■AndroidとSIP/VoIP 2010/12版
 iPhoneにViberが登場しVoIP周りがまた面白くなってきそうなので、Android版のViber登場を待つ前にSIP記事の更新をしておこうと思い立った。前回の記事は2010年6月ごろなので約半年ぶりの更新になる。

 AndroidとSIP/VoIP
 http://blog.isnext.net/issy/archives/292

 Android用のSIPクライアントの数もそれなりになってきており、古くからのアプリもいろいろと更新がされているようなので、前回の記事同様ひかり電話の子機として自宅環境での実験をしてみる。自宅環境は前回の記事と同じく以下の通り。違っているとするとCommuniGate Proのバージョンが最新の5.3.10になり、SIPゲートウェイ登録から個人アカウントのRSIP登録に修正されている点くらい。

現在自宅はNTTのひかり電話になっていて、CommuniGate ProのSIPサーバ機能とRSIP(リモートSIP)機能を利用してCommuniGate Proサーバ自体をひかり電話の子機としてRV-230SEにレジスト、iPhoneやデスクトップマシンからCommuniGate Proサーバに自アカウントでSIPレジストして電話を発着信できるようにしています。

 発信試験経路も前回と同じ。違っているのはNexusOneのOSが2.2.1になっているというところか。ひかり電話のファームも変更がないので、変わらずサポートしているCodecはG.711 μ-Law (PCMU)のみということに。SIPクライアントのCodecがこれをサポートしていないと電話はできない。

電話経路は WiFi接続でNexus One →CommuniGate Pro →RV-230SE →ひかり電話網 →WillcomPHS電話

という上記条件で発信して通話を試みた結果は以下。

・LinPhone 1.0.16 ○ 通話可能 遅延少ない
・CSipSimple 0.00-15 ○ 通話可能 遅延少ない
・3CXPhone 1.2.3 ○ 通話可能 遅延少ない
・Sipdroid 2.0.1bata × 通話できず PCMU対応だがエラーになる
・fring 2.2.0.7 × コールはできるが音声聴こえず
・Nimbuzz 2.0.1 × Android版はSIP未対応らしい
・aSIP アプリ見つからず
・SipAgent アプリ見つからず

 LinPhoneは相変わらず安定して接続も通話もOK。CSipSimpleが現在のバージョンでは通話可能に。安定しているしUI的にも使いやすい。3CXPhone今回初試験だったが無事通話可能。SipdroidはPCMU対応のはずだが、コーデックの設定をPCMUのみにしても通話どころかコールすらできず。fringは前回通話できたが今回コールはしても着信側が電話に出ても呼び出し続け通話することができなかった。後の3つは試験できず。

 現時点でダイアル発信とsipアドレス発信がUI的に簡単に切替できてわかりやすいCSipSimpleはオススメできるかもしれない。長時間の通話テストや3Gでのテストはやっていないので、その辺も今後試してみたいと思う。

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■au IS03 更新ビルド 簡易動画再生レビュー
 またしても出所が明示できないビルドになります。今回は大きな変更点はなくビルド番号 01.00.01と、最後が1だけ増えたものになります。比較的にキレイなビルド番号とほんの少しだけ更新された度合いが、なんとなくファイナルっぽい雰囲気を感じさせてくれますが、au独自アプリはほぼ無く、IS03の基本部分のみの構成となっていますので、リリース版とは異なることは間違いありません。

 操作感覚などはほぼ前回のレビューの更新版ビルド 01.00.00と変わりません。Android2.1ということもありレスポンスは必要十分という印象。バランスよくまとまって安定度が上がっている感じです。なのであえて追記することはありません。

 そこで今回たまたまGalaxy Tabの動画再生試験で使ったMicroSDを持っていたので、お願いして動画の再生検証をさせていただきました。再生検証の手順は、IS03に挿入したMicroSDの/Videos/に入った動画をコンテンツマネージャーから選択して標準でインストールされている「ビデオプレイヤー」or「動画」の2つのアプリで再生してみます。再生確認した動画フォーマットは以下の7つです。

 A) 1280×720 H.264 AAC mp4 △
 B) 1920×1080 H.264 AAC mp4 △
 C) 640×480 H.264 mp3 avi ×
 D) 640×480 WMV9 WMA2 wmv ◎
 E) 640×480 DivX mp3 avi ×
 F) 640×480 Xvid mp3 avi ×
 G) 1280×720 x264 AAC mkv ×

 結果どちらもDしか再生できませんでした。ABはリストには表示されるものの再生できず。他の動画はリストに出てくることすらありません。ただこれはAndroid標準という意味では妥当な結果で、NexusOne2.2.1でも素のままではABがリストされるだけで再生できず、他の動画はギャラリーに出てこないという状況です。Dが再生できただけでも多少拡張がされていることになります。この点については標準状態で全て再生可能だったGalaxy Tabがよく出来ているということでしょう。IS03でこれらの動画を再生するためにはRockPlayerなどの無料の動画Playerアプリを追加する必要があるということになります(RockPlayerでもSoftwareDecodeでは720p以上の動画は難しいようですが…)。今回IS03はLismoPlayerも入っていなかったので、auアプリがフルインストールされたらまた結果が異なるかもしれません。動画Playerとして利用される場合はPlayerアプリ選択とフォーマットに注意が必要です。

 ちなみにiPhone3GS用に変換したmp4(480×272 H.264)はAndroid2.1標準でも再生可能です。上記の結果は元々DLNA経由再生可能フォーマットのバリエーションのテストのためのものですので、携帯電話で直接再生できなくても仕方ないかなと思います。(むしろGalaxy Tabがすごい…)

 今回初めてブラックの端末を触ったのですが、他の色と違って背面カバーがマットなざらっとした表面になっていて、重さと質感のバランスが非常に大人っぽいシックな端末という印象になっており、正直びっくりしました。この手触りからくる全体印象の変化だけでIS03買うならブラック1点買いだなと思い直すくらい印象が変わりました。もう既に予約済みの方も多いと思いますが、個人的にはブラックがオススメになりましたw

 IS03は順調な仕上がりを見せていると思います。真価が発揮されるのはAndroid2.2になってからかなとも思いますが、十分に安定感のある端末になっていると思いますので、過度な期待は禁物ですが実用に足るという評価が得られるのではないかと楽しみです。

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■SoftBank 003SH 更新ビルド 簡易レビュー
 003SHのホットモックが最新のファームになっているらしいという噂を聞いてヨドバシ秋葉原店で確認してきました。更新が確認できたので簡単にレビューしておこうと思います。簡単にまとめると「確かに良くなっているがまだまだ安定にはほど遠い」という感じです…。前回のレビューは以下です。

 SoftBank 003SH ヨドバシ秋葉原版 レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/473

 今回更新されたビルドは、Androidバージョン2.2、ベースバンドバージョン00.00.00、カーネルバージョン2.6.32.90perf sharp@TG440901 #1、ビルド番号RB128でした。ベースバンドバージョンにまだ未完成である様子がはっきりと見てとれます。全体的な動作は非常に改善されており、タッチレスポンスとソフトウェアの反応は2.2らしくキビキビとした印象に変わりました。アプリの縦スクロールメニューなどはとても快適に操作できます。ホームのフリック操作の追従性もかなり良くなっていますが、NexusOneで2.1を使っている感じ。2.2端末としてはもう一息がんばってほしいところです。タスクマネージャーもかなり動作が改善されていて、まぁなんとか使えるようになりました。SHARPの開発の方の努力が本当に感じられる改善度合と言っていいと思います。

 しかしながら、説明員の方によると本体ハードウェアは以前から提供されているものに新しいビルドを入れただけということで、ハード的な完成度の低さの面からか現在でもかなり不安定になるとのこと。6台ある端末のうち3台しか稼働できてないということで、安定度の質問される度申し訳なさそうに応対されていて、ちょっと気の毒でした…。今回は起動時間が測定できるかと思って再起動してみたら、電源ONからロック画面表示までに1分30秒以上かかってしまったので詳細を書くのを止めます。やはり展示機はハード面で課題があるようで、あまり評価すべきではないと感じました。

 ソフトウェア面では、SH-03Cが3Dデモ動画が削除できない仕様とdocomo製品内覧会で聞いてびっくりしたので、003SHの3Dデモ動画が削除できるのか確認してみました。こちらはちゃんと削除できるようでメニューから削除が選択できるようになっていました。機体によって動画の数も違ったので確かに削除できているようです。今回ワンセグの表示も試したのですが、これはIS03の方が圧倒的に表示がキレイだと思いました。液晶の解像度の差が出ているのかと思います。

 今回のSHARPが出す端末の中では003SHの筐体デザインは好みなので、もっとしっかり評価したいと思うのですが、説明員さんが弱ってしまう完成度ではなんとも…。これだけ展示機で問題が出ているのだからハードウェアもより安定したものに入れ替えしていかないと、正直SHARPの開発者の方々の努力が伝わらないと思うし、実際に販売の最前線にいる方々もモチベーションが下がりまくるんじゃないかと心配になります。これで8万円台の価格を提示するSoftBankは本当にAndroid端末を自社ラインナップとして売るつもりがあるのか疑ってしまいます…。ということで、プラス評価ができるモックかリリース版が出るまで003SHについては、何か更新があっても追加記事を書くのはやめておこうと思います…。

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■LiveView 動作検証メモ
 Galaxy Tabとの接続検証。LiveViewの互換リストにはGalaxy SはあるがGalaxy Tabはないのでどこまで動作するか検証したメモ。気になったとこだけ。

・日本語表示対応、タッチ反応は上々
・電子メールの着信は対象外(かなりがっかり)
・受信したSMSについてLiveViewから本体の該当SMSを開く操作が可能
・Galaxy Tab再起動後はLiveView Applicationを起動してないと再接続しない
・LiveView側の電源ON/OFFでは一度接続後なら問題なく接続可能
・電話着信時のバイブレーションはコール中継続でなく最初1度のみ
・本体に着信後1〜2秒LiveView側が反応する(結構間が長い)
・電話着信に対して操作できることなし
・動画も音楽再生も音量コントロールはできるが他は未対応
・Twitter同期などの設定をしているとしばしばGalaxy Tab本体が高負荷になる
・高負荷になると電源長押しで再起動させないと復活しない?
・LiveViewからGalaxyTabを呼び出す「電話を検索」は便利
・腕時計として利用する場合、LiveView本体を外して充電する必要あり
・電池持ちあまり期待できず
・プラグインが使えるようなので今後に期待

互換リストにあるNexusOneでも上記とほぼ同様。2.2.1だからダメなのか?
おそらく*付きは一部互換ということか。

1日Galaxy TabとLiveViewの組み合わせで使ってみたが、Tabが何度も高負荷状態になって使い物にならないので、LiveView関連アプリを2つともUninstallした。対応アップデートがあるまで、この組み合わせでは使わないことに。がっかり。

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■Galaxy Tab UK版 動画再生検証メモ
 Galaxy Tab UK版の動画再生検証した際のメモ。docomo版と検証結果が同じになるかどうかは不明。検証した機体のファームウェアはベースバンドバージョンP1000XXJK5、カーネルバージョン2.6.32.9 root@sep-58 #1、ビルド番号 FROYO.XXJK5。検証に利用したMicroSDHCは東芝SD-C16GR6W4 Class4 16G。

■MicroSD動画再生検証
 MicroSDのroot直下にVideosフォルダを作成してDLNA再生検証で利用した以下の動画をコピー。それを標準のVideoアプリで再生可能か確認する。結果は以下の通り。

 A) 1280×720 H.264 AAC mp4 ○ シーク時にフリーズ
 B) 1920×1080 H.264 AAC mp4 ◎
 C) 640×480 H.264 mp3 avi ◎
 D) 640×480 WMV9 WMA2 wmv ◎
 E) 640×480 DivX mp3 avi ◎
 F) 640×480 Xvid mp3 avi ◎
 G) 1280×720 x264 AAC mkv ◎

 Aのみ再生位置をシーク操作時に再生再開できず、途切れ途切れの音声になった後で画面暗転ビープ音発生。電源長押しで停止して再起動。再起動後は問題なく操作可能。メモリ不足の時に問題が起きる可能性あり。
 外挿しMicroSDのVideosフォルダをなんら問題なく認識、Videoアプリ起動で全動画がサムネイル付きで表示された。基本はアスペクト比に関係なく全画面再生、再生中に画面タップすることでアスペクト比の変更可能。Videoアプリの使い勝手はよい。Class4の速度でフルHD動画が十分再生可能。

■DLNA動画再生検証
 Galaxy Tab標準のAllShareではPS3 Media Server内のコンテンツがリストできず。パスの正確な設定がないとダメっぽい。仕方ないのでTwonky Mobileで再生テスト。案の定上記リストのAしか再生できず、かつ全画面再生のみ。Bは再生自体はするが、音声も動画も途切れ途切れで使い物にならず。DLNAクライアントとしては微妙。

 AllShareをサーバとして、再生実績のあるPlex(DLNAサーバとして以前テストした関係でv0.85)をレンダラーとして指定してMicroSD内の動画を再生してみる。結果は以下。

 A) 1280×720 H.264 AAC mp4 ○
 B) 1920×1080 H.264 AAC mp4 ○
 C) 640×480 H.264 mp3 avi ○
 D) 640×480 WMV9 WMA2 wmv ○
 E) 640×480 DivX mp3 avi ○
 F) 640×480 Xvid mp3 avi ○
 G) 1280×720 x264 AAC mkv ○

 驚くことに全て再生自体は可能だった。ただし再生開始までのバッファ時間はやや長く、Galaxy Tab側の無線LANネットワークの速度に大きく影響を受けるらしく、アンテナが良好でないとしばしば再生が途切れる。ネットワーク条件が良ければ非常に強力な再生環境になりそう。ただし再生シークの操作はうまく反映されず、最初からの再生になったりとコントローラとしてAllShareを利用するのは微妙なところも多そう。

 Galaxy Tab自体の動画再生装置としてのポテンシャルは非常に高いと思われる。MicroSDの性能やネットワーク速度の影響は多いに受ける可能性が高いが、環境を整えればDLNAサーバとしても十分活用が可能。

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■SoftBank 001HT (Desire HD) レビュー
 仕事帰りにヨドバシ横浜店に寄ったところやっと001HTのホットモックが展示されていたので触ってきました。発売日前日にすらホットモックがないというくらいだったので供給量が不安だったのですが、今日の時点で数台在庫があるということだったので、それなりの数が入荷していたようです。やっと実機をみることができたので、噂の高速起動などを試してきました。

 4/16 001HTを購入したので動画再生他レビューを追加
 http://blog.isnext.net/issy/archives/971

■ハードウェア
 001HTを見て最初に感じることは「画面でかい!」だと思います。4.3インチWVGAの画面は非常に精細感があり美しい液晶で、ドット感もほとんどなくむしろシルキーな印象さえ受けるほどでした。正直もっと粗い感じになってしまわないか心配していたのですが全くの杞憂で、HTCのシック且つ重厚な画面デザインとキレイな液晶、そして渋い外装がマッチしてとても趣のある端末になっています。手に持った時に当然のように大きくずっしりとした重みを感じますが、プラスチックの安い感じが一切ない、非常に質実剛健な安心感のようなものを感じさせる作りだと思いました。前面の大部分が液晶画面で、下部にタッチ式のボタンが左から「ホーム、メニュー、戻る、検索」の順番に並んでいます。大きいのでかなり操作しにくいかと思ったのですが、個人的にはそれほど違和感はありませんでした。ただ、やはりある程度大きい手の方でないと持ち方を工夫しないと反対側のボタン操作時に手前でスクリーンに触れてしまい誤操作が多くなってしまうのではないかと思います。

 音量ボタンは本体左側面で、左手持ちの場合には使いやすいのですが右手持ちの時には大きさがあることもあって少し使いにくいと思いました。またイヤホン端子が下にあるので、使い方によってはちょっと微妙かも?シャツの胸ポケットに入れた場合(本体の重さが結構あるのでしっかりしたシャツでないと片下がりになりそうです)逆さに取り出すことになるので、ちょっと画面を表示するにも本体全部引き出して電源ボタンを押すことになり、メールや時間確認等で面倒だなぁと思ってしまいました。

 動作は非常に快適で再起動直後などは本当にキビキビ動きます。HTC Sense UIは他社より先行しているだけあって、レスポンスは本当に素晴らしいと思います。展示機を触る時には起動後23時間ほど経過して多くのアプリが起動していたのですが、それでもちょっと遅いかな程度なので、タスク管理を適切に行えばキビキビ状態で使い続けるのも難しくないと思います。タッチの精度も高いと思いました(画面が大きくなっていることもあると思います)。操作感についてはHTCは本当に優れたパフォーマンスを発揮してくれるなぁと思います。

 起動時間は電源オフと再起動で相当違うということで2種類測ってみました。起動時間短縮の試みが非常に有効に働いていることがわかります。

 再起動時(約52秒)
 再起動ボタン押下→HTCロゴ→7秒→電源ランプ緑のみ点灯→9秒→
 ランプ消灯→1秒→SoftBankロゴ→24秒→HTCロゴ→11秒→ロック画面

 電源オフ時(約7秒)
 電源オン→1秒→SoftBankロゴ→2秒→HTCロゴ→2秒→暗転→2秒→
 ロック画面

 電源オフからの起動は7秒と本当に速くびっくりしました。HTCの場合ロック画面を解除した後にSense UIで読み込む時間が少しあるので、そこで少しだけ待たされ感があるものの、これだけ速い起動が日常利用可能であればあまり問題ではないように思います。スマートフォンの起動時間は各社の努力で短くなっているものの、これだけ劇的に速いというのはちょっと感動モノでした。

■ソフトウェア
 もちろんAndroidは2.2,カーネルバージョンは2.6.32.21-g66cfb7a htc-kernel@and18-2 #1 Tue Oct 26 15:58:17 CST 2010、ビルド番号1.35.762.2 CL277010 release-keys、ベースバンドバージョン12.28b.60.140eU_26.03.02.26_M、ソフトウェアの番号1.35.762.2、ブラウザバージョンWebkit 3.1となっていました。HTCのバージョン管理は相当細かいというか…ちょっとすごいなぁと思ってしまいました。これほんとにリリース版?とちょっと疑いたくなる表示ですね。

 HTCはX06HTの時からそうだったのですが、かなり独自カスタマイズを入れてきているので、メニュー構成もAndroid標準とかなり違う印象です。今回気になったのは「個人設定」というメニューが追加され、壁紙の設定などが複数バージョン登録できるシーンという概念が導入されており、それをホーム画面の右下から直接簡単に呼び出して設定変更できたりと、パーソナル設定に力を入れているようです。また、USB設定が「PCに接続」となっていたり、システムソフトウェア更新の設定に「定期的なチェック」が追加されていたり、アプリケーションに「高速ブート」が追加されているなど、一般的にわかりやすい使い勝手の向上を狙っている様子がわかります。機能的にはテザリングがなくなっている代わり?に「インターネットパススルー」という項目が追加されており、USBで接続されたPCを経由してインターネット接続できる機能が追加されているようです。日本語入力にはiWnn IME for HTCが採用されています。Android2.2に特徴的なセキュリティ系のメニューで「デバイス管理者」というのがあるはずなのですが、それは見つけられませんでした。Exchange同期のリモートワイプ等のために必要な項目のはずなのですが、セキュリティメニューにないのです。HTCはAndroid2.1の時点でHTC独自拡張でリモートワイプ等に対応していたようなので、そちらの仕組みで吸収しているのかもしれません。

 アプリケーション面でもHTC HubやHTC LikesなどHTCのサービスに紐付いた独自アプリが導入されているのですが、こちらは試すことができませんでした。今回HTCも独自クラウドサービスを立ち上げ、001HTから利用可能にしていくということだったので(現時点で日本ではまだ提供されていません)、どのように展開していくのか非常に楽しみです。Google等のサービスと重複する部分もありますが、端末メーカーとしての実際に作り込みできる優位性を活かしたサービスが期待されます。

■まとめ
 大きさの面は評価が分かれると思いますが、端末としての完成度は非常に高くとても素晴らしい製品だと思います。HTCのスマートフォン戦略はとても成功していると思いますし、技術的にも相当に抜きんでていると感じます。惜しむらくはDesire等の出荷状況を見る限り日本のマーケットの優先順位がHTCにとって高くなさそうで常に端末不足感があることと、それに加えてやはり端末価格が高く購買意欲があまりそそられないことでしょうか。

 正直最近のSoftBank端末の価格付けを見るとSIMフリー化に向けて端末で損をしないよう、端末単体で利益確保できるよう、できるだけ高値誘導したいという意図が感じられて仕方ありません。海外でDesire HDは6万円以下程度でSIMフリー版が販売されているにも関わらず、円高環境下なのに国内でキャリア限定、機能も一部制限付き8万円オーバーという設定は納得しがたいものがあります。Android端末として製品自体はとてもオススメできるのに、SoftBankの価格設定の部分で残念ながら強くオススメできません…。

 いずれにしてもHTCの端末は非常に安心感があり、製品としてはぜひ他社との比較に見てみるべき端末だと言えます。まだまだホットモックは少ないかと思いますが、Android端末を購入しようと思ってお店で見かけたらぜひ手に取って確認してみることをオススメします。

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■docomo Galaxy Tab 内覧会版 レビュー
 内覧会レビューの最後です。こちらもFans:Fansが募集していた「docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-」に参加して試した端末になります。有楽町のスマートフォンラウンジでももちろん展示されていて、Galaxy Tabについては本体含めて異なるバージョンの展示となっていました。Galaxy Tabについては以下のCEATEC版も参考にどうぞ。今回は前回から差分を中心にレビューをしていきます。

 docomo Galaxy Tab CEATEC版レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/419

■ハードウェア
 CEATECの時は裏面を写真撮影しなかったのでどんなハードウェアバージョンだったのか今となってはわからないのですが、1ヶ月ほど前からラウンジで展示されているGalaxy Tabは実は開発版でモデルNo.が未記入且つ技適マークはシールで貼ってあるというなかなか興味深いものでした。今回の内覧会ではハード的には既に正規のdocomo版ロゴもしっかり入ったものになっていました。そのラウンジのバージョンですが、開発版なのはともかく1ヶ月間ラウンジで展示され多くの顧客に利用されテーブルや台座に置いたりなんだりされているにも関わらず、前面ディスプレイはもちろん、背面のプラカバー部にもほとんど目立ったキズがありません(さすがに無傷ではありません)。この実績は非常にキズに強いという印象を強くしてくれました。持ち運びするデバイスなのでキズに強いのは本当に安心できます。

 内覧会の冒頭、docomoの企画の方が挨拶された際にスーツの内ポケットからGalaxy Tabを取出しそのサイズの優位性をアピールされていましたが、改めてGalaxy Tabはコンパクトであることを認識するとともに、いくらGalaxy Tabとはいえそこそこ重さはあるので生地のしっかりしたスーツでないとあの重さは支えられないよなぁ、とヘンなところに感心をしてしまいました。

■ソフトウェア
 Androidバージョンは2.2のままで2.2.1にはなっていません。内覧会のバージョンはベースバンドバージョンSC01COMJI6、ビルド番号FROYO.OMJI6、ラウンジはベースバンドSC01COMJJE、ビルド番号FROYO.OMJJE、カーネルバージョンはどちらも 2.6.32.9 root@sep-56 #1 でした。内覧会でこれがリリース版ですかと質問したところ、あともう1回アップデートする予定ということでした。UK版が9月にP1000XXJID、10月にP1000XWJJ7と来て、11月でP1000XWJK1となっていることから、おそらく日本版もSC01COMJKxというバージョンでのリリースになると推測できますね。

 操作も非常に快適で、基本的に大きく変更になっているところはなさそうですが、これはなに?って思った項目があったので質問してみました。無線とネットワークメニューにある「サーバーと同期」という項目です。開くと同期プロフィールを追加という項目があり、追加の操作をすると「プロフィール名、同期アイテム、同期方法、同期サーバー」の入力を求められます。同期できる項目は電話帳、予定、メモの3つです。Exchange同期はアカウントから設定できるし、なぜこれらの項目だけが独立してこのメニューの下にあるのか不思議に思ったので確認すると、やはりこれはExchangeサーバとの同期設定だと言うこと。アカウントで複数設定もできるのに、なぜ別に設定があるのか食い下がって質問したのですが、こちらの質問がヘタだったのか、こちらが仕組みの理解不足なのか、回答が意図と合わないので途中であきらめてしまいました。うーん…。

 Galaxy TabにもDLNA機能があるのですが、AllShareというアプリで実現されていました。こちらはT-01Cと異なり1つのアプリでクライアントとサーバの両方の機能を持っています。WiFi接続でのみ利用可能なようで、内覧会会場では起動すらできませんでした。調べてみると本体をDNLAサーバにして、Plexをクライアント(メディアレンダラー)として再生が出来た事例があるようです。クライアントしてAllShareでDLNA再生するためにはサーバ側で決まったパスにコンテンツがあることが必要条件になっているようで、AllShareの画面を見る限り固定のフォルダ表示のようなので、そもそもAllShareサーバとAllShareクライアントでの相互接続を想定しているのかもしれません。このヘンはもう少し柔軟だと嬉しいなぁと思いました。

 また、話題のテレビ出力機能についてもまだメニューにはありましたが、最終的にリリース版で残るかどうかはわからないということでした。ラウンジのバージョンでもメニューはありましたので、ぜひ有効のまま残して欲しいですね。

■まとめ
 何度見てもGalaxy Tabはちょうどいいサイズの素晴らしいタブレットだと思います。もう少し軽量だとなおいいのですが、稼働時間との引き換えになりそうなので我慢します。プリインストールアプリケーションの面白みには欠けますが、むしろ余計なものがないということでポジティブに考えましょう。英国で先行して発売され、国内にもボチボチ輸入事例があるようですが、国内ももうすぐ発売とということで、もう少し盛り上がると嬉しい…のですが…こちらも期待ほどは盛り上がってくれていないようです。価格が最大のポイントですが、できれば一括6万くらいになるといいなと思います。なにはともあれ、正式な発売を楽しみに待ちたいと思います。

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■docomo L-04C 内覧会版 レビュー
 内覧会レビューの3つめです。こちらもFans:Fansが募集していた「docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-」に参加して試した端末になります。正式名称は「Optimus chat L-04C」。名前からもチャット等メッセージングコミュニケーション重視の製品です。有楽町のスマートフォンラウンジでも展示されていて、L-04Cについては同じバージョンの展示となっていました。今回発表された機種の中では残念ながらそれほど注目されていないようで、内覧会でもあまり人が集まっておらずやや寂しい感じでしたが、個人的にはとても使いやすく評価できる端末だと思いました。グローバルモデルということで国内独自サービス対応はありませんが、ぜひとも手に取って試していただきたい端末だと思うので、そういう思いを込めてレビューしていきます。

■ハードウェア
 廉価機として発売されるためのラインナップでもあり、軽量コンパクトで液晶も小さく外装もちょっと安い感じのシルバーでまとめられています。丸っこい外装は手に握ってちょうどいいラウンドになっていて、なんとなく安心感があります。最大の特徴はなんと言っても国内初のキーボード付きAndroid携帯という点でしょう。コンパクトサイズなのでキーボードが使いにくいのではないかと思ったのですが、予想は良い方向に裏切られました。

 初代W-ZERO3、EM-ONE、Advanced/W-ZERO3[es]とキーボード付きWM端末を使ってきた経験から実はあまり期待していなかったのが良かったのかもしれません。Androidとキーボードがこれほどうまくマッチングするとは正直意外でした。キーは決して大きくなく取り立てて素晴らしいハードウェアというわけではありません。長期間使った時の耐久性には若干の不安はあります。しかし、実際に入力をしてみると実にスムーズに使えることに気付くと思います。その理由はAndroid特有の「戻る、メニュー、ホーム」の各キーが、本体前面ディスプレイ下だけでなく、キーボード最下段左端に3つ仲良く独立キーで並んでいること、かつカーソルキーが右下段に存在すること、これらのおかげでキーボードから手を離さないままほぼ全ての操作が可能になっているからです。

 上記の3つのWM端末を使ったことがある方だとすぐにピンと来てくれると思いますが、WM端末の多くはディスプレイ側のキーを使ったり、そうでなくともFnキーとの同時押しでメニューキーなどを代替する実装が多く、キーボード操作の連続性がしばしば阻害されることがありました。しかしL-04CではAndroidのほぼ全ての通常操作に必要なキーが揃っており、キーボードに集中できるのです。そのため、小さめのキーには慣れは必要なものの、操作自体に集中できるため、すぐにキーボードで思い通りの操作をすることができるようになります。また、一番使用頻度の多い戻るキーが一番左端にあり使いやすいのも非常にポイントが高いところです。

 スライドのギミックもしっかり出来ており、ガタツキや壊れそうな不安感というものはほとんど感じませんでした。スライド感触も悪くなく、本体のラウンド形状のおかげかホールド感にも不安はありません。本当に気軽に利用できる印象です。

 液晶ディスプレイは3.2インチハーフVGA(320×480)ということで、ドット感もあり決して品質の高いディスプレイとは言えませんが、独自のホーム画面やメニューを用意することで使い勝手を向上させています。この独自ホームにも若干の不安があったのですが、液晶サイズにマッチしていて操作性もAndroid2.2だけあってフリック等の操作も非常に快適で、こちらも良い方向で裏切られました。日本の携帯メニュー画面を模したアイコン選択画面は確かに初心者にわかりやすく、画面の小ささをうまくカバーしていると思います。LGの担当者の方もメニューには力が入っているとのことでしたが、本当にがんばった成果がうまく出ていると感じました。

 液晶下の操作ボタン類はAndroid端末には珍しく2段構成になっています。液晶下上段はタッチ式で左から「メニュー、戻る、検索」、下段はボタン式で本体が丸くカーブしているところにあり左から「通話、ホーム、電源」となっています。こちらもSH-03Cと同じように電源が本体正面にあるのですが、戻るキーとは列が別で且つ角度も異なる位置にあるので押しミスは起きないですし、横にあるホームキーは物理的に異なる形状且つホームキーの方が少し出ていることで、こちらもミスしにくいうまいハード設計になっていると思います。

■ソフトウェア
 グローバルモデルだけあって当然のようにAndroid2.2を搭載しています。ビルド番号はFRF91、カーネルバージョンは2.6.32.9 lg-electronics@lge-android #1、ソフトウェアバージョンがL-04C-v08c_NOV_01_2010となっていました。設定メニューにもいくらか独自の修正が入っているようで、当然のようにテザリングメニューはなし、代わりに「On-Screen Phone設定」が追加されています。On-Screen PhoneはPC画面上でAndroid携帯を操作できる機能ですが、内覧会会場ではデモはしていませんでした。ネットワークサービスメニューには「簡単メッセージ」という機能があり、「今電話出来ません/すぐに連絡します/すみません、今会議中です/すみません、今手が離せません/SMSを送ってください」という定型文をメッセージできる機能が用意されていました。日本語入力はiWnnが標準搭載されています。Shimejiなど他の日本語入力プログラムも導入は可能だと思いますが、キーボードがフルに利用できるのか聞くのを忘れてしまいました。

 メニューの中で気になったのが「SDカードと端末容量の設定」というところで、端末内部メモリが空き容量 616MBになっていたことです。ここが小さい端末が多い中で、システム標準状態とは言え616MBは非常に大きな値であり、ちょっとびっくりしてしまいました。SDカードは当然別途利用可能なのですが、内部メモリが大きいというのは嬉しいですね。

 設定メニュー内に独自部分は意外と少なく、後はハードウェアキーボードの設定があるのとDivXの登録情報があるくらいで、比較的Android2.2標準構成に近いものとなっています。

 アプリで気になったのはソフトウェアアップデートのアイコンが用意されていること、ThinkFreeOfficeが用意されていることくらいでしょうか。ThinkFreeOfficeは大変便利なアプリだとは思いますが、ディスプレイサイズがサイズだけに、緊急時にやろうと思えば見られるくらいに考えておくのがいいと思います。

こちらのブラウザのUser-Agnetヘッダは以下にようになっていました。
ヘッダを見る限り2.2のアップデートがされているようですね。
[code]User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.2-update1; en-us; L-04C; Build/Froyo) AppleWebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17[/code]

■まとめ
 2時間の内覧会の後半になるとL-04Cブースにはほとんど人がいなくなり担当者さんらがポツンと寂しそうになっていました。おかげでLGの方々とじっくりお話をすることができ、日本市場とAndroidにとても力を入れていることを実感することができました。端末デザインのLGというアピールをしてらしたのですが、Optimusシリーズもがんばっているのはわかりますが、現時点ではSAMSUNGの方が上だと思いますので、そこはもうちょっとがんばりましょうw

 確かに国内独自サービスはないけれど、IS06同様グローバルモデルの方がAndroid端末として実質で良い点が非常に多くあると思うのですが、評価されないことが残念でなりません。少なくともタッチ操作だけでは不安という方や、まずは安くAndroidを始めてみたいという方、W-ZERO3みたいな端末が欲しかったという方などにはオススメですので、ぜひラウンジや量販店等でL-04Cを触れる機会ができたら試してみて欲しいと思います。相当安い価格で販売されるようでLGの方も「すごい安いですよ!」と強くアピールされていました。「安い=使えない」ではないことを実感できると思います。見た目安い印象はしかたありません、実利で勝負できる端末だと思います。

 最後にひとつ注意事項があります。キーボード付きということでTerminalプログラムを使う端末としての利用を検討されている方々に残念なお知らせです。LGの方に質問してがく然としたのですが、現時点でこの端末からCtrlキーとESCキーを利用する操作はできないそうです…。入力する方法がありません…。ですのでviとか使えませんorz
 LGの方には強く強く要望しておきました…が、対応できるかどうかもわかりません…。なんて残念なんだ…。キーコンビネーションでの入力でいいから、いつかファームアップで対応して欲しいと切に願います。

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■docomo T-01C 内覧会版 レビュー
 こちらもFans:Fansが募集していた「docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-」に参加して試した端末になります。有楽町のスマートフォンラウンジでも展示されていて、T-01Cについてはほぼ同じバージョンの展示となっていました。auのIS04の兄弟機と言っていいと思いますが、IS04はまだレビューしたことがなく、実際に始めて触る東芝のAndroid携帯になりますので、こちらは少し長めにレビューを書いて行こうと思います。

■ハードウェア
 4インチスクリーンを搭載したやや縦長の印象がある機体ですが、厚みをそれほど感じないことと、重さも他機種よりは重いもののバランスがいいのかそれほど重いという印象はありませんでした。むしろ防水というスマートフォンには貴重なアドバンテージが、しっかりしたハードウェアであるという印象を与えてくれます。防水ということで下面中央にあるUSB電源部のフタが大きく、外部バッテリー利用でのUSB接続時に結構目立ってしまうのは仕方ありませんが、フタの劣化の心配の少ないよう、専用充電端子が本体左側面にあるのがとても嬉しい仕様です。最近のスマートフォンはUSB充電だけのものが多く、専用クレードルなども減りつつあるところに、T-01Cは(ワンセグの面からも)クレードルが利用可能になっていて、日本のケータイユーザには馴染みやすい使い方ができるところは素晴らしいと思います。

 液晶の発色は明瞭で、REGZAエンジンの効果は正直よくわかりませんが(いろんなコンテンツを比較したらわかるのかも…)、輝度も高く十分な品質だと思います。そのかなり大きな液晶の下に3つの物理ボタンがあり、左からメニュー、ホーム、戻るボタンとなっています。ボタン自体の操作感はしっかり押せていい感じなのですが、Xperiaほどではないにしろかなり下に位置するため、片手ホールドで操作しようとすると、手の小さな方だと微妙に操作しずらいのではないかと思いました。また電源ボタンが本体右側面中央やや下にあり、ボタンが小さいためちょっと使いにくいと感じました。通常はクレードルで横置きが前提なので、アンテナ配置と合わせてこの位置になっているようですが、縦持ちの時には非常に微妙な位置だと思います。同じ場所にボリュームキーもあるのですが、こちらも小さく使い勝手は微妙…。本体が大きめな分、側面ボタンの小ささが気になってしまいます。カメラについては他所でいろいろレビューが出ると思いますので、ここでは取り上げません。

 起動時間については以下のような感じです。
 電源オン→着信ランプ消灯→1秒→着信ランプ点灯赤→1秒→
 着信ランプ点灯緑→5秒→防水警告→2秒→REGZAロゴ→7秒→
 docomoロゴ→13秒→ロック画面(約30秒)

 起動は非常に速いと思います。最初画面が一切変化せず、着信ランプでの状況変化しかないので、電源投入ちゃんとできているか心配な感じですが、一旦ロゴが出た後はすぐにロック画面になるように感じます。この辺は東芝だけに白芝という代名詞を持つ高速SDHCカードのように、高速な読み出しを可能にするフラッシュメモリ技術が遺憾なく発揮されているのではないかと思います。

■ソフトウェア(OS
 内覧会でもラウンジでもおよそ同じバージョンでした。Android2.1-update1。カーネルバージョン 2.6.29-rel tsb-android@toshiba #2、ビルド番号 TER018。ベースバンドバージョンが若干違ってラウンジは5011.1906.29、内覧会は5011.1906.27でした。ベースバンドの差は含まれるアプリケーション構成などの差だそうで、最終リリース版は末尾33くらいになるだろうとのことでした。T-01Cはチューニング等は終わりもうほぼ完成状態で、最後にアプリ等の調整をするだけと説明されたので、ラウンジの展示機でもほぼリリース版の操作感を確認することができるということになります。

 そのチューニング済みとされるT-01Cのホーム画面の操作感ですが、フリックの追従はやや遅く少し残念な印象です。使い勝手に重きを置いているようで、画面最下部左のアイコンでマイパレットを呼び出し、ホーム画面にあるウィジェットに簡単にアクセスできるようになっていたり、最初からホームが7面も用意されていたりと、画面印象を大きく変えずに工夫をしている点はいいのですが、レスポンスはもうちょっとなんとかして欲しかったところです。また、東芝製ホーム以外にAndroid標準のLauncherとの切替えを可能にするアプリも用意されているのですが、切り替えてもフリックの追従具合はあまり変わらないため、もうちょっとチューニングの余地があるように感じました…。

 設定メニューの中では東芝独自項目として「マルチメディア設定」があり、ここで「REGZA設定」として高画質化エンジンの使用のON/OFFが出来たり、日本語入力エンジンとしてATOKが採用されているので、「言語とキーボードの設定」からATOKの設定が可能になっています。あとは面白いなと思ったのが、電源オフの時の選択肢が「マナーモード、公共モード、機内モード、電源を切る」となっていて、「公共」を意識した日本らしいカスタマイズが好印象でした。

■ソフトウェア(アプリ)
 T-01Cでアプリ面で最も特徴的なのはATOKによる日本語入力もさることながら、個人的にはDLNAクライアント/サーバが個別アプリで導入されていることだと思っています。DLNAクライアントとしてはデジオン社のDiXiM for Androidのクライアント製品であるDiXiM Playerが、サーバとしてはDiXiM Serverが導入されています。DiXiM for Androidは今回T-01Cが初搭載だそうで、いずれマーケット経由で他のAndroid端末にも導入できるようになるのではないかと言うことでした。

 ブースの説明員の方もDiXiM Playerの詳細な再生可能フォーマットについてはわからないということでしたが、DTCP-IPに対応しているので最近のREGZAテレビ(Z7000等)で録画した番組はDLNA経由で見られるようです。DiXiM Playerはコントローラにもなるので、ネットワーク内のDLNAサーバを検索して、DLNAレンダラー(TVなど)を指定して再生をさせることが可能です。DiXiM Serverもクリックして起動チェックを入れるだけで簡単に起動することができるので、サーバを起動して自端末内のコンテンツをREGZAテレビで再生するというような使い方も可能になっています。日本語のパスやファイル名をサポートしているかどうかはわからないということでした。

【12/22追記】
 T-01CのDLNAアプリはDTCP-IP非対応のようです。内覧会場でDLNAに関して質問したいんですけど、とお願いして担当してくれた説明員さん(たしか東芝の名札を付けていたように記憶していますが…)から聞いたのですが、またガセ情報になってしまいました。自宅でZ7000を使っているので一番に確認したかったことだったため、少なくとも聞き間違いとかはしていないと思います…。ガセを流してすいません。

 他のアプリはあまり試さなかったのですが、ワンセグでなく「テレビ」というアイコンがあったり、REGZAとの連携を意識した作りになっているというのはいろいろな面で感じます。せっかく赤外線があるのにTVリモコンにはならないのですか?と聞いたところ、現在アプリ開発中とのこと。T-01Cのリリースには間に合わず、おそらくマーケットからのダウンロードになるのではないかということでした。T-01Cは背面カメラ横に赤外線ポートがあるので、リモコンとしては使いにくそうですが、DLNAプレイヤーとの連携で音量操作も手元で出来れば、これはよいアドバンテージになるので、ぜひリリースして欲しいと思いました。

こちらのブラウザのUser-Agentヘッダは以下のようでした。
[code]User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.1-update1; ja-jp; T-01C Build/TER018) AppleWebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17[/code]

■まとめ
 T-01Cの印象はやはり防水を前面に出したしっかりしたハードウェアという部分が強いのですが、正直なところdynabook AZとFolio 100のレビュー前例がある通り、東芝製Android端末についてはソフトウェア部分(特にデバイスドライバ)にトラウマのような不安感があり、ホーム画面のチューニング精度を見ても十分とは思えず、その不安感は払拭されることはありませんでした。リリース後十分な期間を置いて各所評価を吟味した上で、初めて購入検討の俎上に載るという感じでしょうか。初めてAndroid端末を購入する方には現時点で個人的にはお勧めできません…。自宅がREGZAシリーズで揃えられていて、DLNA等の特徴的な機能を十分活かせる方ならよい選択肢になることは否定できないと思うのですが…。機能的には魅力があるので、早期のAndroid2.2化や継続的なアップデートを実施することで信頼度を高めてくれることを期待したいと思います。

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■docomo SH-03C 内覧会版 レビュー
 抽選モノにはめったに当選したことがないのですが、Fans:Fansが募集していた「docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-」に応募したら当選することができたので、いそいそと参加してdocomoのAndroidスマートフォンを触ってきました。約2時間の間でしたが開発者を含めた各製品関係者からいろいろとお話を伺うことができたので、楽しい時間となりました。有楽町のスマートフォンラウンジでも既に各種製品が展示されていたので、両方合わせた情報をレビューとして書いていこうと思います。ちなみにイベントは以下のページで募集されていたものです。

 11月13日(土)開催★100名様特別ご招待!
 docomo 2010 Winter Collection Preview Event -新商品内覧会-
 http://fansfans.jp/campaigns/detail/103
 今回のイベント参加者の記事が以下で読めるようです
 http://review.fansfans.jp/campaigns/review/103/review_252_0.html

 まずはauのIS03,SoftBankの003SHと並び評価されざるを得ないSHARP SH-03Cからになります。Felicaやワンセグ等の国内独自サービスや3D液晶搭載且つ同時期に発売ということで、どうしても比較されてしまうわけですが、スペック的なものは他所でも散々比較されていると思うので、あまり他のレビューではなさそうなことを書くようにしたいと思います。

■ハードウェア
 IS03に近い印象です。と書くと身も蓋もないのですが、003SHと比較するとやはりIS03に近い外形と持ち具合です。スクリーン自体はIS03よりやや大きく003SHと同じ3D液晶なのですが、製品の全体印象は他の2つよりもやや安っぽい印象です…。おそらく前面パネルの透明感ある加工が周辺部でプラスチッキーな感じになってしまっていることが原因だと思います。ハードキーが前面下部に4つ並んでいるのですが、左からメニュー、ホーム、戻る、電源キーとなっており、なんと電源キーが前面になっています。ブースの方の説明では。「通常の携帯電話は側面に電源がないのでこちらの方がわかりやすい」ということでしたが、使用頻度の多いであろう戻るキーの真横は、操作ミスで画面を暗転してしまう可能性が高くなり、使用上の不安が少しあります。多少強めに押さないと反応しないようですが、機体によってはなかなか電源が入らないというくらい鈍くなっていて(ラウンジの機体がそうでした)、正直ボタン部分は微妙な印象です。

 左サイド中央やや上にUSB電源…これもIS03と同様に外部バッテリーをつないで使おうとするとやや微妙…。右サイド中央やや下にボリュームキーとカメラボタンなどが配置されているのですが、これも位置的にはちょっと下過ぎるのではないかと思いました。ブラウザ等をボリュームキーでスクロールする時など少し操作しずらい位置のような気がします。

 起動時間はラウンジの端末で測定し以下のような感じです。
 電源オン→?秒→docomoロゴ→16秒→LYNX 3D アニメロゴ→13秒
 →PINロック画面(合計約30秒?)

電源ボタンの反応がよくわからないため、どこで入ったのかよくわかりませんでした…。おそらく反応したら2秒くらいのような気がしますが、押していた時間は10秒くらい、あれ?あれ?という感じに迷って力の入れ加減を変えていました。なんとなくすっきりしません…。ラウンジではPINロックがかけられているので、再起動時には説明員の方にロック解除を依頼する必要がありますので、ご注意ください。

■ソフトウェア(OS)
 当然Android2.1-update1なのですが、内覧会とラウンジでビルド番号とカーネルバージョンが違っていました。内覧会のビルド番号はDA273.00.01.04、ラウンジはPA275.00.01.05。カーネルバージョンは内覧会が2.6.29-pref build@sharp #2、ラウンジが2.6.29-pref build@Sharp #4でした。ベースバンドバージョンはどちらも1.00です。ブースの方の説明ではラウンジの方がちょっと新しいということでした。この辺がリリース版ですかと質問すると「まだまだ調整が入ります」と即答されていたので、開発が続いていることがわかります。

 設定メニューの構成はほぼIS03/003SHと同じでした。実質的には外形デザインと液晶部分が差異になっていて、基本的なところはほぼ共通と見ていいのかもしれません。ホーム画面のデザインもややカスタマズが入っていますが、左にアプリ一覧、右にタスク管理のアイコンが来る構成は似ています。docomo版のホームもレスポンスはイマイチで、ADW.Launcherをインストールさせてもらって試したのですが、ADW.Launcherを使う方が圧倒的に追従性も応答性も高くなっていいと思いました。SH-03Cを購入される方はまずはホームアプリを変更することをお勧めします。

■ソフトウェア(アプリ)
 こちらもIS03/003SHと共通のアプリが多かったです。開発コスト考えると妥当なのですが、比較する観点からはあまり面白みがないというか…。もちろんdocomoのサービスに紐付いたアプリ類はありますので、全てが同じということではありません。SH-03Cで一番驚いたのは「内蔵3D」というアプリで3D液晶用のデモ動画がインストールされているのですが、それに初音ミクのDIVA動画がプリインストールされていること、その動画類は内蔵ROMに収められていて削除も入れ替えもユーザはできないというものでした。デモ動画なのに貴重な内蔵ストレージを消費して、しかも削除できないとか…。3Dコンテンツを楽しめるようにデモをプリインストールというのはわかりますが、削除させないってどういう意味があるのでしょう…。003SHにも3D動画がプリインストールされるようですが、同じようになっているのでしょうか。

 SH-03Cはアプリ等をユーザがインストールした際には全てSDカード側にインストールされるということでした。そのためSDカード選びは結構動作速度のポイントになりそうです。その時はふむふむと聞いていたのですが、SDカード交換したら動作どうなっちゃうんでしょう…。こちらはラウンジにまた寄ることがあったら確認してみたいと思います。アプリがコピーで移植できるなら、他人のSDカードにコピーすることもできてしまいそうな気もします。少なくとも設定などは移せそうですし、いろいろなことが起きそうな予感が…。何かしら対策はされているのか気になりますね。

こちらのブラウザのUser-Agentヘッダは以下のようなものでした。
[code]User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.1-update1; ja-jp; SH-03C Build/PA275) Apple WebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17[/code]

■まとめ
 正直光るものは感じませんでした。SHARP3機種のうち発表順が最後になってしまったこともありますが、先行2社からのいいとこ取りにもなっていませんし、厳しいようですがdocomoの回線であることが必要でない限り積極的に選ぶ理由は見つかりません。Lバッテリーと対応カバーをすぐに発売して差別化をした方がいいのではないかと思いました。もちろんハードウェアの品質が低いということはありませんし、先行2社の同系機がなければ十分魅力のある内容になっていると思います。発売タイミングが残念という感じでしょうか。

 IS03の改善の例を見るとSHARPの開発の方々が非常に努力を続けていらっしゃることがわかります。SH-03CもAndroidのバージョンアップを含めてもちろんどんどん改善されていくと思いますので、正式なリリースまでに標準ホームの基本動作の見直しと、docomoのマーケティングのなんらかの対策を期待したいと思います。

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