■docomo Optimus Pad L-06C ラウンジ版 レビュー
 今回のdocomo新製品の3つめのレビューはLG製 Tegra & Android3.0搭載Optimus Pad L-06Cです。スマートフォンラウンジでは展示機が2台と少なめでしたが、こちらもいつも誰か触っているという感じで人気でした。GalaxyTabを触っている人の方が多いくらいで、最新のAndroid3.0端末でもあるのですが、LGが人気ないのかタブレット自体の関心がまだあまり高くないのか、やや控えめな展示は少し残念な気がします。説明員さんもあまりOptimus Pad近辺にはいなかったので、新しいものすぎて手に余っていたのかもしれません。

■ハードウェア
 普段iPad Wi-Fiを使っているのですが、それより細長くてやや厚い本体は、持った時に見かけよりもズッシリと重い感覚を持ちました。iPadが680g、Optimus Padは620gということで40gも差があるのですが、細長い形をしていることで端を持った時にかかる荷重は少し大きく感じるようです。あれ?こんなに重いんだっけ?というのが最初の印象でした。本体の厚みは手持ちするにはちょうどいいくらいで、背面もつるつる加工ではないので両手でホールドする分にはとても持ちやすいと思います。ただ操作する時には大抵片手持ち状態になるので、やや持ち手にかかる負担があり、iPadとあまり変わらないなぁと思いました。

 液晶面はとても指紋が付きやすく目立つのでしっかりふき取りしないといけない感じです。8.9インチの液晶自体は大きすぎず精細感もあってコントラストや発色も十分キレイだと思いました。タッチ精度は高くフリック等も非常に快適に動作します。本体前面には物理ボタンもタッチ式ボタンもなく、液晶画面内のアクションバーで「戻る・ホーム・メニュー」の機能を操作することになります。Acerの試作機を試させてもらった時に、システムエラーが発生するとそのダイアログで機能ボタンがタッチ操作不能になる問題があったので、Android3.0でどのように改善されているのか気になります。

 背面に3D撮影対応のカメラがあり、その真ん中にdocomoロゴが堂々と描かれています。本体下部には充電接点・HDMI・USB、本体上部左側にボリュームキー、本体左側面に電源キー・イヤホンジャック・電源端子があり、両側面にスピーカーが配置されています。電源端子が左側面下部にあるため、ケーブルを挿し込んだまま使おうとすると、持ち手に干渉する感じになるのがやや残念ですが、通常はオプションのドッキングステーションで充電して使う想定でこんな位置にしたのかもしれません。

 起動時間については以下のような感じです。
 電源オン→7秒→LGロゴ表示→22秒→docomoロゴ表示→11秒→ロック画面(約40秒)

 デュアルコアTegra+1Gメモリ搭載ということで爆速を期待したのですが、それほどでもありませんでした。Desire HDくらい速いと思ったのですが、ちょっとがっかりな感じです。Android端末としては速い方だとは思いますが、スペックからしたらもうちょっと速いと嬉しいかなぁと思います。

■ソフトウェア
 Androidバージョンは期待通りの3.0、カーネルバージョンは 2.6.36.3-00001-gc9596d7 jungsik.sin@atena #3、ベースバンドバージョンはL06C-V09aでした。L-06CはUIのLG独自カスタマイズというのはあまりないようで、おそらくかなり素の3.0に近い状態なのではないかと思います。ホーム画面の特徴としては2.xまで画面上部にあった通知エリアが画面下部右に移ったこと、Google検索が画面左上に配置されたこと、アクションを起こすボタン「+」が画面上部右に配置されていること、という感じでしょうか。ポイントは「+」マークの付くアクション部分で、ホームでは「アプリ」、設定メニューの「アカウントと同期」を開いている時は「アカウントを追加」というように、メイン画面で操作されている内容に合わせて必要に応じて変化するところだと思います。これまで2.xではある画面で追加等のアクションをする場合、大抵画面下でハッキリわかりやすく表示されていたボタンがなくなり、一見今開いている画面と離れた右上にテキストリンクっぽい感じで表示されるだけになっていることは、操作の一貫性を欠きUI的にはあまり好ましい実装とは思えませんでした。Android1.xから使っている人が、このUIに慣れるのはちょっと時間がかかりそうな気がします。ブラウザなど標準で入っているアプリケーションもUIが結構変わっていて、2.xからの変化をとても感じることができます。

 設定アプリから操作可能なメニューはレイアウトこそ2.xと異なるものの、内容的にはほぼ変わらずで、タブレット用に?「タブレットの暗号化」という機能が追加されていたり、テザリングメニューが利用可能(docomo的にはデータ端末扱いのため)になっていたりしました。テザリングはUSBとWi-Fiアクセスポイント化の2種類が利用可能になっています。また内蔵ストレージの容量をグラフで表示することで、残量を把握しやすくする工夫なども盛り込まれています。日本語入力はiWnn IMEが導入されていました。このタブレットの独自アプリとして「3DPlayer」という3Dアプリが導入されているのですが、起動して見てみたところ…うーん…という感じで正直よくわかりませんでした…。

■まとめ
 正直なところハードスペックは悪くないはずなのですが、Android3.0に期待し過ぎていたのか、まだチューニングが詰め切れていないのか、基本的に動作は俊敏に感じるのですが、ところどころ動作がぎこちないというか練れていないというか、残念に思うところがありました。マップの動作が遅いとか、ブラウザで表示された小さな文字のレンダリングが汚い(実際ギラついたように見えて読むに耐えません…)とか、本当に短時間しか使っていないのに日常的にストレス要因になりそうなところで結構目に付いてしました。GalaxyTabでもたまに感じますが、フォント関連の表示についてはやはりAppleに一日の長があるように感じます。Optimus Padを試しながら、Android3.0の主にグラフィカルな部分での変化を感じるとともに、ユーザ体験の本質的な部分での変化の少なさも感じられたような気がします。

 iPadを擁護するつもりもありませんが、L-06Cを使った実感からするとiPadを購入する方が総合的な満足度ではいいのではないかと感じました。動画再生の用途などではL-06Cは威力を発揮できると思いますし、ブラウザでFlash再生必須ならもちろん優位なわけですが、タブレットとしてiPad以上にお金をかけて嬉しい端末になるのかやや微妙な気がします。個人的にはデータ通信契約の縛り無し一括4万円台なら検討できるかな…買っても後悔しないかな…という感じ。重ねて書きますがハードスペック自体は悪くないと思うので、ソフトウェア的なところでもっとアドバンテージが感じられる状況になれば評価はすぐに変わると思います。3.0用のTegraのスペックを活かせる魅力的なアプリの登場や、爆速な起動を実現するアップデートなどを期待したいと思います。

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■docomo MEDIAS N-04C ラウンジ版 レビュー
 ということでXperia arcに続いてNECカシオの初Androidスマートフォン MEDIAS N-04Cをレビューします。ドコモのスマートフォンラウンジではXperia arcほど待ち行列はないものの、台数が5台くらい?とXperia arcに比べると少なかったため、常に誰かしら使っているくらいには混み合っていました。若干年齢が高めの方が主に触っていたように見えましたが、やはり国産ブランドということで安心感があるのかもしれません。こちらも説明員の方への質問は諦めたので、実機の感想と現状をベースにレビューを書いていきます。

■ハードウェア
 持った第一印象は本当に素直に「かるっ!うすっ!なんだこれ!?」という感じでした。極薄をウリにしているのは理解していましたし、軽量というのも頭に入っていた上で、持った瞬間予想以上に軽くて薄いので、結構衝撃を受けました。昔のType II PCMCIAカードみたいだと思いました。このままPCのカードスロットに挿せそう…というくらい薄いです(実際Type IIは5mmなのでムリですがw)。カード端末と言ってもいいんじゃないかと思います。この驚きは実際の端末を触っていただく以外にないのですが、スマートフォンに慣れた人ほど衝撃を受けると思います。薄い割には剛性も低いわけでなく持ってキシむような違和感は全くありませんでした。正直デザインはどうかと思っていたのですが、この剛性を担保するためということであれば納得せざるを得ないなと思いました。さすがにズボンの後ろポケットに入れるとヤバそうな気はしますが、スーツや夏のワイシャツのポケットに入れても、大きさや重さでポケットが引っ張られてだらしなく見えてしまうようなことはないと思いますので、結構ビジネスマンに受けるのではないかと思いました。

 4インチの液晶は大きく品質もギラついた感じのないおとなし目の発色ですが、十分に高いレベルのものだと思います。Xperia arcの液晶よりは個人的には好みの感じでした。本体全面の一番下にアーチ状に左から「メニュー・ホーム・戻る」ボタンが配置されていますが、他機種と異なりボタンがフラットで出ていないため、若干押しにくい感じがありました。クリック感も今一つで、表面の加工により光の角度次第でボタンに描かれているマークが見えづらいのがちょっと気になりました。この辺りは慣れが必要そうです。本体右側面には何もボタン類がありません。左側面も音量ボタンだけです。本体下部中央にストラップホール。本体上部左に小さい電源ボタン、中央にMicroUSB端子、右にワンセグアンテナとなっていて、本当にシンプルな作りになっていることがわかります。電源ボタンが押しにくいとか、ワンセグアンテナがなんとなくちょっと悲しい感じとか、残念なところはありますが、全体の実装のシンプルさ優先の潔い割り切りだと思い納得することができます。

 起動時間については以下のような感じです。
 電源オン→6秒→docomoロゴ表示→48秒→MEDIASロゴ動画→22秒→ロック画面(約76秒)

 正直ちょっと起動時間は長い印象を持ちました。CPUは800MHzとは言えMSM 7230なので、あまり遅いということはなさそう。どちらかというと内蔵ストレージの速度によるもののような気がします。起動してしまえば十分快適なので、再起動を頻繁に必要とするようなトラブルがない限りはあまり問題にならないかもしれません。

■ソフトウェア
 Androidバージョンは2.2.2(端末上はファームウェアバージョンとなっています)、カーネルバージョン 2.6.32.9-perf ncmc@ncmc #3、ベースバンドバージョン M1002001、ビルド番号 A1002001となっていました。設定の中で特徴的なメニューとして「ecoモード」がありオプションとして画面の明るさ調整や各種機能をoffにする設定などが集められて分かりやすくなっています。また、Android2.2から追加されたセキュリティ関連機能で、「デバイス管理者」という設定がありますが、通常何も設定されていないのがデフォルトなところ、この展示機には「Androidシステム」が登録されておりすぐに有効にできる状態になっていました。「Androidシステム」はデータ消去・パスワードリセット・強制ロック等の権限のあるアカウントなので、セキュリティツールなどを利用する時に必要になるものですが、展示機にはそれらしきアプリは入っていなかったので、標準で設定が用意されているのかどうかが気になります。

 ホームはAndroid標準に近い独自UIとなっており、操作は非常に快適でした。フリックの応答性追従性は高く2.2端末として十分なレスポンスを得られます。またアプリ一覧画面の上部に「アプリケーション」と「ウィジェット」の一覧を切り替えるボタンが配置され、ウィジェットの一覧も素早く表示することができ、非常に良く考えられたUIになっていると思います。これまでのカスタムUIには冗長でむしろ操作感をスポイルしているのではないかと思うものが多かったのですが、MEDIASではシンプルで快適な操作を実現している珍しいパターンだと思いました。個人的に非常に好印象を受けました。

 ウリになっている日本語入力はATOKでVer.1.0.0が導入されています。フルキーボードで日本語入力をしてみましたが、キーの打ちミスも少なく安定した入力が可能でした。こちらの端末には既にSPモードアプリやおサイフケータイアプリ、ワンセグやID設定アプリ等も導入されていたので、もう既にリリース版の品質になっていたのかもしれません。それでいてあまり導入済みアプリも多くないので、本当にシンプルにまとめている印象です。

 ざっと見た中でアプリとしてちょっと面白かったのは、カメラアプリの機能が意外と充実していることでした。500万画素と特別高いスペックなわけではありませんが、カメラアプリのインターフェースが良く出来ており、設定できる項目も「シーン:オート・人物・人物+イルミ・風景・逆光・夜景・ペット・料理・スポーツ・シーンOFF」「撮影モード:標準・クイックショット・連写・高感度・タッチ撮影」「オートフォーカス:ノーマル・接写・顔検出AF・AF Off」と多彩で、手振れ補正などももちろん搭載されています。シーンに料理があるところなど、bloggerを意識したいい演出だと思いました。

■まとめ
 非常に衝撃的な端末で、国内独自サービス全部入りでこの軽さ薄さは本当に素晴らしいと思いました。バッテリ持ちが気にはなりますが、外部バッテリを持つことを厭わなければとても面白い選択肢になると思います。夏ごろAndroid2.3へのバージョンアップ予定ということなのでそちらも期待したいところです。また夏には防水モデルも出るようなので、防水必須という方は夏モデル待ちですね。正直なところNECのAndroid端末ということで、タブレットの方を連想して最初あまり期待していませんでした。しかしながら、これは良い方向に裏切られたと感じました。Xperia arcを購入しようかと思っていた気持ちが、かなりMEDIASに持っていかれました。価格もそれほど高くないという噂なので、グラついてしまいますね。個人的には国内メーカー製Androidスマートフォンでは現在のところイチオシだと思いました。多機能高スペック高級感を求める向きには物足りない端末だと思いますが、快適さと実用度(バッテリは不安ですが…)のバランスは一番いいんじゃないでしょうか。

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■docomo Xperia arc SO-01C ラウンジ版 レビュー
 昨日発表のあったdocomoの新製品Xperia arcがスマートフォンラウンジで既に展示されていると聞いて速攻で行ってきました。さすがにXperia arc SO-01Cはすごい人気で、MEDIAS N-04CもOptimus Pad L-06Cも展示されているのに、この機種だけ順番待ち札が出ていて10台ほど?展示されていたにも関わらず、かなりの待ち時間となっていました。18時過ぎという時間だけにサラリーマン風な人も多く、主に男性ばかりでしたがとてもラウンジは賑わっていました。説明員の方も結構たくさんいらっしゃったのですが、順番待ち対応や説明対応にと手が足りていない感じで忙しそうでした。あまり期待はしていなかったのですが、説明に関しては「入荷したばかりでほとんど詳しいことがわからない」「そこまで説明を受けていない」「正確なことはわからないが、正式発売までにまだたくさんの変更があると思う」という感じで、少し突っ込んだ質問にはほとんど回答は得られませんでした。ということで、実感と現状をベースにレビューをしたいと思います。

■ハードウェア
 第一印象は軽い!でした。見た目の印象はもうちょっと重そう(大きいので)なのですが、持ってみるとアーチ型に反った背面のせいか持ち手の安定感があり、結構軽く感じられます。形状からしてどんな感触になるのかと思っていましたが、とても自然に違和感なく安定感良くちょっと意外でした。液晶は深い色味で(GUIのカラーマネージメントの影響も大きいと思います)、iPhone4の様にガラス表面に液晶画像が貼り付いているかのような印象を与える作りになっています。iPhone4よりももっと表面に近い感覚で、初めてみると「おっ!違うな」と思うくらいハッキリと感じられます。コントラストもハッキリしていていいのですが、見やすいかと言われると個人的には少し違和感を感じる度合いの方が大きかったと思います(全体的なGUIの色使いが深い青で、本体が黒(Midnight Blue)だったのと相まって少し暗い印象を持ってしまいました)。

 大きな液晶下端に左から順に「戻る・ホーム・メニュー」の並びでやや細いボタンが配置されています。片手で操作するのはちょっと厳しい感じですが、ボタン自体の感触は悪くありませんでした。片手操作しようとすると少し持ち手を下持ち加減に持ち直す必要があったのですが、背面の形状のおかげかこの場合でも比較的安定感があったので、とても操作しにくいということにはならないと思います。

 充電ケーブルは本体右側面上部端にあるため、充電しながら操作しても持ち手の邪魔になりません。これはIS03等と大きく違う点です。展示機にはL型プラグが刺さっていましたが、これが製品添付のケーブルなのかはわかりませんでした。上部左端に電源ボタンがあるのですが、小さくて正直ちょっと使いにくい感じです。左側面上部端にはイヤホンジャックがありますが、横向きに端子を挿すことになるので胸ポケットなどで入れて使う用途ではとても不便になりそうです。これはもうBlueToothを使えということなのだなと感じました。下部左にはストラップホールがあります。端でも中央でもない微妙な位置なのですが、落下防止に手首に通すタイプのストラップを使う場合には意外といい位置なんじゃないかと思いました。

 この機種の特徴としてカメラ性能が挙げられると思うのですが、カメラ部分のソフトウェアはあまり凝った仕掛けはなく基本的な機能という印象、撮影画像も本体で見る分にはあまり違いがわからないので評価は別の方にお任せします。しかしながら、ハードウェア的に本体右側面下部端にシャッターボタンが独立で設けられており、カメラが重視されていることが伺えます。残念ながらボタンは小さく、使い勝手がいいとまでは言えない感じですが、半押しでフォーカス、更に押し込んでシャッターというデジカメと近い動作をしてくれるので、画面タッチで撮影するよりも使いやすいとは思いました。

 起動時間については以下のような感じです。
 電源オン→10秒→ソニエリロゴ動画→8秒→docomoロゴ表示→38秒→ロック画面(約56秒)。

 起動はdocomoロゴ表示時間が意外に長く、あまり速い印象ではありません。この辺りも正式版では改善されるのではないかと思います。

■ソフトウェア(OS)
 Androidバージョンは2.3.1、カーネルバージョン 2.6.32.9-pref SEMCUser@SEMCHost #1、ベースバンドバージョン 7X30A-AAABQMAZM-1290_09-01、ビルド番号は3.0.A.2.28でした。docomo版のファームということでメニューの日本語フォントもキレイに表示されていますが、まだ未完成であるらしく一部に英語のままのメニューが残っている状態でした。設定に「Sony Ericsson」というメニュー項目があり、「Connectivity / Connect the phone to other devices or PCs with USB or via Wi-Fi」という名前の項目以下が全て英語のままでした。USB接続モードなどを設定する箇所なので、こちらも正式リリースでは日本語化されると思います。また意外なところで、表示メニューで独自部分である「Mobile BRAVIA engine」も英語表記のままでした。docomo版なので当然のようにテザリングメニューはありません。またAndroid2.3の特徴であるはずの通話設定におけるIP電話(SIP)設定の項目もごっそり無くなっている状態でした。

 Android2.3だけあって液晶のタッチ反応は非常に良く、フリックの応答性追従性は申し分ないと思いました。独自UIも小気味よく動作する印象を与えるギミックと、粘り気を感じさせるぬるっとした画面切替えの動きがなかなか面白い感じに組み合わせられていると思いました。操作感そのものはとても心地よい感じになってると思います。再起動直後は若干ぎこちない動きを見せるものの、すぐにそれは解消されました。サクサクした動作感覚を望む場合にはホームアプリを変えるなどの工夫をした方がいいかもしれません。

■ソフトウェア(アプリ)
 ソニエリ製品として当然のように「LiveWareマネージャー」がプリインストールされるそうです。もちろんマネージャーは半角カタカナ表記ですw この辺にソニエリのよくわからないこだわりがあるようです。LiveView使いの皆さんはひょっとすると活躍させられるパートナーをやっと手に入れられることになるかもしれません(期待は薄いですが…)。LiveWareマネージャーのバージョンをチェックするのを忘れてしまったのですが、GUIを見た限り新しいバージョンになっているような気がします。

 ちょっと気になったアプリとしては「life.episode」のマーケットへのエイリアスが入っていました。マーケットでの名称は「life.episode Japan beta」となっており、日本向けのアプリになっているようです。利用するには自分でマーケットからインストールする必要があります。AndroLibの説明では「life.episode(tm)ベータはニュース、音楽、アニメーション、写真、グルメ情報、ショッピングなど幅広いジャンルの最新情報を発見できる、ソニー・エリクソンによる新しいエンタテインメントです。「ポケット」機能ではお気に入りの情報を簡単にスクラップし、好きな時に取り出すことが可能です。新感覚のインターフェースを体感してみましょう。」ということなので、メーカーが用意するコンテンツサービスということのようです。まだベータということなので、プリインストールではないのだと推測されます。

 期待していたDLNA対応は「メディアサーバ」というサーバアプリが導入されていて端末内のコンテンツを共有できるというものでした。詳細表示が英語のままなどまだローカライズが完了していない状態でした。残念ながらDLNAクライアントになるアプリは用意されていないようでした。

■まとめ
 全般的に魅力的な端末になっていると思いました。個人的には購入意欲が高い端末だったので期待はしていたのですが、価格次第で十分購入に踏み切れそうだと思いました。ただ夏には国内独自機能を追加したバージョンがリリース予定ということなので、そこが悩みどころかなと思っています。また内部ストレージが512Mしかないという記事をどこかで読んだので、そこも少し気になっています。OSとしてはSDカードにアプリをインストールすることが可能な仕様ですが、多くのアプリが未だにSDに移動できない現状では512Mはちょっと小さすぎるのではないかと心配しています。今回実機で確認してくるのを忘れてしまったのですが、この点は夏モデルで解消して欲しいと思います。

 既にデュアルコア時代に入ったAndroid端末ですが、やっと少しずつ世界からの遅れを取り戻してきているように感じます。今回Xperia arcが大きく遅れずにリリースされることは非常に感慨深いものがあります。docomoがAndroid端末の先進性をマーケティング面でも活かそうとしているのが伝わってくるようです。4月からはSIMロック解除もできるようになるということで、国内独自機能に拘らず最新のグローバルモデルをどんどん国内に投入してもらいたいと強く思います。
 

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■Android用アンチウイルス&アンチマルウェアソフト 2011年3月版
 以前紹介したアンチウイルスソフトの記事へのアクセスが比較的多いため最新版へ更新します。2010年6月と比較するとAndroid向けに現実のウイルスが発見されたこともあって、アンチウイルス・アンチマルウェアを掲げるソフトウェアが増えてきています。また、そうしたアプリの検証目的と思われる疑似ウイルステストファイルもAndroidマーケットで複数確認できました。ここではAndroid2.xに対応した無償で利用可能なアプリを紹介します。全てをインストールしたわけではありません。現在入手可能な製品をリストしているだけですので、ご注意ください。ご利用は自己責任で。

各アプリケーションの紹介リンクはAndroid用アプリケーションの検索サイト「AppBrain」です。
http://www.appbrain.com/

以前はCyrketを紹介していましたが更新がされていないようなので、AppBrainに変更しました。

■無償利用可能なアンチウイルスアプリ
(Anti Virusと説明にあるものでAnti Malwareも含む)

Antivirus Free
http://www.appbrain.com/app/antivirus-free/com.zrgiu.antivirus

NetQin Antivirus FREE
http://www.appbrain.com/app/antivirus-free-netqin/com.netqin.antivirusgm20

Antivirus Free – AVG
http://www.appbrain.com/app/antivirus-free-avg/com.antivirus

BluePoint Antivirus Free
http://www.appbrain.com/app/bluepoint-antivirus-free/bluepointfree.ad

Antivirus – Risk Detector
http://www.appbrain.com/app/antivirus-risk-detector/com.edroidapps.riskdetector

Onetouch Antivirus
http://www.appbrain.com/app/onetouch-antivirus/com.shipwrecktech.antivirus1

Super Security Standard
http://www.appbrain.com/app/super-security-standard/com.superdroid.security2

MYAndroid Protection 2.0+
http://www.appbrain.com/app/myandroid-protection-2-0/com.mymobileprotection20

AppScan Beta (security tool)
http://www.appbrain.com/app/appscan-beta-(security-tool)/com.aegislab.atrprj.appscan

Kinetoo Malware Scan
http://www.appbrain.com/app/kinetoo-malware-scan/com.cpumedia.android.kinetoo

Anti virus
http://www.appbrain.com/app/anti-virus/com.aka.antimalware

Dr.Web for Android Light
http://www.appbrain.com/app/dr-web-for-android-light/com.drweb

360 Mobile Safe
http://www.appbrain.com/app/360-mobile-safe/com.qihoo360.mobilesafe

MobiShield
http://www.appbrain.com/app/mobishield/com.trustmobi.MobiShield

ViRobot Mobile
http://www.appbrain.com/app/virobot-mobile/com.hauri.ViRobotMobile

SecuritySuite (new)
http://www.appbrain.com/app/securitysuite-(new)/com.droidHunter

Virus Terminator(antivirus)
http://www.appbrain.com/app/virus-terminator%28antivirus%29/com.opensystem.terminator

Android Defender Virus protect
http://www.appbrain.com/app/android-defender-virus-protect/com.moonbeamdevelopment.riskdetector.android

Aegislab Antivirus Free
http://www.appbrain.com/app/aegislab-antivirus-free/com.aegislab.sd3prj.antivirus.free

Mobile Secure/Security
http://www.appbrain.com/app/mobile-secure-security/com.mobileann.MobileAnn

ALYac Android
https://market.android.com/details?id=com.estsoft.alyac&feature=search_result

■無償利用可能なアンチマルウェアアプリ
(Anti Malwareと説明にあり、Anti Virusとないもの)

Lookout Mobile Security
http://www.appbrain.com/app/lookout-mobile-security/com.lookout

Norton Mobile Security (Beta)(おそらく製品版発売に伴い3/18前に非公開になると推測)
http://www.appbrain.com/app/norton-mobile-security-(beta)/com.symantec.mobilesecurity

Android Optimizer
http://www.appbrain.com/app/android-optimizer/cn.opda.a.phonoalbumshoushou

nProtect Mobile
http://www.appbrain.com/app/nprotect-mobile/com.inca.nprotect

Super Security Standard
http://www.appbrain.com/app/super-security-standard/com.superdroid.security2

■試用可能なアンチウイルスアプリ

BlackBelt AntiVirus – Trial:30日試用版
http://www.appbrain.com/app/blackbelt-antivirus-trial/com.blackbelt.antivirus

SmrtGuard Mobile Security:Pro版を30日試用可
http://www.appbrain.com/app/smrtguard-mobile-security/com.smrtguard

F-Secure Mobile Security6:「Try for Free」ボタンから試用可能
http://f-secure.mobi/

Kaspersky Mobile Security日本語版:30日試用可能
http://www.androidsecurity.jp/

Kaspersky Mobile Security:「Free Trial」ボタンから7日間試用可能
http://www.kaspersky.com/kaspersky_mobile_security

MYMobile Protection 2.0+:30日試用版
http://www.appbrain.com/app/mymobile-protection-2-0/com.netqin.antivirussc

■SoftBank利用者向けアンチウイルスサービス(3月末まで無料)

スマートセキュリティpowered by McAfee
http://mb.softbank.jp/mb/special/10winter/feature/smart_security/

■アンチウイルスアプリの動作検証用テストファイル
 アンチウイルスアプリをインストールした状態で以下のファイルをインストールしようとすることで、アンチウイルス機能が正しく動作しているかどうか確認できるというもの。アンチウイルスアプリをインストールしたら念のため試しておくことをオススメ。

Antivirus TESTVIRUS
http://www.appbrain.com/app/antivirus-testvirus/com.ANTIVIRUS.TESTFILE

EICAR Anti-virus Test
http://www.appbrain.com/app/eicar-anti-virus-test/uk.co.extorian.EICARAntiVirusTest

■雑感
 今回敢えてAnti Virusと書いていないアプリを分離して表記してみました。何故かと言うと上記リストにもある比較的メジャーなアンチウイルスだと思っていたアプリLookoutをインストールしていたのですが、たまたま気になってEICARのウイルステストファイルをEICARのWebサイトから直接ダウンロードしてみたところ、何の警告もなくダウンロードされてしまったことで、実はそのアプリがAndroidのマルウェアやスパイウェアアプリしかチェックしていないことに気付くことになったためです。Android上でウイルスが活動しようとする場合アプリとして動作する前提でチェックしているため、メールやSDカードなどにウイルスファイルが存在してもチェックができないというものでした。Android2.xの標準メーラでは画像以外添付できないよう制限されているようなので(添付ボタンでファイル添付しようとするとギャラリーアプリから画像のみ添付対象として表示される)、誤って送信してしまうというようなことはないと思われますし、Lookoutがそういう動作をするものだと思っていればいいのですが、知らずにウイルスファイルを端末内に保持してしまう可能性があるのは嬉しくない(端末をUSBでPCマウントした時に初めて警告が出る可能性がある)と思いました。

 近いうちに上記の全てとはいきませんが、いくつかメジャーなものを選択してアンチウイルス機能の対象範囲がどの程度(WebアクセスやメールやSDカードがチェックできるのか)なのか検証してみたいと思っています。とりあえず、Androidのアンチウイルスアプリを検討する場合には用途に応じてウイルステストファイルなどで適切な動作確認をされることを強くオススメします。

※2/27 Kaspersky Mobile Securityを追記
 3/5 Norton Mobile Securityの発売予定とβ公開停止予測を追記
 3/26 ALYac Android他新しいソフトを追加
 4/18 Kaspersky Mobile Security日本語版を追記

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■Android用DLNAクライアント動画再生比較検証2

最新の記事はこちら↓
 Android用DLNAクライアント動画再生比較検証3
 http://blog.isnext.net/issy/archives/826
 Android用DLNAクライアント動画再生比較検証4
 http://blog.isnext.net/issy/archives/939
 Android用DLNAクライアント動画再生比較検証5
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1077

 Androidマーケットで利用可能なDLNAアプリが少し増えてきたようなので無償利用可能なアプリをいくつか検証してみた。以前テストしたものもバージョンが変わっているので再度検証してみようと思ったが、有償のものはAndroidマーケットの返品条件が変わっていることや、再購入時には返品できないことなどからパス。また今回検証によりAndroid端末により再生可能結果が違うこともわかったので、比較のためNexusOne(Froyo FRF91)とGalaxyTab((Froyo XXJK5)の結果を併記することにした。今回検証したアプリは以下。DLNAサーバはMacOSX上のPS3 Media Server。

 ・AndroMote Remote Control
  http://www.appbrain.com/app/andromote-remote-control/de.czesla.android.remote
 ・Eyecon
  http://www.appbrain.com/app/eyecon/com.eyecon.cloud
 ・Skifta beta
  http://www.appbrain.com/app/skifta-beta/com.skifta.android.app
 ・Twonky Mobile – FREE
  http://www.appbrain.com/app/twonky-mobile-free/com.pv.twonkyremote
 ・UPnPlay
  http://www.appbrain.com/app/upnplay/cx.hoohol.silanoid

 再生検証に利用したファイルは以下。前回テストで使用したファイルに追加して、iPhone用にエンコードしたmp4ファイルを入れておいた。Hは1280×720、Iは640×480の元ファイルをPermuteのiPhone設定でエンコードしたもの。

 A) 1280×720 H.264 AAC mp4
 B) 1920×1080 H.264 AAC mp4
 C) 640×480 H.264 mp3 avi
 D) 640×480 WMV9 WMA2 wmv
 E) 640×480 DivX mp3 avi
 F) 640×480 Xvid mp3 avi
 G) 1280×720 x264 AAC mkv
 H) 480×272 H.264 AAC mp4
 I) 426×320 H.264 AAC mp4

■ローカル再生
 まずはテストファイルをMicroSDに入れて端末の動画プレイヤーで再生する。使用するプレイヤーは端末標準のもので、3rdパーティ製のプレイヤーはインストールしていない状態。NexusOneはH,Iのみ再生可能、GalaxyTabは全て再生可能とのっけから再生性能の差が明らかに出ている。各種エラーの経験上NexusOneでは480×320のサイズを超える動画はプレイヤーが再生できない制約があるようだ。

■AndroMote Remote Control
 名前の通りDLNAコントローラとして動作するものだが、レンダラーとしてLocalPlayerを選択することでクライアントとしても動作可能。ただし再生はストリーミングでなく、指定したファイルをダウンロードして全て読込んだ後で再生が始まるという方式。そのため大きなファイルの再生には向かないと思われる。NexusOneはH,Iのみ再生可能、GalaxyTabは全て再生できず。

■Eyecon
 DLNAコントローラっぽい使い方をする動画再生アプリ。横画面のみ対応。登録が必要に見えるが、DLNA再生にはguestでログインしてやればOK。ログイン後SearchのLocalMediaを選択するとDLNAサーバがリストされる。DLNAサーバを選択するとresultsにファイルの一覧が表示され、選択するとファイルの詳細画面が表示され再生可能になる。若干クセのある動作だが慣れれば詳細画面の表示は便利だと思われる。NexusOneはH,Iのみ再生可能、GalaxyTabはA,Bのみ再生可能。

■Skifta beta
 今年のMWCでQualcommが展示して話題になったDLNACertifiedがウリなアプリ。起動時に毎回updateチェックが入るのがちょっと煩わしいが、インターフェースデザインが美しく使い勝手もよい。DLNAコントローラ、クライアント、サーバの全ての機能を実装されているっぽい。操作系は縦画面のみ対応(動画再生は横画面になる)。NexusOneはH,Iのみ再生可能、GalaxyTabはA,Bのみ再生可能。

■Twonky Mobile – FREE
 前回と少し結果が違ったので再度紹介。DLNAクライアントとサーバが1つのアプリになっている。Skiftaがリリースされた現状ではこのアプリも御役御免かなと思ってみたり。操作系は縦画面のみ対応(動画再生は横画面になる)。前回試験同様、動画再生時にメニューバーが残存し、残りエリアいっぱいに画面伸長表示するため4:3系のコンテンツには向かない。NexusOneはH,Iのみ再生可能、GalaxyTabはA,Bのみ再生可能。

■UPnPlay
 操作画面などデザインはいまいちだが、DLNAクライアントとして細かい設定もいろいろできるアプリ。若干クセのある操作感だが慣れれば問題なし。プレイリストを作れるところは便利。NexusOneはH,Iのみ再生可能、GalaxyTabはA,Bのみ再生可能。

■まとめ
 ということで、前回の結果と異なり今回はある程度まともに再生ができる状況が出来ている。SkiftaはとてもオススメできるDLNAアプリだと思う。Twonky Mobile – FREEを除いて全てのアプリが動画再生を標準の動画プレイヤーアプリに任せるため、アスペクト比も適切に再生されるし、メニューバーもちゃんと非表示になっている。ただし再生可能なサイズとフォーマットが端末スペックに依存することになるため、本来トランスコードなどで再生できそうな場合でも再生できないという状況になっていた。また、今回GalaxyTabでは本来ローカル再生で問題ないはずのファイルも再生できないケースがあり、この原因がよくわからない。

 どうやらAndroid環境では端末やアプリの実装に依存して、同じDLNAサーバの同じファイルで、同じDLNA対応アプリを使用しても再生できたりできなかったりということが当然のように起こるようなので、とにかく実機で動作確認をするしか確実に再生できるか判断する術はないようだ。iPhoneやiPadが単一実装なのと比べて多様性がウリのAndroidとは言え、さすがにこれはどうかと思う…。

 とは言え、多少再生環境が向上したことは嬉しい。もうすぐTegra搭載のAndroidタブレットがたくさんリリースされてくるが、いくつか購入の予定をしているので、入手したらまたDLNA周りの検証を再度行ってみようと思う。

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■SoftBank 005SH 簡易レビュー
 ヨドバシ秋葉原店にてキーボード付きAndroid端末005SHのホットモックを触ってきたので簡単にレビューしておこうと思います。全体的な印象は003SHより少しマシ、でもやっぱりちょっと購買意欲はわかないかな…という感じでした。既に5台以上が展示されており、3種類の色全てが実機展示されていますので、キーボードの触感を含めて確認したい方はゆっくり触って確かめることができると思います。

 展示機のAndroidバージョンは2.2.1、カーネルバージョンは2.6.32.9-pref sharp@TG440903 #1、ビルド番号S0500、ベースバンドバージョンは00.00.00でした。003SHからの更新数字は僅かで、全体的な動作の印象もあまり変わった感じは受けません。再起動直後など多少スムーズさが向上しているような気はしますが、在る程度の稼働時間が経過しているものは、タスクマネージャーでアプリを全て終了しても、動作が緩慢だったりするので、本質的に改善が図られているという印象はもてませんでした。標準ホームのフリックの追従度合いも2.2端末としてはもう一息と思ってしまいます。003SHに対して発売時期が遅れたことのアドバンテージをあまり感じられない印象でした。

 ハードの一番の特徴であるキーボードについては、WillcomのW-ZERO3シリーズと比較しても非常に良好で、ショートストロークですが心地よいクリック感のある押しやすいキーだと感じました。キー自体に少し角度を付けてある具合が操作するのによい感覚をもたらしてくれているようです。カーソルキーと戻る&ホームは左端にレイアウトされているのですが、個人的にはdocomoのL-04Cの配列の方が使いやすいと感じました。これは慣れもあると思うので、使い込むと評価は変わるかもしれません。どちらかというとキー配列そのものより、例えばブラウザ画面でカーソルキー操作しようとした時に、直感的に動作してくれないというか、思ったフィールドを選択するのに、なんとなく期待するのと違う動作をすることが多く、とても違和感を感じてしまいました。日本語入力時にも変換範囲選択と変換文字指定の操作がうまく行かず、ちょっと慣れが必要だなと思ってしまうなど、やや直感性に欠ける印象を強く持ちました。L-04Cではあまりこの辺が気にならなかったので、(もう具体的にどう違うのかまで思い出せないのですが)005SHをキーボード付きということで購入しようとしている方は、日本語入力についてはよく確認された方がいいのではないかと思いました。日本語入力は例によってiWnn IME – SH editionになっていますので、設定等の工夫も必要なのかもしれません。また「言語とキーボードの設定」メニューには「端末内蔵キーボード」という項目があるので、この辺りも必要に応じて変更してみるといいかもしれません。

 本体はキーボードが付いていることで、003SHよりも背面がふっくら丸く厚みのある感じになっていますが、丸みがホールド感をよくしてくれているようで、縦持ちはしやすいと思いました。横持ちの時ちょっと気になったのは、充電用USB端子がキーボード側面右下に位置することで、充電しながら横持ち操作がとてもしにくいと感じられたことです。指をかける位置がやや苦しい感じで、HDMI端子になっている右上にしてくれたらいいのにと思いました。HDMI端子よりUSB端子の方が使用頻度が高いと思うので、個人的にはこの設計はとても残念に感じます。003SHに比べて本体前面のメニュー・ホーム・戻るボタンの大きさが小さくなっていますが、操作感はあまり変わりませんでした。見かけの印象を変えるための大きさ変更なのかもしれませんが、個人的にはこのくらいのサイズでいいなと思いました。液晶等は003SHとあまり大きく印象は変わりません。3D表示は個人的には不要なので2Dで見る限り発色も悪くなく十分な品質だと思います。

 003SHの印象があまりよくなかったので、005SHの印象もややそれに影響されている感はありますが、むしろ改善されて良くなっていると感じられない品質の方が問題なのではないかと思います…。今期SHARPからリリースされた端末では、正直なところauのIS03が(ホームアプリを入れ替えるのが前提ですが)一番マシな端末なのではないかと感じています。SoftBankはマーケティング的には魅力のある端末に見えましたが、実際にリリースされた内容ではやや残念な印象がぬぐえませんでした。もう少しハードとソフトの統合度合いのバランスを取ってくれていたらと思います。ぜひとも2.3か2.4へのアップデートを提供してより機敏で安定した端末へと向上してくれることを期待したいと思います。

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■Acer 10インチAndroidタブレット試作機 簡易レビュー
 本日秋葉原で開催されたダイワボウ情報システム社主催の「DiSxAndroid展2011」でAcer社の10インチAndroidタブレットの試作機が展示されていたので、触らせていただきました。担当者さんに確認の上、写真撮影してblog記事にしても大丈夫ということだったので、簡単なレビューで紹介したいと思います。とはいえ、このblogは画像を置かないことにしているので、端末画像についてはEngadgetの以下の記事をご参照いただければと思います。トップの写真及び「ギャラリー: Acer Android Tablets」と題されている写真の機種がそれになります。

 Acer のAndroid タブレットは7型・10型デュアルコア、来年4月出荷
 http://japanese.engadget.com/2010/11/23/acer-10-7-android-4/

 試作機のOSはAndroid2.2、カーネルバジョン 2.6.32.9-g0c9a381 jackstar@jackstar-laptop #1、ビルド番号 Acer_Picasso_0.017.01_EMEA_GEN1_CES02、ベースバンドバージョンはUnknownとなっていました。Engadgetの記事でも2.2となっていますので、ほぼ同じものだと思われますが、Acer独自UIはアンインストールされているそうで、インターフェースはほぼアンドロイド標準となっていました。正確な名前はまだないとのことでしたが、ビルド番号からはPicassoというのが10インチの開発コードのように見えます。

 試作機のハードウェアはAcerのAspire Timelineシリーズ同様、背面にヘアライン加工したアルミニウム天板?のような素材となっていて非常にメカっぽい質実剛健さと高級感があります。重さはiPad程度ということでしたが、持った感触ではややiPadより軽いように感じました。液晶の解像度の確認は忘れてしまったのですが、Engadget記事と同じとすると1280 x 800だと思われます。発色は悪くなく、ナナメ方向の視野にも強い液晶でGalaxyTabと同等クラスかそれ以上の液晶ではないかと感じました。同じTegra250搭載Androidタブレットで、マウスコンピュータのLuvPadやONKYOのTA117C1/3と比べても液晶自体は高品質だと感じました。(会場ではTA117C1/3がデモ機用にたくさん展示されていました。LuvPadと中身はほぼ同じらしいということで、こちらはあまり触りませんでした)

 基本は横向きで使う前提となっており、下部にドック接続用のコネクタがあります。上部には音量ボタンとmuteスイッチ?そしてMicroSDスロットが1つ、その横にも同じサイズのスペースがあったのでバリエーションによってダブルでSDスロットが使えるようになるのかもしれません。左側面に電源ボタン、イヤホン、HDMI出力。右側面にAC電源、USBなどが用意されています。たぶんフロントカメラだと思われるものが液晶左面上側に、背面のカメラは裏面右上にあります。面白いのはフロント面には一切のスイッチ類(タッチ式含む)がないこと。ほとんどのAndroidタブレットが液晶の側にタッチ式か物理ボタンを用意しているのに、Acerのタブレットにはそれがありません。どうやって戻るとかホームの操作をするのかと思ったら、液晶右下を画面外から画面内向きにフリックすると「戻る、ホーム、メニュー」の順に上から並んだパネルがするりと画面出てきます。そのパネルのアイコンをタッチすることで操作をするようになっているのですがこれがまた曲者で、エラー等でアラートのダイアログなどが出続けてしまうような状態になると、事実上操作不能に陥ることがありました。会場で実際そのような状態になってしまったため、早急に解決策を検討するとおっしゃっていました。

 動作自体は非常に軽快で、フリック等の追従性応答性は非常に高いレベルになっています。正直上記のような問題はあるものの、それさえ解決されれば2.2タブレットとしてこの状態で製品として販売しても十分いけるのではないかと思われました。Acerとしては現状は今年の6月〜9月の間にかけての販売を計画しているとのことで、その時にAndroidのバージョンがどれになるのかは現時点では確定していないとのことでした。また今回10インチを展示していたものの、国内でどのサイズのタブレットが販売されるかについても未確定で、展示機にはいろいろアプリもインストールされていたのですが、何がインストールされるかも当然未確定ということでした。Android関連についてはスマートフォンでもやや後発となってしまったこともあり、Acerとしては独自性を打ち出すためにも非常に慎重に取り組んでいるように感じられます。Engadgetの記事では3.0(Honeycomb)をターゲットにしているようでしたが、発売時期を考えても、ぜひとも国内向けに最速で3.0タブレットを導入して欲しいと思います。

 国内ではAspireシリーズのNetbookで知名度を上げたAcerですが、時期的にコストパフォーマンスが突出した端末をリリースすることが多く非常に期待感のあるメーカーだと思っています。個人的にもUL20AのオーナーだったりTimelineシリーズのファンだったりしたので、AcerのAndroidタブレットリリースには期待したいと思っています。

画像をTwitpicに上げたのでリンクを紹介。

前面
http://twitpic.com/3tajnw
背面
http://twitpic.com/3tak1i
操作ボタンパネル
http://twitpic.com/3takm8

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■CyanogenMod 7 Nightly 動作検証メモ
 NexusOneにCyanogenMod 7 #9を入れて、CommuniGate Pro 5.3.11とSIP/AirSync利用の動作検証をしたメモ。

■システム情報
・Androidバージョン 2.3.1
・ベースバンドバージョン 32.36.00.28U_4.06.00.12_7
・カーネルバージョン 2.6.37-cyanogenmod+ shade@toxygene #1
・Modバージョン CyanogenMod-7-01202011-NIGHTLY-N1
・ビルド番号 GRH78

■SIP設定
・通話設定>インターネット通話の設定
・アカウント>アカウントを追加
 必要項目入力、オプション設定はなし
・着信を受ける場合には、着信を受けるにチェック
・インターネット通話を使用>データネットワーク接続時は全ての通話
 WiFiで通話するためにはこの設定が必要

・Nexus One (WiFi) →CommuniGate Pro →RV-230SE(ひかり電話) →WillcomPHSで通話可能
 標準でG.711 uLawに対応している模様 遅延大きく1秒程度有り
・メールアドレス形式では入力ができないため、番号が必須
 sip:// でも発信不可

■AirSync(Exchange同期互換)設定
・アカウントと同期の設定>アカウントを追加>コーポレート
・同期動作
 メール同期送受信OK
 コンタクト同期OK
 カレンダー受信OK 送信NG(サーバ側に繰り返し登録される)
・リモートワイプ動作
 ワイプ不可 (AirPing request多発)
・基本的に2.2.1までと動作変わらず

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■Viber for Android テスター募集中らしい
 ViberのAndroid版のリリースが近いようで、テスターの募集もされているようなのでこちらで紹介しておきます。情報元は以前の記事でも紹介した以下のblogへ、Viber社CEOのTalmon Marco氏が書き込んだコメントになります。(1/11ごろViberのNEWSレターでも紹介されているようです)

 Privacy 101 or Why You Should Not Use iPhone App Viber
 http://blog.agmon.com/2010/12/04/why-i-will-not-install-viber/

 コメント内でTalmon Marco氏は、以前の記事で予告されたプライバシーポリシーのリンクが追加される1月のViberアップデートで、Viberのバージョンが1.1になることを明示しています。またAndorid版Viberが現在開発フェーズであり、2月にQA(クオリティアシュアランス=品質保証)の段階に入ること、リリースは3月ごろになることを明らかにしています。そしてベータ版のテスターになるためのリンクを紹介しており、氏がNexus Sのユーザで、その端末上でAndroid版Viberが動作していると話しています。

 残念なのは紹介されているリンク先がviber.comでなくlist-manage.comで、メーリングリストサービスを提供しているMailChimp社のサービスであることです。MailChimp社は個人情報保護認証プログラムTRUSTeも取得しているので契約先としては不適切ではないのですが、リンク先にはViber社の内容だけが紹介されており、MailChimp社のアイコンにリンクが貼ってあるのみで、プライバシー関連の説明が一切ありません。また実際に登録するとinfo@viber.comから確認メールが送信されてくるのですが、実際の送信元ドメインはmcsignup.comであり、SPFレコードが正しく評価されません。(domainkeysはSENDERがmcsignup.comで追加されており、MLとして適切な設定になっているように見えます。CommuniGate Proがdomainkeysに標準では対応していないので、自環境では検証できませんでした)list-manage.comもmcsignup.comもMailChimp社の所有ドメインなので、偽装であったり第3者提供であったりするわけではないのですが、MailChimp社のサイトで一見でサービスドメインであることの判断ができず、whoisを調査してやっと所有者がわかるというような非常に見通しの悪い仕立てになっており、MailChimp社のサービス品質は残念ながらあまり高いレベルとは言えないと思われます。

 個人情報の取扱いに細心の注意を払うということは、こうした実際の情報流通の際に顧客にとって安心・信頼できる手段を利用する必要もあり、少なくとも利用サービスとそのポリシーの明示、SPFの適切な設定などはされていた方が望ましいのではないかと思います。Viber社が取引先としてTRUSTe取得事業者を選択したところまでは良かったのですが、実際に送信されるメールまで確認されておらず、残念ながらあまり適切ではないメールになってしまっていることは、やはりサービスを選択したViber社側の自社サービス品質のレベルを間接的に表すことになるのではないかと感じます。これまでの経緯的に個人情報の取扱いを不安視されているViber社としては、こうしたシンプルな機能を利用する場合であっても、細心の注意を持って利用サービスを選択して欲しいと思います。

 Android版に興味があるので今回登録はしましたが、上記のような理由でテスター登録のリンクはここでは紹介いたしません。当該blogを直接訪れて登録されるのは自由ですが、少なくともリンク先には上記のような事情があることをご理解いただくことと、Android版がテスター提供された場合にはコンタクトの情報を適切に制限(万が一があっても問題ないように)してテストに望まれることを、強くお勧めいたします。

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■EMOBILE Pocket WiFi S (S31HW) 簡易レビュー
 Pocket WiFi SことS31HWが発売になったということで、ヨドバシ秋葉原店で触ってきました。ハード的には先にレビューした日本通信のIDEOSとほぼ同じで、通信対応方式の違いなどはいろいろなところで紹介されているので、ここではソフト的な違いの部分などを簡単にレビューしたいと思います。日本通信のIDEOSのレビューは以下をどうぞ。

 b-mobile IDEOS 簡易レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/655

 S31HWのAndroidバージョンは2.2、カーネルバージョン 2.6.32.9-pref huawei@server-1 #1、ベースバンドバージョン 22201003、ビルド番号 U8150V100R001C26B830でした。ホームなどはカスタマイズは最小らしく、ほぼAndroid標準でIDEOSとあまり変わりません。最も違うのは日本語関連部分で、S31HWは日本語入力プラグラムとしてFSKAREN Version 1.0.1H01101が導入されており、フォントも日本語が正しく表示できるようになっています。日本通信のIDEOSは標準では日本語入力プログラムは無く(TouchPad選択でひらがな入力はできるが漢字変換できない)、OpenWnnなど別途マーケットから対応アプリをインストールする必要がある上、フォントはCJKフォントのため一部中国簡体字で表示されてしまいます。この部分は正式にローカライズされているS31HWの優位なところですね。ただ実際には液晶画素が粗いため、若干S31HWの方がフォントが丸っこいかな?というくらいで、あまり大きな違いとして意識されることはありません。中国漢字については違和感を感じることもあるかもしれませんが、小さい表示ではこちらもあまり気になりません。(NexusOneで慣れただけかも…)そのフォントにしてもIDEOSをroot化して変更する方法はあるので、圧倒的な優位とまでは言えません。

 正直なところEMOBILEのテザリング対応なAndroid端末としてはHTC Ariaの方が、メールやWebを日常使用するものとしては圧倒的によい端末だと思います。S31HWはベーシックでも19800円という低価格は魅力的なので、テザリングメインで使うか、低い維持コストで電話番号をもうひとつ持ちたいというニーズには合っていると思います。ただテザリングメインということであれば、現状ではWiMAXを利用する方が規制もなく速度も十分出るので、敢えて規制の強いEMOBILEを選択する必要はないのではないかと思ってしまいます。WiMAXの場合電話番号が持てないことになりますが、コヴィアネットワークスが提供するFleaLine Lightのような月400円から利用できる050番号のIP電話をSipdroidで利用するという方法もありますので、これなら日本通信のIDEOSとU300の組み合わせで使えるIP電話サービスと同様の利用形態になると思います。

 コヴィアネットワークス FleaLine Light
 http://www.covia.jp/net/flealine-light01.html

 非常に微妙なところですが、個人的には低価格以外の魅力を感じられませんでした…。使い続けられる魅力はあまりないように思います。とても主観的で申し訳ないのですが、Android端末としていろいろ使ってみたいと思ってS31HWをご検討の方にはHTC Ariaのご検討をぜひともオススメしたいと思います。

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