■IS01のbcc漏えいバグをIS03で検証する
 巷でauの対応が話題騒然となっているIS01のbcc漏えいバグ(docomoのSH-10Bにも有り)について、IS01は所有していないので実機検証することができないのだが、(au,docomoの両機種で発現していることから)SHARPカスタマイズのPCメールアプリバグであろうと推測し、IS03のPCメールでは問題がないかどうか念のため検証をしてみることにした。

 検証したIS03のビルドは01.00.01。IS01には簡単に言うと3種類のメール設定実装があり、ひとつはau独自のCメールとEメール(ezweb.ne.jpアドレスを利用)が使えるもの、ひとつはアカウント設定から追加可能なExchangeもしくはGoogle同期用メール、最後のひとつはPCメールアプリから設定するPOP/IMAP対応(Exchange設定も可)のメールとなっている。今回はgigazineで紹介されている記事と同様にYahooメールでbcc漏えいの確認をしてみた。また念のためSMTP通信の内容を確認できるよう手元のCommunigate Proサーバにて同様の実験をしてdumpした送信データの中にbccヘッダがないか確認を行った。利用したPCメールアプリのバージョンは7。

 検証結果
 1)Yahooメールでのbcc発露無し
 2)CommuniGate Pro上のdumpログのSMTP DATA部内にbccヘッダ記述無し

 少なくともIS03では同様の問題がないことは確認できた。IS03のPCアプリはバージョンが7とはなっているが、インターフェースを見る限りAndroid標準メールソフトをベースに「PCメール専用」っぽく見えるようにカスタマイズされただけのように見え、SHARPが独自実装したものではなさそうなので結果としては順当ということかもしれない。他所でも解説されたところがあったが、通常メールクライアントソフトはbccで送信する場合、bccヘッダというものをメールサーバに送信する必要はなく、宛先をRCPT TOとしてサーバに渡すだけで良い。メールヘッダとして「敢えて」bccをDATA内に記述するとなると、サーバ側でbccヘッダ行を削除する実装がない限りその内容はメールとして送信されてしまう可能性は高い。メールクライアントがbccヘッダを付けたメール情報をサーバに送信するのに正当な理由があるとすれば、自分が送信したメールの送信控えをサーバの送信済みメールボックスにIMAPやActiveSync等で書き込む時だけだと思われる。

 bcc漏えいについては古くからしばしばメールソフトの欠陥として話題になっており、検索してすぐに見つかるのは2004年のOutlook Express6の漏えい事件になる。この問題は現在でもMicrosoftのサポート情報で確認できる。当時利用者も多く当然のようにビジネスで利用されていたであろうMS製メーラの問題が発生条件含めて適切に情報開示がなされていたというのに、auやdocomoは何を持ってbcc漏えいバグの公表を行わないのか理解に苦しむ。利用者が送信を秘匿する目的で能動的にbcc利用しなければ発生しえない問題を公表することが、どのように第3者から悪用可能になるというのか想像力が足りないようで適当な事例が思いつかない。過去に送信していた利用者が問題を知って混乱を来すとか、bccヘッダ探しが始まって問題が顕在化してしまうことで結果的に利用者が困難な状況に置かれうる、ということを心配するならまだわかる。だが、これは本人が知ろうと知るまいと問題が発覚した以上公表を控える理由にはならない。むしろこの件を公表することでキャリア自身にクレームが大量に向けられる(特に悪意を持ってクレームされる)ことを恐れていると捕えられても仕方ないように思う。

 auがAndroidに本気で未来を賭けるつもりであるなら、今まさに信頼を獲得するチャンスであるはずなのだが、IS01の2.x系対応を「不可能」と言ってしまったり、不具合の隠蔽ともとれる対応をしてしまったりすることは、真逆の方向を向いており大変残念に思う。LYNXとIS01の関係性において実質的にauがdocomoのスケープゴートになってしまっていることも残念に思う。ユーザがAndroidスマートフォンに期待しているのは、OSの継続的なアップデートだけなく、その努力をする姿勢まで含めたものだと思う。海外ではソニエリがXperiaを2.2やマルチタッチに対応させようと努力する方向性を打ち出したり、HTCはスペックの劣る端末にも2.x系アップデートを提供したり、SAMSUNGは可能な限り最新のOSに対応させていくと表明したりと、企業の姿勢がとても強く打ち出されているのにも関わらず、端末メーカーの前に立って本気でAndroidをやるとしているauがこのような対応をしていたのでは、ますます世界との差が開いていくだけになってしまうのではないかと強く危惧する。折角Androidをマーケティング上重要戦略と位置づけてau復活を打ち出しているのだから、国内サービスを利用可能な端末を使うことが、インターネットを利用するには時代遅れで不適切な端末を使うことになってしまわないよう、何をもって顧客サービスとするのか、Androidマーケットにおいて在るべき姿は何か、ぜひとも信頼回復のため見直してもらいたいと思う。

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■docomo Galaxy Tab 内覧会版 レビュー
 内覧会レビューの最後です。こちらもFans:Fansが募集していた「docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-」に参加して試した端末になります。有楽町のスマートフォンラウンジでももちろん展示されていて、Galaxy Tabについては本体含めて異なるバージョンの展示となっていました。Galaxy Tabについては以下のCEATEC版も参考にどうぞ。今回は前回から差分を中心にレビューをしていきます。

 docomo Galaxy Tab CEATEC版レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/419

■ハードウェア
 CEATECの時は裏面を写真撮影しなかったのでどんなハードウェアバージョンだったのか今となってはわからないのですが、1ヶ月ほど前からラウンジで展示されているGalaxy Tabは実は開発版でモデルNo.が未記入且つ技適マークはシールで貼ってあるというなかなか興味深いものでした。今回の内覧会ではハード的には既に正規のdocomo版ロゴもしっかり入ったものになっていました。そのラウンジのバージョンですが、開発版なのはともかく1ヶ月間ラウンジで展示され多くの顧客に利用されテーブルや台座に置いたりなんだりされているにも関わらず、前面ディスプレイはもちろん、背面のプラカバー部にもほとんど目立ったキズがありません(さすがに無傷ではありません)。この実績は非常にキズに強いという印象を強くしてくれました。持ち運びするデバイスなのでキズに強いのは本当に安心できます。

 内覧会の冒頭、docomoの企画の方が挨拶された際にスーツの内ポケットからGalaxy Tabを取出しそのサイズの優位性をアピールされていましたが、改めてGalaxy Tabはコンパクトであることを認識するとともに、いくらGalaxy Tabとはいえそこそこ重さはあるので生地のしっかりしたスーツでないとあの重さは支えられないよなぁ、とヘンなところに感心をしてしまいました。

■ソフトウェア
 Androidバージョンは2.2のままで2.2.1にはなっていません。内覧会のバージョンはベースバンドバージョンSC01COMJI6、ビルド番号FROYO.OMJI6、ラウンジはベースバンドSC01COMJJE、ビルド番号FROYO.OMJJE、カーネルバージョンはどちらも 2.6.32.9 root@sep-56 #1 でした。内覧会でこれがリリース版ですかと質問したところ、あともう1回アップデートする予定ということでした。UK版が9月にP1000XXJID、10月にP1000XWJJ7と来て、11月でP1000XWJK1となっていることから、おそらく日本版もSC01COMJKxというバージョンでのリリースになると推測できますね。

 操作も非常に快適で、基本的に大きく変更になっているところはなさそうですが、これはなに?って思った項目があったので質問してみました。無線とネットワークメニューにある「サーバーと同期」という項目です。開くと同期プロフィールを追加という項目があり、追加の操作をすると「プロフィール名、同期アイテム、同期方法、同期サーバー」の入力を求められます。同期できる項目は電話帳、予定、メモの3つです。Exchange同期はアカウントから設定できるし、なぜこれらの項目だけが独立してこのメニューの下にあるのか不思議に思ったので確認すると、やはりこれはExchangeサーバとの同期設定だと言うこと。アカウントで複数設定もできるのに、なぜ別に設定があるのか食い下がって質問したのですが、こちらの質問がヘタだったのか、こちらが仕組みの理解不足なのか、回答が意図と合わないので途中であきらめてしまいました。うーん…。

 Galaxy TabにもDLNA機能があるのですが、AllShareというアプリで実現されていました。こちらはT-01Cと異なり1つのアプリでクライアントとサーバの両方の機能を持っています。WiFi接続でのみ利用可能なようで、内覧会会場では起動すらできませんでした。調べてみると本体をDNLAサーバにして、Plexをクライアント(メディアレンダラー)として再生が出来た事例があるようです。クライアントしてAllShareでDLNA再生するためにはサーバ側で決まったパスにコンテンツがあることが必要条件になっているようで、AllShareの画面を見る限り固定のフォルダ表示のようなので、そもそもAllShareサーバとAllShareクライアントでの相互接続を想定しているのかもしれません。このヘンはもう少し柔軟だと嬉しいなぁと思いました。

 また、話題のテレビ出力機能についてもまだメニューにはありましたが、最終的にリリース版で残るかどうかはわからないということでした。ラウンジのバージョンでもメニューはありましたので、ぜひ有効のまま残して欲しいですね。

■まとめ
 何度見てもGalaxy Tabはちょうどいいサイズの素晴らしいタブレットだと思います。もう少し軽量だとなおいいのですが、稼働時間との引き換えになりそうなので我慢します。プリインストールアプリケーションの面白みには欠けますが、むしろ余計なものがないということでポジティブに考えましょう。英国で先行して発売され、国内にもボチボチ輸入事例があるようですが、国内ももうすぐ発売とということで、もう少し盛り上がると嬉しい…のですが…こちらも期待ほどは盛り上がってくれていないようです。価格が最大のポイントですが、できれば一括6万くらいになるといいなと思います。なにはともあれ、正式な発売を楽しみに待ちたいと思います。

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■docomo L-04C 内覧会版 レビュー
 内覧会レビューの3つめです。こちらもFans:Fansが募集していた「docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-」に参加して試した端末になります。正式名称は「Optimus chat L-04C」。名前からもチャット等メッセージングコミュニケーション重視の製品です。有楽町のスマートフォンラウンジでも展示されていて、L-04Cについては同じバージョンの展示となっていました。今回発表された機種の中では残念ながらそれほど注目されていないようで、内覧会でもあまり人が集まっておらずやや寂しい感じでしたが、個人的にはとても使いやすく評価できる端末だと思いました。グローバルモデルということで国内独自サービス対応はありませんが、ぜひとも手に取って試していただきたい端末だと思うので、そういう思いを込めてレビューしていきます。

■ハードウェア
 廉価機として発売されるためのラインナップでもあり、軽量コンパクトで液晶も小さく外装もちょっと安い感じのシルバーでまとめられています。丸っこい外装は手に握ってちょうどいいラウンドになっていて、なんとなく安心感があります。最大の特徴はなんと言っても国内初のキーボード付きAndroid携帯という点でしょう。コンパクトサイズなのでキーボードが使いにくいのではないかと思ったのですが、予想は良い方向に裏切られました。

 初代W-ZERO3、EM-ONE、Advanced/W-ZERO3[es]とキーボード付きWM端末を使ってきた経験から実はあまり期待していなかったのが良かったのかもしれません。Androidとキーボードがこれほどうまくマッチングするとは正直意外でした。キーは決して大きくなく取り立てて素晴らしいハードウェアというわけではありません。長期間使った時の耐久性には若干の不安はあります。しかし、実際に入力をしてみると実にスムーズに使えることに気付くと思います。その理由はAndroid特有の「戻る、メニュー、ホーム」の各キーが、本体前面ディスプレイ下だけでなく、キーボード最下段左端に3つ仲良く独立キーで並んでいること、かつカーソルキーが右下段に存在すること、これらのおかげでキーボードから手を離さないままほぼ全ての操作が可能になっているからです。

 上記の3つのWM端末を使ったことがある方だとすぐにピンと来てくれると思いますが、WM端末の多くはディスプレイ側のキーを使ったり、そうでなくともFnキーとの同時押しでメニューキーなどを代替する実装が多く、キーボード操作の連続性がしばしば阻害されることがありました。しかしL-04CではAndroidのほぼ全ての通常操作に必要なキーが揃っており、キーボードに集中できるのです。そのため、小さめのキーには慣れは必要なものの、操作自体に集中できるため、すぐにキーボードで思い通りの操作をすることができるようになります。また、一番使用頻度の多い戻るキーが一番左端にあり使いやすいのも非常にポイントが高いところです。

 スライドのギミックもしっかり出来ており、ガタツキや壊れそうな不安感というものはほとんど感じませんでした。スライド感触も悪くなく、本体のラウンド形状のおかげかホールド感にも不安はありません。本当に気軽に利用できる印象です。

 液晶ディスプレイは3.2インチハーフVGA(320×480)ということで、ドット感もあり決して品質の高いディスプレイとは言えませんが、独自のホーム画面やメニューを用意することで使い勝手を向上させています。この独自ホームにも若干の不安があったのですが、液晶サイズにマッチしていて操作性もAndroid2.2だけあってフリック等の操作も非常に快適で、こちらも良い方向で裏切られました。日本の携帯メニュー画面を模したアイコン選択画面は確かに初心者にわかりやすく、画面の小ささをうまくカバーしていると思います。LGの担当者の方もメニューには力が入っているとのことでしたが、本当にがんばった成果がうまく出ていると感じました。

 液晶下の操作ボタン類はAndroid端末には珍しく2段構成になっています。液晶下上段はタッチ式で左から「メニュー、戻る、検索」、下段はボタン式で本体が丸くカーブしているところにあり左から「通話、ホーム、電源」となっています。こちらもSH-03Cと同じように電源が本体正面にあるのですが、戻るキーとは列が別で且つ角度も異なる位置にあるので押しミスは起きないですし、横にあるホームキーは物理的に異なる形状且つホームキーの方が少し出ていることで、こちらもミスしにくいうまいハード設計になっていると思います。

■ソフトウェア
 グローバルモデルだけあって当然のようにAndroid2.2を搭載しています。ビルド番号はFRF91、カーネルバージョンは2.6.32.9 lg-electronics@lge-android #1、ソフトウェアバージョンがL-04C-v08c_NOV_01_2010となっていました。設定メニューにもいくらか独自の修正が入っているようで、当然のようにテザリングメニューはなし、代わりに「On-Screen Phone設定」が追加されています。On-Screen PhoneはPC画面上でAndroid携帯を操作できる機能ですが、内覧会会場ではデモはしていませんでした。ネットワークサービスメニューには「簡単メッセージ」という機能があり、「今電話出来ません/すぐに連絡します/すみません、今会議中です/すみません、今手が離せません/SMSを送ってください」という定型文をメッセージできる機能が用意されていました。日本語入力はiWnnが標準搭載されています。Shimejiなど他の日本語入力プログラムも導入は可能だと思いますが、キーボードがフルに利用できるのか聞くのを忘れてしまいました。

 メニューの中で気になったのが「SDカードと端末容量の設定」というところで、端末内部メモリが空き容量 616MBになっていたことです。ここが小さい端末が多い中で、システム標準状態とは言え616MBは非常に大きな値であり、ちょっとびっくりしてしまいました。SDカードは当然別途利用可能なのですが、内部メモリが大きいというのは嬉しいですね。

 設定メニュー内に独自部分は意外と少なく、後はハードウェアキーボードの設定があるのとDivXの登録情報があるくらいで、比較的Android2.2標準構成に近いものとなっています。

 アプリで気になったのはソフトウェアアップデートのアイコンが用意されていること、ThinkFreeOfficeが用意されていることくらいでしょうか。ThinkFreeOfficeは大変便利なアプリだとは思いますが、ディスプレイサイズがサイズだけに、緊急時にやろうと思えば見られるくらいに考えておくのがいいと思います。

こちらのブラウザのUser-Agnetヘッダは以下にようになっていました。
ヘッダを見る限り2.2のアップデートがされているようですね。
[code]User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.2-update1; en-us; L-04C; Build/Froyo) AppleWebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17[/code]

■まとめ
 2時間の内覧会の後半になるとL-04Cブースにはほとんど人がいなくなり担当者さんらがポツンと寂しそうになっていました。おかげでLGの方々とじっくりお話をすることができ、日本市場とAndroidにとても力を入れていることを実感することができました。端末デザインのLGというアピールをしてらしたのですが、Optimusシリーズもがんばっているのはわかりますが、現時点ではSAMSUNGの方が上だと思いますので、そこはもうちょっとがんばりましょうw

 確かに国内独自サービスはないけれど、IS06同様グローバルモデルの方がAndroid端末として実質で良い点が非常に多くあると思うのですが、評価されないことが残念でなりません。少なくともタッチ操作だけでは不安という方や、まずは安くAndroidを始めてみたいという方、W-ZERO3みたいな端末が欲しかったという方などにはオススメですので、ぜひラウンジや量販店等でL-04Cを触れる機会ができたら試してみて欲しいと思います。相当安い価格で販売されるようでLGの方も「すごい安いですよ!」と強くアピールされていました。「安い=使えない」ではないことを実感できると思います。見た目安い印象はしかたありません、実利で勝負できる端末だと思います。

 最後にひとつ注意事項があります。キーボード付きということでTerminalプログラムを使う端末としての利用を検討されている方々に残念なお知らせです。LGの方に質問してがく然としたのですが、現時点でこの端末からCtrlキーとESCキーを利用する操作はできないそうです…。入力する方法がありません…。ですのでviとか使えませんorz
 LGの方には強く強く要望しておきました…が、対応できるかどうかもわかりません…。なんて残念なんだ…。キーコンビネーションでの入力でいいから、いつかファームアップで対応して欲しいと切に願います。

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■docomo T-01C 内覧会版 レビュー
 こちらもFans:Fansが募集していた「docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-」に参加して試した端末になります。有楽町のスマートフォンラウンジでも展示されていて、T-01Cについてはほぼ同じバージョンの展示となっていました。auのIS04の兄弟機と言っていいと思いますが、IS04はまだレビューしたことがなく、実際に始めて触る東芝のAndroid携帯になりますので、こちらは少し長めにレビューを書いて行こうと思います。

■ハードウェア
 4インチスクリーンを搭載したやや縦長の印象がある機体ですが、厚みをそれほど感じないことと、重さも他機種よりは重いもののバランスがいいのかそれほど重いという印象はありませんでした。むしろ防水というスマートフォンには貴重なアドバンテージが、しっかりしたハードウェアであるという印象を与えてくれます。防水ということで下面中央にあるUSB電源部のフタが大きく、外部バッテリー利用でのUSB接続時に結構目立ってしまうのは仕方ありませんが、フタの劣化の心配の少ないよう、専用充電端子が本体左側面にあるのがとても嬉しい仕様です。最近のスマートフォンはUSB充電だけのものが多く、専用クレードルなども減りつつあるところに、T-01Cは(ワンセグの面からも)クレードルが利用可能になっていて、日本のケータイユーザには馴染みやすい使い方ができるところは素晴らしいと思います。

 液晶の発色は明瞭で、REGZAエンジンの効果は正直よくわかりませんが(いろんなコンテンツを比較したらわかるのかも…)、輝度も高く十分な品質だと思います。そのかなり大きな液晶の下に3つの物理ボタンがあり、左からメニュー、ホーム、戻るボタンとなっています。ボタン自体の操作感はしっかり押せていい感じなのですが、Xperiaほどではないにしろかなり下に位置するため、片手ホールドで操作しようとすると、手の小さな方だと微妙に操作しずらいのではないかと思いました。また電源ボタンが本体右側面中央やや下にあり、ボタンが小さいためちょっと使いにくいと感じました。通常はクレードルで横置きが前提なので、アンテナ配置と合わせてこの位置になっているようですが、縦持ちの時には非常に微妙な位置だと思います。同じ場所にボリュームキーもあるのですが、こちらも小さく使い勝手は微妙…。本体が大きめな分、側面ボタンの小ささが気になってしまいます。カメラについては他所でいろいろレビューが出ると思いますので、ここでは取り上げません。

 起動時間については以下のような感じです。
 電源オン→着信ランプ消灯→1秒→着信ランプ点灯赤→1秒→
 着信ランプ点灯緑→5秒→防水警告→2秒→REGZAロゴ→7秒→
 docomoロゴ→13秒→ロック画面(約30秒)

 起動は非常に速いと思います。最初画面が一切変化せず、着信ランプでの状況変化しかないので、電源投入ちゃんとできているか心配な感じですが、一旦ロゴが出た後はすぐにロック画面になるように感じます。この辺は東芝だけに白芝という代名詞を持つ高速SDHCカードのように、高速な読み出しを可能にするフラッシュメモリ技術が遺憾なく発揮されているのではないかと思います。

■ソフトウェア(OS
 内覧会でもラウンジでもおよそ同じバージョンでした。Android2.1-update1。カーネルバージョン 2.6.29-rel tsb-android@toshiba #2、ビルド番号 TER018。ベースバンドバージョンが若干違ってラウンジは5011.1906.29、内覧会は5011.1906.27でした。ベースバンドの差は含まれるアプリケーション構成などの差だそうで、最終リリース版は末尾33くらいになるだろうとのことでした。T-01Cはチューニング等は終わりもうほぼ完成状態で、最後にアプリ等の調整をするだけと説明されたので、ラウンジの展示機でもほぼリリース版の操作感を確認することができるということになります。

 そのチューニング済みとされるT-01Cのホーム画面の操作感ですが、フリックの追従はやや遅く少し残念な印象です。使い勝手に重きを置いているようで、画面最下部左のアイコンでマイパレットを呼び出し、ホーム画面にあるウィジェットに簡単にアクセスできるようになっていたり、最初からホームが7面も用意されていたりと、画面印象を大きく変えずに工夫をしている点はいいのですが、レスポンスはもうちょっとなんとかして欲しかったところです。また、東芝製ホーム以外にAndroid標準のLauncherとの切替えを可能にするアプリも用意されているのですが、切り替えてもフリックの追従具合はあまり変わらないため、もうちょっとチューニングの余地があるように感じました…。

 設定メニューの中では東芝独自項目として「マルチメディア設定」があり、ここで「REGZA設定」として高画質化エンジンの使用のON/OFFが出来たり、日本語入力エンジンとしてATOKが採用されているので、「言語とキーボードの設定」からATOKの設定が可能になっています。あとは面白いなと思ったのが、電源オフの時の選択肢が「マナーモード、公共モード、機内モード、電源を切る」となっていて、「公共」を意識した日本らしいカスタマイズが好印象でした。

■ソフトウェア(アプリ)
 T-01Cでアプリ面で最も特徴的なのはATOKによる日本語入力もさることながら、個人的にはDLNAクライアント/サーバが個別アプリで導入されていることだと思っています。DLNAクライアントとしてはデジオン社のDiXiM for Androidのクライアント製品であるDiXiM Playerが、サーバとしてはDiXiM Serverが導入されています。DiXiM for Androidは今回T-01Cが初搭載だそうで、いずれマーケット経由で他のAndroid端末にも導入できるようになるのではないかと言うことでした。

 ブースの説明員の方もDiXiM Playerの詳細な再生可能フォーマットについてはわからないということでしたが、DTCP-IPに対応しているので最近のREGZAテレビ(Z7000等)で録画した番組はDLNA経由で見られるようです。DiXiM Playerはコントローラにもなるので、ネットワーク内のDLNAサーバを検索して、DLNAレンダラー(TVなど)を指定して再生をさせることが可能です。DiXiM Serverもクリックして起動チェックを入れるだけで簡単に起動することができるので、サーバを起動して自端末内のコンテンツをREGZAテレビで再生するというような使い方も可能になっています。日本語のパスやファイル名をサポートしているかどうかはわからないということでした。

【12/22追記】
 T-01CのDLNAアプリはDTCP-IP非対応のようです。内覧会場でDLNAに関して質問したいんですけど、とお願いして担当してくれた説明員さん(たしか東芝の名札を付けていたように記憶していますが…)から聞いたのですが、またガセ情報になってしまいました。自宅でZ7000を使っているので一番に確認したかったことだったため、少なくとも聞き間違いとかはしていないと思います…。ガセを流してすいません。

 他のアプリはあまり試さなかったのですが、ワンセグでなく「テレビ」というアイコンがあったり、REGZAとの連携を意識した作りになっているというのはいろいろな面で感じます。せっかく赤外線があるのにTVリモコンにはならないのですか?と聞いたところ、現在アプリ開発中とのこと。T-01Cのリリースには間に合わず、おそらくマーケットからのダウンロードになるのではないかということでした。T-01Cは背面カメラ横に赤外線ポートがあるので、リモコンとしては使いにくそうですが、DLNAプレイヤーとの連携で音量操作も手元で出来れば、これはよいアドバンテージになるので、ぜひリリースして欲しいと思いました。

こちらのブラウザのUser-Agentヘッダは以下のようでした。
[code]User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.1-update1; ja-jp; T-01C Build/TER018) AppleWebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17[/code]

■まとめ
 T-01Cの印象はやはり防水を前面に出したしっかりしたハードウェアという部分が強いのですが、正直なところdynabook AZとFolio 100のレビュー前例がある通り、東芝製Android端末についてはソフトウェア部分(特にデバイスドライバ)にトラウマのような不安感があり、ホーム画面のチューニング精度を見ても十分とは思えず、その不安感は払拭されることはありませんでした。リリース後十分な期間を置いて各所評価を吟味した上で、初めて購入検討の俎上に載るという感じでしょうか。初めてAndroid端末を購入する方には現時点で個人的にはお勧めできません…。自宅がREGZAシリーズで揃えられていて、DLNA等の特徴的な機能を十分活かせる方ならよい選択肢になることは否定できないと思うのですが…。機能的には魅力があるので、早期のAndroid2.2化や継続的なアップデートを実施することで信頼度を高めてくれることを期待したいと思います。

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■docomo SH-03C 内覧会版 レビュー
 抽選モノにはめったに当選したことがないのですが、Fans:Fansが募集していた「docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-」に応募したら当選することができたので、いそいそと参加してdocomoのAndroidスマートフォンを触ってきました。約2時間の間でしたが開発者を含めた各製品関係者からいろいろとお話を伺うことができたので、楽しい時間となりました。有楽町のスマートフォンラウンジでも既に各種製品が展示されていたので、両方合わせた情報をレビューとして書いていこうと思います。ちなみにイベントは以下のページで募集されていたものです。

 11月13日(土)開催★100名様特別ご招待!
 docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-
 http://fansfans.jp/campaigns/detail/103
 今回のイベント参加者の記事が以下で読めるようです
 http://review.fansfans.jp/campaigns/review/103/review_252_0.html

 まずはauのIS03,SoftBankの003SHと並び評価されざるを得ないSHARP SH-03Cからになります。Felicaやワンセグ等の国内独自サービスや3D液晶搭載且つ同時期に発売ということで、どうしても比較されてしまうわけですが、スペック的なものは他所でも散々比較されていると思うので、あまり他のレビューではなさそうなことを書くようにしたいと思います。

■ハードウェア
 IS03に近い印象です。と書くと身も蓋もないのですが、003SHと比較するとやはりIS03に近い外形と持ち具合です。スクリーン自体はIS03よりやや大きく003SHと同じ3D液晶なのですが、製品の全体印象は他の2つよりもやや安っぽい印象です…。おそらく前面パネルの透明感ある加工が周辺部でプラスチッキーな感じになってしまっていることが原因だと思います。ハードキーが前面下部に4つ並んでいるのですが、左からメニュー、ホーム、戻る、電源キーとなっており、なんと電源キーが前面になっています。ブースの方の説明では。「通常の携帯電話は側面に電源がないのでこちらの方がわかりやすい」ということでしたが、使用頻度の多いであろう戻るキーの真横は、操作ミスで画面を暗転してしまう可能性が高くなり、使用上の不安が少しあります。多少強めに押さないと反応しないようですが、機体によってはなかなか電源が入らないというくらい鈍くなっていて(ラウンジの機体がそうでした)、正直ボタン部分は微妙な印象です。

 左サイド中央やや上にUSB電源…これもIS03と同様に外部バッテリーをつないで使おうとするとやや微妙…。右サイド中央やや下にボリュームキーとカメラボタンなどが配置されているのですが、これも位置的にはちょっと下過ぎるのではないかと思いました。ブラウザ等をボリュームキーでスクロールする時など少し操作しずらい位置のような気がします。

 起動時間はラウンジの端末で測定し以下のような感じです。
 電源オン→?秒→docomoロゴ→16秒→LYNX 3D アニメロゴ→13秒
 →PINロック画面(合計約30秒?)

電源ボタンの反応がよくわからないため、どこで入ったのかよくわかりませんでした…。おそらく反応したら2秒くらいのような気がしますが、押していた時間は10秒くらい、あれ?あれ?という感じに迷って力の入れ加減を変えていました。なんとなくすっきりしません…。ラウンジではPINロックがかけられているので、再起動時には説明員の方にロック解除を依頼する必要がありますので、ご注意ください。

■ソフトウェア(OS)
 当然Android2.1-update1なのですが、内覧会とラウンジでビルド番号とカーネルバージョンが違っていました。内覧会のビルド番号はDA273.00.01.04、ラウンジはPA275.00.01.05。カーネルバージョンは内覧会が2.6.29-pref build@sharp #2、ラウンジが2.6.29-pref build@Sharp #4でした。ベースバンドバージョンはどちらも1.00です。ブースの方の説明ではラウンジの方がちょっと新しいということでした。この辺がリリース版ですかと質問すると「まだまだ調整が入ります」と即答されていたので、開発が続いていることがわかります。

 設定メニューの構成はほぼIS03/003SHと同じでした。実質的には外形デザインと液晶部分が差異になっていて、基本的なところはほぼ共通と見ていいのかもしれません。ホーム画面のデザインもややカスタマズが入っていますが、左にアプリ一覧、右にタスク管理のアイコンが来る構成は似ています。docomo版のホームもレスポンスはイマイチで、ADW.Launcherをインストールさせてもらって試したのですが、ADW.Launcherを使う方が圧倒的に追従性も応答性も高くなっていいと思いました。SH-03Cを購入される方はまずはホームアプリを変更することをお勧めします。

■ソフトウェア(アプリ)
 こちらもIS03/003SHと共通のアプリが多かったです。開発コスト考えると妥当なのですが、比較する観点からはあまり面白みがないというか…。もちろんdocomoのサービスに紐付いたアプリ類はありますので、全てが同じということではありません。SH-03Cで一番驚いたのは「内蔵3D」というアプリで3D液晶用のデモ動画がインストールされているのですが、それに初音ミクのDIVA動画がプリインストールされていること、その動画類は内蔵ROMに収められていて削除も入れ替えもユーザはできないというものでした。デモ動画なのに貴重な内蔵ストレージを消費して、しかも削除できないとか…。3Dコンテンツを楽しめるようにデモをプリインストールというのはわかりますが、削除させないってどういう意味があるのでしょう…。003SHにも3D動画がプリインストールされるようですが、同じようになっているのでしょうか。

 SH-03Cはアプリ等をユーザがインストールした際には全てSDカード側にインストールされるということでした。そのためSDカード選びは結構動作速度のポイントになりそうです。その時はふむふむと聞いていたのですが、SDカード交換したら動作どうなっちゃうんでしょう…。こちらはラウンジにまた寄ることがあったら確認してみたいと思います。アプリがコピーで移植できるなら、他人のSDカードにコピーすることもできてしまいそうな気もします。少なくとも設定などは移せそうですし、いろいろなことが起きそうな予感が…。何かしら対策はされているのか気になりますね。

こちらのブラウザのUser-Agentヘッダは以下のようなものでした。
[code]User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.1-update1; ja-jp; SH-03C Build/PA275) Apple WebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17[/code]

■まとめ
 正直光るものは感じませんでした。SHARP3機種のうち発表順が最後になってしまったこともありますが、先行2社からのいいとこ取りにもなっていませんし、厳しいようですがdocomoの回線であることが必要でない限り積極的に選ぶ理由は見つかりません。Lバッテリーと対応カバーをすぐに発売して差別化をした方がいいのではないかと思いました。もちろんハードウェアの品質が低いということはありませんし、先行2社の同系機がなければ十分魅力のある内容になっていると思います。発売タイミングが残念という感じでしょうか。

 IS03の改善の例を見るとSHARPの開発の方々が非常に努力を続けていらっしゃることがわかります。SH-03CもAndroidのバージョンアップを含めてもちろんどんどん改善されていくと思いますので、正式なリリースまでに標準ホームの基本動作の見直しと、docomoのマーケティングのなんらかの対策を期待したいと思います。

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docomo Galaxy Tab CEATEC版レビュー 【10/10追記】

■docomo Galaxy Tab レビュー
 引き続きGalaxy Tabのレビューを書いていきます。個人的にはGalaxy Sよりもこちらの注目度が高かったので、何度か間をおいて違う個体の展示機を使ってじっくりと試してみました。説明員の方はSにもTabにも精通されているようで、どちらの内容もしっかりと応対してくださっており、Galaxyシリーズの発売に向けてよい体制ができていることを期待させてくれます。競合機種の研究にも余念がないようで、真剣なまなざしでIS03を操作しているDocomo説明員(服装そのままだったのですぐにわかりました)の方をSHARPブースでお見かけして、その真剣さに少し感動してしまいました。

 既に国内でもいくつか輸入販売されている低価格のAndroidタブレット製品(aPadとかoPadとか)はありますが、どれも正直iPadを脅かすような存在にはなりえない品質と言わざるを得ませんでした。液晶の質は低く感圧式タッチパネルの操作感も悪く、iPadの軽快かつ快適な操作感覚とは次元が違うものばかりでした。7インチの軽量タブレット自体はサイズ的には日本人の日常ユースにはiPadよりも適していると個人的に思うのですが、その期待に応える完成度の製品はなかなか出てこない。そんながっかり感を完全に払拭してくれるのがGalaxy Tabです。

■ハードウェア
 国際版とほぼ同じ7インチ軽量コンパクトなサイズで、明るく高品質な液晶画面に応答性の高い静電容量式タッチパネルは期待通りの出来栄えでした。7インチでありながら一般的な800×480ではなく1024×600という解像度を採用したことで、液晶のドッドが悪目立ちせず非常に見やすい表示になっていることがとても好感触でした。800×480はスマートフォンの4インチ程度までのサイズであれば精細感があるのですが、7インチになるとドットが目立って返って目が疲れる印象があります。もちろん慣れれば800×480でも問題はないでしょうが、Galaxy Tabの液晶はドットを意識しない非常にスムーズに受け入れられる表示品質と感じられました。液晶自体もナナメ方向から見た表示に強く、iPadのIPS液晶に劣らない印象でした。タッチパネルの追従性も高くiPadと互角、むしろGalaxy Tabのフリック操作の方がAndroid2.2の性能と相まって快適な気さえします。

 カメラやボタン類はどれも快適に利用可能で、特に反応が悪いとか使いにくいということはありませんでした。カメラの画像も最大解像度は2048×1536、連射やパノラマ、スマイル撮影など機能的にも充実しており、実機で見る限り画像の品質も悪くはありませんでした。

 起動時間は以下のような感じです。
 電源オン→2秒→docomoロゴ→2秒→Galaxy Tabロゴ→5秒→SAMSUNGロゴアニメ→4秒
 →ローディング→14秒→ロック画面(合計約34秒)
 ロック画面解除後もメディアスキャンが短くすぐに動作可能なので待たされ感は少ないです。

 展示機はドックと一緒に展示されていたのですが、購入時にドックは付属せずオプションとなるそうです。通常は充電ケーブル、ACアダプタ、イヤフォンマイクの3つが付属となるそうです。日本では通話ができないのではないかと心配されましたが、付属にイヤフォンマイクが付く通り、通話は可能で付属品を使うかスピーカフォンとして使うかBlueTooth経由でヘッドセットでの通話になるということでした。Galaxy Tabの場合、音声なしで使うケースもあると思うので、データのみプランやWiFiのみプランなどのバリエーションを期待したいところですが、その辺りの内容については現在は未公表ということのようです。

【10/10追記】会場の説明員の方からはイヤフォンマイクが付くと確かに伺ったのですが、公式ページには別売りとなっているようです。
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/smart_phone/sc01c/index.html

■ソフトウェア(OS)
 Galaxy Sとほぼ同じ印象です(Galaxy Sについてはこちらをご参照ください)。ハッキリと見やすいアイコンは好印象です。画面が大きくなった分フォントもはっきり読めるのですが、標準ではやや固い印象のフォント(ゴシック系)なので、個人的には丸ゴシック系にしてほしいなぁと思いました。小さい画面では気にならなかったのですが、7インチだとフォントの印象はかなり強いので、重要な要素だなと思います。
 展示機のAndroidバージョンは2.2、カーネル 2.6.32.9 root@sep-40#1、ビルド番号 FROYO.OMJI6ということなので、ほぼ中身もGalaxy Sと共通化されているのではないかと推測されます。となると心配されたプチフリもS同様、Android2.2を採用して最新になっていることで発生はしない…ことを期待したいと思います。

■ソフトウェア(アプリ)
 Galaxy Sと同じくDocomo版ではアカウントと同期の設定で「facebook」「MySpace」「twitter」「mixi」「docomo」が追加されています。Exchange同期やリモートワイプももちろん対応ということで、本当に大きなサイズのGalaxy Sという感じです。ただし画面が大きいことで、ThinkFreeOfficeなどオフィスドキュメントの閲覧や編集に大きな違いが生じます。7インチサイズで使うThinkFreeOfficeは表示領域としては広いとは言えないものの、それなりに十分な情報量となります。キーボードもキーの大きさが少し大きめに表示されることで誤入力のリスクが減らせるので、慣れればそこそこ快適と感じられるのではないかと思いました。

■まとめ
 実はGalaxy Tabは実機を触ってすぐに気に入ってしまったので、いろんなアプリを試してみるということよりも、説明員の方とお話する方に夢中になってしまい、後から気付いたらあまり写真や動画を撮影していませんでした。現在iPadやE7001を所有して日常で使っていますが、Galaxy Tabは購入をすぐに決意するくらいよい製品だと思います。自宅内ではiPad、寝室や外出時の持ち出しはGalaxy Tabを使うイメージが明確に出来ています。ひょっとするとiPadの利用頻度は大きく下がるかもしれません。当初はSIMフリーの海外版という選択肢も考慮していたのですが、保証面(バッテリーの保守交換など)や価格も考慮するなら、最終的にはプラン内容によるものの、国内版を選択する意味は十分あるのではないかと思いました。本体バッテリーの長時間稼働特性を活かして、BlueToothヘッドセットとソニエリから発売予定のLiveViewと組み合わせれば、メインとしても十分活用可能ではないかと、今からワクワクしています。

 おそらく本当の意味でiPadのライバルになる初のAndroidタブレット製品だと思います。ビジネス用途においてはソフトウェアの運用性を考えるとiPadよりもよい選択肢になる可能性は高いので、法人需要が喚起されるかもしれません。個人的にはこの製品が日本国内のAndroidのブレイクスルーを起こす可能性が高いと思っています。セキュリティや製品継続性などいろいろ課題は多いと思うものの、今後の展開が非常に楽しみな製品です。願わくば戦略的プランが設定されることを…。

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docomo Galaxy S CEATEC版レビュー

■docomo Galaxy S CEATEC版レビュー
 本日CEATECで発表されたGalaxy Sも当然のようにじっくり触って来ましたので、こちらもレビューします。ちょうど発表時間の最中にDocomoブースに着いたので巨大なステージパネルで発表会見を見ることができました。FAQが終わって中継が終了、ステージでコンパニオンが実機を華やかに紹介した後に、Galaxy SとGalaxy Tabの展示コーナーの黒幕が取り払われ、他コーナーも含め各15台程度の実機が試せるようになりました。ここではGalaxy Sのレビューを紹介し、Galaxy Tabは別途記事にしたいと思います。

■ハードウェア
 国際版の発売が先行し、Docomoがそれにどこまで手を入れてくるのか期待と不安の混じった中での発表でしたが、基本的に引算のみのやや残念な改修となりました。Docomoの説明員の方に伺ったところ、ハード的にはワンセグやFMラジオ等の機能を削った代わりにSPモード用の部品が僅かに追加されたくらいで大きな変更はないとのことでした。気持ち薄め幅広な印象の本体は手の小さい方にはちょっと使いにくいかもしれません。ディスプレイが大きいのでやむを得ないですね。
 やはり一番のセールスポイントはディスプレイのようで、展示機はほぼ全て輝度を最大にして展示してあり、画面の大きさ美しさを強調していました。実際NexusOneの輝度最大と比較してもワンランク明るく明瞭な表示は、確かに最良のディスプレイと評価してよいと思います。タッチパネルの反応もよくAndroid2.2とマッチして非常に快適な操作感覚が味わえます。

 電源となるUSBケーブル口は本体上部になるため外部バッテリーを利用しても操作等の邪魔にはなりませんが、挿し込んでいる様はちょっとかっこわるいかも…。本体はどうもかなり熱くなるようで、ディスプレイの輝度最大なこともあってか、午後に再度触った展示機では本体の熱のためカメラが起動できないエラーに見舞われていて、カメラの確認をするために電源オフにして送風冷却しなければいけませんでした。

■ソフトウェア(OS)
 初期の予想をいい意味で裏切り、Galaxy Sとしては世界初、日本国内のAndroid携帯として初、Android2.2を標準採用して発売されることになりました。展示機の実際の表示はAndroidのバージョンは2.2、カーネル 2.6.32.9 root@sep-40#1、ビルド番号 FROYO.OMJI9a でした。マーケットもDocomoマーケットとGoogleマーケットの両方が利用可能なので安心です。

 非常に気になる国際版でのプチフリが、今回の製品でどうなっているかですが、説明員の方にがっつり聞いてみました。説明員の方はプチフリという単語では認識していなかったのですが、国際版で話題になった「日本語入力などの操作時に1秒程度止まってしまう現象」と伝えたところピンと来てくれたらしく、「Android2.2での発売にこだわったのは理由があります。そのような現象は発生しませんよ。」と自信あり気に返答してくださいました。その方は結構使い込んだ上で経験的に発生しなかったと確認されたそうで、システム的に改善された根拠については詳しく伺うことができませんでした。ただ実使用上問題ないレベルに改善されている可能性はありそうなので、不安要素は減ったと思っていいのかもしれません。

■ソフトウェア(アプリ)
 Docomo版の改修で面白かったのは、アカウントと同期の設定で「facebook」「MySpace」「twitter」「mixi」「docomo」が追加されていたこと。SNSなどのコミュニケーション関連が強化されていることでDocomoがスマートフォンをどう使って欲しいかという狙いが見えてきます。ビジネス向けの観点でもExchange連携はかなりテストをされたようで、ちゃんとリモートワイプができる(XperiaではMoxierデータのみ消去)点を強くアピールされていました。パーソナルもビジネスも含めて日常のコミュニケーションをこれ一台で集約できるようにして、手放せない存在にしたいという強い意志を感じます。
 また通知バーが大きく変更されていて、上部から通知バーを引き下げると、そこにWiFiやBlueTooth,GPS,マナー、画面回転を設定するアイコンが並んでいます。通常ウィジェットで済ませるようなものですが、通知バーにあって驚きました。どの画面からでもすぐに引き出せるという点で利便性を高めようした結果なのだと思いますが、これは結構便利そうなのでNexusOneでも使いたいなぁと思ってしまいました。

■まとめ
 正直なところ国際版でもNexusOneがあれば特に買い替えの必然性を感じない端末だったので、個人的には購買意欲は湧かないのですが、日本国内向けにチューンされた最新のAndroid端末としてはとても魅力あるものに仕上がっていると思います。価格とプランの組み合わせ次第では相当売れるのではないかと思います…が、発表会見の質疑応答で国際版にある機能(ワンセグとかテザリングとか)を削った理由を「日本のユーザの要望に答えるため」というような選択の覚悟がないとも取れる発言で返答してしまうようでは、あまり大胆な設定は期待できないだろうなぁと思います。また今回の発表はたまたまGalaxy Sが存在していて端末スペックが良かったからこそ評価されたのであって、今後出てくるであろう他廉価系端末はやや出来栄えが心配になります。杞憂であってくれればいいのですが…。

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