケーブルを接続することもできるのですが、このL型コネクタがやや大きめで付けた時もグラグラしてしまうのでちょっと気になります。ケーブル取付け部もちょっと細身で断線とか接点不良が心配な感じでした。クレードルと一緒に利用するであろうAndroid専用のアイソレーションキータイプのキーボードも展示されており、英語キー配列のみの販売となる代わりAndroid汎用に設計されていて他のAndroidタブレットでも利用できるとのことでした。通常の英語配列(ASCII配列)の並びでファンクションキーはありません。Android特有の独自キーはキーボード本体左上に左から「戻る・ホーム・起動アプリ一覧・メニュー・検索」と並んでいます。通常のアイソレーションキーと違い、大きさも小さくキーボード本体平面から押し込むタイプのボタンのため、ちょっと使いにくい感じがしました。独自キーとしてはもうひとつスペースキーの右altキーの右横に□にAと書かれたキーが設定されており、このキーで文字入力中の英語/日本語入力切替をできるようになっていました。最初何に使うキーかわからなかったのですが、使ってみるとスムーズに入力切替ができかなり便利だと思いました。残念なのはキーボードで入力した内容が本体に反映されるのに1秒強の時間がかかるため、長文入力などであまり実用的と思えないことです。この点はぜひとも改善して欲しいと思いました。

 SのOSはAndroid3.1ということで、カーネルバージョンが2.6.36.3 integ-build@build10 #1、ビルド番号は1.00.001100022でした。ほぼ製品版ということで、ファーム自体には変更は入らないが、搭載されるアプリはまだ変更があるかもしれないと説明がありました。今回のSony Tabletは他社のようにAndroid OS自体に手をあまり入れない代わりに独自アプリを入れてくる手法ではなく、Android OS標準のアプリに改修を加える選択をしてしまったようで、ホーム画面やアプリ一覧・標準キーボード・動画プレイヤー・標準ブラウザなど大小様々なカスタマイズが施されていました。ホーム画面では画面左上のGoogle音声検索のマイクアイコンの横に4つまでアプリが登録可能な小ラウンチャーが用意されています。ここはホーム画面を左右に遷移しても変わらず表示されるので便利ということなのでしょう。アプリ一覧はデザインが独自のものになっており、上下にスクロールする際に3Dっぽいエフェクトがかかるなど見た目に工夫されています。標準キーボードは日本語がデフォルト入力可能になっており、シフトやaltキーなどの入力状態が一目でわかる青いバーが表示されるようになっています。動画プレイヤーについては通常動画再生時にはアクションバーは表示されたままか、消えても操作アイコン位置がわかるドットが表示されるようになっているのですが、こちらは完全に消えるようになっていました。標準ブラウザでは大きなデータのロードを待たずに素早く表示できるよう小さいデータを優先してレンダリングする独自技術が組み込まれているそうです。リンク先ページの先読みのようなデータトラフィックの無駄使いではない表示の高速化技術ということで、これはなかなか面白いと思いました。気付いたことだけ書いていますが、これら以外にもいろいろと工夫されているところがあるようなのですが、OSに近いところを改修してしまうとアップデートの不安が発生してしまうので、やはりちょっと気になってしまいました。アップデートの質問をした際に説明員さんが苦笑いしながら答えてくれたのですが、一応SについてはPの発売と同時期にAndroid3.2へのアップデートを予定しているらしいとのことだが本当にアップデートされるかはわからないと言っていました。4.0に至っては完全に未定とのことでした。

 独自アプリケーションもサービスと連動していくつか搭載されており、プレイステーションのゲームが遊べるなど期待されている機能もデモで遊べるようになっていました。ただ、Sの発売時に搭載されるアプリでもサービス側の整備が間に合わず、本格的なサービス開始がPの発売時期まで遅れるものがいくつかあるとのことでした。プレイステーションのゲームもその一つで初期の30タイトルほどが揃うのは10月末くらいになるそうで、それまでは限定的な利用になるかもしれないということでした。そういう意味ではSについては、あまり買い急ぐ必要はないかもしれません。

■Sony Tablet P
 2つ折りという独自形状が印象的なタブレットです。発売がちょっと先ということもあり、展示機はSと違って台数も少なく、まだまだ今後大幅な変更があるかもしれないのでファームのバージョンなど詳細はblog等に書かないでくださいと明示的に説明がありました。他のblogさんもご注意を。公式発表でAndroid3.2となっている通り展示機も3.2ではありましたが、いろいろ操作してみるとSと同様な点や大きく異なる点(画面の使い方など)があり、表示の仕方を見てもまだまだ開発途中なんだなということがよくわかる感じではありました。また今日の時点で既にシステムアップデートの通知がアクションバーに出ていましたので、まだ頻繁にアップデートが繰り返されていることがよくわかります。ですので、とりあえずハード面で感じたことだけ簡単に紹介するに留めようと思います。

 1024×480の液晶を2つ搭載しているのですが、どちらも視認性は非常にいいと思いました。任天堂DSのように2つの液晶に差異はありません。本体を開くとちょうど180度、平面になるところでピタリと止まるようになっているので、平面タブレットのような感じで使うことも可能です。画面が下画面から上画面にスムーズにスクロールしていく様を見るのはなかなか楽しいと思いました。液晶はパーソナル利用を想定しているためSのようなIPS液晶ではなく、やや視野角の狭い液晶に変更されているとのことでした。実際使ってみている限りでは視野角の狭さを実感することはなかったのですが、S同様Anti-reflectionや防指紋処理も何もされていないが如く反射しまくる&指紋つきまくる(しかもS以上に!)ので角度によっては反射で非常に見にくく、神経質な方はちょっと使っていられないんじゃないかと思いました…。低反射フィルムは必須だと思います。

 本体の大きさはあまり大きいとは思わなかったのですが気持ち重めに感じます。閉じた本体はおっきなアルミ製筆箱という印象でした。ヒンジ部分の艶のある黒パーツがなんとなく安い感じがして残念ですが、全体の質感は悪くありません。P用のハードシェルケースも展示されていましたが、なんとなく付けない方がいいんじゃないかなぁと思ってしまいました。本体自体が結構発熱するようで、下画面側の本体が手に持っていると汗をかくくらいあったかく感じました。Pは下画面両手持ちで使うのが一般的なスタイルになると思うので、この点は気になります。実際プレイステーションのゲームを起動すると上画面にゲーム画面、下画面に十字キー等の操作部が表示されるのでまるでDS熱中すると相当手に汗をかくことになりそうです。

 タブレットとしての利用想定からすると使いどころが実に微妙な感じがする製品ではありますが、ガジェット好きにはギミック含めて非常に興味をそそる存在であることは間違いないと思います。使い勝手とかよりも所有欲をかき立てられる、そんな端末だと思います。

■3G対応について
 既に既報の通りSony Tablet S/Pの両機種はdocomoからも発売されるそうです。docomoから発売されたものもスマホ同様SIMロック解除はできるとのことでした。しかし3G SIMロックフリーの端末も国内で発売を予定しているそうで、SonyStyle限定モデルとして提供されるのではないかとのことでした。価格の方はおよその想定価格は出ているようですが、blogには書かないで欲しいということなので残念ながらご紹介できません…。SIMロックフリーでもし発売されるなら、国内メーカー初事例になると思うので期待したいところです。日本通信さんが好条件で販売できるようになるといいなぁと思いますね。

週アス+の記事ではSonyStyleで販売される3GモデルもdocomoのSIMロックがかかっているとされていますね。またSの3Gモデルの価格が53000円と明示されていました。うーん、SIMロックありだとするとちょっと残念です。

■まとめ
 まだ展示初日ということもあり、説明員さんがお客さんの感想や意見を一生懸命メモされていて、製品改良のためのフィードバックをしようと努力されている様子がよく伝わってきました。SONYブランドで出す初タブレットということで国内の期待も高いようで、展示初日平日お昼過ぎに行ったにも関わらず非常に多くの方が展示を見に来ていました。正直なところWi-Fiオンリーモデルの価格設定は競争力という点で微妙な感じはしますが、SIMロックフリー3G端末であれば当面キャリア以外から購入可能な国内唯一の存在と言うことになると思うので、非常に存在感を出していけるのはないかと思います。実勢価格など今後の動向が気になりますが、ぜひともヒットして欲しい端末(特に個人的にはSが)だと思いました。当面情報をウォッチしていきたいと思います。

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■WhisperCore 0.5.4アップデートメモ
 セキュア環境を目指すAndroidカスタムROM,WhisperCoreが0.5.2から0.5.4にアップデートしているので内容のメモ。

 WhisperCore
 http://www.whispersys.com/whispercore.html
 WhisperCore 0.5アップデートメモ
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1272
 WhisperCore 0.4アップデートメモ
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1173
 NexusOneにWhisperCoreをインストールしたメモ
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1094

■WhisperCore 0.5.4までの改良点
・Android 2.3.5アップデート (0.5.3)
・各種バグ修正 (0.5.3)
・DigiNotar Root CA証明書を削除 (0.5.4)

 CA証明書の削除は以下の問題への対応。セキュリティを看板にするカスタムROMの対処が迅速なのは好感が持てる。

 認証局が不正なSSL証明書を発行、Googleユーザーを狙う攻撃が発生
 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1108/31/news017.html

■アップデート
 既にWhisperCoreをインストールしている場合は アプリ一覧から
 WhisperCoreUpdaterを開き、Check for Updatesボタンを押すだけ
 新規インストールはこちらから(Nexusシリーズのみ対応)

■SDK
 見過ごしてしまっていたが6月にWhisperCoreのAPIを利用可能なSDKがリリースされていた。現状はアプリケーションからroot権限無しにiptablesとpermission設定を行える部分が提供されているらしい。オンラインドキュメントも提供されている。興味の在る方は以下からどうぞ。
 http://www.whispersys.com/sdk.html

■WhisperCoreでカレログ対策
 ちょうどプライバシー関連で話題になっているカレログの対策としてWhisperCoreは有効な対処が実装されている。電源投入時のパスフレーズ入力とトラップによる強力な保護や、通信時にアプリ毎に通信先を制御できる機能、0.4で実装された指の軌跡によるロック破り対策、0.5で実装されたselective permissionsによるプライバシー情報へのアクセス禁止など、勝手に何かされてしまうということに対して非常に有効な対応が組み込まれている。

 Android環境においてはMDMによる構成管理など無断でのアプリ導入などを禁止する方法は他にもあるが、多くは法人向けに提供されているため個人で気軽に利用するのは難しいように思われる。WhisperCoreはNexusシリーズでしか動作しないという問題はあるが、カレログ対策には非常に有効なカスタムROMであることに間違いないと思う。非常に面白い実装だと思うので今回の件で少し注目されると嬉しい。

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■EMOBILE GALAPAGOS A01SH タブレット レビュー
 fansfansの「Android 3.2搭載タブレット GALAPAGOS(A01SH)タッチ&トライ ブロガーミーティング」に参加して、イーモバイルから発売されるA01SHをじっくり触ってくることができたのでレビューを書いておこうと思います。イベントの様子はこちらで紹介されています。イベント参加者のblogはこちらでまとめて紹介されるそうなので合わせてどうぞ。イベントでは発売元のイーモバイル、開発元のSHARP、CPU製造元のNVIDIAがそれぞれプレゼンで製品のアピールをした後、質疑応答・タッチ&トライという順番で進みました。質問は若干少なめな印象でしたが、タッチ&トライでの参加者同士の意見交換がかなり活発だったので、面白い意見が聞けたり有意義なイベントになりました。

 A01SH自体は国内メーカー初の7インチサイズタブレットでAndroidバージョンも最新の3.2ということで注目度も高く、既に発売日も8/30と迫っており価格も44,800円と明示されていますので、興味を持たれている方も多いと思います。そこで分かりやすくするため比較用にGalaxyTab (GT-P1000)TF101を持ち込んでいろいろと比べてみましたので、その辺りの比較を中心にして書いていきます。

■ハードウェア
 基本は横持ちを前提としているようで、全てのスイッチとコネクタ類は左右側面に振分けられています。上下は背面から回り込んだアルミでカーブして覆われていてスイッチ類は何もありませんし、画面前面にもスイッチ類は一切ありません。左側面には上からスピーカー・電源ボタン、ボリュームキー、ヘッドホンジャック。右側面には上からスピーカー・AC電源・HDMI・MicroUSB・MicroSDスロットとなっています。横持ち前提で工夫されているのが左右側面上部に配置されたスピーカーで、両手持ちをしても手がスピーカーを覆わないため視聴を妨げません。TF101はスピーカーが側面下部にあり両手持ちの時に手がスピーカーを覆ってしまうので、A01SHの方が実用的な設計になっています。電源とボリュームキーは小さめでストロークも浅めですが、クリック感はしっかりあるので特別使いにくいということはありません。MicroSDスロットはフタがある関係で穴が深めになっており少々出し入れがしにくいのがちょっと残念な感じでした。

 液晶はモバイルASVではなく普通のTFT液晶っぽいですが、SHARPらしいドットの目立ちにくい精細感のあるもので若干メタリックな感じの艶を感じさせるものでした。GalaxyTabと比較してみて高輝度の時にはどちらも同程度に美しい表示だと思いましたが、低輝度の際の表示品質はA01SHの方が良好と感じました。GalaxyTabは低輝度では液晶にざらつき感を感じることがあるのですが、SHARPの液晶ではそのような感じはなくキレイなまま暗くなるので、夜ベッドサイドで電気を消して利用する際にもいいのではないかと思います。液晶自体の美しさではIPS液晶を搭載したTF101が圧勝かなと思います。液晶が7インチサイズということで、本体もほぼGalaxyTabと同じサイズになっていますが若干A01SHの方が大きめです。SHARPの商品開発部の方がプレゼンでこのサイズにこだわったと力説されていたのですが、個人的にはGalaxyTabでも常用するには縦持ちでやや幅が大きく感じる(おそらく欧米マーケットを狙ったグローバルなサイジングのため)ので、何故日本人向けに国内メーカーが作ったものが同じようなサイズになるのか理解に苦しみました。7インチの既存タブレットはどれもGalaxyTabの模倣かと思うようなデザインですが、7インチの利用時は縦持ちでも片手操作は実質無理でほぼ両手使いになり片手手のひら全体でしっかりホールドしもう片手で操作をするようになるため、本体を支える理由で液晶周辺ベゼルを太く取る必要はないと思います。縦持ち時の想定で両サイド(長辺)をもう5mmずつでも幅カットしてもらえると、日本人の手でも持ちやすくなるのに…と感じてしまいました。隣の参加者の方もGalaxyTab持ちでやはりベゼル部分は半分でいいと発言されていました。商品マーケティングの説明の中でも「国産のブランドを求めている人達がいるのでこのサイズのタブレットを作ることにした」という話があったのですが、だとすればちゃんと日本人の手にあったサイジングを検討すべきではないかと、少々残念に感じました。

 本体の重さもGalaxyTabとほぼ同じでちょっと重め。A01SHは1620mAのバッテリーを2つ搭載しており、4000mAのGalaxyTabには少し及びませんが、Tegra2の省電力性能と合わせて長時間動作を実現しているということになるようです。特別に重いということではないのですが、上記のようにベゼル部分のカットができればもう少し軽くできるのではないかと思うので、ぜひ次モデルでは国産の意地で更なる軽量化をお願いしたいと思います。実物のスペックやプレゼンを聞いていても感じたのですが、SHARPは世界最高の7インチタブレットを作ろうとしたのではなく、GalaxyTabを目標に高スペックのタブレットを作ったように感じました。プレゼンにあった「国産のブランドを求める人達に」ではなく、最高のタブレットを求める人達に向けて設計したら、もっと違った発想や設計ができたのではないかと思ってしまいました。その辺りの志の揺れ具合というかは液晶のアスペクト比の質問でも感じていて、GALAPAGOSというブランドで電子書籍をアピールする戦略を取りながら、「なぜアスペクト比を電子書籍やデジタルコミックと親和性の高い4:3にしなかったのか?」という質問に対して「社内で議論はあったがアクオスと連携するなど映像面を重視して16:10を採用した」と、動画重視の決定だったという回答がされたところに、なんとなく日本のメーカーがアップルに勝てない理由を垣間見たような気さえしてしまいました。(もっとも実際は類似デザインによる訴訟を避けるとか別の思惑がある可能性は否定できませんが…)

 タッチスクリーンの感度は非常に高く、やや過敏すぎる印象もないわけではありませんが、コツを掴めば非常に快適に操作が可能でした。Android3.2と相まってTF101よりも高速且つ快適にホーム画面の操作が可能です。この差は同じCPUを搭載しているとは思えないくらい快適と言っていいくらいのものでちょっと驚いてしまいました。ただマップやブラウザでのピンチズームなどでは若干ぎこちなさを感じる場面もあり、全てにおいてベタ褒めできるというところまではいきませんが、操作感の快適さレベルはとても高いと思います。

 起動時間は以下の通りです。
 電源長押し→5秒→EMOBILEロゴ→8秒→GALAPAGOSロゴ→17秒→ロック画面(合計約30秒)

 起動は快速で電源オンから30秒で利用可能になります。SHARP製のスマホは起動時間が長いものが多いのですが、A01SHは非常に素早く立ち上がるのでこれは嬉しいポイントですね。

■ソフトウェア
 Androidバージョンは喧伝のように3.2です。カーネルバージョンは2.6.36.3、ビルド番号は5031_1_200でした。日本語入力プログラムはiWnn IME Ver.2.1.2.jp(SHHC-A)となっていました。スマホではiWnn IME for SHとかおまけが付いているのに、タブレットではfor SHがない表記になっているところが面白いですね。ホームアプリやメニュー項目などのカスタマイズはあまりなく、ほぼ標準のAndroid3.2を採用しているような印象でした。独自ウィジェットもGALAPAGOSアプリのものくらいで、NVIDIAのデモのためTegraZoneアプリやゲームがいくつか導入されていましたが、他に特筆するようなものはなかったと思います。

 最新のAndroid3.2でもあり、一応いつもの動画再生テストファイルを持ち込んでいたので再生テストをしてみました。DLNAはさすがに検証できませんでしたが、MicroSDからの再生結果は以下の通りでした。再生アプリはギャラリーアプリから標準動画プレイヤーです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

MicroSDでのローカル再生
 D,F,G,H,I,J,K,Lが再生可能。A,B,C,Mはリスト表示されるもののサムネイル無し、クリックすると再生できませんダイアログを表示。Eは映像は表示されるものの音声が出ず。WMVについてはリストにすら出て来ない。

 NVIDIAの方がいらっしゃったので、1080p HighProfが再生できない理由を伺ってみると、TegraとAndroidの両方でチューニングが間に合っていないとのことでした。サムスン製品がAndroid2.3環境でも1080p HighProfを再生可能にしていることはご存知でしたが、これはサムスンの独自チューニングによるもので、Android側でもバランス調整の問題がまだ残っているとのことでした。少なくともA01SHではSHARP独自で動画再生の調整が入っているというようなことはなく、Android3.2で標準的に再生できるものということになるようです。ちなみにイヤホンジャックの音質も動画再生時に確認してみたのですが、いつものVictorのHA-FXC71-Bとは相性が悪いようで、中音から低音がブーミーになってしまい聴くに堪えない感じでした。小さいスピーカーで出力する時に軽くなり過ぎないようにチューニングされた音をそのままヘッドホンジャックでも流してしまっているような印象でした。A01SHと組み合わせるヘッドホンは低音控えめか低音をしっかり抑えて鳴らしてくれるものを組み合わせた方がいいような気がします。

■まとめ
 個人的な印象は和製GalaxyTabという感じです。しかし動画プレイヤーとしては、CPUスペックに劣るGalaxyTab (GT-P1000)の方が再生能力が高く、aviやwmvも難なく再生できてしまいますしコマ落ち感はあるものの1080p HP4の動画も再生は可能で、実用上優れていると感じました。大きさも重さもほぼ同じで、3Gがついた白ロムの価格も3万円前後で安定しているSC-01Cと、Android3.2の最新版が利用可能とは言え正式対応アプリもまだ少なくWiFiのみ44,800円の価格で対抗するのは非常に厳しいのではないかというのが率直な感想です。もちろん国産ブランドやアクオス連携を気に入って購入される場合には別ですが、A01SHだからこそという部分はあまり見えて来ないと言わざるを得ません。本当に主観的で申し訳ないと思いますが、GalaxyTabを目標にして作られたように思えてなりません。そして越えられていない。そんな印象になってしまいました。プレゼンを見ていてSHARPはA01SHを世界で売る気はないのだと感じましたし、それで世界をターゲットにして予算を投入し開発された製品に勝とうとするなら、より日本人に使いやすいサイズや使い方をもっと真摯に追求するべきだったのではないかと思います。SHARPのAndroidに対する製品開発姿勢は素晴らしいと思いますし、ぜひとも今後よりよい製品を出していただければと願います。

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■携帯ブラウザのSSL/TLS renegotiation対応の検証メモ
 とある案件でSSL/TLS renegotiation機能の脆弱性の問題に突き当たったため検証したメモ。問題の内容と対策はこちらのページ( http://blog.abacustech.co.jp/blogx/entry/40 )がとても詳しいので参照。Webアクセスをするブラウザ(クライアント)とサーバの両方が問題に対応している必要があるので注意。対応状況が簡単に確認できる方法はそれぞれ以下。

※9/27追記 誤解を与えかねないRTがされていたので追記しておきますが、この検証はiOSやWP7のブラウザにSSL/TLS renegotiation機能の脆弱性が残存しているということを意味しません。SSL/TLS renegotiation機能の脆弱性に対してはRFC5746を実装する対処方法と、脆弱性発見当初実施された「SSL/TLS renegotiation機能に非対応とする」という対処方法があり、実際に非対応を選択しているSSLアクセラレータやロードバランサがあることを確認しています。今回実施しているのはあくまで対応か非対応かの検証であり、脆弱性があるかどうかは確認していません(おそらく脆弱性がある場合はデビル画像がチェックで表示されると推測はします…)。誤解のなきようお願いいたします。ちなみに検証をしようと思った動機は、RFC5746非対応の場合エラーになる事象を確認したからであり、スマホブラウザで該当脆弱性を発見したためではありません。

■サーバ側の対応確認
 ブラウザでQualys SSL Labのテストページにアクセスし確認したいサーバ名を入力する
 https://www.ssllabs.com/ssldb/index.html
 出力結果で、Renegotiationの項目が「Secure Renegotiation Supported」になっていればOK
 そうでない場合はサーバがRFC5746に対応していないことになる
 ※脆弱性発見につながるため自身で責任を持って対応可能なサーバに対してのみ行うこと

■クライアント側の対応確認
 チェックしたいブラウザで以下のテストページにアクセスする
 https://ssltls.de/
 表示されたページ内でペンギンの画像のみが表示されればOK
 デビル画像が表示されたブラウザは使うのを止めた方がいいかもしれない

■スマホブラウザの対応状況(2011年8月17日現在の最新版で確認)
 結果の見方
  ○:ペンギンのみ表示
  △:両方表示せず
  ×:デビルのみ表示

1)iPhone 3GS (iOS 4.3.5 8L1)
 Safari △
 iLunascape 3 △
 Atomic Lite △
 iCabMobile △
 Mercury △
 Opera Mini 6 ○
 Sleipnir △

2)iPad2(iOS 4.3.5 8L1)
 Safari △
 iLunascape 3 △
 Atomic Lite △
 iCabMobile △
 Mercury △
 Opera Mini 6 ○
 Sleipnir △

3)001HT(Android2.3.3)
 標準ブラウザ ○
 FireFox ○
 Dolphin HD ○
 Angel Browser ○
 Opera Mobile ○
 Opera Mini ○
 SkyFire ○

4)OMNIA7(Windows Phone 7 7392)
 標準ブラウザ(IE)△

5)IS12T(Windows Phone 7.5 7720) ※8/27追記
 標準ブラウザ(IE)○

6)Nexus One(Android2.3.4 WhisperCore 0.5.2)
 標準ブラウザ ○

7)GalaxyTab GT-P1000(Android 2.3.3)
 標準ブラウザ ○

8)Eee Pad TF101(Android 3.1)
 標準ブラウザ ○
 FireFox ○

■まとめ
 iOS系は独自実装のOpera Mini以外全滅。WP7もダメ。WP7.5(Mango)では問題ない。Android系は全て問題なかった。この問題に限って言えば、Android端末が最も安心できる選択肢となった。ちなみにssltls.deではStartSSLが利用されているようで、試験中にOpera MobileとWP7系IEのみ(WP7もWP7.5も)証明書対応ができておらず不正警告が表示された。サーバ側では厳密な検証は行っていないが通常OSが最新状態になっていれば問題ないと思われる(CentOS5.6の標準環境+StartSSLでもサーバチェックでBスコアとなり問題はなかった)。この問題では大手でもまだ未対応なサーバが多いらしいのだが、推測するにSSLアクセラレータ等を導入して古いファームウェアのまま動作させているサイトなのではないかと考える。通常は安定して稼働していればあまり手を付けない部分なので必要な対応が遅れている可能性は高いように思われる。事実そのようなサイトをひとつ確認してしまった…。今回の問題はサーバとクライアントの双方で対応されて安全性が担保されるということなので、サーバ運用者はチェックを行い必要に応じた対応をとることをオススメする。

【8/27】IS12Tの発売を受けてWP7.5端末の試験結果を追記して編集。
【9/27】微妙に誤解を招きそうなRTがされていたので注意書きを先頭近くに追記。

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■docomo Xperia ray SO-03C ラウンジ版 簡易レビュー
 有楽町のスマートフォンラウンジでXperia rayを見てきたので簡単にレビューしておきます。この端末で気になったのはやはりその大きさと軽さ。これは実機確認しないとと思いチェックしてきました。ラウンジでは早速メイン展示機のポジションに。お盆休み真っ最中の休日だったのであまり人もおらず、説明員の方々も心なしかのんびりした雰囲気で、ゆっくり確認することができました。

 持ってみた感想はやはり軽い小さい!通常のAndroid系端末の8割くらい?の大きさで100gという重量は本当にスマホ?という不思議感覚になります。スモールライトで小さくした感じ…。小さいながらも全体の品質は非常に高く塗装もキレイで、液晶の高い精細感と外装のシンプルながらもしっかりした印象が非常にいい感じです。上面に電源ボタンとイヤホンジャック、左側面上部にUSB、右側面上部にはちょっと細小さくて使いにくい感じのボリュームキー、下部にはマイクとストラップホールだけと、とてもシンプルな造りになっています。液晶下のボタンは左から戻る・ホーム・メニューの順で、ホームが物理ボタンになって一段下がっているため、ちょっと押しづらい感じでした。

 タッチスクリーンの反応は上々で、フリック等の操作も非常にスムーズです。ただ10点マルチタッチサポートということでしたが、手のサイズが大きいと片手操作しようとした際に、親指の内側がかなりスクリーンに触れてしまってうまくタッチ操作ができないというケースがしばしば発生してしまいます。タッチ式ボタンも反応エリアがやや広めで思わぬ反応をしてしまうことがありました。なんとなく女性向けをアピールしている理由はこのヘンなんじゃないかと思ってみたり。本体が薄いことで指が回り込みやすいため、操作時には注意が必要そうです。

 起動時間については以下のような感じです。
 電源オン→11秒→ソニエリロゴ動画→7秒→docomoロゴ→6秒→ロック画面(約24秒)

 正直一番驚いたのはここです。たった24秒でロック画面に!起動だけで言えばAndroidハンドセットで最速ではないでしょうか?これは先日レビューしたWindows Phone 7.5を搭載したIS12Tの26秒を上回る起動速度です。IS12TやOMNIA7を見て、しばらくAndroid端末は起動時間ではかなわないなと思っていたのですが、まさかすぐにこれほど速い端末がリリースされるとは驚きました。SO-03Cに搭載されているのは既存のMSM8255でスペック的な点では特別に優れたハード構成になっているわけではありません。それでこの起動時間が実現できるのですから、ソニエリの実装努力の賜物ということだと思います。

 OSはAndroidバージョン2.3.3、カーネルバージョン 2.6.32.9-perf SEMCUser@SEMCHost #1、ベースバンドバージョン 8x55A-AAABQOAZM-20302204-41、ビルド番号 4.0.D.2.61でした。日本語入力はPOBox Touchでバージョンは4.3とのこと。中国語入力も入っていてChinese keyboardはバージョン4.0.16、CooTekという会社の製品でした。POBoxを少し試してみましたが、スクリーンが小さいため誤タッチが多くなってしまい、特に最下段の入力がちょっと厳しい感じでした。記号や顔文字は入力しやすいと思います。

 アプリ面ではdocomoによるキャリア導入アプリが非常に増えていてちょっと微妙な感じ…。なんというか一時期のWindowsマシンのように使わないアプリがゴテゴテ場所を取ってしまっているんじゃないかという印象を持ってしまいます。説明員さんに確認したところ、最終決定ではないが一応これらが標準インストールになる予定とのことだったので、ちょっとゲンナリです。今回もLiveWareマネージャーがプリインストールされていましたが、LiveViewも国内発売になっていますので今回は標準導入されそうですね。説明員さんのアピールによるとrayは音質がすごくいいとのことだったのですが、いつものインナーイヤフォンを持っていなかったので、こちらは確認できませんでした。

■まとめ
 カメラなど個々のアプリの動作は確かめてこなかったのですが、ハードとしての出来栄えは手のサイズさえ合えばとてもいいのではないかと感じました。起動時間含めて基本性能部分が非常に良く出来ているのではないかと感じさせます。これで価格が新規一括で43,250円、実質25,620円、MNPだと実質15,540円ということなので、非常に購入しやすい思い切った価格になっていると思います。新製品の発表から発売までが非常に短くかつ価格も安いというのは、これまでの端末リリースの実績からするとちょっと驚いてしまいます。ワンセグやFelicaなど独自機能を実装するよりも、タイムリーなリリースを優先したということで、docomoがかなり力を入れていることがわかります。独自機能がないことでどの程度販売が伸びるのかは興味深いところですが、端末としては非常に訴求ポイントが分かりやすく魅力的だと思いますので評価されるのではないかと期待します。

 

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■WhisperCore 0.5アップデートメモ
 セキュア環境を目指すAndroidカスタムROM,WhisperCoreが0.4から0.5 (現在は0.5.2)にアップデートしているので、遅くなったがメモを書いておく。

 WhisperCore
 http://www.whispersys.com/whispercore.html
 WhisperCore 0.4アップデートメモ
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1173
 NexusOneにWhisperCoreをインストールしたメモ
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1094

■WhisperCore 0.5改良点
・アプリケーションのパーミッション設定を制御する機能を追加

■アップデート
 既にWhisperCoreをインストールしている場合は アプリ一覧から
 WhisperCoreUpdaterを開き、Check for Updatesボタンを押すだけ

■Selective Permissions
 Andoridではアプリケーションをインストールする際に、そのアプリケーションがアクセス可能なAPIを明示するため「このアプリケーションに許可するアクセス権」として表示し、それを了解して初めてインストールが可能になるという仕組みが用意されている。通常これは利用者が任意に選択許可することはできず、全て受け入れるか、受け入れないかの2択しかない。WhisperCoreが提供するSelective Permissionsアプリは任意のアプリがインストールされた後で、そのアプリケーションのいくつかのアクセス権を個別にON/OFFすることを可能にする。ON/OFFが可能になるアクセス権は全ての項目ではなく、位置情報や連絡先情報の読み書きなどプライバシーに関する項目がメインで、システムエラーを起こす可能性がある項目は設定することができなくなっているようだ。

 設定画面などはこちらを参照
 http://www.whispersys.com/permissions.html

 実際にMapsアプリで位置情報の読み込みをOFFにしたところ、GPS等が動作している状況でも「システム設定で現在位置情報を有効にしてください」とアラートが出て、現在位置を取得できなくなることを確認している。WhisperCoreではアプリケーションが誤作動を起こす可能性を回避するため、APIによる読み出しを拒否するのではなく空の応答を返すという実装をしているということなので、Selective Permissionsで設定を行ったことで、アプリのエラーなどシステム上に重大な問題が起きる可能性は比較的低いと思われる。

 セキュリティに詳しくアンドロイドのアプリのパッケージ(apk)構成に詳しい場合には、パーミッション設定を変更して再パッケージするという手段を使うこともできるが、アクセス権を適切に理解していないとエラーを引き起こす可能性もあり、一般の利用者には敷居が高い方法のため、Selective Permissionsのような実装は非常にリーズナブルであると思われる。

■WhisperCore0.5の使用感
 OS部分には大きな変更はなく0.4とほとんど体感で変わるものはない。ただ使っている中でひとつ面白いトラップに気がついた。WhisperCoreではストレージを暗号化してセキュリティを担保しているため、電源投入時に必ずパスフレーズの入力を求められるのだが、一度目でパスフレーズを間違うと「Try Agein」と「Reset」の選択肢が表示されるものの、「Try Again」は実質的に機能せず以降何度正しいパスフレーズを入力しても同じ繰り返しになるようになっている。電源ボタンで電源を落とすこともできないため、普通ならリセットするしかなくなってしまう。これがトラップで、実は一度パスフレーズを間違えたら素直に裏ぶたを開けて電池を入れ直し、電源投入からやり直す必要がある。ブルートフォースアタックに対する携帯端末で可能な対抗策としては、十分に現実的な対応だと思われる。なかなか面白い。

 WhisperCoreはAndroidのシステム的なセキュリティの在り方に現実的な実装という手段で提案を投げ掛ける非常に面白い存在だと思う。まだNexusOneとNexusSでしか利用できないのは残念ではあるが、ぜひいろんな人に試してもらえるようになるといいなぁと思う。Android向けのアンチウイルスソフトは雨後の筍のように増えてきたが、こうした取り組みはまだあまり聞かないので、他のセキュリティを看板にしている企業にもぜひがんばってもらいたい。当面WhisperCoreの利用は続けてみようと思う。

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■ASUS Eee Pad TF101 Transformer 簡易レビュー2
 ちょっと間が空きましたがASUS Eee Pad TF101 Transformerのキーボードを装着した場合のレビューをしておこうと思います。Androidバージョンも3.1にアップデートされているのでその辺りも軽く触れておきます。TF101としてのメディアレビューでは個人的にはこちらのPCWatchのレビューが詳細でお勧めです。前回のレビューは以下になります。

ASUS Eee Pad TF101 Transformer 簡易レビュー1
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1224

■キーボードの感想
 Android3.0タブレットのリファレンス端末であるXOOMでなくTF101を購入したのは、何よりこのドッキング形式のバッテリー内蔵キーボードが存在するからでした。Android端末はBlueTooth経由でキーボードが使えるのですが、Android専用キーのついた一体設計や拡張バッテリーとして利用できるよう設計され長時間稼働を可能にする工夫など、TF101には通常のキーボードの組み合わせでは得られない魅力がありました。画面タッチで長文書くのはどうしても慣れなくて個人的にはそれなりの長さの文章書くならキーボードは外せない要素なのです。キーボードの品質自体は各所でレビューされているようにネットブックと同程度で、特別に秀でたところはないかと思います。ノートPCと変わらない一体感というのがポイントで、ASUSのUL20Aを持っていますがそれを使っているのとあまり変わらない感覚で利用できるというのが、なかなか面白い感じです。個人的にはAndroid専用キーである「戻る・ホーム・メニュー・検索」の各ボタンの位置が好みの配置で、方向キーも十分使いやすくできているところを非常に気に入っています。長文を入力するのも(日本語変換をATOKにすれば)とても快適に利用できます。実際出張の際に実験してみましたが、UbuntuのノートPCを使う際よりも長時間稼働してくれ、文書作成効率のいいATOKのおかげで長文テキスト作成もより快適に利用することができました。昼間出かけて外で少しネット、夜2〜3時間テキスト作成に使うという感じで4日間無充電で使えていました。それでもバッテリー警告が出るところまで行かなかったのでちょっとびっくりしてしまいました。

 以前タブレットで使う場合にはFSKARENは常用に堪えないと書きましたが、キーボード入力の場合には一転して評価は変わります。キー割当を含めて完全に動作するよう設計されているため、非常に快適に利用することができます。変換候補の表示も非常に高速で、キー入力に合わせて選択肢がリアルタイムに変わっていく様は気持ちいいくらいです。キーボードでATOKを利用することももちろん可能ですが、漢字キーやひらがなキーなどファンクション部分が機能しないため、必要に応じて画面タッチで操作せざるをえず快適さは大きくダウンしてしまいます。それでも日本語変換性能に限ればATOKの方が意図した候補が選出される確率が高く修正が少なくてすむため、長文を作成する場合には選択するメリットは十分あると感じました。

 キーボードの物理接続部分は比較的しっかりしていると思いますし、通常の取付け操作であまり不安はありません。カッチリはまっているのかと気になることもないわけではありませんが、不具合というほどのことではないと感じます。Android3.0だった際には時々スリープ状態から戻った時にキーボードが認識されていない(取り外して再度接続するまで使えない)ことがありましたが、3.1になってからはまだそうした問題は起きていません。

 キーボードを付けて約1.3kgというのは決して超軽量級というわけではありませんが、レスポンスや液晶品質の良さと稼働時間の長さ、そして価格を考えると非常にリーズナブルなマシンだと思います。アプリケーションが必要用途に足るのであれば、業務で利用しても素晴らしいコストパフォーマンスを発揮してくれると思います。

 ちなみに実際にsshでキーボードを使って気になったことがあった関連記事もあるのでこちらもどうぞ。

Android3.0タブレットで公開鍵を使ってssh
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1234

■Android3.1の感想
 更新されたAndroidバージョンは3.1、カーネルバージョン 2.6.36.3-00007-gd357ac7 android@Maple #1、ビルド番号 HMJ37.JP_epad-8.4.4.12-20110715でした。FSKAREN Ver1.4.5HAS01001へ更新されています。相変わらずFSKARENは標準で利用チェックが入っており外すことはできません。Android3.1でUI的な部分ですごく変わったと実感するようなところはあまりないのですが、問題だったFlashの動画再生も確かに改善されており、ニコニコ動画でもコマ落ち感はずいぶんマシになりました(なくなってはいない)。またギャラリーの動画再生についても改善は確認できました。ということでローカル及びDLNA動画再生について変化を確認してみます。

 例によってテストファイルを使って動画の再生試験をします。DLNAサーバはMacOSX上のPlayback1.7.8。再生アプリはローカル再生はギャラリーアプリから標準動画プレイヤー、DLNA再生はTF101標準で導入されているDLNAアプリ「MyNet」での再生となります。mp4は全てWebOptimizedなファイルです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

MicroSDでのローカル再生
 F,G,H,I,J,K,L,N,Oは再生可能。Mはコマ落ち激しい。
 Dは再生不可だが、Eは映像のみ再生可能。aviは全て不可。

DLNA再生
 F,G,H,I,J,K,L,N,Oは再生可能。Mは再生不可。
 Dは再生不可だが、Eは映像のみ再生可能。aviは全て不可。

 3.0であったボリューム関連の問題はなくなっていました。aviやmkvの再生ができないのは変わらず。特にmkvではMyNetがフリーズ状態になるケースがあり。wmvは再生できなかったものが再生できるように。しかも再生品質がとても高く見やすく感じました。mp4はほとんど再生できましたがフルHDでHPのものはコマ落ちあり。約4M/sのビットレートの問題?ともかく再生対象ファイルが増えたのは歓迎できます。aviやmkvはVPlayerなど当面は別アプリが必要ですね。

■まとめ
 個人的にはキーボードを付けたTF101は、使う用途次第でネットブックやCULVノートを凌駕してしまう存在だと感じます。価格とスペックのバランスはとても素晴らしいと思いますし、これからの出張には欠かさずお供に連れていくことになるだろうと思っています。しばらくMacbook Airを購入しようか悩んだ時期がありましたが、とりあえずこれがあれば不要かなと思えるくらい。ネットが使えて長文テキストが効率良く書ければいいので、本当に十分という感じです。WiMAXルータのWM3500Rとセットでとても活躍してくれています。3GのSIMスロットが付いてくれればb-mobileのSIM入れて使うというのも魅力的だと思います。WindowsやMacでこのアプリが動かないと困るという限定的な目的がある方は難しいと思いますが、ブラウザやTwitterなどのネットアプリをメインで使っている方で、キーボードが必要でノートPCを選択している場合には積極的にTF101を検討してみてもいいのではないかと思います。

 現時点でも国内発売されているAndroid3.xタブレット自体としてはXOOMがオススメなのは変わりませんが、上記のようなキーボードが重要な要素になる方にはTF101はとてもオススメできると思います。日本のアップデート提供はやや遅れ気味ですが、ASUS自体は非常に積極的にバージョンアップに取り組んでくれていますので、そういう観点からも安心して選択してもらえる製品ではないかと思います。

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