■au SMT-i9100 タブレット 簡易レビュー
 KDDIデザイニングスタジオで、実機がひっそり展示されていたので触ってきました。こちらも2月後半発売予定ということですが、2Fの隅っこにひっそり置いてあって、IS06と合わせてデザイニングスタジオでの国産端末以外の扱いはなんかひどい感じです…。それはさておき、7インチのWifi対応Androidタブレットということで、GalaxyTabの兄弟機に当るわけですが、実際にはGalaxyTabより横幅が大きくてちょっと重くなっています。画面の質感は非常に高くGalaxyTabと同等と言えると思います。ベゼルが太く見え、厚みもあるのでスマートさには欠けますが、持った時の安心感はあります。基本は横置きで使うことが想定されているらしく、クレードルも横置きのみ、Ocean UIのホーム画面も横画面にしか対応していません(アプリは縦表示もできます)。クレードルには置きやすく充電接点も面倒なく接触してくれます。ハード自体は安っぽさをあまり感じない白モノ家電っぽい印象なので、バッテリー容量を考えてもさっと調べ物をするとかリビング等宅内で活用するには悪くないと思いました。

 Androidバージョンは2.2、カーネルバージョン 2.6.32.9 i9100@ytopia #7、ビルド番号 FROYO.DL09。ベースバンドの表示はありません。ホームはOcean UIで操作感は悪くはないのですが、GalaxyTabに比べるといまひとつと感じてしまいます。アプリ等の起動は快適です。タスクマネージャー他GalaxyTabと同じUI デザインがあちこちに見えます。購入したらやはりホームアプリは変更した方がいいと思いました。

 起動時間は以下のような感じです。
 電源オン→5秒→アンドロイド君表示→14秒→アンドロイドロゴ→17秒→ロック画面(約36秒)

 電源オフ時にはSAMSUNGロゴが表示されますが、起動時にはアンドロイド君とロゴだけでした。なんとなく不思議な感じ。でも起動が速いのはありがたいですね。ロック解除後メディアスキャンが入りますが、概ね快適に操作可能です。auの独自アプリがいくつか入っていましたが、興味深かったのはNorton Securityがインストールされていたことです。標準アプリなのかわかりませんでしたが、ISシリーズには導入されていないので、もし標準で導入されるのであればこれは画期的かもしれません。またWiFiオンリーモデルですがマーケットアプリはインストールされていました。日本語はSamsung日本語キーボードが導入され、入力することができるようになっています。マーケットがインストールされているので、他の日本語入力プログラムの導入も容易だと思われます。

 実際に触った印象はホームを除けば、ちょっと重くて持ちにくいけどGalaxyTabそのものです。操作感もいいのでGalaxyTabよりも購入しやすい条件が出れば、それなりにヒットするかもしれません。WiMAX契約済みでWM3500Rなどをご利用中の場合には外でも活用できそうです。最終的には値段次第だと思いますが、正直GalaxyTabが一括0円購入できる現状ではかなり販売戦略は厳しく、単体で3.5万程度でないとほとんど売れないだろうと思います。データ通信系とセット割引などでdocomo同様0円に近づけないと、GalaxyTabに比べて魅力的に思える要素が現状ではあまりありません。次期iPadも噂されている時期に発売するのは、なかなか大変だと思います。そういう意味では価格が下がりやすく、狙い目の端末になるかもしれません。

 auのAndroidマーケティング戦略はどうにも国産機を優先しすぎて失敗しているように感じます。IS06やSMT-i9100を低価格で早めに発売してベースユーザを増やして、Android上のソフトウェアサービスで稼げる土壌を構築する方が適切だったのではないかと思ってしまいます。Felica等の国内独自サービスにこだわった結果世界の周回遅れになったのに、追いつけそうな土俵の上でまた同じことを繰り返すのでは残念でなりません。Android auの看板にふさわしい魅力的な最新端末を国産にこだわらずにどんどん投入して、シェアを回復して元気になって、更に素晴らしいサービスを提供してもらいたいと思います。

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■au IS04 KDDIデザイニングスタジオ版 レビュー
 KDDIデザイニングスタジオでIS04の実機とIS05のモックが展示されたという話を聞いて、早速確認に行ってきました。IS04の展示にはIS03の時同様かなり力が入っていて、1Fと2Fで合計14台が展示されており十分な人数が同時に触れるようになっていました。IS05も2Fにモックが3台色違いで3色が展示されていました。この辺りはauの力の入れ具合が良くわかります。今回レビューするIS04は先行して発売されたdocomoのT-01Cと兄弟機となり、ハードウェアの仕様はほぼ共通で違いはクレードル対応しているかどうかくらいなので、ハード面についてはT-01Cのレビューも参考になると思います。実際触ってみてケース背面の質感(黒はマット、白はつるつる)やクレードル充電端子の有無くらいしか違いはわかりませんでした。そのためOSやソフト面について確認した部分を中心にレビューしたいと思います。

 docomo T-01C 内覧会版 レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/495

■ハードウェア
 起動時間の測定をしているので書いておきます。
  電源オン→2秒→電源ランプ点灯緑→6秒→Android auロゴ→14秒→防水警告→8秒→
  REGZAロゴ→9秒→ICカード読み込み表示→5秒→ロック画面(約45秒)

 T-01Cに比べてロック画面表示までの時間が若干長いようです。防水警告が長いのがちょっと意外でした。ただし、起動後は(メディアの読込み除けば)比較的スムーズに利用できるので、それほど気にはならないと思います。

■ソフトウェア(OS)
 ファームウェアバージョン 2.1-update1、カーネルバージョン 2.6.29-rel ftml-android@ftml #4、ベースバンドバージョン 5011.1907.18、ビルド番号FEK100。T-01Cではカーネルにtoshibaの文字列が入っていましたが、こちらは富士通東芝モバイルコミュニケーションズの略称であるftmlに変わっています。docomoもT-01CのTVCMでT型番なのに東芝の名前をいっさい出さず富士通としか表示しなかったので、理由は不明ですが東芝色を消してしまいたいようですね。(東芝のノート型やタブレット型Android端末が不評なのを受けて影響を回避するためかもしれませんが…)

 ホームにはauのOcean UIの他にオリジナルのNX! UI(IS04オリジナルと表示されます)も導入されており、起動時にはOcean UIが標準で動作しますが、ホーム切替アプリでNX! UIに切替ができるようになっています。NX! UIはT-01Cよりチューニングが進んだのか、Android2.1としては十分快適に操作できるレベルで仕上がっています。2.2の俊敏さまでは感じませんが追従性も良くフリックやタッチに非常に快適に反応してくれます。ただし画面全面のWidgetを表示する時には若干反応が落ちますので、使うWidgetは選んだ方がいいかもしれません。こちらのNX! UIならホームアプリはそのまま使ってもいいのではないかと思いました。アプリケーションの起動も十分快適です。如何にOcean UIが操作感をスポイルしているか実際利用されると実感できると思いますが、auはUIの戦略を早々に見直して2.2アップデートで方向転換を行うべきだと感じました。

 日本語入力にはこちらもATOKを採用、Ver.1.0.0が導入されています。T-01Cと違っていたのは、電源オフ時に「公共モード」がなくなっていたこと。機内モードやマナーモードとは別に用意されているところが面白いなと感じたのですが、メーカーによる独自カスタマイズかと思ったのですが、どうやらdocomo仕様のカスタマイズだったようです。また、同期できるアカウントの設定がかなり増えていて、mixiプリセット、twitterプリセット、twitter、Facebookプリセット、コーポレート(Exchange)、YouTubeプリセット、Picasaプリセット、Flickrプリセット、Google(gmail)と、大盤振る舞いになっていました。

■ソフトウェア(アプリ)
 展示機にはskypeやjibe、au one関連アプリがある程度入っていたので、この展示機はリリース版ですか?と説明員さんに確認したところ、やはりまだ開発途中でこれから修正が入る可能性があるとのことでした。実際auのイチオシであるはずのLISMOアプリが見当たらないので、LISMOアプリは入るんですよね?と軽く確認したつもりが、バックヤードに問い合わせされた上で、IS04の印刷物を持ってきてその画面上にLISMOアイコンがあるので入ると思いますがリリースまでわかりませんと説明されてしまいました…。auの最新アンテナショップとして、それはどうだろうかと…。

 今回はカメラアプリも少し見てみたのですが、詳細設定に「グリッド線を表示」「デジタル補正」「自動タグ」「手振れ補正」など興味深い機能がありました。撮影音が結構大きくてびっくりしたので、こうした機能をいろいろ試すことはしませんでしたが、うまく機能すれば便利そうなものが多かったので、カメラアプリにはかなり力が入っていることを確認できました。また画質という観点で、興味のあったワンセグ表示でのREGZAエンジンのON/OFF時の表示品質の差を比べてみました。実際にONにすると確かにノイズが減って平坦な見やすい表示にはなるのですが、静止画面ではかなり有効ですが動きのある画面ではあまり意味を感じませんでした。正直…高画質というのはちょっと微妙な表現かなと思いました。

 こちらにもDLNAアプリとしてデジオン社のDiXiM for Androidのクライアント製品であるDiXiM Playerが、サーバとしてはDiXiM Serverが導入されています。DTCP-IPに対応していないのが残念ですが、DiXiMブランドはiPhoneやアイオーデータ向け製品でDTCP-IP対応をしているので、ぜひREGZA TVとの連携のためにもアップデートで対応してもらいたいと思います。

 ちょっと面白いと思ったのが「履歴消しゴム」というアプリで、通話履歴、連絡先、ブラウザ、Googleアプリ、その他、一括削除とメニューがあり履歴を個別アプリではなく、このアプリで一気に消してくれるようになっています。これはなかなか便利そうなので、ぜひ他機種でもマネしてもらいたいですね。

■まとめ
 IS04は発売が遅くなった分、十分なチューニングをされているように感じます。もちろんT-01Cのフィードバックのおかげもあると思います。2.1端末として今発売されること自体は、Android開発における日本メーカーの周回遅れの実態を痛感せざるを得ないのですが、比較的良い完成度でリリースされると思いますので、IS04待ちの方はあまり失望されることはないのではないかと思います。
 ただauのAndroidに対する本気度は今回少しばかり疑念を感じざるを得ませんでした。デザイニングスタジオの展示台数は多いもののメイン展示が1Fから2Fに移動しており、主力の展示とは感じられませんでした。実機を熱心に触っているお客さんも主にIS03を見ている人で、あまりIS04を長く触っている人はいなかったようです。またIS05のモックを確認する人もほとんどおらずで、たまたまそういうタイミングだったのかもしれませんが、IS03展示の時の熱狂ぶりに比べるとIS04/IS05に対してはずいぶん冷めた印象を持たざるを得ませんでした。IS06に至っては展示数も少ない上に他の機体が適切にWiFi設定されて快適なブラウジングを体験できるようにしてあるところ、WiFi設定がされていなかったりしました。一番残念なのは上記の例のように説明員さんの習熟度合もまだまだのようでIS04の質問に対して満足な解答はあまり得られないという状態でした。デザイニングスタジオはマーケティング目的の場所なので、技術に詳しくなくても仕方ない面はあるかと思いますが、何でも質問してくださいと言われて質問すると、その度バックヤードに問い合わせしやや要領を得ない回答をされるのでは、質問する側の気も失せるというものです…。最先端のマーケティングスポットがこのような状態ではやはり本気度が疑われても仕方ないのではないでしょうか…。IS04の販売予定時期は2月中旬以降ということでしたが、発売後のアップデートも含めてぜひとも国産ブランドの端末を安心して購入できるよう、auの本気を見せ続けてもらいたいと思います。

 ちなみにIS05のモックですが、とてもコンパクトで手の収まりが良く、片手親指でほぼスクリーン全体に容易にタッチができそうな印象でした。早くホットモックを使ってみたいと思わせるサイズと形でした。噂通りCPUがアップグレードされるとなると、最強売れ筋端末になるのではないかと思います。こちらにも期待したいと思います。

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■SIPS(SIP/TLS)対応アプリのメモ
 意外と対応しているアプリや機器が少ないのだが、ある程度まとまっているURLを見つけたのでメモ。互換性の問題があるので選定のためには実機検証。

 FreeSWITCHのWikiより(ページ内をTLSで検索をお勧め)
 http://wiki.freeswitch.org/wiki/Interop_List

■iPhone用
 以下の3つしか見つけられなかった。GroundwireはAcrobit製なので安定していそう。本家にないTLSをサポートしているせいか値段が1200円と高め。PrivateGSMはマニュアル設定で汎用SIPプロバイダを設定可能。
 
 Groundwire – Business Caliber SIP Phone
 http://itunes.apple.com/jp/app/groundwire-business-caliber/id378503081?mt=8
 PrivateGSM
 http://itunes.apple.com/jp/app/privategsm/id380086048?mt=8
 PrivateGSM-Enterprise
 http://itunes.apple.com/jp/app/privategsm-enterprise/id410825598?mt=8

■Android用
 こちらは2つ。uMobilityはコンシューマ向けでないと宣言されているので注意。

 Voip By Antisip
 http://www.appbrain.com/app/voip-by-antisip/com.antisip.vbyantisip
 uMobility Android Client
 http://www.appbrain.com/app/umobility-android-client/com.varaha.umobility

■CommuniGate Proでの設定
 SIPサーバとしてCommuniGate Proを利用する場合、標準でSIPS対応のためTCP5061を外部から接続許可するだけでOK。

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■b-mobile IDEOS 簡易レビュー
 ということで年末に日本通信公式Twitterアカウントで、3が日はヨドバシ秋葉原店で担当さんがいてIDEOS(BM-SWU300)実機が見られるということだったので、行って見てきました。場所的にはWillcomブースの辺りでそこに間借りしている感じ。Willcomブースも若干縮小された感もあり、ちょっと寂しい扱いだなぁと思ってしまいました。夕方17時過ぎだったのですが、カウンター棚にはIDEOSの箱がたくさん並んでいて、女性担当者が1名で対応されていました。今回IDEOSの注目度は高いらしく、b-mobile自体をよく知らない人から、明らかにblogネタ取材に来ている人(自分以外にも)まで、少なくとも切れ目無くお客さんがいて、最大4名くらい待ちになっていました。昼間の様子がわからないのでなんともですが、並ぶのを諦めてしまうお客さんも多く、1名で対応するのは少々厳しい感じだったので、夕方以降は応援を入れた方が良かったのではないかと思いました。4日以降は担当さんがいるかいないか確認が必要ということですが、この注目度を見る限り早々に実機を展示するようにするか、夕方以降は説明員を配置した方が販促的にはいいのではないかと感じました。そんな状況の中、夕食を取ったり他所を回りながら比較的空いているタイミングを狙って何度か訪れてみたのですが、どうにも人が引かないので、やむなく並んで短時間ですが試させていただきました。

 まずはいつも通りシステム情報から。Androidバージョン2.2.1、カーネルバージョン、2.6.32.9-pref huawei@product #1、ビルド番号U8150V100R001C126B831SP01、モデル番号 Ideosでした。2.2.1らしく、CPUの割には動作は思ったほどもっさりではありません。ホーム画面もカスタマイズが少ないことが功を奏してかキビキビとまではいきませんが、追従性良く気持ちよく操作できます。タッチ関係やアプリの起動も反応は悪くなく、CPU性能が低いことをあまり意識しないで利用できそうです。ただし、起動から起動直後などはやはりCPUの弱さが出ており、ロック解除後すぐには使い物にならないくらい反応が悪いことがありました。

 端末の起動時間は以下のようになっています。
 電源オン→即→IDEOSロゴ表示→29秒→IDEOSアニメロゴ→34秒→ロック画面(約1分3秒)

 起動はやはり長め、ただ電源オンの反応が非常に早いのは好感触でした。ロック画面表示直後はタッチがうまく反応せず(別のタスクでCPUが忙しいのでしょう)、少し間をおかないとホーム画面に行けません。起動して落ち着いてしまえば、悪くない操作感が戻ってきます。あまり再起動を繰り返すようなことはないと思いますが、再起動には余裕を持った操作が必要だと思います。

 ハードの大きさは非常にコンパクト。ラウンドフォルムがとても持ちやすく、手にしっくり馴染む形になっています。ディスプレイは液晶の品質も悪くはありませんが、QVGAのためHTC Ariaに比べてもドットが非常に目立つ印象で、小さい文字などは正直見やすいとは言えません。メール等は支障ないと思いますがブラウザを多用する用途にはあまりお勧めできません。液晶下にはタッチ式で左から戻る、メニュー、ホーム、検索の各ボタンが並んでいて、反応は十分よいと思いました。IDEOSの特徴として、タッチ式ボタンの下に更にハード式ボタンがあって、左から通話ボタン、カーソルリング+決定ボタン、終話ボタンとなっています。これが意外と使いやすく、通話ボタンは通常時電話アプリを開き、終話ボタンは戻るボタンとして機能します。カーソルリングは方向キーとして使うのですが、なかなか使いやすく便利です。コンタクトに相手が登録してある場合、これらのボタンの連携だけで通話から終話が完全に対応でき、レスポンスも悪くないため、電話機として活用するのにぴったりな操作系になっていると思いました。

 残念ながら肝心のIP電話機能はまだインストールされておらず、遅延や音声の具合を確認することはできませんでした。IP電話アプリはIDEOS以外に対応するかどうかはまだ未定ということでしたが、「アプリを抜いて他機種でインストールした場合、動作は保証できない」という説明があったので、apkを抜かれたりすることは想定されているようで、IDEOSのハードとはチューニング的な相性はあっても、IDEOSでなければ動かないというハード的な縛りは実装されていないようです。IP電話のため何かOSのカスタマイズをされているのか確認したところ、日本通信としてdocomoプラスエリアに対応するよう800MHz対応に関するカスタマイズはしているが、それ以外はほとんどしていないということでした。ということは、IDEOSと同じような素のAndroidに近いものが動作している機種(NexusOneとか)であれば、チューニング的な部分はともかくIP電話アプリが動作する可能性は高いと思われます。そしてダイアラーやコンタクトが独自実装に見えるGalaxy系などでは動作しない可能性が高そうです。カスタマイズ範囲が限定されているようなので、日本通信のIDEOSのmodem.binが入手でき他のSIMフリーIDEOSにインストールする手段が提供されれば、プラスエリア対応に変更することもできそうな気がしますね。

 IP電話のサービスそのものを他のSIPアプリで利用可能にするようなサービスは検討されていないのか質問してみましたが、今のところ検討はされていないようです。Windows環境に提供しているIP電話サービスを例に、他のSIPアプリから使えるようにしていないので、たぶんやらないのではないかということでした。IDEOSに提供されるIP電話アプリそのものは他機種への対応も検討要素にはなっているようなので、適用機種が広がっていくことの期待はしたいと思います。

 IDEOS自体は、国内のdocomo,softbank,EMOBILEの3キャリアのSIMをどれでも使える上に、プラスエリア対応というアドバンテージを持ち、テザリングもOKな低価格SIMフリー端末ということで、魅力的な一面を持つ端末ではあるのですが、低価格ゆえにCPUや液晶スペックに制約があり、正直なところ通話&メール用途を中心でいいという場合以外はオススメしにくいなぁと感じました。軽量コンパクトさを活かしていざという時の予備機という印象が強いのですが、IP電話サービスが十分な品質で提供されるようであれば、業務用の追加番号向けなどで活用できそうな気もします。個人的にはAndroid端末本体がそれなりに魅力的なHTC…はムリでも、LGやAcerのミドルクラス以上をこういう仕様で日本通信が提供してくれると嬉しいなぁと思います。SIMフリーの魅力が活かせるのは、低価格という側面よりも、国内仕様に縛られない最新のOSやスペックが提供されることを期待する側面の方が大きいと思いますので、日本語対応とロットが大きく取りにくいという壁はあると思いますが、ぜひ今後とも日本通信にはがんばってよい端末を選択して国内に提供し続けてもらいたいと思います。

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■EMOBILE HTC Aria S31HT 簡易レビュー
 発売から間がありますが、こちらもやっと実機を試すことができたので簡単にレビューしておこうと思います。国内では数少ないテザリング対応機種ということで、ヨドバシ横浜店でかなりプッシュしていたため、展示機をじっくり試させていただきました。EMOBILEでは機種コードS31HTよりはHTC Ariaというブランドを中心にセールス展開しているようで、展示もAria表記メイン、店員さんも普通に「アリア」と説明していました。

 本体は非常にコンパクトで、デザインも良く特徴的な背面ケース部分はマットでスウェードっぽい手触り。触り心地は好き嫌いがあるかもしれませんが、個人的には好感触で心地いいと思いました。交換も容易なので別のケースは必要なさそうに思います。手に持った時軽く小さく収まる感じも安心感があります。スクリーンは小さめ3.2インチHVGAで480×320になりますが、輝度も高く発色がとてもキレイで、それほど粗さを感じることなく利用可能です。低価格帯で競合になるだろうL-04Cや003Zと比較しても、こちらの液晶品質は段違いに高いと思いました。さすがHTCというか、Sense UIの配色の巧さと合わせて非常に好印象です。

 システムはAndroid2.2.1、カーネルバージョン 2.6.32.21-g771416e htc-kernel@and18-2 #1 Tue Nov 23 02:10:08 CST 2010、ビルド番号 2.15.881.1 CL291883 release-keys、ベースバンドバージョン 47.60.35.21U_7.14.35.11。HTCの独自項目としてソフトウェアの番号 2.15.881.1、ブラウザバージョン WebKit3.1と表示されていました。なんというかリリースソフトにここまで細かい表示を入れるHTCはすごいというかなんというか…。細かい管理が行き届いているんだろうなと感心させられます。実際CPUが非力なQualcomm MSM7227 600MHzにも関わらず、同じCPUと搭載した003Zに比べて、こちらはとても快適に動作するように感じられます。一瞬これ800MHzか1GHzだったっけ?とスペック確認してしまうくらいの応答性でした。HTCのSense UIのインテグレーションが優れていることがとても実感できます。

 こちらも起動時間を測ったのですがCPUの非力さは出ています。
 電源長押し→8秒→EMOBILEロゴ→16秒→HTCロゴ→35秒→ロック画面(合計約59秒)

 Sense UI部分のためかロック画面までが結構長いのが判ります。また電源が実際どこで入っているのかわかりにくく、すごく長く押しているような感覚でした。またロック解除後も15秒ほどホーム表示まで待たされることになります。ただ起動してしまえば、やはりこちらも快適に操作できますので、あまりCPUの非力さは感じなくて済むと思います。ボタン類はタッチ式で、左からホーム、メニュー、戻る、検索となっています。スクリーンが小さい分、指の行きやすい場所にボタンがあるので操作はしやすいと思いました。ボタン類の一段下中央に光学ポインタもあるのですが、こちらの反応も悪くありません。ただ基本的にポインタはあまり使う必要がないと思います。

 全般的に端末品質は高く非常に優れたパッケージングだと感じました。EMOBILE回線が電話として不安のない地域で利用される分には1台目としてもメールやblogサイト中心の運用なら十分活用できる端末だと思います。低価格帯では一番のオススメ端末と言っていいと思いました。EMOBILEが発表した際にはいいところ持ってくるなぁと思いましたが、やはりHTCは堅い選択でしたね。自宅ではEMOBILEが入らないので(EM-ONEで実証済み…orz)、個人的には日本通信さんがIDEOSのようにAriaを販売してくれるといいなぁと期待しています。

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■SoftBank 003Z 製品版 簡易レビュー
 SoftBankの低価格帯機種 ZTE社の Libero 003Zも発売されてやっと試すことができたので、こちらも簡易レビューをしておこうと思います。CPUが若干スペックが低いのと聞慣れないメーカーためかほとんど注目されてこなかった機種ですが、YAMADA新橋店では一括9800円とかなり安い値段がついており、店員さんも価格面でかなり強くプッシュをかけていました。店頭で展示機を試させていただいたのですが、ホームの動作的にはそれほどモッサリというワケでもなく、Android2.2らしい応答性のよい機種だと思いました。

 システム的にはAndroid2.2、カーネルバージョン 2.6.32.9-pref zte-kernel@Zdroid-SMT、ビルド番号003Z_10.4、ベースバンドバージョン003ZB01となっていました。ちょっと面白かったのはこれらシステム表示の下に「適合規格情報」というメニューがあり技適マークが表示できるようになっていることです。Android端末では初めてみましたが、今後はこういう実装が主流になるかもしれないなと思いました。ホームを含めてほとんどAndroid純正というか、カスタマイズ部分があまりわからないくらいシンプルですが、NexusOneなどを使ってきた方はむしろそうしたシンプルさの方が安心できるできるかもしれません。Android特有の操作ボタンは3.5インチの液晶下部に物理ボタンで設置されていますが、右からホーム、メニュー、戻るボタンとなっており、変則的な配置の上に一体型のボタンで1つのボタンの3ヶ所を押せるというような仕組みになっているため、他機種を知っている場合最初はやや戸惑うかもしれません。本体のかなり下部に位置するのですが、115gと非常に軽量な本体はサイズも小さいため、操作性自体は悪くありません。操作感も悪くないのですが、真ん中がメニューというのにどうしても違和感を感じてしまいます。

 液晶自体の品質は悪くないという感じ。精細感はありますがやや薄いというか輝度不足な印象。他機種に比べてスクリーン表面の触った印象がやや引っ掛かりがあるというのか、さらさらすべるような操作感にならないので、何か表面加工がされているように感じました。ひょっとするとガラスコート剤とか保護フィルムなど工夫した方が表示や操作感が多少向上するかもしれません。外装は一言で言えば華がないという感じ。決して安っぽすぎることはないのですが、ぱっとしません…。

 一応起動時間も測定したので乗せておきます。
 電源長押し→5秒→SoftBankロゴ→17秒→アンドロイドロゴ→10秒→ロック画面(合計約32秒)

 ロック画面までは十分早いです。しかしロック解除後のシステム読み込みに時間がかかり、ホームがまともに操作できるようになるまで、十数秒はかかります。この辺はCPUが非力な影響が出ています。しかし一旦起動してしまえば、それなりに快適に動作します。Snapdragon 1GHzの機種に比べると応答の俊敏さは感じられませんが、一拍遅れるというほど酷いものではありません。GoogleMAP5.0の立体表示も試してみましたが、快速ではないものの十分に実用になるスピードで操作することができました。Android2.2の売りであるFlash10.1はCPUが非力なため対応していませんが、メールやblogサイトなどを中心とした利用であれば快適に利用可能だと思います。

 低価格&シンプル構成ということで価格相応、Androidの入門機としては悪くはないと思いました。ただ本当に華がない印象のため、価格以外遡及できるポイントが見つからないという印象です…。正直これをオススメする理由が見当たりません…。遠からず0円ケータイになりそうな気がします。

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■au IS06 製品版 簡易レビュー
 発売から数日経ちますが、やっと本日IS06の製品版を試すことができたので簡単にレビューしておこうと思います。10/19のデザイニングスタジオでのレビューからずいぶん発売まで時間がかかりましたが、しっかりと最新のAndroid2.2.1にアップデートされての登場でした。やはりPantechのAndroidの開発部隊の仕事は早いですね。国内メーカーもがんばって欲しいところです。ちなみに前レビューはこちら。

 au IS06 KDDIデザイニングスタジオ版 レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/447

 製品版のバージョンは Android 2.2.1、カーネルバージョン 2.6.32.9-pref P12405@BS154 #1、ビルド番号 FRG83、ボードとソフトウェアの表示は 8×50 V01.01.00、ベースバンドバージョンはTJMASKAP01.01.00でした。前レビューと比較してカーネル以外が更新されています。前回のものではベースバンドバージョンを表示していませんでしたが、TJMASKAW00.02.00となっていました。Androidは確実に最新化されているのがわかるのですが、他の数値は一見下がっているようにも見えて微妙な感じ。更新ルールがわからないのでなんともいえませんが。

 動作の方は期待通りサクサクです。Pantech製のカスタムホームアプリは非常にレスポンスよく動作しますし、Widgetも快適に動いてくれます。今回初めて気付いたのですが、Pantechの独自3DWidgetは重ねることができるんですね。アイコンとしても重ねて置けますし、カレンダーなどは一回クリックすると日付表示から月間表示にサイズを変えて大きく見せてくれます。この時他のWidgetは下側に回って隠れる状態になります。AndroidのWidgetは重ねておけないという印象が強かったのでちょっとびっくりしました。意外なところで使いやすいです。もちろんアプリアイコンの邪魔はしないように、アプリアイコンと重なった場合には、アプリアイコンの方が前面にあってちゃんとタップできるように配慮もされています。ホームボタンの長押しではアプリのリストが表示されます。一瞬タスクマネージャーかと思いましたが、実は最近使ったアプリのリスト一覧(最近実行一覧という名前になってます)で、ランチャーとして機能するだけで、入れ替えやタスク終了などはできないようです。ただこの機能は他の端末では見かけないのでちょっと面白かったです。

 ホームやPantechカスタムのデザイン(特に色使い)がぱっとしないのは変わらずですが、この辺は好みの問題でもあるのでPOPな感じのアイコンを識別に便利と考えることもできそうです。SAMSUNGのGalaxyシリーズもそうですが、こういう感じのアイコン背景に色を敷くデザインが韓国のトレンドなのでしょうか。個人的には背景に色がない方が好みですが、視認性や操作感はOcean UIよりはずっとマシと思います。動作自体は本当に快適なので、デザインに不満がなければIS06の標準ホームで使うので全然問題ないと思います。むしろAndroid標準ホームよりも楽しい印象でいいのかもしれません。

 本体は軽量で液晶もキレイ。背面の手触りもさらりとマットな感じで好感触です。現時点でこれだけ軽くてスマートにできるのだから、大容量バッテリーを出せば、それほど大きく重くならずに超長時間駆動のAndroid端末が出来てしまいそうなので、そういう3rdパーティ製品が出てくるのを期待したいと思います。

 IS06は発表当初より完成度が高く非常に好印象な端末だったのですが、auの販売戦略によってやや不遇な印象を受けます。国内独自機能がない分速やかにリリースできたであろうところ、発売自体をIS03待ちにされたり、ezwebメールやSkype対応が後回しにされたり、レスポンスやバージョンが劣るIS03やIS04を優先的に販売するためとしか思えない扱いを受けているのがやや残念です。今期登場した各社のAndroid端末を見てきて、ベスト3に入る端末だと思います。国内独自機能が必須だと真っ先に選択肢から外れてしまうのですが、Pantechの組み込んだカスタマイズ機能は携帯端末として非常に面白いものも多く、Android端末としての面白さではNo.1と言ってもいいかもしれません。auの販売方法がSoftBankの月月割方式でなく、docomoの端末購入サポート方式だったら、初期負担が少ないので一括で購入していたかもしれないところです。(実家がauメインなので実はまだ迷っていますが…)

 auがAndroidでユーザを増やそうと思うなら本来価格も抑えて提供できるでしょうし、最も期待されて然るべき端末だと思うのですが、国内メーカーへの配慮でできないのかなぁと邪推してしまいます。国内メーカーへの配慮が過ぎると他キャリアの攻勢で機を失い兼ねないと思うので、ほどほどがいいと思いますが難しいんでしょうね…。
 

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■LiveView 動作検証メモ2
 juggly.cnさんのこちらの記事でLiveViewのファームウェアアップデートがあると言うことだったので、GalaxyTabとの相性が改善しているか試してみることに。検証したGalaxyTabのファームはP1000XXJK5。一緒に現在利用可能そうなプラグインもいくつかインストールしてみて、どこまで動作するかも確認したメモ。ちなみに同時に利用可能なプラグインは最大6コ。前回の記事は以下。

 LiveView 動作検証メモ
 http://blog.isnext.net/issy/archives/533

・LiveView本体 ○
 本体上でファームのバージョン等が確認できないため変化状態わからず。何も変わっていないような気がする…。

・LiveView Application ○
 バージョン1.0.A.0.13。正しく動作しているように見える。6コ目を超えたプラグインはインストールされていてもリストに出てこない。先に認識されているプラグインをアンインストールした後に、別のプラグインをインストールし直さないとリスト内容が入れ替わらないので注意。
 
・LiveWare マネージャー ×
 バージョン1.0.8。ペアリングされたLiveViewが確認できず、ペアリングされた機器がないというアラートが出て使えない。このため実質プラグイン管理ができず、上記のようにLiveView Applicationでプラグインの認識をさせるためにインストールとアンインストールを駆使するハメになる。

・LiveView PowerAMP Plugin ○
 PowerAMPのアプリケーションが必須。再生・停止、ボリュームコントロール、トラック先送り後戻しの操作が可能。曲名は表示設定するも表示されず。

・Gmail for Liveview ○
 受信時にバイブで通知。受信内容の一部表示(表示量設定可能)、受信内容をTab本体で表示が可能。

・LiveView ContactCall Plugin ×
 コンタクト本人とそのアイコン表示のみ可能。他に入っている情報は見られなかった。電話発信もできず。

・Fake Call for LiveView ○
 疑似SMSメッセージを受信、そのメッセージからTab本体のコール鳴動・停止が制御可能。着信音やバイブの設定が可能。

・LiveView Mode plugin ○
 Tab本体のバイブ設定や、各種音量設定が可能。

・LiveView Weather Plugin ○
 現在位置の天気予報を表示可能。受信に少し時間がかかる。

・Where Am I LivePlugin ○
 現在位置のMAPを表示可能。受信に少し時間がかかる&受信失敗多い。

・Launcher plug-in ○
 Tab本体にインストールされたアプリをアイコンリストで表示。指定したアプリを本体側で起動可能。

・Calender plugin ○
 LiveViewのカレンダーが2.2系に対応しないため、こちらを導入する必要あり。カレンダーの表示可能。月単位で一覧表示。とても見やすい。

・ぺしぺし Ikina for LiveView ○
 上タッチでデコピン?右タッチではにかみ。他に何か機能あるのか不明…。

 前回の記事でも指摘した高負荷になる問題は現バージョンでも発生する。発生頻度は下がっているように感じるが、一旦発生するとGalaxyTab本体を電源長押しで再起動するまで元に戻らないようなので致命的。GmailとCalender、PowerAMPプラグインのおかげでそこそこGalaxyTabでも実用的に利用できそうな状況があるのに残念。

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■IS01のbcc漏えいバグをIS03で検証する
 巷でauの対応が話題騒然となっているIS01のbcc漏えいバグ(docomoのSH-10Bにも有り)について、IS01は所有していないので実機検証することができないのだが、(au,docomoの両機種で発現していることから)SHARPカスタマイズのPCメールアプリバグであろうと推測し、IS03のPCメールでは問題がないかどうか念のため検証をしてみることにした。

 検証したIS03のビルドは01.00.01。IS01には簡単に言うと3種類のメール設定実装があり、ひとつはau独自のCメールとEメール(ezweb.ne.jpアドレスを利用)が使えるもの、ひとつはアカウント設定から追加可能なExchangeもしくはGoogle同期用メール、最後のひとつはPCメールアプリから設定するPOP/IMAP対応(Exchange設定も可)のメールとなっている。今回はgigazineで紹介されている記事と同様にYahooメールでbcc漏えいの確認をしてみた。また念のためSMTP通信の内容を確認できるよう手元のCommunigate Proサーバにて同様の実験をしてdumpした送信データの中にbccヘッダがないか確認を行った。利用したPCメールアプリのバージョンは7。

 検証結果
 1)Yahooメールでのbcc発露無し
 2)CommuniGate Pro上のdumpログのSMTP DATA部内にbccヘッダ記述無し

 少なくともIS03では同様の問題がないことは確認できた。IS03のPCアプリはバージョンが7とはなっているが、インターフェースを見る限りAndroid標準メールソフトをベースに「PCメール専用」っぽく見えるようにカスタマイズされただけのように見え、SHARPが独自実装したものではなさそうなので結果としては順当ということかもしれない。他所でも解説されたところがあったが、通常メールクライアントソフトはbccで送信する場合、bccヘッダというものをメールサーバに送信する必要はなく、宛先をRCPT TOとしてサーバに渡すだけで良い。メールヘッダとして「敢えて」bccをDATA内に記述するとなると、サーバ側でbccヘッダ行を削除する実装がない限りその内容はメールとして送信されてしまう可能性は高い。メールクライアントがbccヘッダを付けたメール情報をサーバに送信するのに正当な理由があるとすれば、自分が送信したメールの送信控えをサーバの送信済みメールボックスにIMAPやActiveSync等で書き込む時だけだと思われる。

 bcc漏えいについては古くからしばしばメールソフトの欠陥として話題になっており、検索してすぐに見つかるのは2004年のOutlook Express6の漏えい事件になる。この問題は現在でもMicrosoftのサポート情報で確認できる。当時利用者も多く当然のようにビジネスで利用されていたであろうMS製メーラの問題が発生条件含めて適切に情報開示がなされていたというのに、auやdocomoは何を持ってbcc漏えいバグの公表を行わないのか理解に苦しむ。利用者が送信を秘匿する目的で能動的にbcc利用しなければ発生しえない問題を公表することが、どのように第3者から悪用可能になるというのか想像力が足りないようで適当な事例が思いつかない。過去に送信していた利用者が問題を知って混乱を来すとか、bccヘッダ探しが始まって問題が顕在化してしまうことで結果的に利用者が困難な状況に置かれうる、ということを心配するならまだわかる。だが、これは本人が知ろうと知るまいと問題が発覚した以上公表を控える理由にはならない。むしろこの件を公表することでキャリア自身にクレームが大量に向けられる(特に悪意を持ってクレームされる)ことを恐れていると捕えられても仕方ないように思う。

 auがAndroidに本気で未来を賭けるつもりであるなら、今まさに信頼を獲得するチャンスであるはずなのだが、IS01の2.x系対応を「不可能」と言ってしまったり、不具合の隠蔽ともとれる対応をしてしまったりすることは、真逆の方向を向いており大変残念に思う。LYNXとIS01の関係性において実質的にauがdocomoのスケープゴートになってしまっていることも残念に思う。ユーザがAndroidスマートフォンに期待しているのは、OSの継続的なアップデートだけなく、その努力をする姿勢まで含めたものだと思う。海外ではソニエリがXperiaを2.2やマルチタッチに対応させようと努力する方向性を打ち出したり、HTCはスペックの劣る端末にも2.x系アップデートを提供したり、SAMSUNGは可能な限り最新のOSに対応させていくと表明したりと、企業の姿勢がとても強く打ち出されているのにも関わらず、端末メーカーの前に立って本気でAndroidをやるとしているauがこのような対応をしていたのでは、ますます世界との差が開いていくだけになってしまうのではないかと強く危惧する。折角Androidをマーケティング上重要戦略と位置づけてau復活を打ち出しているのだから、国内サービスを利用可能な端末を使うことが、インターネットを利用するには時代遅れで不適切な端末を使うことになってしまわないよう、何をもって顧客サービスとするのか、Androidマーケットにおいて在るべき姿は何か、ぜひとも信頼回復のため見直してもらいたいと思う。

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■SoftBank 001DL Streak レビュー
 もう明日発売ということで、遅くなってしまいましたが例によってヨドバシ秋葉原店で001DL Streakを触ってきたので、レビューを書いておこうと思います。展示機は1台、003SHに比べてあまり人気がないようで夕方の混雑時間だというのに誰も使っていなかったのですぐに試すことができました。

■ハードウェア
 5インチTFT液晶が最大のポイントになるのですが、もともとが両手横持ちを意識してデザインされている筐体のため、横持ちで使いやすいようスクリーンの左右に余裕のある持ち手部分があることで、スクリーンサイズの割には大きめな印象になっています。ただ厚みはあまりないので、重さはそれほどに感じません。両サイドがカーブしたデザインなので実際両手横持ちでしっくりくる感じです。電源ボタンやカメラシャッターボタン、音量ボタンが側面にあるのですが、どれも横持ちを前提とした位置になっているので、縦持ちの際には微妙な場所かなと思いました。もっとも縦持ちでも片手で操作するにはやや厳しいため、結局両手で操作することになればボタン位置はあまり気にならないかもしれません。

 液晶自体の品質は悪くないという程度。800×480で5インチだとドットが粗く感じるかと思いましたがそんなことはなく、十分にキレイに見えると思いました。若干輝度や鮮明度が他のものに比べるとやや低めの印象という感じ。屋外では少し見にくい場合があるかもしれませんが、室内での通常利用には問題ないと思います。スクリーンの右(横持ち時)にあるタッチスイッチは上から戻る・メニュー・ホームの順番に並んでいます。最初メニューのアイコンデザインがピンとこなくて、これなんの機能だろうと思ってしまいました。

 起動時間は以下のような感じです。
 電源オン→0秒→SoftBankロゴ→20秒→デルロゴ→11秒→ロック画面(約31秒)

 非常に高速に起動します。ロック画面までは本当に速いのですが、ロック解除後、ホーム画面の表示で少しもたつく印象がありました。デル独自のWidgetが表示が遅れる原因になっているように見えました。

■ソフトウェア
 OSバージョンはAndroid 2.2、カーネルバージョン 2.6.32.9-perf、ビルド番号 10688、ベースバンドバージョン GAUSB1A130512-US、OEMバージョン GAUSB1A130512。OEMバージョンが明示されているのは珍しいと思いました。ベースバンドにUSという文字がありモデルナンバーもDell Streakとなっていたので、展示機は日本向けの001DLではなかったのかもしれません。SoftBank 3Gには接続していたようですが、画面左上のキャリア表示はVodafonになっていました。もしこのまま発売されてしまうようなら、それはそれでびっくりです。

 展示機のOS部分は非常に素のAndroid2.2に近く余計なカスタマイズはほとんど入っていないように思いました。ホーム自体も2.2の標準のもののように見えます。ただデルのStage WidgetsというカスタムのWidgetが設定されており、このWidgetがホーム1面を丸々使う巨大サイズのためか、これを表示するのに時間がかかっているようでレスポンスの体感は今一つでした。正直あまり意味のないWidgetだと思うので、使わなくていいのではないかと思います。追加アプリとしては面白いなと思ったのが SIM Managerアプリが入っていたこと。本来Streakの2.2版では削除されているはずのアプリなので、この機体が前バージョンからアップデートされたものであることがわかります。まさかリリース版に残っていることはないと思いますが…。

■まとめ
 起動直後は全体的にカクカクすることもありましたが、2.2らしく基本的に非常にタッチレスポンスもよくサクサク機敏に動作してくれます。展示機はおそらく日本仕様ではないものと推測しますが、日本用にチューニングされたものは、更に快適になっているものと期待したいと思います。この端末の場合、大きさが評価の分かれるポイントだと思いますが、普段GalaxyTabを使っている感覚から見ると、5インチもいいじゃないかと好印象でした。GalaxyTabはスーツの内ポケットにも入るという話はありますが、それはケースなしの前提であって、ケースを付けると一回り大きく重くなってしまうのでさすがにポケットは厳しくなります。001DLならケースを付けてポケットに収められるなぁとちょっと魅力的に感じてしまいました。

 少しキワモノ感があったサイズだったのですが、ひょっとすると40代以降くらいの小さいディスプレイは目が疲れると感じているビジネスマン用スマートフォンとしては、意外とヒットするかもしれません。GalaxyTabよりも機動性は高いと思うので、興味を持たれたらぜひホットモックを触って実感されることをオススメします。意外と面白いサイズだと思います。

【12/16追記】
 発売日直前ということでYAMADA新橋店にてホットモックを確認。モデル番号001DL,Androidバージョン2.2、ベースバンドバージョンGAUSB1A131312-US、カーネルバージョン2.6.32.9-pref、OEMバージョンGAUSB1A131312、ビルド番号12186となっていました。モデル番号もSB用に、ビルド番号もかなり更新された数字になっています。ベースバンドは相変わらずUSが付いていましたが、この時点で付いているということは国表記とは異なるのかもしれません。動作に特に大きな違いはみられませんでしたが、ホームのWidgetが重かった印象はずいぶんマシになっていました。SIM Managerもなくなっていたので、残っていたのはヨドバシ秋葉原店やITmediaのレビューで使われたホットモックのビルドの問題だったようです。

 GalaxyTabのキャンペーンによる実質的な値下げが発表されているので、割高感のある001DLがどれほど販売を伸ばせるのか微妙な感じはしますが、電話として著しく不自然でない掛け方ができ、スーツでもポケット等に入れて常に持ち歩き可能な最大サイズのAndroid端末になると思いますので、ビジネス関係でAndroid端末を検討されている30代以上の方にはとても魅力的な選択肢になるだろうと改めて感じました。画面が大きいのはやはりいいですね。SoftBankがもう少し魅力的な価格設定をしてくれたらと残念に思います。

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