■Samsung GalaxyTab 7.7 P6800 HK版 レビュー
 expansys.jpで発注したGalaxyTab 7.7が届いたのでレビューを書いておきます。主に直接の競合であるXOOM2 MEとの比較をしながら書いていこうと思います。型番から判るように3G対応ですが、今回はそちらの動作確認まではしていません。電話関連の機能については機会があれば追加レビューしたいと思います。

■ハードウェア
 予想通りというか初代GalaxyTab同様に本当にコンパクトなパッケージです。非常にタイトになっていて、フタを開けて取り出そうとして箱を逆さにしても落ちてきません。右側に用意されたプルタブを引っ張って取り出す必要がありました。ここまできっちりパッケージにしていることにまず驚きました。付属品はHK用電源アダプタ・電源ケーブル(5V2A)・専用USBケーブル・ヘッドホンという感じで、expansysからの購入者向けには国内用のUSB電源アダプタ(5V1A)が付属してきます。出力が低いのでこちらを利用すると充電にかなり時間がかかるようです。iPad用など2A出力のあるUSB電源アダプタを利用するか、初代同様電源ケーブルはメガネ型コネクタタイプになっているので別途購入して利用する必要があります。

 取り出した本体は本当に薄くコンパクトですが、金属筐体故か軽さよりもしっかりとした重みがある印象でした。その質感はiPadのそれに非常に似ていて滑りやすい感じもなくとても高級感を感じる手触りです。本体が薄くXOOM2 MEよりも僅かに横幅も小さいため、片手でしっかりと鷲掴みでホールドすることが可能です。かなり持ちやすいと思いました。スペック上の重量は335gで、ホールドしても手首にあまり負担感はありません。これで初代よりも多い5100mAhのバッテリーが搭載されているのですから驚きです。

 メインのディスプレイは7.7インチ1280×800のSuper AMOLED Plusになります。さすがに発色は素晴らしくコントラストも非常に高いのでとても美しく見えます。XOOM2 MEのIPS液晶が落ち着いた優等生だとすれば、GalaxyTab 7.7は元気はつらつなスポーツマンという感じでしょうか。サムスンらしい派手な色味になっているので好みはあると思いますが、見比べた場合多くの人はGalaxyTab 7.7のディスプレイの方をキレイだと感じるのではないかと思います。ドット感もないわけではありませんが、基本的に輝度が高いせいかXOOM2 MEよりも気にはならない印象です。ただ長時間使う場合にはXOOM2 MEの液晶の方が目には優しいような気がします。Super AMOLED Plusはフリック等の操作しても残像感を感じることはほとんどなく、速いスクロールや動きのある動画などでも非常に見やすいと思いました。タッチスクリーンの反応もとても快適です。Galaxy Nexusでも感じましたが、最近のサムスン製品のスクリーンはガラス部分のしっとりした感じが操作していてとても心地よく、皮脂対策もかなり優秀なので使っていてとても快適です。同じように使っていてもXOOM2 MEでは皮脂跡がそれなりに残るのに、GalaxyTab 7.7ではほとんど気になりません。この差はかなり大きい感じがします。

 ボタン類は本体右側面に上から電源ボタン・ボリュームキー、左側面に上からSIMスロット(標準サイズ)・MicroSDとなっています。本体上面にはヘッドホンジャックとマイク、下面には両サイドにスピーカーと中央に独自コネクタとマイクがあります。ボタンはデザインに合わせて細目ですがクリック感のしっかりあるタイプ、スロットのフタは外しやすく閉めやすいいい感じに仕上がっています。この辺りの細かい使い勝手の良さはさすがだなと思います。外部スピーカーの音質は標準設定での中低音の充実感でXOOM2 MEの方に軍配が上がりますが、GalaxyTab 7.7も低音は出ないもののコンパクトなタブレットとしてはかなり聴きやすい音質になっていると思いました。逆にヘッドホン出力ではいつものVictorのHA-FXC71-Bで聴く限り、中高音が非常にクリアで音場も広く低音もしっかり出てくるGalaxyTab 7.7の方が圧倒的に好みでいいと思いました。最近お気に入りのGalaxy Nexusよりもクリアな上に艶があり更にいい感じです。

 起動時間は以下のような感じです。XOOM2 MEよりやや速い感じですね。
 電源長押し→3秒→Samsungロゴ→7秒→Samsungロゴ動画→18秒→ロック画面(合計約28秒)

■ソフトウェア
 Androidバージョンは3.2です。カーネルバージョン 2.6.36-P6800ZSKL2-CL599695 se.infra@SEP-64 #3 SMP PREEMPT Fri Dec 16、ベースバンドバージョン P6800XXKL1、ビルド番号 HTJ85B.ZSKL2 P6800ZSKL2となっています。システムの初期設定時から日本語は選択可能で日本語で設定等を行うことは可能ですが、IMEは組み込まれていませんし、フォントもCJKフォントになっています。この辺はXOOM2 MEと同じですね。Galaxyシリーズはフォント変更できる仕組みがあるのでマーケットからFontomizerをインストールして、FontomizerからJapanese Fontを選択しVLゴシック等をダウンロードしてそのapkをインストールし、設定>画面>画面表示>フォントスタイルで指定してやれば、root化をしなくても適切な日本語フォントで表示することができるようになります。現状で日本語フォントとして用意されているのはモトヤLシーダ・モトヤLマルベリ・VLゴシックの3つです。ATOKやGoogle日本語入力と組み合わせればほぼ問題なく日本語環境で利用することができるようになります。

 ホームアプリはサムスン独自のTouchWIZ UIになっています。キャプチャ用アイコンが用意されていたりウィジェットが使いやすくなっていたり、それなりに便利になっていますがレスポンスも悪くないのでチューニングがうまくできているのだなと思いました。CPUにサムスン独自の1.4GHzデュアルコアのExynos 4210が採用されており、サムスン製品で統一されていることが効果を上げているのかもしれません。ブラウザでのスクロールやピンチズームも非常にスムーズでITmediaの様な比較的重いページでも使っていてかなり快適に感じました。Android系端末でここまで快適な動作をするのは初めてではないかとちょっと驚いてしまいました。iPad2のスムーズさにかなり近づいている気がします。

 プリインストールアプリはサムスン製品らしく、All ShareやSocial HUBを始めとした独自Samsung Apps系がいくつか導入されていますが、それほど数は多くなく10コにも満たない感じで、アプリ全部でも39コという感じです。キャリア系の余計なものがない分非常にシンプルに感じます。独自アプリもほぼ日本語に対応しているので安心して利用可能です。GalaxyTab 7.7では本来Android3.xが電話機能をサポートしていないところ、7.0 plus同様サムスンの独自カスタマイズで対応させているということです。そのためマーケットから導入可能な各種電話関連のアプリとの互換性については注意が必要な場合がありそうです。

 とりあえずいつものように動画の再生関係のテストをしてみたので結果を書いておきます。DLNA再生アプリは動作結果が異なったので3種類試してみました。ローカル再生はギャラリーアプリです。DLNAサーバはMacOSX上のPlayback1.8.8。mp4は全てWebOptimizedなファイルです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
  P) MP4 60fps w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  Q) MP4 60fps w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

DLNA再生1:All Share
 D,EのMKV以外が再生可能。P,Qは再生可能だがバッファリングが頻繁で実用にならず。
 4:3の動画も全て16:9再生になってしまい、アスペクト比変更ボタンはあるが機能せず。
 再生時間のスライダも表示されるものの機能せず。

DLNA再生2:Skifta
 mp4以外再生できず。P,Qは再生可能だがバッファリングが頻繁で実用にならず。
 アスペクト比変更ボタンは表示され適切に動作する。

DLNA再生3:AwoX MediaCTRL
 全ファイル再生可能。P,Qは再生可能だがバッファリングが頻繁で実用にならず。
 アスペクト比変更ボタンは表示されないが正しいアスペクト比で再生される。
 ビルトインのプレイヤーで再生されている模様。再生画面の操作系表示が異なる。

ローカル再生
 全ファイル再生可能。Qのみバッファの影響かコマ落ち激しい。
 こちらはアスペクト比変更ボタンがちゃんと機能する。

 DLNAアプリによって再生可能なフォーマットが異なるのにはちょっと驚きましたが、概ね動画の再生については初代同様非常に優れたパフォーマンスを発揮してくれます。特にローカル再生では同じMicroSDに入っていたflvの動画も再生できてしまいました。動画再生についてはディスプレイの違いも大きくXOOM2 MEとは圧倒的な差があると感じました。720pのmp4 60fpsの動画も問題なく、Super AMOLED Plusのディスプレイのおかげで残像感なく非常にキレイにスムーズに再生されるので、最強の動画再生環境と言えると思います。さすがに1080p 60fpsは厳しいですが、これまで試験したどの機種よりもコマ落ち度合いは少なく、高速な読み出しが可能なMicroSDなら相当いいところまで再生してくれそうな気がします(試験で使用したのはClass4の東芝製) かなりがんばっている感じはします(東芝製Class10 SD-C08GR6WAAでもコマ落ちするのでやはり再生自体が厳しいようです)。標準アプリのDLNAソフト All Shareでmkvファイルが再生できなかったのは残念ですが、初代でも同様だったのでしかたないところかもしれません。AwoX MediaCTRLではmkvも再生可能になるので、GalaxyTab 7.7では便利に使えそうです。

■まとめ
 総合的に見て非常に完成度満足度の高い製品だと思います。少なくとも個人的にはArchos 80 G9もXOOM2 MEももう使わなくなるかもしれないと思いました。軽くて薄くて長時間稼働で質感もいいということで、防水とかDTCP-IP対応とか求めなければ、現時点では7〜8インチクラスで最高のAndroidタブレットであるような気がします。動画プレイヤーとして使われる方には本当にオススメできると思いました。同クラスでは値段が一段高い製品になるのですが、その理由も納得できる感じです。とりあえずざっとレビューしましたが、これからメインタブレットとして使いこんでみて気になることがあれば追記していこうと思います。

参考:XOOM2 MEとの比較写真
 http://t.co/antwHjp0 横幅はあんまり変わらないけど縦がかなり違う
 http://t.co/Ndr4Twk8 スクリーンの反射はGalaxyTabの方が抑えられている感じ
 http://t.co/LRTcIEgB 設定アプリの標準テキストサイズがものすごく違う
 http://t.co/HGh4zDQu 同じholoを壁紙に設定して発色の違いを比べてみる

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とりあえず付けておく無駄ではなかったなまぁまぁ読めたちょっと役に立ったかなかなり良かったかも (3 投票, 平均値/最大値: 5.00 / 5)
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■CommuniGate ProのPronto! Mobileで音声通話
 CommuniGate Proの5.4系の目玉であるはずのiOS/Android用VoIP/Chatアプリ Pronto! Mobileがリリースされたということで実験してみた。リリースまで結構時間かかったね。ちなみにHTML5版のアプリも現在開発中らしい。それぞれの専用アプリ版で気になったことを以下に箇条書きで。

・Pronto! Mobileの詳細は以下から(英語)
 http://www.communigate.com/main/pronto/prontoMobile.html
・iOS用のインストールは以下から
 http://itunes.apple.com/jp/app/pronto!/id490538357?mt=8
・Android用はCGP 5.4.3をインストールしたWebUIのログイン画面から
 現時点ではAndroidマーケットにはなく、3rdパーティアプリのインストール許可必須
 Android2.3.x/3.2.xの対応を確認
 Android4.0では音声着信して通話しようとした瞬間SDPエラーが発生する
 起動すると通知領域にアイコンが常駐
・UIは英語のみ
・iOS版のデザインの方がまとまりがあっていい感じ
・利用可能な機能はどちらも同じ
・iOS版は機種で動作状況が異なる模様
 3GS:問題なし
 4S:着信時にタッチスクリーン操作が効かなくなる事象アリ
・GIPS組込みだがGIPSライセンス無しでも動作可能
・サーバCommunityライセンスでも動作可能
・クライアントサーバ間はXIMSS通信&SSL/TLS対応なので比較的安心か
・CGPサーバにログインして利用するためCGPのアカウントは必須
・Pronto!同士の音声通話はメールアドレスでも内線番号でもどちらでもOK
・外線発信の場合NTTの光電話がG.711 μ-Lawのみしか対応していないため発信できず
 Pronto! MobileはG.711 μ-Law未対応
 適切なPSTNゲートウェイが設定されていれば利用可能と思われる
・おそらくCGP同士であれば外部サーバでも通話可能と思われる
・音声の品質はまぁまぁ(特別いい感じはしない)
・Chat/Textメッセージは日本語利用OK(Android4.0でも動作)
・連絡先もサーバ連絡先参照が可能(日本語表示OK)
・スマホ本体の連絡先は電話番号のあるもののみ参照可能
・本体連絡先からPronto!発信を設定可能
・アプリ自体の安定感は高い
・ファイル転送にも対応(転送サイズはサーバ側設定による)
・WP7用はまだない…(作らなさそう…)

気付いたことがあれば随時追記の予定

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■motorola XOOM 2 Media Edition MZ607 レビュー
 海外でmotololaから発売されているタブレット端末XOOM 2 Media Editionが届いたのでレビューを書いておこうと思います。このクラスのタブレットサイズ的にはArchos 80 G9の4:3スクリーンが今のところベストかなと思ってはいるのですが、Galaxy Tab(GT-P1000)よりも少し画面が大きく精細度のアップしているこの製品のIPS液晶に興味があったのと、Googleとくっついたmotoloraだけにリファレンスに近いモデルなのではないかと期待して購入してみました。ここではGT-P1000やArchos 80 G9等と比較しながら書いていきたいと思います。製品の詳細リンクはこちらになります。

■ハードウェア
 まず最初に驚いたのは箱の形状でした。motorolaの最近の端末はISW11M PHOTONのように真四角から角を少し落としたような8角形をしているのですが、箱の形状がその外観とぴったり一致するサイズの8角形の化粧箱になっていました。開けるとちょうどぴったりに収まったMZ607が現れるという感じです。添付のMicroUSB充電ケーブルのコンセント形状は国内と同一で100V対応なのでそのまま使えるものでしたが、今回handtec(UK)から輸入した関係でUK用のアダプタが同梱されていました。充電ケーブルの出力は1.6Aなので通常のPCやUSBハブからの充電では出力が足りないので注意が必要です。

 8.2インチ1280×800のIPS液晶搭載で最厚部8.9mm、390gを切る重さというスペックから想像するよりも、持った感じの第一印象は重かったです。他のタブレットの多くとは異なり、背面に金属プレートがはめられており、周辺部だけ樹脂になっている構造から重量バランスの関係で重く感じたのかもしれません。防滴仕様ということもあり樹脂部分は手に持って滑りにくい素材が利用されているように感じました。本体は縦持ち前提のデザインになっていて、横幅は139mmとGT-P1000に比べ18mmほど広めですが、サイドが薄くなっている形状のため指が回り込んで無理なく片手持ちが可能になっています。樹脂部分の滑りにくさと合わせて比較的持ちやすい印象を受けました。液晶ベゼルも他機に比べて幅が狭い印象になっているので、持ちやすさへの配慮がされていることが伺えます。

 液晶自体はIPSだけあって明るく発色も良く見えますが、Galaxy Nexusのスクリーンを見慣れてしまった目にはどうしても解像度は表示される文字を見てしまうと低く粗い印象になってしまいます。ただ動画や写真の表示ではほとんど粗さを意識することはありません。タッチスクリーンは非常に反応も良く、10点のマルチタッチに対応していることが確認できました。指紋や反射はやや目立ちやすい方だと思いますので、保護フィルムで工夫する方が良さそうです。スクリーン形状が特殊なのできれいに貼ろうとすると今のところ自分でカットするしかないのが少し残念かもしれません。

 本体のボタン類は少なく、本体上面にステレオスピーカーとヘッドホンジャック、下面にスピーカーとMicroUSB・MicroHDMI端子があります。MicroSDスロットは既報のように端子カバーはあるもののスロット自体は塞がれており利用できません。3G対応モデルではSIMスロットと合わせて利用できるようになるのかもしれません。本体左右横はラウンドさせたデザインのためか端子類はなく、本体右背面に当る部分に電源ボタンとボリュームキーがあります。最初若干使いにくいと思いましたが、慣れればクリック感も結構あり位置が触感でわかりやすいためあまり気になりません。背面上部中央には500万画素のあまり画角の広くないカメラとFlashライトが設置されています。フロントにも上部中央にカメラがあります。防滴とはいえUSB/HDMI端子はむき出しなので水には注意した方がよさそうです。

 起動時間は以下のような感じです。まずまず速いかなと言う感じです。
 電源長押し→2秒→motorolaロゴ→8秒→motorolaロゴ動画→21秒→ロック画面(合計約31秒)

■ソフトウェア
 Androidバージョンは3.2になっています。カーネルバージョン 2.6.35.7-g3086f79 w20269@zch68Inxdroid04 #1、ビルド番号 1.6.0_218.3-MZ607、Firmware configration version GAS_EMEA_UCATBLT1WIRTCOREEU_P004となっています。システムの初期設定時から日本語は選択可能で日本語で設定等を行うことは可能ですが、IMEは組み込まれていませんし、フォントもCJKフォントになっています。設定では独自項目として「printer setting」「ホルダー」が追加されており、MOTOPRINTに対応したプリンタより出力ができるようになっています。MOTOPRINTはWindows用のアプリケーションも用意されておりこちらからダウンロードや詳細確認が可能です(英文)。ホルダーはドック接続時の動作を設定する項目です。MZ607はUSBホスト機能にも対応しているため、USBマスストレージやUSB Ethernetが利用できるようになっているようです。ストレージ設定に8コまでのUSBストレージの項目があり、無線とネットワーク設定にEthernet設定があります。音の出力ではスピーカーとヘッドホンジャックで別々にエフェクト設定が可能になっています。この辺の追加機能は嬉しいところです。

 標準のブラウザやホームの動作は十分快適と言えるレベルだと思います。OMAP4430搭載ということですが、Archos 80 G9よりもメモリが多いことで安定してより快適な操作ができているように感じます。MZ607にはプリインストールアプリも各種あるのですが、主にビジネス向けと思われる用途のソフトが多いことが特徴でしょうか。EvernoteやQuickOfficeとはじめ、CitrixやFUSE Meeting, GotoMeeitngなどオンラインで端末操作や会議ができるアプリが組み込まれています。それでも標準アプリも含めて全部で29コと昨今の国内キャリア端末に比べるとプリインストールはそれほど多くないなぁと思ってしまいます。

 動画に強いOMAP4430搭載ということで、動画再生試験もやってみました。とりあえず再生してみて驚いたのは、MZ607ではスピーカーが前述のように縦持ち上面左右に1つつずつ、下面に1つの合計3コ付いていることで、縦持ちでも横持ちでも左右位置になるスピーカーが鳴ることでステレオ効果をしっかり出してくれる設計になっていることでした。動画再生はギャラリーで通常行いますが、再生途中で画面の向きを変えてもちゃんと再生スピーカーが切り替わりステレオ効果を出してくれます。これは非常に素晴らしい設計だと思いました。DLNAアプリについてはTwonkeyがプリインストールでアイコン設定されていますが、これはトライアル版のダウンロード用で実際のアプリはインストールされていません。今回はskiftaをダウンロードし標準の環境で再生してみました。ローカル再生については後述します。DLNAサーバはMacOSX上のPlayback1.8.8。mp4は全てWebOptimizedなファイルです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
  P) MP4 60fps w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  Q) MP4 60fps w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

DLNA再生
 F,G,H,I,J,K,L,M,N,O,Pが再生可能。avi,mkvは再生不可。Qはロードするも再生始まらず。
 Pは再生したもののネットワーク状態にかなり依存しそう。

 aviとmkvは全く再生できずで、mp4もWiFiの状況に左右されやすい印象を受けました。受信感度が著しく悪いという感じではないのですが、特に720p以下の動画でも再生の一番始めだけ若干コマ落ちするケースがランダムに発生していたため、バッファの確保と再生開始までのタイミングなどで何か問題があるのかもしれないと感じました。

 さて、動画のローカル再生についてですがMZ607にはMicroSDがついていないことで、本来Android3.xの端末としてはAndroid File Transferで動画転送などを行うのがデフォルトの仕様になると推測されるのですが、MZ607はMacのAndroid File Transferから認識されませんでした。よくわかってないBlogさんの記事によるとWindows7のexplorerからは内部ストレージが確認できるらしいので、MTPは有効になっているのではないかと推測するのですが、マスストレージ設定もないためMacではそのままで内部ストレージを参照することができません。motorolaは専用のアプリMotoCast USBを用意しているため、こちらでテストファイルを転送しようと思ったのですが、Windows Phone 7 connectorのように一部動画を変換転送してしまう仕様のようなので、そのままテストができませんでした。そのためこの試験については後日追記したいと思います。

 ちなみにMotoCastアプリの利用をすることで、MacやWindows上のメディアを端末に同期することができるようになるのですが、デフォルトではMotoCast Wirelessの設定に誘導されアカウント登録が必須と言われてしまいます。USB経由でのメディア同期のみ実現したい場合には、MotoCastアプリを一旦起動した直後にアカウント登録などを行わないままアプリを終了し、その後USBでMZ607をMacに繋いだところMotoCast USBが単体起動しアカウント登録不要で、iTunesのコンテンツを同期する設定を行うことができました。MotoCast Wirelessはインターネットを経由してPC内のコンテンツをモバイル端末で利用できるようにする機能であり、動画のストリーミングがサポートされているなどOrb等に近い仕組みと言えます。デフォルトでPC内のドキュメントなどを共有可能にする設定がされているので使用には注意が必要です。個人的にはUSBで同期する機能とごっちゃにすることなく、安全管理面から個別のアプリとして欲しいなと思いました。うっかりするとよくわからないままPC内のデータをネット上から(アカウント認証はもちろんあるものの)参照可能にしたままにしてしまうことになるので、あまり望ましいものではないなと感じました。

■まとめ
 個人的にはMZ607の大きさや重さ、ハードウェアの作りなどはなかなかいい感じだと思いました。初めてタブレットを使う方にもあまり不満なく使える性能を持ったデバイスではないかと思います。少なくとも現在入手可能なタブレット端末としては最高レベルであると言えると思います。しかしながらディスプレイの解像度はやや物足りないと感じてしまいました。ハンドセットのスクリーン解像度がHD化することで、タブレットが粗く見えてしまう状況はこれからどんどん増えてくるのだと思います。高解像度の液晶にするか、解像感の高い有機ELで圧倒的な輝度でキレイに見せるか、タブレット端末はスクリーンのブレイクスルーが必要とされてくるように感じました。もうすぐ有機EL plusを搭載したGalaxy Tab 7.7が出てくると言われているので、個人的にはこちらにも期待したいと思いました。

 現状ではGalaxy Tab 7.0 Plusが直接比較対象になる機種だと思いますが、個人的にはMZ607の方がハードウェアとしては魅力的だなと思いました。ただ価格的には手放しで褒められるほど安いわけではないので、もう少し攻めな価格設定を期待したいところです。XOOMのリリース経緯からMZ607が発売される可能性があるとすればauからなのでしょうが、iPadの販売を計画しているという噂もありますので、正直なところ国内一般販売の見込みは販売戦略上厳しいと感じてしまいます。プリインストールアプリを見ても法人向け等の限定したマーケットであればあり得るかもしれませんが、いずれにしても一般的には入手が難しいということになりそうな気がします。初代XOOMのようなリファレンス的存在でもないということのようなので、サイズ的にどうしてもこれがいいということでない限り、敢えて輸入してまで入手する必要がある端末ではないかもしれませんね…。

【追記】ローカルストレージでの動画再生試験について
 Windows7環境でMotoCastをインストールすることでExplorerからMZ607の内部ストレージにアクセスできるようになったので、ローカルストレージでの動画再生結果について書いておきます。Widnows7ではMZ607をUSBケーブルで接続すると少し間を空けてCDドライブとしてMotoCastのインストール領域が自動でマウントされてきます。ここからMotoCastのインストーラを起動してアプリをインストールするのですが、javaが必要らしくインストールされていない場合は先にjavaがインストールされます。MotoCastのインストール過程でUSBドライバがインストールされることで、インストール完了後にExplorerから内部ストレージが参照できるようになります

 今回は内部ストレージのVideoフォルダにテストファイルをコピーして再生しました。MotoCast USBと違って勝手に変換操作はされませんが、コピー動作の際に「再生できないかもしれないがコピーするか」という趣旨のダイアログが表示されるので無視してコピーを続行します。転送したファイルは上記のA〜Qの全ファイルです。実際の再生はギャラリーアプリから行います。MZ607ではギャラリーと名前の付くアプリがAndroid標準のものとMotoCast用の2つ存在するので、MotoCast IDを要求してこない方のギャラリーアプリを利用します。以下が再生結果でした。

ローカル再生
 Bを除いて全て再生可能。Bは音声のみで映像は黒画面まま。
 Qは再生可能なもののコマ落ちかなり有り。実用は厳しい感じ。

 驚いたのはDLNA経由では再生できなかったファイルもローカルコピーしてしまえば再生できてしまったことです。これまでの事例ではおよそDLNAとローカルで再生可能ファイルタイプに大きな差異が出ることが少なかったのですが、結構顕著なのでびっくりしました。ひょっとしてskiftaとの相性でDLNA再生できなかったのかと思い他のuPnPlay等も試してみましたが、結果は変わりませんでしたので、どうもMZ607ではDLNA経由とローカルファイルではビデオファイルの取扱いが異なっているようです。とりあえず1080p 60fpsのような高画質ファイルでなければ、ローカルに転送さえしてしまえばかなり快適に再生可能なので安心しました。ただ、こうなると内部ストレージにアクセスする手段がわからないMacでの使い勝手が残念に思えてきます。標準手段として用意されているはずのAndroid File Transferでアクセスできるようになることを期待したいと思います。

 ついでにMac側でMotoCast USBで転送した音楽をいつものVictorのHA-FXC71-Bで再生して音質も確認してみました。MZ607ではヘッドホンジャックの出力に標準で3D Stereoエフェクトがかけられているので、まずはこちらを設定>音>Enable audio effectからチェックを外しオフにします。その上で試聴したところ、MZ607ではかなり中低音にウェイトが置かれているようで密度感があり重心の低めな比較的柔い印象の再生という感じでした。やや高音域が物足りない感じでトゲトゲ感はないものの抜けや伸びやかさに欠け曲によっては少しこもった感じに聴こえてしまいました。中低域を重視して全体的に柔らかな印象があるので映画やアニメを連続視聴しても聴き疲れしないようなチューニングなのかもしれません。Media Editionという名前にもちょっと納得できる印象です。ローカル転送して再生をする限りかなり動画視聴に向いた製品と言えそうですね。

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WordPress 3.3にしたら関連記事が表示されなくなった

■WordPress 3.3にしたら関連記事が表示されなくなった
 アップデートしたらYARPPで表示していた関連記事が表示されなくなってしまいました。ダッシュボード内でも「関連記事がありません」になっているので、何かデータが破損した可能性があるようです。Contextual Related PostsやSimilar Postsでも関連表示ができないので、データベース側の問題なのかなと疑っていますが、まだ解決のメドがたっていません。

 しばらく関連表示ができない状態が続くかもしれませんが、悪しからずご了承ください。(´・ω・`)

【追記】とりあえずSimple Tagsの関連記事機能を有効にしてみました。
【追記2】12/17 YARPPを3.4.2に更新したら直った模様…ちょっと様子見。

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■docomo ARROWS X LTE F-05D ラウンジ版レビュー
 今週末発売になるF-05Dの実機を見てきたのでレビューを書いておきたいと思います。前回SC-04Dを見に行ってきた時には展示が始まっていなかったのですが、現在は4台が有楽町のdocomoスマートフォンラウンジに展示中です。Optimus LTEやGalaxy SII LTEと少し離れて展示されており、展示カウンターの一番奥とちょっと気付きにくい配置になっていました。他のNEXTシリーズと離されている理由はわかりませんが、LTE機種の中では予約も一番人気ということなので特別扱いなのかもしれません。やはり機能てんこ盛りの全部入りというところが人気がある理由ですねと説明員さんが話されていました。その説明通り本当に機能いっぱいアプリいっぱい常時起動タスクいっぱいという感じで、それぞれ書き出していたらとんでもないことになりそうなので、気になったポイントに絞って書いていこうと思います。

 こちらも合わせてどうぞ
 docomo ARROWS X LTE F-05D 追加レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1869

■ハードウェア
 実機の第一印象はXperiaシリーズっぽい?という感覚でした。機体デザインの印象がこれまでの国産機種の中では比較的スマートで好印象だなと感じました。画面のデザインもマッチして少し垢抜けた感があります。薄いのは薄いのですが、華奢な感じはなく安心して持っていられる印象です。4.3インチ1280×720の液晶ディスプレイはとても精細感があり、発色も良く美しい表示だと思いました。タッチパネルの反応も非常に良く指の動きに期待通りに反応してくれます。ホーム画面を操作している限りもたつくようなことはありませんでした。他のOMAP4430を採用している機種に比べても全般的な反応はいい方ではないかと感じました。ただSC-04Dと比べると皮脂はやや目立ちやすく汚れた感じが割と出てしまうので、気になる方は保護フィルム等で工夫をした方がいいかもしれません。タッチ操作をしてすぐに気付くのが液晶表面温度が極めて高いことです。充電しながらの操作だからかと思い、充電ケーブルを抜いてしばらく使ってみたのですが思うほど温度は下がりません。背面カメラ近辺が熱くなるスマホはいくつかありますが、F-05Dは背面カメラ付近だけでなく当該部位の前面液晶表面がめちゃめちゃ熱くなります。少なくとも充電しながらの操作は液晶の寿命を著しく損なう可能性があると感じました。評価機だけの現象ならいいのですが、発売された実機も同様だと長期使用には液晶の耐久性の面において少し不安があるのではないかと感じます。

 液晶下には物理ボタンが3つ、左からメニュー・ホーム・戻るボタンになっています。ボタン自体は可もなく不可もなくという感じですが、スクリーンとボタンの大きめの間にアイコンがあるため、タッチ式に慣れているとボタンを押す代わりについアイコンの絵図をタッチしてしまって操作がうまくできず、はっとすることがしばしばありました。他の物理ボタン類は少なめで、本体左側面に上から電源キー・ボリュームキー(どちらも極小)、本体下部には何もなし、右側面下にストラップホール、上面には左からヘッドホンジャック・MicroHDMI・MicroUSB・ワンセグアンテナとなっています。ヘッドホンジャックとHDMI/USB端子はカバー付きなのですが、防水使用のため若干きっちりはめにくい構造になっているので注意が必要です。充電はMicroUSBを使う方法と、本体背面下部にある充電端子を利用して専用クレードル経由で充電する方法があります。防水性能を維持するためにも専用クレードルが利用できるのは嬉しいところです。

 本体背面上部中央にExmor R for mobile採用の1310万画素のメインカメラがあり、そのすぐ下にLEDフラッシュが用意されています。前面液晶の右上に130万画素の前面カメラも用意されています。カメラ操作の設定画面はかなり使いやすく、設定可能な項目も多く利便性は高いと思うのですが、レスポンス面については際立った印象はないという感じです。残念ながらXperia ArcやGalaxy Nexusと比べて、カメラのレスポンスはあまり早くは感じません。シャッターを押してAFに1秒くらいかかってシャッターが切れるという感じです。設定で在る程度改善される(最大サイズで撮影しないとか)でしょうし不便というほどではありませんが、動きの速いものを撮影するのには向かないと言う印象です。ワンセグの受信感度はアンテナを最大まで引き出さなくても表示できたなど比較的良好な印象でした。画像は液晶が高精細になってしまっている分やはり粗く見えてしまいます。一応動画の高画質化設定もあるのですが、あまり有効に効いていないように感じました。チャンネルの切替や縦横向きの切替の際にはやや時間がかかる印象でした。

 起動時間は以下のような感じです。起動は最近の機種としては遅めで、ロゴ大杉な印象です。
 電源長押し→8秒→docomoロゴ→22秒→Xiロゴ→3秒→docomo NEXT seriesロゴ→2秒→
 防水警告画面→3秒→ARROWS動画ロゴ→7秒→ロック画面(合計約45秒)

■ソフトウェア
 Androidバージョンは2.3.5、カーネルバージョン 2.6.35.7 build@rx600s4-05 #1、ベースバンドバージョン C_L1_024、ビルド番号 V12R22Gとなっていました。日本語入力システムはNX!input ver.3.0.0、ATOK ver1.1.1となっています。NX!inputは標準で中国語(簡体字)と韓国語にも対応しており、入力設定で設定が可能になっています。本体内蔵ストレージは4.10GB、初期の空き容量は3.71GBとなっていますのでかなり余裕がある印象です。ちょっと驚いたのはシステムメモリの表示で、合計容量が1.92GBとなっており空き容量が1.77GBとなっていました。たしかF-05Dの内蔵容量は8GBと言われていたので、2GB分が見えていないようです。どのようなパーテーション構成になっているのか非常に興味深いところです。また同じメニュー内にUSBマスストレージという項目があり、USBストレージがマウントできるようになっていることが明確にわかるようになっていました。ただし「複数挿入時は1台のみマウント」と書いてあるため、同時にマウントできるのは1台のみに制限されているようです。

 F-05Dは国産端末らしく相当にカスタマイズが施されており、アプリもてんこ盛りで起動直後からすごい数のプロセスが立ち上がっています。展示機のホームはNX!UIがメインになっていましたが、ホーム画面からしてアプリ一覧などにソート機能追加して縦横スクロールでカテゴリ別にアプリ表示したりする工夫がしっかり入っており、69個もあるプリインストールアプリが(たぶん)わかりやすく整理されるようになっています。再起動直後は30のプロセスが実行中状態で表示され、842MのRAMのうち267M(約32%)を何もしないのに使ってしまっているという感じです。ちなみにNexus Oneの標準状態のAndroid2.3.6では起動直後の実行中プロセスはたったの5つで、元より多くないメモリ容量356Mに対して使用メモリは82M(23%)程度です。いろんな意味で贅沢にリソースを使っているというか、無駄遣いしているというか…テレビや目覚まし・TUTAYA TV・HDMI・PVWmdrmProxyなど常時起動しておく意味が薄いものがたくさん立ち上がっているので、もう少しなんとかした方がいいのではないかと思いました。

 設定メニューにもいくつか項目が追加されており、マイプロフィール・初期設定・ドコモサービス・マルチメディア・自分からだ設定などが使えるようになっています。マイプロフィールでは誕生日や性別、身長体重まで登録するようになっており、健康管理サービスと連動するためとはいえ、昨今のAndroid端末を取り巻く情勢を考えるといろいろな意味で恐いなぁと思ってしまいました…。個人的に設定関連で追加された中で一番実用的且つ興味深いなと感じたのは、無線とネットワーク項目に追加されたFMトランスミッタ設定でした。F-05Dには音楽をFMで飛ばせるFMトランスミッタ機能が搭載されているので、カーオーディオでも気軽にケーブルレスでスマホ内の音楽再生が可能になっているのは嬉しいところだなと思いました。この機能は富士通の製品ページでは紹介されているのですが、docomoの製品ページには見当たらないので、ちょっともったいないなと思います。

 アプリという観点からカメラ機能をもう一度書いておこうと思うくらい、カメラ設定には多彩な設定が可能になっています。カメラは専用のシャッターキーがないので画面内の撮影アイコンをタッチして撮影します。撮影アイコンの近くには一般的なズーム・タイマー・撮影サイズ・フラッシュ・WB・設定のアイコンが並びます。そして画面反対側にひき出しして使う詳細な設定画面が別に用意されており、撮影モード・笑顔シャッター・シーン別撮影・エフェクト撮影等の追加機能が様々設定できるようになっています。特にエフェクトではHDRやクロマキー・魚眼・トイカメラなど遊べる機能が充実しており非常に面白そうです。標準撮影でも比較的広角なレンズになっているようでかなりいい感じだなと思いましたが、エフェクトを駆使するとそこそこのデジカメにも負けない写真がいろいろ楽しめそうです。

 ブラウザの動作はLTEの高速なデータ通信もあってかかなり軽快で、スクロールやピンチズームの反応も十分いいと思いました。ただ大きなFlashのあるページではズーム等の再描画時に一瞬ブラックアウトしたり、意図しない位置に飛ばされたり、最悪ブラウザが落ちることがあったので注意が必要そうです。ブラウザでのフォントは標準でUD新丸ゴが使われているようで、DroidSansが使われる場所ではCJKフォントっぽいゴシックになりますが、ちゃんと日本の字体になっているので安心です。Androidブラウザではあるページで拡大表示にして、次のリンクをクリックするとまた最初の表示倍率に戻されてしまうのが一般的ですが、F-05Dではページを拡大縮小する際に画面左下に表示される「虫メガネ+鍵」のアイコンをクリックすることで、リンクを遷移しても拡縮率を変えずにページを表示できる機能が追加されていました。F-05Dの追加機能なのかF/T系端末にはある機能なのかわかりませんが、今回初めて気がつきました。これはかなり実用的で便利だなと思います。

■まとめ
 これまでのF/T系端末の実績からいろんな意味で心配な端末だったのですが、少なくとも今回試した限りでは機能てんこ盛りの割にはアプリはスムーズに動作しておりある程度は安定して利用できそうな印象でした。どちらかと言えば本体が異常に熱くなることや多いとは言えないバッテリー容量などハード的な面での心配が残るという感じです。無駄なプロセスを停止し、消費電力を抑えてメモリを空けておくための工夫がうまくできれば、割といい評価になる端末ではないかと思いました。条件が出た頃合いでL-01Dを購入するつもりでしたが、正直機能的な面でF-05Dにもちょっと興味が出てきてしまいました。ラウンジでは試せない実稼働可能時間や長時間稼働後の安定性、OMAP4430を搭載しているので動画再生などの状況が見えてくれば(まだF/T系端末には気を許せる状況ではないと思いますが)ちょっと考えてもいいかなと思ってみたり…。

 Android端末開発ではずっと世界に後れを取ってきた国内メーカーですが、この秋冬モデルで一気にハードスペック的には世界レベルに追いついた気がします。ただまだソフトウェアの親和性や安定動作にはいろいろ課題を抱えていると思われるので、ソフトウェア面での改善(シンプル化&安定化)を強く期待したいと思っています。Galaxy Nexusのように可能な限りキャリア依存アプリを排除してシンプルに安定して利用できるような端末も並行して開発してもらえると、世界のマーケットも同時に狙うことができていいのではないかと思うのですが…国内のケータイ開発の状況を考えるとまだ難しいのですかね…。

 ともあれ、ラウンジの方の話では冒頭で書いたようにLTEでは一番人気で予約がいっぱい入っているそうなので、来週にはいろいろな実機レポートがネットで見られるようになると思われます。本当に機能やデザイン面では魅力がある端末なので、ぜひとも安定動作して欲しいと心から願いつつ、発売の様子を見てわくわくしたいと思います。

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■Carrier IQのチェックをしたメモ
 いろいろと話題のCarrier IQですが、とりあえず手元の3G対応Android端末をチェックしてみたのでメモ。チェックツールはxdaからダウンロードしたLogging Test App v7。

■チェックした端末
・Nexus One(公式ROM 2.3.6)
・Galaxy Nexus GT-I9250(公式ROM 4.0.1)
・Galaxy Tab GT-P1000(P1000XXJPZ)
・001HT(公式ROM2.3.3)

■結果
 とりあえずCarrier IQはどれも発見されなかった。001HTのみHTCのログツールは当然のように発見された。いろいろログファイルがリストされて興味深かったが、Galaxy Nexusだけはツール自体がAndroid4.0に対応していないのか、一切検出されることがなかった。

 とりあえずCarrier IQの件を持ってAndroid終了は言い過ぎ。UK版SIMフリー端末や日本のHTC端末にも入ってはいないようなので、やはりUSの一部キャリア限定の話ということでAndroid全体の話ではないことが確認できた。

 障害解決のためユーザの行った操作の詳細な情報が欲しいということは、製品の不具合等でユーザ対応をした経験がある人なら誰しも思うことであろうから背景を理解できないわけではない。携帯に限らずPCも同様で、問題が発生した時にそれまでに行った操作を適切に説明できるユーザは極めて少ない(良く訓練されたテスターはそれが可能だったりするが)ため、ログが問題解決に非常に有効であることは否定できない。本当に必要且つ適切な運用ができると考えるならば、何のためにインストールされ、誰のために役に立ち、どうすればそれを有効/無効にできるのかをユーザに適切に説明すればよい。それをしないのはただの怠慢と受け取られても仕方ない。新築の家の全ての部屋に隠しカメラが仕掛けられていて、全ての行動が録画されていた事実を後から知らされた時に、それが住宅購入者の利便性向上のために必要なことだったからと言われても誰一人納得する人はいないだろう。携帯の全操作を把握できるというのは、それに近いことをやっているのだと事業者は理解する必要がある。本当にユーザにとって利便性のあることであるなら、適切な説明をすることでユーザは選択することができる(受け入れさせることが前提であってはいけない)。

 個人的にはロギングツールが携帯電話のパッケージに含まれていること自体には否定的ではないが、それには原則機能が無効化されている前提で、必要な際に有効にするか無効のままにするかが自身で選択できる必要があると考える。AppleやMSはOSの標準機能としてアプリケーションがエラーになった際にレポートを送信するかどうか選択させるようにしているが、そうした解決方法が既に浸透しているにも関わらず、Carreir IQをこっそり潜ませるようなやり方をした一部キャリアは責められて然るべきなのかもしれないと思う。

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■Galaxy Nexusのフォント入替え方法(非rooted)のメモ
 近くボリューム問題FixのOTAも来ることだろうからrecovery.imgを損なうことなく本体非rootedのままで日本語フォントの変更を行うためのメモ。SC-04Dで有効かどうかは不明。rootedにしないもののoem unlockは必要なので製品保証がなくなることを覚悟できる場合のみ実行のこと。基本的に質問にはお答えできません。

■前提条件
・MacOSXでの操作説明です(他OSはパスとfastbootコマンドを適宜読み替えてどうぞ)
・Android Fire Transfer等でMacとGalaxy Nexusの接続が確認できていること
・Terminalによる作業に慣れていること
・adbやfastboot-macが利用可能な状態になっていること
・xda等必要なところから必要なものを調達することができること
・最低限必要なファイル
 recovery-clockwork-5.5.0.2-maguro.img
 DroidSansJapanese.ttf(好みのフォントをリネームしておく)

■手順
・oem unlockする
 MacとGalaxy NexusをUSBデバッグオンにしてUSBケーブルで接続する
 一旦GNの電源をオフにしてから、ボリュームキー+/-を同時押ししながら電源オンする
 fastbootで起動したことを確認してMacターミナルの該当pathで以下を入力
 $ ./fastboot-mac oem unlock
 成功したら一度本体再起動しておく
 ※oem unlockすると本体初期化されるので注意

・CWM recoveryで起動する
 GNに再度必要な設定をしてUSBデバッグオンにしてUSBケーブルで接続する
 一旦GNの電源をオフにしてから、ボリュームキー+/-を同時押ししながら電源オンする
 fastbootで起動したことを確認してMacターミナルの該当pathで以下を入力
 $ ./fastboot-mac boot recovery-clockwork-5.5.0.2-maguro.img
 以下の表示が出ればOK
 downloading ‘boot.img’… OKAY
 booting… OKAY
 GNがCMWで起動するのを待つ

・必要なファイルをバックアップする
 GNがCMWで起動したことを確認し以下の作業を行う
 (ボリュームキーで項目上下、電源キーで選択)
 mounts and strage > mount /system を選択
 Macターミナルの該当pathで以下を入力
 $ ./adb pull /system/etc/fallback_fonts.xml fallback_fonts.xml
 SC-04Dの場合には以下をやっておくといいかもしれない(GT-I9250には無い)
 $ ./adb pull /system/fonts/DroidSansJapanese.ttf DroidSansJapanese.ttf.orig

・必要な修正を行う
 Macターミナルでfallback_fonts.xmlを編集する
 $ cp fallback_fonts.xml fallback_fonts.xml.orig
 $ vi fallback_fonts.xml
 以下を他のfamily項目同様に追記して保存する
[code]


DroidSansJapanese.ttf

[/code]

・日本語フォントの置き換えを実行する
 Macターミナルの該当pathで以下を入力
 $ ./adb push DroidSansJapanese.ttf /system/fonts/
 $ ./adb push fallback_fonts.xml /system/etc/fallback_fonts.xml
 GNを再起動してフォント変更を有効にする
 $ ./adb reboot

 これでrecovery.imgを書き換えることなく(本体をrootedすることなく)日本語フォントの置き換えが可能になる。

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■Galaxy Nexus GT-I9250 UK版 レビュー
 HandtecにオーダーしてあったGalaxy Nexusが届いたのでレビューを書いておきます。型番のGT-I9250は外箱のタグ等に記載はなかったのですが、パッケージ同梱のQuick Start Guideに型番記載があったのでそれを記載しています。基本的なハードウェア仕様はdocomo版SC-04Dとほぼ同じなので前記事を参照していただくとして、ここでは設定関連や動画再生について中心的にレビューをしていきます。

 到着したGalaxy NexusのAndroidバージョンは4.0.1、ボリューム制御の不具合があるまま出荷されたバージョンということになります。ベースバンドバージョンはI9250XXKK1、カーネルバージョン 3.0.1-ge2433f2 android-build@apa28 #1、ビルド番号 ITL41Dでした。リファレンスモデルということで当然のようにセットアップ段階から日本語が選択可能になっています。ただしフォントはCJKフォントでモトヤフォントは残念ながら導入されていませんでした。日本語入力プログラムは導入されていないので、マーケットからインストールする必要があります。とりあえずATOKを導入してみましたが、問題なく動作するようです。注意が必要なのはデフォルトで使うIMEを切り替えるためにテキストフィールドを長押しする方法が使えなくなっているようで、設定するために「設定>言語と入力>デフォルト」の項目を変更する必要があるということです。最初ちょっと戸惑ってしまいました。

 docomo版では延期されているテザリング機能も当然のように利用可能になっており、無線とネットワーク設定から選択することができます。Galaxy NexusではUSBやWi-Fiテザリングに加えてBluetoothテザリングも有効になっていてびっくりしましたが、何故かヘルプにはBluetoothテザリングの記述がなく少し不思議な感じです。リファレンス端末であることを証明するかのような開発者向けオプションは正式版でもそのまま残されており、USBデバッグ設定などはここでするようになっています。こちらの項目に開発端末IDという名称のものがありアルファベットのコードが表示されているのですが、用途はともかくデバイスを一意に特定可能なコードになっていそうなので扱いには注意した方がよさそうです。

 初搭載されたフェイスアンロックも試してみました。「設定>セキュリティ>画面のロック」から設定を行います。フェイスアンロックの設定をする際に注意が表示されるのですが、「フェイスアンロックは、パターン、PIN、パスワードよりも安全面で劣ります。」と適切に警告されていることには好感が持てます。フェイスアンロックが失敗した場合にパターンかPINで解除できるよう必ず設定させられるので、この辺りも適切だなぁと思いました。フェイスアンロックの認証動作は非常に早くカメラに顔が映ったなと思った瞬間に解除されています。試してはいませんが写真でも解除できてしまいそうなので、面白い機能ではありますがセキュリティとしての期待はあまり持たない方がいいかもしれません。

 SC-04Dのレビューで書いた通りメニューボタン相当の機能がアイコン化されアプリ内の配置が自由になったことで操作感が微妙になっている点ですが、やはりかなり影響があるなぁという実感です。持ち位置を直さないと左手持ちで指が届かない右上にメニューが出るアプリが、ブラウザ・ギャラリー・マーケット・Earth・カレンダー・トーク・プレイス・検索・電卓・電話など。画面下部に出るので支障がないアプリにメッセージ・Gmail・ナビ・マップ・音楽・ユーザー(旧連絡先)などとなっています。主要なアプリでもバラバラ、更にこれらのアプリでも画面上の配置が微妙に異なる(最上段だったり中段だったり、最下段だったりアクションバー内だったり)という具合で非常に統一性に欠けます。メニューボタンを統一的にアクションバーに入れなかったのは愚策としか思えません…。非常に残念です。

残念といえばひとつGoogleアカウント設定での注意があります。今回からGoogleアカウントの同期設定にGoogleフォトが追加されており、Galaxy Nexusで撮影した写真は放っておくと全てクラウド側に自動で同期されてしまうようです。GoogleフォトはおそらくPicasaのことになりますが、とりあえず設定して同期してみてもPicasaでは表示されず…。Google+の写真にも出てこないのでどこにどう同期されているのかよくわからないのですが、クラウド側に置いてしまって万が一ネット上で公開されてしまったりするとまずい写真がある場合には注意した方が良さそうです。風景とかならともかく友人知人が写っている場合にはやっぱり気になりますよね…。この辺り詳しいことがわかれば追記したいと思います。(どうもプリインストールアプリのGoogle+でログインをすると機能が有効に働くっぽい?)

 恒例の動画再生実験もやってみました。Galaxy NexusはMicroSDに対応していないので、動画や音楽ファイルの転送にはAndroid File Transferアプリを使用します。今回はMacOSX版をダウンロードして使いました。アプリはダウンロードしてアプリケーションフォルダにコピー、ダブルクリックで起動するだけです。USBケーブルでMac本体と接続されていればウインドウが開いて本体のフォルダ一覧が表示されるので、Moviesフォルダに動画ファイルをドラッグコピーすればOKです。同期等のコントロール機能があるわけではありませんが、転送も早くそれなりにお手軽という感じです。それなりに便利なのはiTunesのプレイリストから直接音楽のタイトルをドラッグアンドドロップして音楽ファイルを転送することができることで、使い勝手は悪くないかなと思いました。ただプレイリストは端末上で再構成しないといけないのでその点は少し残念です(プレイリストをドラッグすると含まれる曲がフラットにコピーされるだけ)。

 ということで動画のローカル再生は本体のストレージからとなります。DLNAサーバはMacOSX上のPlayback1.8.8で、再生アプリはローカルはギャラリーアプリ、DLNAはskiftaがローカルネットワーク上のDLNAサーバを見つけられない(Android4.0に未対応のせい?)ため代わりにAwoX mediaCTRLでの再生となります。mp4は全てWebOptimizedなファイルです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
  P) MP4 60fps w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  Q) MP4 60fps w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

ローカル再生
 B,E,N,O以外全て再生可能。N,Oはリストすらされず。Bは音声のみ可映像不可。Eは音声不可。
 Qは再生自体は可能だがコマ落ち激しく実用は不可。全画面再生可能

DLNA再生
 B,E,N,O以外全て再生可能。Bは音声のみ可映像不可。Eは音声不可。
 P,Qは再生自体は可能だがコマ落ち激しく実用は不可。メニューバーとアクションバーが残存する。

 結果としてはOMAP4430を搭載しているArchos 80 G9とほぼ同様という感じですが、wmv系が非対応になっているのが残念なところです。上位CPUなので1080p 60fps mp4も再生できるのではないかと期待したましたが、こちらも残念な結果に終わりました。音楽の再生ではVictorのHA-FXC71-Bで聴く限りSC-04Dと同様好印象です。MDR-7506で確認してみてもやや固く締まった感じのあるHTC Radarに比べて音がやや明るく広がり感があるこちらの方が一般的にも好まれるのではないかと感じました。設定アプリの音項目にはイコライザーなどがありませんでしたが、音楽アプリの再生曲を表示している画面のメニューアイコンから「サウンド効果」を選択することでイコライジングが可能になっていました。音楽アプリの再生曲の画面ではメニューアイコンは画面右上、曲一覧画面ではメニューアイコンが画面右下と位置がころころ変わるので、この辺もやはり気になってしまいました…。

 Galaxy Nexusのカメラは画素数は高くないですがレスポンスはいいと前レビューで書きましたが、実機もその通りで非常に快速にシャッターが切れます。今回は動画の撮影もしてみたのですが、1080pまでの動画がmp4ファイルとして記録されます。撮影した動画の情報をMP4BOXでチェックしてみたところ以下のようになっていました。Baselineの4.1、音声はAACの1chです。撮影した動画はAndroid File TransferアプリでMacにコピーし、QuickTimeで問題なく再生可能でした。ちなみにAndroid File Transferアプリで接続している最中にカメラ撮影したファイルは次に接続し直すまで、Android File Transferアプリのウインドウ内では表示されないようです。

[code]* Movie Info *
Timescale 1000 – Duration 00:00:14.720
Fragmented File no – 2 track(s)
File Brand isom – version 0
Created: GMT Fri Nov 23 15:10:23 1945

File has no MPEG4 IOD/OD

Track # 1 Info – TrackID 1 – TimeScale 90000 – Duration 00:00:14.468
Media Info: Language “Undetermined” – Type “vide:avc1” – 347 samples
Visual Track layout: x=0 y=0 width=1920 height=1080
MPEG-4 Config: Visual Stream – ObjectTypeIndication 0x21
AVC/H264 Video – Visual Size 1920 x 1080
AVC Info: 1 SPS – 1 PPS – Profile Baseline @ Level 4.1
NAL Unit length bits: 32
Self-synchronized

Track # 2 Info – TrackID 2 – TimeScale 48000 – Duration 00:00:14.720
Media Info: Language “Undetermined” – Type “soun:mp4a” – 690 samples
MPEG-4 Config: Audio Stream – ObjectTypeIndication 0x40
MPEG-4 Audio AAC LC – 1 Channel(s) – SampleRate 48000
Synchronized on stream 1[/code]

■まとめ
 スクリーンの品質やハードウェア全体の品質は十分な仕上がりだと思いますが、やはりAndroid4.0(ICS)のUIの部分が非常に気になってしまいます。初期設定時にオーバーレイ表示するガイドやヘルプなど優れた改善もあるのですが、メニューアイコンの配置など日常的に重要な操作部分での微妙さがとても残念です。既存のアプリもインストールはできるのに実質的に機能しないものが結構あるなど、予想の範囲内とはいえdocomoからSC-04Dが正式発売された後のコンシューマーの反応はちょっと恐そうな気がします…。開発者向け端末としては非常に便利且つ実用的になっている面も多いと思うのですが、少なくとも初めてAndroid端末を使うという人にSC-04Dを売るためはAndroid4.0対応アプリが在る程度出そろうまで待った方がいいのではないかと思いました。そうでないとマーケットのレビューが悲惨なことになりそうです…。docomoの影響の少ない端末であるが故にSC-04Dに売れて欲しいとも思うのですが、いろいろな影響を考えるとやはりこの端末はAndroid4.0であることの意味を適切に理解できる方以外にはオススメできない端末となってしまいそうです…。

 ボリューム関連のバグのFixも遠からずOTAされるらしいので、いろいろ遊びながら気付いたことを追記していこうと思います。

■気付いたこと(随時追記中)
・3Gの掴みはiPhone3GSやHTC Radarに比べるとイマイチっぽい
・無線LANも同様(アンテナ受信感度が他機よりやや低く表示される)
・docomo SIMだとAPNが自動設定されるらしい(twitterで聞いた)
・softbank SIMは手打ちしないとAPN設定されない
・3G/Wi-Fiオンでもバッテリーの持ちはかなりよい
 (実使用状況にもよるかもしれないがHTC Radarと同程度な実感)
・一度だけマーケット操作中に画面フリーズ(電源長押しで終了)
・再起動したら10%以上一気にバッテリーが減少していた(謎
・外でも比較的画面が見やすい(NexusOneからは大きな進歩)
・画面をスクロールさせようとする時一瞬だが間があるように感じる
・CJKフォントでも画面の精細度が高いせいかフォントスタイルにはあまり違和感を感じない
・字形が異なる一部漢字はともかく、十分に見やすく使い慣れれば問題なさそう
・大画面化しているがAndroid2.x用アプリでもスケーリングに不自然さをあまり感じない
・やっぱりメニューボタン位置のおかげで左手持ち片手操作完結は無理orz
・本体スピーカの音質もなかなか締まったいい感じ
・デフォルトで入っている着信音やアラーム音はなんだか穏やかで優しい印象のものが多い
・通信データ量がアプリ毎で判るのはやはり便利
・通信データ量のマーカー設定が設定したい値が大きいほど微妙にやりにくい
・Android File Transferのファイル転送は約5Mbyte/秒(100Mbyteを20秒くらい)
・Android File Transferウインドウ内のファイルもコマンド+デリートキーで削除可能(確認有り)
・USBマスストレージモードはないみたい(メディアデバイスとカメラの2モードが設定可能)
・スクリーンの映り込みはあまり気にならない
・皮脂を目立たなくする加工はかなり優秀な気がする
・アンチグレアフィルムを貼るつもりだったが不要と思い始めた
・充電クレードルが欲しいかな
・標準音楽プレイヤーで画面スリープ時にいくつかのm4aで音飛び確認
・再生中に画面を点けると飛びが解消するので省電力制御の問題っぽい
・音飛びが発生する条件は歌詞が記録されていることらしい(発生曲に共通)
・歌詞がない曲は問題が発生しない模様
・APNが消える現象発生…原因特定できず…
・ワイシャツの胸ポケットより大きい携帯ってやっぱり微妙な気がする…
・熱はあまり気にならない、カメラ下がちょっとあったかいかなって感じ
・カメラの写りは微妙な感じ、思ったより暗所ノイズは多めorz
・WBもなんだか微妙なんだけどHTC Radarと比べたらいかんか…

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■docomo Galaxy Nexus SC-04D ラウンジ版レビュー
 Galaxy Nexusのレビューは実機が来てからと思っていたのですが、発売日が少し先になってしまったのでラウンジ版をレビューしておこうと思います。スマートフォンラウンジでは入口寄りに3台展示されており、さすがに注目を集めていて常に誰かしら順番待ちをしているというような具合でした。しかしながら、少し前にtweetしたのですが、個人的にはこの端末についてはあまり国内での販売が伸びないのではないかと思っています。コンシューマにとってハードウェア面でスペック的に訴求できる部分が少ない上に、最大のセールポイントであるAndroid4.0(ICS)も魅力的な部分はもちろんあるものの、使いやすい携帯電話を求める多くのユーザにはICSのUI自体が魅力的には映らないだろうと感じてしまったからです。そうした部分を中心にここではレビューを書いていこうと思います。

 こちらも合わせてどうぞ
 Galaxy Nexus GT-I9250 UK版 レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1731

■ハードウェア
 Galaxy Nexusの第一印象は「画面大きくて本体でかい印象の割に薄くて軽いかな?」というやや中途半端な感覚でした。スクリーンは4.7インチ1280×720の有機EL(HD Super AMOLED)でPentail配列のものになっています。高解像度ではあるものの画素を少なくしたPentail配列ということで少し表示の精細感について心配していましたが、実機を見てその不安はなくなりました。輝度も高く発色も良く精細感がありにじみ等をほとんど感じさせない美しいディスプレイになっていると思います。Optimus LTEに比べればやや粗いということもできると思いますが、通常の利用でその差が気になるようなことはあまりないと思いました。スクリーン表面はややカーブした形状ということですが、正面から見て使う限り湾曲を意識するようなこともありません。タッチの反応も非常に良く、高速なCPU OMAP4460と相まって非常にスムーズな動作が実現されていると感じました。皮脂も他機に比べて目立ちにくい加工がしてあるように感じました。スクリーンが大きいので片手親指での操作で対応できる範囲が非常に限定的で、横方向にはあまり支障がないものの、画面縦方向の操作は指が届かず、操作するため持ち位置を直したりしないといけない場面がかなりありました。カーブしたスクリーンが少しは移動距離を補ってくれるのかと思ったのですがそういう感じはありません。後述しますがOSの問題と合わせて、この操作具合がGalaxy Nexusで結構致命的な問題になるのではないかと心配してしまいます。

 ICS前提の設計になったことで、スクリーン下部には見慣れたタッチ式物理式ボタン類はありません。Android3.x同様、戻る・ホーム・タスクボタンはスクリーン内のアクションバーに表示されるようになります。物理的なボタン類は最小となり、本体左側面にボリュームキー、右側面に電源キー、本体下部に左からヘッドホンジャック・マイク穴・MicroUSBととてもシンプルになっています。右側面にはクレードル用の充電端子もありますが小さくあまり目立ちません。電源とボリュームは薄い印象でクリック感もほどほどですが、安っぽい感じはありません。背面上部中央にはカメラとLEDフラッシュがあります。背面の広い範囲を凹凸のある樹脂カバーで覆っているのですが、これが個人的には持ちやすく好感触でした。ただあまり携帯電話にはないタイプの加工なので人によって好みが分かれそうな気がします。本体の重量バランスも悪くなく、滑りにくい背面カバーと合わせて非常に持ちやすいと感じました。

 カメラは500万画素と今どきのスマホとしては画素が少ない感じですが、レスポンスは非常によくシャッターラグをほとんど感じさせません。ほとんど押した瞬間に撮影が終わっている感覚です。Xperia Arcのカメラ速度も当時感動したことを覚えていますが、これはそれ以上の快速動作です。写真のクオリティは画面で見る限りとなりますが、ブレも少なくキレイに撮影できているように感じました。フロント120万画素のカメラもノイズが少なく非常にキレイな表示が得られます。残念なのはカメラの撮影オプションが非常にシンプルすぎて物足りない感じがすることです。撮影モードはオート含めて5つ、露出補正も±3、パノラマ撮影が可能になっている等のプラス要素もあるものの最近の機種に比べて見劣りする感は否めません。Galaxy NexusがICSのリファレンス機であることは周知なわけですから、ICSではカメラは重視していないとハッキリ出てしまっているようで残念に感じます。

 ワンセグやおさいふ・赤外線等の日本独自の機能は当然のように搭載されていません。Felicaの代わりにNFCが搭載されていますが、NFC搭載機間でデータ交換可能なAndroidビーム以外では国内で今のところ利用する術はなさそうです。

 起動時間は以下のような感じです。起動はまずまず速いと思いました。
 電源長押し→5秒→Googleロゴ→10秒→読込み動画→15秒→ロック画面(合計約30秒)

■ソフトウェア
 前述の通りICSということで、Androidバージョンは4.0.1です。カーネルバージョン 3.0.1-gc1a8b31 android-build@apa28 #1、ベースバンドバージョン SC04D0MKK2、ビルド番号 yakjusc-userdebug 4.0.1 ITL33D SC-04D.KK2 test-keysとなっており、Samsung系らしい番号が振られていることがわかります。標準の日本語入力はiWnn IME Ver.2.2.0.jp-Google-03 オムロンソフトウェア(株)となっていました。スクリーンが大きくなっている分、入力はしやすいように感じます。プリインストールアプリはdocomoから発売される端末としては非常に少なくOS標準のものを含めて32個しか入っていません。Optimus LTEの半分以下です。明らかにdocomoの追加アプリと思われるのはspモードメール・あんしんスキャン・エリアメールの3つだけです。リリース時にどうなるかは判りませんが、このままの数でリリースされるなら画期的と言えるかもしれません。

 プリインストールアプリとしてGoogle+があったりカレンダーのデザインがそこそこ良くなっていたり、メールやブラウザもデザインや使い勝手がやや違っていたりする部分はあるのですが、個人的に一番インパクトがあったのは、Android2.x系でメニューボタンに相当する機能が非常に判りにくく使いにくくなったことでした。ICSでは通常アプリがフロントで動作している場合には、アクションバーには戻る・ホーム・タスク一覧の3つのボタンしか表示されていません。これまでのメニューに相当する機能は縦に3つの■が並んだアイコンでアプリ内のどこかに配置されます。この配置に一定のルールがないようで、アプリによってこのアイコンの配置がバラバラになっています。画面の下の方にある場合には片手操作にあまり支障がないのですが、画面上部に配置されると持ち方を変えないと片手では操作できません。左手親指をメインで片手操作したい場合、画面右上にメニューアイコンがあると本体を持ち直さないと親指が届かないという具合です。慣れればなんとかならない訳ではありませんが、ICSの標準アプリでもこうした配置が不規則になっており、非常に使いにくいと感じてしまいました。例え両手持ち操作前提であってもUIの統一による分かりやすさは大切だと思うのですが、ICSの個々のアプリのUIのバラバラさ加減にはGoogleがユーザビリティを軽視している姿勢しか感じられませんでした。Androidに慣れているから感じる変更されたことへの不満ではなく、UI要素の位置やカラーがバラバラに使われていることへの不満であることは、少し注意して一度利用してみるとすぐに理解できると思われます。正直なところ初めてスマホとしてICSを使う人はこれを理解して快適に操作できるのだろうかと心配になりました。

 設定関連でも、これまでの項目がフラットに並んでいたところにカテゴリ単位にまとめるようなUIが広く導入されているのですが、小さいフォントでカテゴリを表記しラインの太さを変えることでカテゴリ化を表すようになっていて、これが非常に中途半端で項目説明のフォントとサイズが同じで返って分かりにくくなっているところも散見されました。フォントフェースを変更したり色を変えるなどもう少し工夫のしどころはあるだろうに、そうした努力がされていないように見えます。「その他…」という意味不明の階層化がされた項目がそこだけ存在したり、Googleが何をしたいのか、どうユーザに理解して使って欲しいのか、ICSのUIの設計は全体を通して非常に不透明な感じがします。表面的なデザインやセオリーによってのみ再構成され、特にUIにおいては本質的な設計思想を欠いたアップデートになってしまったのではないかと残念に感じました。

 先に酷いと思った部分を書いてしまいましたが、良い部分ももちろんあります。開発者向けオプションの設定項目はリリース時に残るかわかりませんが、CPUの動作状況をリアルタイムに画面に表示できるなど便利な機能がたくさん用意されています。Wi-Fi Direct設定や端末の暗号化設定の際などに表示される注意書きは力が入っているようで非常にわかりやすく説明がされており好印象でした。VPNの接続オプションが6種類選べるなど細かくなっておりこれも嬉しいポイントです(OpenVPNが選べたらもっと良かった…)。データ使用という項目では、一定期間の通信量とそれをどのアプリが行ったのかが一目でわかる工夫がされていて素晴らしいと思いました。またアプリを個別に選択してバックグラウンドでの通信を制限する設定が可能になるなど、ユーザの安心感に直接繋がる機能が追加されており非常に嬉しいところです。

 動画再生に強いArchos 80 G9(OMAP4430)よりも上位のCPU OMAP4460を搭載しているということで、動画の再生試験も試してみたかったのですが、スマホラウンジでは試すことができない(そもそもMicroSDにも対応していないですしね)ので、音楽再生のヘッドホン出力確認だけしてきました。動画の再生試験は実機到着後に改めて記事にしたいと思います。ヘッドフォンジャックにいつものVictorのHA-FXC71-Bをつないで、Webブラウザで試聴用mp3を再生したところHA-FXC71-Bとかなり相性がいいようで、低音はしっかりキレと迫力ある鳴り方、ボーカルや高音も伸びやかでクリアな音で聴くことができました。最近はHTC Radarをずっと音楽プレイヤーとして使ってきたのですが、個人的にはそれを超える好印象な再生品質でした。派手さを抑えた堅実でしっかりした再生をするHTC端末に対して、Galaxy Nexusは少し空間を拡げて明るくした感じの音になっていてかなり好みでした。イコライザーなどの音質調整機能はなく標準でこの出力ということなので、おそらく実機が届いたらHTC Radarに変わってGalaxy Nexusが通勤時のメイン音楽プレイヤーになりそうです。(少し気になったのはラウンジの端末では充電用のUSBケーブルをつないだ状態だとヘッドホンジャックからの音声出力にノイズがのったことです。展示されていたのは開発機ですしUSBケーブルを外すとノイズが消えるのでおそらく実用上は問題ないのでしょうが、一応説明員さんに事象を伝えて確認とリリース版で影響のないよう必要な対応をして欲しい旨をお伝えしておきました。)

■まとめ
 個人的に仕事上海外の特定ソフトウェアベンダーと交渉する場合に日本国内端末の実装上の問題でないことを証明するためにリファレンス端末が必要なので確実にGalaxy Nexusは購入はするのですが、果たしてこの端末が国内で(好評を博して)売れるかどうかというと冒頭で書いたように大きく疑問です。最新のOSを最速で求める層と仕事上必要な層を除いて、積極的に購入すべき理由があるように感じません。ICSには正直不満点の方が多いと言わざるを得ないと思っています。iOS5やWindows Phone 7.5がUIで非常に優れた実装を進めて行っているのととても対照的に感じてしまいました。Androidの魅力はその自由度にあることは否定しませんが、Google自身が制御しうるリファレンスたる部分でまでUIが統一されないのは先行きに不安感を感じざるをえません…。ICSは便利な機能は追加されているものの、OSとしてAndroidを使いやすくしてはいない、そんな印象でした。これが単なる杞憂であるならそれに越したことはないのですが、せっかく日本でリファレンス端末が初めて購入できるようになったのですから、これが今後リファレンス端末が発売されなくなる悪しき前例となってしまわないことを、心から祈りたいと思います。

【追記】テザリングについて
 Galaxy Nexus自体はテザリング対応ということになっていますが、上記のレビュー機体において設定アプリ内のメニュー項目にテザリングは存在しませんでした。展示機ではテザリング設定アイコンがホーム画面を右にフリックした2番目の画面内に配置されていましたが、クリックして開いてみてもヘルプという項目があるだけで、そこではUSBテザリングとWi-Fiテザリングの説明が表示されるのみという状況で、テザリングに関する実質的な設定画面などを確認することができない状態でした。SIMフリー版でのメニュー配置がどうなるのかはわかりませんが、docomoの他機種がテザリングの際のみ通常のAPN設定と異なるテザリング用既定APNを利用する変則的な仕様になっていることを考えると、この辺りの実装をdocomo版Galaxy Nexusで独自に追加するようにしたため現在の展示機にその辺りの反映が遅れているという見方はできそうです。説明員の方もテザリングに関してなぜメニューにないのか詳しいことは開発途中のバージョンなのでわからないということでした。

【追記2】SC-04Dのテザリングがアップデート対応になった件について
 11/11に公開されたgizmodo.jpの記事の通りSC-04Dのテザリング機能はリリース当初は搭載されずアップデートで提供されることになったようです。11/7に公開されているBlog of Mobile!!さんの記事では無線とネットワーク設定にテザリングの項目が表示されていることから、docomo側の要求仕様に合わせた変更の結果発売に間に合わないという判断になったことが推測されます。docomoとSamsungの間でどのようなやり取りがあったかわかりませんが、11月の頭の時点で実現されていなかった仕様を11月発売予定の製品に入れ込もうとするのは流石にどうかと思ってしまいます。度重なる海外でのGalaxy Nexusの発売延期はこの件が影響したものではないかと疑いたくなってしまいますね…。

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■CommuniGate Pro v5.4.2のAndroid対応状況
 先日CommuniGate Proがv5.4.2となりExchange互換機能AirSyncの一部バグが修正されたということで問題のあったAndroid対応を検証したメモ。確かに修正は確認できたが非常に微妙な感じ。更なる改善を願うところ。

■動作確認した環境
1) Scientific Linux 5.7 x86(5.6から継続アップデート)
  Communigate Pro v5.4.2(v5.3系から継続アップデート)

2)Scientific Linux 5.7 x86(新規インストール)
  CommuniGate Pro v5.4.2(新規インストール)

どちらの環境でも結果は同じだったので、以下の検証結果はv5.4.2の問題と考える。

■検証結果
1)Nexus One (Android2.3.6公式ROM)
 メール・連絡先・カレンダー同期OK
 デバイス管理者登録:ダイアログのみ表示、実際登録されず
 リモートワイプ:実行できず

2)001HT(Android2.3.3公式ROM)
 メール・連絡先・カレンダー同期OK
 デバイス管理者登録:HTCのカスタマイズで項目自体が存在しない
 リモートワイプ:即時実行可能

3)GalaxyTab(GT-P1000)(Android2.3.3 XXJQ1 rooted)
 メール・連絡先・カレンダー同期OK
 デバイス管理者登録:ダイアログのみ表示、実際登録されず
 リモートワイプ:メールフォルダ操作で実行される…ように見えるが初期化されない

4)Archos 80 G9(Android3.2公式ROM)
 メール・連絡先・カレンダー同期OK
 デバイス管理者登録:ダイアログ表示、権限確認表示、メールとして登録
 リモートワイプ:メールフォルダ操作で実行される…ように見えるが初期化されない

5)ASUS TF101(Android3.2.1公式ROM)
 メール・連絡先・カレンダー同期OK
 デバイス管理者登録:ダイアログ表示、権限確認表示、メールとして登録
 リモートワイプ:メールフォルダ操作で実行される、完全に初期化

 ざっくりと見てAndroid2.3.xには非対応、Android3.2.xには対応しているように見える。リモートワイプなどシステム関連の権限を必要するため、Android2.2以降で新設されたデバイス管理者メニューに必要に応じた権限とそのパーミッション設定が必要となるが、Android2.3.x系では必要な権限の登録が行われない。HTC社の製品のみHTC Senseのカスタマイズでデバイス管理者を必要とせずワイプが可能になっているため、001HTでのみ正しくワイプが機能しているが、HTC社の製品の場合は前述の理由によりCommuniGate Pro v5.3.x系でもリモートワイプ可能だった。今回GalaxyTabでもワイプが動作したように見えた(再起動して情報をワイプしている状況が表示された)のだが、キャッシュ等が削除されただけでアカウントやアプリ含めたデータ類はそのままで、端末の初期化はされなかった。おそらくデバイス管理者に正しい設定がされていない影響と思われる。

 2.3.xでは登録されないデバイス管理者が、何故かAndroid3.2.xでは権限表示された上で適切に登録されることが今回確認できた。TF101では即時ではないもののメールのフォルダを表示しようとした瞬間に端末が再起動され、データの消去が行われ初期化された上で新規登録画面が立ち上がってきた。Archos 80 G9ではやはりメールのフォルダを表示しようとした際に再起動に入るため端末の電源は落ちるがそのまま終了してしまう。電源長押しで起動させた後、何故かパスワード設定のみが反映された状態で起動し、リモートワイプで使用したアカウントのパスワードでログインすると、アプリやデータはそのまま利用可能な状態で残っていた。これはデバイス管理者の権限が反映されたことを示しているが、なぜワイプまでできず中途半端に終わっているのはよくわからない…。Archos製品は他社製品と少し実装が異なり、初期化オプションを複数提供するためシステムイメージをループバックマウントすることでシステム全体をセキュアに保つ仕組みが採用されていることに関係しているのかもしれない。

 ワイプの実行のためにメールフォルダの操作が必要になっているのは、ワイプ実行に必要なProvisionコマンドの発行のため。通常iOSやWindows Phone 7.5ではサーバ側でワイプ指定した時点で、接続を切られた端末側が再アクセスしてProvisionコマンドを要求に応じて返してくることでワイプが実行されるのだが、Android端末では何故かサーバ側でProvisionコマンドを要求しても返してこない。仕方がないので端末側でProvisionコマンドを発行させるために必要な操作として、InBox以外のメールフォルダを開いてみるという動作を行う。フォルダを開こうとするとサーバから拒否されるため、FolderSyncの再問合せをした際に、Provisionコマンドの応答を行うことになる。本来すぐに実行されるべきコマンドが一定操作をしないと行われないことは、おそらくCommuniGate Pro側の要求送信内容の問題だと思われるので、ここも改善してもらいところである。

■まとめ
 CommuniGate Pro v5.4.2でAirSyncのバグが一部修正されデバイス管理者登録部分の動作がやや改善されたことは確認できたものの、まだAndroid2.3系ではワイプなどセキュリティ系機能が実用にならず、3.2系でも機種によっては適切に動作しないことが確認できた。iOSやWindows Phone 7.5の端末では問題なく動作するだけに、シェアの大きいAndroid端末でうまく動作しないことは残念というしかない。デバイス管理者の登録やワイプ実行のためのProvisionコマンドの要求発行内容とタイミングについて更に改善をしてもらいたいと思う。とりあえずメールやカレンダーの同期といった主要な部分は動作しているので実使用上大きな問題はないケースも多いとは思われるが、セキュリティ系で必要な機能についてCommuniGate ProとAndroid端末を組み合わせて利用したい場合には、利用端末で適切に動作するかどうか事前に確認することを強くオススメする。

【追記】Galaxy Nexusが届いたので追記

6)Galaxy Nexus (Android4.0.1公式ROM)
 メール・連絡先・カレンダー同期OK
 デバイス管理者登録:ダイアログ表示無し、登録されず
 リモートワイプ:実行できず

 3.xで対応していた部分がバージョンアップでまた未対応になってしまった模様…。codenameでは正しく動作しワイプできたことから4.0の仕様変更自体の問題ではなさそう。CGS社にはレポートしてあるのだがいつになったら直してくれるのだろう…。

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