■EMOBILE A01HW タブレット レビュー
ビックカメラ有楽町店でEMOBILEの7インチタブレット A01HW の展示が始まっており、ゆっくり試させてもらったのでレビューをしておきます。展示機はちょうど昨日9/10の夜に入荷して本日が初展示だったとのこと。EMOBILE的にはA01SHがイチオシのようでA01HWはネットにすら繋がっていない状態で隅っこにひっそり?展示されていました。個人的には4:3の7インチXGAというサイズに非常に興味があったので実機を確認できてラッキーでした。
■ハードウェア
廉価設定で販売されるタブレットということで外観の品質がちょっと心配でしたが、トータルでは思ったよりも高級感を感じ意外な印象でした。液晶の品質は高いとは言えずTN液晶で視野角は狭い感じですが、輝度と精細感は十分にあり実用に耐えるものでした。タッチパネルの反応はいいのですが、操作感という点ではサクサクとまではいきません。側面は中華パッドっぽいプラスチックな印象ですが、背面が黒のアルミヘアライン加工に見えるデザインになっており、ここが外観を引き締めています。背面下部にあるEMOBILEのロゴがとてもかっこよく映えて印象的でした。縦持ち前提のデザインになっており、上面には左からヘッドホンジャック・マイク・電源、下面には左からUSB・MicroUSB・スピーカー、右側面に上から画面回転ロック・ボリューム・MicroSDとなっています。左側面にはなにもありません。電源やボリュームキーはクリック感が浅いものの操作性は悪くありません。SDカードはフタ付きになりますが使いやすい印象でした。
手に持った感覚は大きさに対してちょっと重いかな?という感じ。約500gということで他の7インチタブレットに比較すると100gほど重くなっているのが原因だと思います。本体に在る程度厚みがあるので持ちにくいという感じはしません。縦持ちでも横持ちでも偏った重さは感じなかったので、重量バランスはうまくとれているようです。画面が4:3比率のため縦持ちでも本体幅が13.3cmとなり、他の7インチタブレットのように片手で背面から両端を鷲掴みという持ち方にはならず、片手で片側を持って使うという感じになります。このホールド感について好みがわかれる点かもしれません。バッテリーは4800mAhで、7時間動作と表示されていました。充電はMicroUSB端子で行います。カメラも少し使ってみましたが、動作はややもっさりな印象です。撮影時のUIは使いやすい感じでした。(画質に関してはカバーフィルムが付いていたので未確認です)
起動時間は以下のようになっています。起動は極めて速いです。
電源長押し→4秒→EMOBILEロゴ→11秒→Androidロゴ→9秒→ロック画面(合計約24秒)
■ソフトウェア
既報の通りAndroidのバージョンは2.3.4、カーネルバージョン 2.6.35.7、ビルド番号 HuaweiS7-901w、バージョン 1.26bと表示されていました。認証情報も画面上で確認できるようになっています。日本語入力はFSKARENが採用されており、バージョンは2.0.2HH05001でした。内部メモリは4Gで初期状態で2.95G空いていました。通常の利用であれば十分な空き容量だと思います。全体にAndroid標準をそのまま利用していてカスタマイズはほとんどされていないように思いました。Androidバージョンが2.3.4なのでもうちょっとスクロール等がスムーズでもいいような気がするのですが、全般的にぎこちない動作になっておりチューニングが足りていない感じでそこは少し残念です。
プリインストールアプリも数が少なく、AdobeReader・BookLive! Reader for EM・ハンゲーム・プチセイムパズル・芸能ニュースの5つが標準でインストールされてくるそうです。芸能ニュースというアプリ名はちょっと意外でしたが、一応EMOBILEの説明員さんが最初から入ってきますと説明されていたので、そういうことなんだろうと思います。
説明員さんにネット設定をお願いして、MAPやブラウザを利用してみましたがシングルコアS5PV210AA0(1GHz)ということで、動作速度はそれなりという感じです。Tegra2のサクサク度合いに慣れてしまうと、やはりちょっと遅いかなと感じてしまいますが、実用上では十分な早さで動作していると思います。ここでも画面スクロールでぎこちなさが出てしまうのですが、メモリが512Mと今となっては少ないことが影響しているように感じます。しかし4:3の画面比率のおかげである程度情報が読みやすく、縦持ちでも画面ズームしないである程度ブラウジングすることが可能です。フォントがゴシック系標準になっており、それなりに視認性はいいようです。
実機で見てみて、個人的にはやはり7インチは4:3の画面の方が情報のブラウズという観点ではメリットが大きいのではないかと感じました。また同時にAppleが7インチのiPadを出さなかった理由もなんとなくわかりました。7インチでブラウザを利用するとやはり字が小さくて一見して見にくいという印象を受けるからです。16:10の7インチタブレットでは縦持ちで3ペインのWebサイトを表示しても字が小さすぎてそのまま見る気力はありませんが、4:3の7インチ画面なら慣れれば大丈夫かなという感じです。この差は結構大きいように感じました。これでスクロールが快適ならいい感じだったのに…。
EMOBILEの説明員さんに手持ちのMicroSDを挿入して動画の再生確認をしたいとお願いしてみたところ、快諾いただけたのでMicroSDでの動画再生結果を書いておきます。再生アプリはギャラリーアプリから標準動画プレイヤーです。驚いたことに1080p HP4のmp4を難なく再生してくれました。コマ落ち感もほとんどなくmp4の再生性能は非常に高いことが確認できました。ヘッドホンジャックの音質も特別にいいわけではありませんが、ヘンに軽かったり低音ブーストしたりしていない、バランスの取れた聞きやすい音質でした。
ファイル:
A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
B) AVI H264 mp3 640×480.avi
C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
N) WMV 24fps 640×480.wmv
O) WMV 60fps 640×480.wmv
※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel
MicroSDでのローカル再生
D,F,G,H,I,J,K,L,Mが再生可能。Eは動画は再生するが音が出ず。D,Eはややコマ落ち感あり。aviとwmvはリストに表示すらされず。
■まとめ
質感が高いとは言えないものの、十分な実力を持ったタブレットだと思いました。3.5万円という価格は実に微妙なところだなと思いますが、2.8万くらいになれば結構売れるんじゃないかなと思いました。元々A01HWは法人向けを想定して設計されていたそうで、EMOBILEの説明員さんの話によると個人向けにも店頭在庫を持たずに受注納品で販売するそうです。店頭で発注して2日くらいで届くという感じになるのではないかとのことでした。法人では書類等の表示に4:3の画面が便利ということなのでしょう。A01SHのように展示機をバンバン出してアピールすることはない模様です。それでひっそり展示だったことに合点がいきました。
mp4動画プレーヤーとしての性能が高い上に電車でも使いやすいサイズ、デジタル書籍と相性のいい画面比率ということで、A01SHと比べてもそれなりに需要はありそうな気がします。店頭在庫しないという販売戦略は見直した方がいいのではないかと感じました。SHARPイチオシなのはやむを得ないとして、折角ラインナップとして持っている貴重なサイズのタブレットなので、もうちょっとアピールしてもいいのではないかと思います。大型量販点ならひっそり展示されている確率が高いと思うので、興味の在る方はぜひ探し出して試してみていただければと思います。個人的には4:3の小型タブレットはやはりいいと思ったので、Archos 80 G9にもちょっと期待しつつ、購入に悩んでみようかなと思います。
【9/27追記】本日S42HWのイベントでEMOBILEの方に伺ったところ、A01HWの背面パネルは日本製なのだそうです。いろいろ材料を選ぶ中で背面パネルの質感にこだわった結果の選択とのこと。妙に質感が高くてかっこいいのに合点がいきましたw
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