■au IS03 更新ビルド2種 レビュー
 ありがたいことに前回のレビューの後、IS03の更新されたビルドを試す機会があったので、OSの部分のみ主にレスポンス面についてレビューを追加しておこうと思います。もうすぐ発売になるということもあり、Android2.1でどこまで勝負できるか気になっている方も多いと思いますが、SHARPは本当にがんばってくれたんだなと実感できる出来上がりになっていると思います。先のレビューは以下から読めます。

au IS03 CEATEC版レビュー【10/17追記】
http://blog.isnext.net/issy/archives/406

au IS03 KDDIデザイニングスタジオ版 検証追加レビュー
http://blog.isnext.net/issy/archives/435

■更新版ビルド RA125.00.02.00
 ヨドバシ秋葉原店で店員さんに「動くIS03を見たいんですけど」と聞くと奥から出してきてくれる1台しかないらしいホットモックのバージョン。店員さんによるとリリース版に非常に近いバージョンとのこと。Androidバージョンはもちろん2.1-update1、カーネル 2.6.29-pref nbproj@TG712205 #1。ビルド番号のルールがCEATEC版のD9156から大きく変わっている模様。いろいろなアプリを導入して検証しているようで、たくさんの3rdパーティアプリが導入されており、出された当初ホームがADWLauncherになっててUIが変わったのかと思ってびっくりしました。店員さんもよくわかっていなかったみたいで「標準ですよ」と言ってましたが、知らない人が見たら本当に誤解するからもうちょっと勉強して欲しいと思います…。Ocean UIに切り替えて動作を確認すると、やはり左右フリックはややもたつく感じ。標準ホームアプリ自体は残念ながらこのビルドではあまり改良された感じはしませんでした。ただADWLauncherで利用する限り、フリックの追従性も良くAndroid2.1としては十分に快適な操作が可能であることが確認できました。この時点ではIS03を購入された方はホームアプリを変更することを強くお勧めすると思いました。

 起動時間の測定結果はCEATEC版より悪くなっています。
 電源オン→1秒→Android auロゴ→50秒→ローディングアニメ→16秒→メモリ液晶表示
 →5秒→au ICカード読み込み表示→5秒→ロック画面(合計約77秒)

 30秒近く起動が遅くなっていますが、ロック画面解除後の動作はスムーズでした。それでも起動が長くなったのはちょっと残念な印象でした。

■更新版ビルド 01.00.00
 出所が明示できなくて申し訳ないのですが、NDAではないと確認したので、こちらのビルドについてもレビューをします(数日後この部分が消えていたらすいません)。Androidバージョンはこちらももちろん2.1-update1、カーネル 2.6.29-pref nbproj@TG721404 #1。カーネルはCEATECと同じバージョンのようですが、ビルド番号ルール?がこちらも違っており、なんとなくキレイな数字になっています。

 こちらは起動時間から見てみます。
 電源オン→1秒→Android auロゴ→31秒→ローディングアニメ→7秒→メモリ液晶表示
 →5秒→au ICカード読み込み表示→2秒→ロック画面(合計約46秒)

 CEATEC版と遜色ない速度で起動していて、ロック解除後の動作もスムーズでした。標準ホームでのフリック操作も少し遅れ気味に見える動きではあるものの、それはOcean UIの視覚効果の問題でタッチ自体のレスポンスは非常に良いように感じました。こちらのビルドにはau独自アプリがほとんど入っていなかったため、それが快適な理由になっている可能性は否定できないのですが、もしこちらのビルドがよりリリース版に近いものだとすれば、標準ホームでも十分快適さを感じることができるのではないかと思いました。もちろんADWLauncherにホームを変更すればもっと快適になると思います。ブラウザやワンセグも快適に動作し、若干縦横切り替えが遅い印象はありますが、非常に安定しており十分欲しいと思わせる完成度だと感じました。

 ブラウザのピンチズーム操作も非常に快適だったのですが、Flashが多かったりテーブルネスト構造が複雑なページだったりすると、ピンチズームがカクカクになることも確認しました。サイト側の作り方に大きく影響を受けるということのようです。アンテナの受信感度のそれほどいい場所ではなかったのですが(2〜3本表示)、ページによっては非常に速い速度で表示できたりしていたので、auのパケットは比較的余裕があるのかもしれません。

 こちらについては3G経由proxy無しSSL接続時のサーバ側受信ヘッダがフルに取れたのでそれも紹介しておきます。

[code]GET / HTTP/1.1
Host: cgpadmin.isnext.net:9100
Accept-Encoding: gzip
Accept-Language: ja-JP, en-US
Accept: application/xml,application/xhtml+xml,text/html;q=0.9,text/plain;q=0.8,image/png,*/*;q=0.5
User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.1-update1; ja-jp; IS03 Build/SA300) AppleWebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17
Accept-Charset: utf-8, iso-8859-1, utf-16, *;q=0.7[/code]

 ネットワークアドレスは以下からでした。
 inetnum: 111.236.17.0 – 111.236.17.255
 netname: KDDI-NET
 descr: KDDI CORPORATION

■設定項目等
 気になった設定項目を書いておきます。ここで紹介する項目は上のどちらのビルドにもありました。まずは「センサー感度補正」。SoftBankの003SHで確認した時に気付いた項目だったのですが、IS03にも同様に存在しました。「テキスト読み上げ」という項目も今回気付いたのですが、設定アイコンをクリックした最初の項目一覧の中に並んでいました。Froyo標準では「音声入出力」の下の階層だったと思うので、少し優先順位が上がっているようです。「フォント切替」ではモリサワ新ゴR、LC明朝、SHクリスタルタッチ、DroidSansの4つのフォントに変更可能になっています。また本体での簡易留守録として「音声・伝言メモ」という項目があります。003SHでは「簡易留守録設定」なのにIS03では「伝言メモ」になっています。ヨドバシの店員さんに伺ったところ本体で設定できる留守録で間違いないということなので、名称だけが異なっているようです。

■まとめ
 ISフラットや月々割など非常に魅力的なプランが用意されたことでISシリーズの購入がぐっと魅力的になってきました。純粋にレスポンスを求める向きには今もIS06を強くお勧めしますが、ワンセグを始めとする国内独自サービスを存分に使いたい場合にはIS03は非常に心強い選択肢になったと思います。CEATEC版ではもっさり感の強かった動作状況も、かなりチューニングが進み十分快適(Ocean UI除く)と言える状況になってきているようです。iPhone4やAndroid2.2のDesireを当り前に触っている人たちがビルド01.00.00のIS03を使って「これはぜひ欲しい」と悩み始める様子を見ていて非常に興味深かったです。

 本当のリリース版がどういう状態で出てくるのかは知る由もありませんが、今回レビューしたビルドの状況と利用者の反応を見る限り非常に期待できるものになっているのではないかとワクワクします。バッテリー容量やメモリ量など不安要素がないわけではありませんが、Android2.1端末としては非常にがんばったものになっていると思います。正式な価格発表と発売を楽しみに待ちたいと思います。

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■SoftBank 003SH ヨドバシ秋葉原版 レビュー
 昨日SoftBankから発表された国産Android端末 SHARP 003SHのホットモックが既にいくつかの大手量販店にあるらしいという噂を聞いて、仕事帰りにヨドバシカメラ秋葉原店に寄ってみました。そこには既に3台の003SHが展示されて店員さんの立ち会い?の元で触れるようになっていたので、少々並んで試させてもらいました。じっくり触れたわけではないのと後述するトラブルがあったため暫定かつ簡易レビューということで製品リリース前にまたレビューする機会がもてればと思っています。

■ハードウェア
 SHARP製ということもあり、IS03と同じような印象かと思いきや、むしろ持った感じはあまり薄くないGalaxy Sでした。3.8インチのスクリーンは結構大きく感じフラットな印象。裸眼3D液晶は確かに3D画像を表示すると立体感のあるように見えるのですが、解像度が低く感じあまりキレイには見えませんでした。壁紙が3D対応のものだと、アイコンが2Dままなためとても違和感のある画面になってしまい、個人的には使用に耐えません…。2Dの表示のままであればそこそこ精細感のあるSHARPらしい液晶だと思います。タッチパネルのフリック操作は比較的快適でホームでの操作感は十分追従感のあるものでした。この辺はAndroid2.2の効果が出ていそうです。

 スクリーン下部にある3つの物理ボタンは厚ぼったい感じで、押下しにくいことはないのですが、一番右が使用頻度の多い「戻る」ボタンなので、比較的大きめな画面に対して右手片手持ち親指で操作しようとした時には、バランス的にやや使いにくいと感じてしまいました。IS03と異なり充電も兼ねたUSB端子は端末の下部中央にあるため、外部バッテリーを付けた状態でも使いやすそうでいい感じ。

■ソフトウェア(OS)
 展示のOSバージョンはAndroid2.2、カーネル 2.6.32.9-pref sharp@TG470902 #1、ビルド番号 EU275となっていました。店員さんからは「開発の最初の段階のバージョンで、改善前なのでいろいろとまだまだなところはあります」とお話がありました。最終版にはかなり遠いバージョンということが前提ですが、一応気になったところは書いておこうと思います。

 一番重要なホーム画面はIS03とは異なりAndroid標準にかなり近い印象で、操作感も悪くありませんでした。2D/3D切り替えアイコンがあったり最初から8面あったりと、独自カスタマイズはされていますが、特殊な印象はありません。メニューバーは(おそらく不具合だと思いますが)時間以外は一切表示されていませんでしたので、確認できませんでした。

 設定メニュー類ですが、IS03のように静電容量式なのに「タッチパネル補正」機能があり、更に「センサー感度補正」機能(モーションセンサー、地磁気センサーの補正可能)が用意されていました。テザリングメニューはもちろん無し。代わりにそこに「DLNAサーバー設定」が追加されています。3D液晶に関しては「ペールビュー」「3D表示の飛び出し度」が設定できるようになっていました。通話設定には「簡易留守録設定」があり本体で数十秒くらいの留守録が設定可能になっています。日本語入力はIS03と同じ「iWnn IME – SH edition」でした。

■ソフトウェア(アプリ)
 あまり試せなかったのですが、かなりいろいろなものがホームに追加されていました。気になったのは「コンテンツマネージャー」「名刺リーダー」「情報リーダー」「テキストリーダー」「スライドビデオ」「HDMI」「撮る家計簿Photoマ」「ラクラク瞬漢/瞬英ルーペ」などなど。なんとなく想像はできますが、いろんな意味で楽しみな感じです。SHARPはどうやらAndroidアプリで機能を使うという概念でなく、個々の機能を切り出してアプリとして配置しているような印象ですね。本来のアプリと機能名が混在していてちょっとUI的にどうだろうと思ってしまいました。

■まとめ
 ここまでほとんど項目の紹介レベルで来てしまいましたが、今回の端末の印象は正直SHARP(というかSoftBankかな?)大丈夫か?というものでした。いくら開発初期バージョンとはいえ、店頭で一般ユーザが利用する前提で出荷した以上は、それを以て製品のインプレッションを得てくださいということです。今回の端末はちょっと難がありすぎると感じました。

 試用機の順番が回ってきた時、その端末は起動後約1時間経過しており、各種設定メニューの写真を急ぎ撮った後、いざいろいろ使ってみようとするとホーム画面の操作は問題がなくても、アプリでのスクロールはカクカク、ビデオ系アプリは画面が白くなったまま起動しない、戻るボタンを押してもなかなか画面が変わらないと、かなり酷い状況でした。店員さんがいることを確認して、端末電源をオフするもののなかなか終了しない。終了したと思ったら電源オン後、SoftBankロゴを表示したままフリーズする…。店員さん曰く「ハードがショートしているみたいなんですよ」ということで、ショートの意味はよくわからなかったのですが実は今回以前にも何度もトラブっていた様子。よくよく考えると隣の端末もしょっちゅう別の店員さんがケアをされていました。裏ぶたを開けてバッテリーを取り外したり充電ケーブルを抜いて完全オフにして再起動を試すも一向にSBロゴから進まず。何度もチャレンジしてくださったのですが、「今回のバージョンはリセット機能がない」ということで元に戻すことができませんでした。店員さんに謝辞を伝えて日を改めてまた来ますということで今日は帰ってきました。

 改善前と店員さんも注釈していたので、すぐに改善されたホットモックに置き換わるのだと思いますが、それまでは003SHの評価はしない方がいいと思われました。これから展示機を試そうという方はビルド番号に注意して見ていただければと思います。発表直後に実機を試せることは非常に嬉しいのですが、相応の完成度でないとむしろマイナスに働いてしまいかねません。技術者的な視点から考えるとSHARPの開発者の方々がこのビルドで出したいと思うことはないと思うので、SoftBankからの要請だったのではないかと推測することになります。マーケティング的なインパクトは確かに大切だと思いますが、もう少し慎重な方がいいのではないかと思いました…。

 ハードウェア全体や、搭載機能(アプリ含む)はとても魅力的(3D以外w)な端末なので、個人的にはリリース版のファームに期待をしたいと思います。

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■Android用DLNAクライアント動画再生比較検証

新しい記事はこちら↓
 Android用DLNAクライアント動画再生比較検証2
 http://blog.isnext.net/issy/archives/739
 Android用DLNAクライアント動画再生比較検証3
 http://blog.isnext.net/issy/archives/826
 Android用DLNAクライアント動画再生比較検証4
 http://blog.isnext.net/issy/archives/939
 Android用DLNAクライアント動画再生比較検証5
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1077

 iPad用に続いてAndroid端末でのDLNAクライアントの検証をしてみることにした。いつも通りCyrketでDLNAやuPnPで検索してもあまり件数が出て来ない。しかも出てくるものはDLNAサーバとして端末内のデータをDLNA対応機器で再生可能にする目的のものが多く、クライアントとしてはローカルにデータをダウンロードして再生可能にするものが中心で、動画のネットワーク再生が可能と表記されているものは3つしかなかった。

 ・uMediaPlayer 200円
 ・Twonky Mobile 無料
 ・iMediaShare Premium $4.99

そこでMarket以外を検索したところ以下のものが確認できた。

 ・Android Dlna Player
 http://sourceforge.net/projects/droiddlnaplayer/
 ・alpha Media Link SDK for Android
 http://www.alpha.co.jp/biz/products/dlna/solution_case/solution_andoroid.html

残念ながらMedia Link PlayerはAndoridアプリとしてはリリースされていないようでSDKの問い合わせのみ。iPadで安定したアプリであっただけに期待したのだが試すことはできない状況だった。

そこで上記4つのアプリを手元のNexusOne (Froyo)で試してみることにした。DNLAサーバ及びテストファイルはiPad用の検証と同じものを利用した。

 iPad用DLNAクライアント動画再生比較検証【11/3追記】
 http://blog.isnext.net/issy/archives/455

テストファイルのフォーマットは再掲。
 A) 1280×720 H.264 AAC mp4
 B) 1920×1080 H.264 AAC mp4
 C) 640×480 H.264 mp3 avi
 D) 640×480 WMV9 WMA2 wmv
 E) 640×480 DivX mp3 avi
 F) 640×480 Xvid mp3 avi
 G) 1280×720 x264 AAC mkv

■uMediaPlayer
 Aのみ再生可能。他は再生不可。なぜかDは10秒だけ再生できたが、そこで停止。全画面再生にはならず。縦横画面どちらでも再生可能でアスペクト比も維持されるがメニューバーとアプリタイトルが画面に出たままになるため、全画面再生はできず。再生時に縦横持ち帰ると最初から再生になってしまうなど難あり。日本語フォルダ名、ファイル名は問題なし。サーバの検出やリスト表示は快速。とはいえ、肝心の再生表示が微妙…正直これで有料はどうか…。

■Twonky Mobile
 Aのみ再生可能。他は再生不可。こちらもDは10秒のみ再生可能だった。全画面再生はならず。再生は強制的に横画面となり、メニューバーが表示される。アスペクト比が維持されずメニューバーの残り画面いっぱいに伸長表示になるため4:3のコンテンツは微妙。日本語フォルダ名、ファイル名問題なし。サーバ機能も持ち合わせるため、設定が微妙に面倒。無料だし16:9のコンテンツならなんとか見られるので、とりあえず使うにはアリかも。

■iMediaShare Premium
 動画再生可能と書いてあったのだが、実際試してみるとiMediaShare Premiumはやはり自端末に保存されたデータを共有する目的がメインで、動画の再生も自端末で共有されているもののみの様。少なくともネットワークにあるDLNAサーバは検出されなかった。ということでチェックできず。

■Android Dlna Player
 MarketにはなくアプリのHPからapkで直接インストールする。一応起動はしたものの、DLNAサーバのスキャンボタンと思しきものをタップした瞬間に強制終了してしまうためチェックできず。

■まとめ
 ということで、DLNAクライアントアプリとしてはiPadに比較すると残念な結果になってしまった。フォーマットを限定すればuMediaPlayerやTwonky Mobileを利用することは可能だが、それでも再生環境として全画面がサポートされないことは満足の行くものではないと思う。Android端末自身がDLNAサポートとしてリリースされるケースもあるので、現状ではアプリよりも対応端末に期待する方がよいと思われる。とりあえずDLNA対応のGalaxyTabを発注してはいるので、届き次第確認をしてみたい。
 ということでiMediaShare PremiumとuMediaPlayerは検証後返品。Android Marketは24時間以内なら返品できるので検証等一時的な利用には本当にありがたい。

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■au IS06 KDDIデザイニングスタジオ版 レビュー
 今日からIS06がKDDIデザイニングスタジオで触れるということだったので、たまたま出先の仕事が早めに終わったこともあり、帰りに寄って触ってきました。展示はホットモック黒1台とコールドモック白1台だけ。1FのIS03の展示台の中に紛れての展示となっていました。18:30過ぎだったので昨日の発表の直後ということもあり会社帰りの人たちで人だかりになっているかと思いきや、待ち人数も少なく比較的余裕で試せるくらいの感じでちょっと拍子抜けでした。

【12/27追記】製品版のレビューを追加しました
 au IS06 製品版 簡易レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/642

■ハードウェア
 もう既にあちこちで取り上げられているようにPantechは韓国のメーカー、数年前の資料では携帯でSamsung、LGに続くシェアを持っていたそうです。今回のIS06はSIRIUSαという名前がついていますが、韓国で今年8月ごろからAndroid2.1端末として発売されているVEGA IM-A650SをベースにW-CDMAや独自コネクタを廃止し、本体右側上方にMicroUSBコネクタを加えたau仕様のハードウェアになっています。手に取って最初に感じたのは軽いという印象。サイズがほぼ近似したNexusOneより約20g軽いため、おおっと思いました。手に持った感じは軽いけどとても落ち着いていて良い、という好感触。写真よりも実物の印象の方が見た目もスッキリクリアでいい感じです。

 VEGA IM-A650Sは韓国の方のblogを読む限り、Android2.1端末としてはNexusOne相当のスペックでありながら、それを超える非常にレスポンスのよい端末として高評価を得ていたようです。実際に以下の動画を見ると2.1とは思えないレスポンスの良さにびっくりします。

 Pantech Sky IM-A650S UI Navigation Test by LAZION.com
 http://www.youtube.com/watch?v=LHHQQy2RcAg

 ということで2.2になって更に快適になっているのかワクワクしながらの操作だったのですが、実際期待通りのサクサク感を味わうことができました。上記の動画とほぼ変わらないくらいの追従性の良さは、2.2になったNexusOneよりも更に軽快で素晴らしいと実感しました。タッチ操作の応答性は現時点ではGalaxy Sと双璧という感じです。フリック操作のみならず標準で導入されるPantechオリジナルの3D Widget類も非常にレスポンスよく動作します。以下の動画の0:41ごろに登場する地球のWidgetもとても快適にくるくるしてくれます。

 5.洗練されたデザインIS06
 http://www.youtube.com/watch?v=IKvvkuqsCGU

 上の動画のタイトルに文句を付けるわけではありませんが、比較的シンプルですっきりしたハードウェアデザインに対して、PantechカスタムのソフトウェアのデザインはPOPを狙ったけどやや野暮ったいという印象。液晶自体は明るく十分な品質だと思いますが、うまく表現できないのですが発色が野暮ったいというか、ソフトウェアのカラーマネージメントが野暮ったいというのか、全体的にスッキリしない印象が残ってしまいました。ホームアプリや壁紙を変えたら印象が変わるかもしれません。

 起動時間も測定してみました。
 電源オン→1秒→Android auロゴ→33秒→SIRIUSロゴ→9秒
 →au ICカード読み込み表示→3秒→ロック画面(合計約46秒)

 Android auロゴがやや長く感じますが、ロック解除後の動作はすぐに快適に動作しますので、あまりストレスにはならないと思います。電源ボタンもそうですが、ボタン類はややストロークが浅い感じで個人的にはもうちょっとしっかり押せる実感がある方が好みだなと思いました。auはドックを使うことを想定しないのか、この端末も微妙な位置にUSB端子があるので充電時への配慮がもうちょっと欲しいなと思います。
 
■ソフトウェア(OS)
 展示のOSバージョンはAndroid 2.2-update1、カーネル 2.6.32.9-perf P12405@BS154#1、ビルド番号 FRF91でした。同じ場所にハード関連情報も少しだけ表示されており、メモリ容量 Total RAM 401MB, Free RAM: 287MB、ボードとソフトウェア 8×50 V02.00という内容になってました。メモリが401MBとなっているのがやや気になります。2.2までは良くても次のOSバージョンアップが出来るかどうか…。NexusOneのスペックが最低ラインになると思われるので、メモリ不足でNGにならないことを期待したいと思います。

 日本語表示はもちろん可能になっていますし、iWnnで入力も問題なくできます。フォントの変更も可能になっていますが、展示機には選択肢がひとつしかなかったので変えて見ることはできませんでした。フォントを導入する仕組みもそこではわからなかったので、マーケット等からインストールするパターンになるのかもしれません。

 設定関係では、テザリングはもちろんメニューから消えており、代わりに?フィルタリング設定という項目があってWebアクセスなどをフィルターするサービスの設定ができるようになっています。また通常ホームから「設定」アイコンをクリックした場合テキストメニュー画面になるのですが、Pantechはここにもカスタマイズが入っていて、「音/バイブ」「音量」「ディスプレイ」「サウンド」「通話モード」「システム」という6つのアイコン選択画面になり、「システム」から一般的な設定項目を表示します。「通話モード」の設定には「通話時間/料金」「番号付加設定」「外部機器オプション」「着信/拒否設定」など日本のサービスっぽい感じに分かりやすくまとめてありました。

 ちょっと面白いところでは、ダイアル画面のテンキー画像を何パターンか差し替えることができたり、Qsound設定というイコライザ設定があったりと、細かいカスタマイズが結構いろんなところでされていて、なかなか楽しい感じになっています。

■ソフトウェア(アプリ)
 まず驚いたのはパンテック動画プレイヤー。DivX対応のこのプレイヤーはレスポンスが素晴らしいです。プレイヤー画面からはフォーマットが判別できなかったのですが、導入されていた40M近い動画のデータを再生しながら再生時間スライダを指で動かすと止めたところから遅延無くすぐに再開されます。先送りでも巻き戻しでもとても快適に動作します。アスペクト設定やABリピートもあったりして、動画再生が(フォーマットとビットレート次第だとは思いますが)相当快適に楽しめるように感じました。

 カメラも画像解像度が9種類(2560×1920 /2460×1536 /2048×1536 /2000×1200 /1600×1200 /1600×960 /1280×960 /800×280 /640×480)、撮影シーンモードが12種類(一般、自動、人物、風景、室内、スポーツ、夜景、浜辺、雪景、夕日、テキスト、花火)、詳細設定で手ブレ防止ON/OFFや測光エリア設定などが可能になっています。撮影方法も連写撮影、分割撮影、ポラロイドが用意されていました(分割とポラロイドってなんだろう?)。

 メモ帳的なアプリとしてスマートノートというアプリが導入されていて、それなりに使いやすそうな印象でした。というようなパンテック独自の拡張や追加アプリケーションが結構たくさん導入されているようで、NexusOneでFRF91をよくご存知の方も、ああFRF91か…とか思わないでぜひ一度触ってみられることをオススメします。違いを知れば知るほど楽しめると思います。もっといろいろ使ってみたかったのですが、ここまでで15分経過してしまったため、また次に行く機会があったら追記したいと思います。

 ちなみにブラウザのUser-Agentはこんな感じでした。
 [code]User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.2-update1; ja-jp; IS06 Build/FRF91) AppleWebKit/533.1 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/533.1[/code]

■まとめ
 Pantechは8月にVEGAを2.1で発売して今既にIS06で2.2をこの完成度でリリースできる(各種オリジナルアプリもてんこ盛りで)のですから、相当デバイス関連に強い&Androidアプリにリソースを割いているのではないかと推測されます。Android関連のウォッチをする中でもPantechはほとんどノーケアだったので、auがPantechを採用すると噂が流れた時になぜ日本ではほとんど無名に近いメーカーを選択したのかと思いましたが、むしろよく研究された成果であったことを、調査をして実機を触って改めて実感しました。ここでもauの本気を強く感じることができました。(この端末のベースになったVEGAはPantechでもSKYというブランドを付けた端末になっており、SKYはSKテレコムとKYOCERAの2社の名前から付けられたものだそうで、KDDIとKYOCERAのところで繋がっていたみたいですね。Pantechの携帯はKDDIで過去にも出ていたそうです。)

 Felica等の日本独自サービスがないことであまり注目されていない印象すらあるIS06ですが、独自サービスが不要でブラウジングやGmailなどの一般的な用途を中心に使うのならば、なかなか入手しにくいHTC Desire系やAndroid2.1系でリリースされる他端末よりはむしろオススメかもしれません。レスポンスはスマートフォンを使う上で最も重要な要素のひとつだと思います。長時間稼働させていないので、時間を経るに従ってレスポンスが落ちる可能性は否定できませんが、そうした不具合がないことを祈りつつ、IS06のリリース版の登場を楽しみに待ちたいと思います。

 スタジオから帰宅途中、電車内でネットをチェックしてみたらIS03がファームアップされたものに入れ替わって展示されていたとのこと。ショック!IS03を再チェックしてくるの忘れました。こちらもまた機会があればチェックしたいと思います。

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■au IS03 KDDIデザイニングスタジオ版 検証追加レビュー

【11/10追記】IS03の最新レビューはこちら
 au IS03 更新ビルド2種 レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/482

 先のIS03レビューが「標準ブラウザが3G接続で端末識別情報を送信する」という点について2chやTwitterで注目されたため、これは自身できっちり真贋を確かめねばと思い、本日KDDIデザイニングスタジオにお伺いして「端末識別情報の送信」について検証と確認を行ってきました。結果から先に書いておきます。

 「標準ブラウザが3G接続で端末識別情報を送信する」は間違いです。
  ガセネタを流してしまうことになり、大変申し訳ありませんでした。
  先のレビューは本日確認の内容に合わせて一部訂正いたします。

先のレビューはこちら
http://blog.isnext.net/issy/archives/406

■検証内容
 ここのblogサーバにhttpヘッダのlog出力が出来るプログラムを設定し、3G接続のIS03からアクセスしてヘッダ情報を確認する。また簡単ログインができるプログラムを用意し、簡単ログインを試みる。実際に使用したのは、ヘッダ出力にはCommuniGate ProをHTTPU接続のログを全情報に設定して確認、簡単ログインにはMyNETSというSNSプログラムの設定で携帯版でUser-Agentのチェックをするかどうかをfalseに設定して確認しました。デザイニングスタジオのIS03はCEATECで展示されたものと同一のファームでAndroidのバージョンは2.1-update1、カーネル 2.6.29-perf nbproj@TG721404#1、ビルド番号 D9156 でした。

 ヘッダのチェック内容は以下の通りです。一部マスクしています。設定の都合上proxy経由のため通常のヘッダとは少し出力内容が異なります。

□WiFi接続時ヘッダ(IP:222.226.221.xxx)
[code]GET / HTTP/1.1
Host: localhost:xxxx
Accept-Encoding: gzip
Accept-Language: ja-JP, en-US
Accept: application/xml,application/xhtml+xml,text/html;q=0.9,text/plain;q=0.8,image/png,*/*;q=0.5
User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.1-update1; ja-jp; sdk Build/ECLAIR) AppleWebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17
Accept-Charset: utf-8, iso-8859-1, utf-16, *;q=0.7
X-Forwarded-For: 222.226.221.xxx
X-Forwarded-Host: xxxx.isnext.net
X-Forwarded-Server: xxxx.isnext.net
Connection: Keep-Alive[/code]

 IP whois 情報
 inetnum: 222.226.221.0 – 222.226.221.255
 netname: KDDI-NET
 descr: DION (KDDI CORPORATION)

□3G接続時ヘッダ(IP:111.238.16.xx)
[code]GET / HTTP/1.1
Host: localhost:xxxx
Accept-Encoding: gzip
Accept-Language: ja-JP, en-US
Accept: application/xml,application/xhtml+xml,text/html;q=0.9,text/plain;q=0.8,image/png,*/*;q=0.5
User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.1-update1; ja-jp; sdk Build/ECLAIR) AppleWebKit/530.17 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/530.17
Accept-Charset: utf-8, iso-8859-1, utf-16, *;q=0.7
X-Forwarded-For: 111.238.16.xx
X-Forwarded-Host: xxxx.isnext.net
X-Forwarded-Server: xxxx.isnext.net
Connection: Keep-Alive[/code]

 IP whois 情報
 inetnum: 111.238.16.0 – 111.238.16.255
 netname: KDDI-NET
 descr: KDDI CORPORATION

 結果はWiFiでも3Gでも同じ内容が送信されていました。当然ながら端末識別情報がないので、簡単ログインは成立しません。3Gアクセスの際のIPアドレスは2つ確認していますが(111.238.16.xxと111.239.220.xx)、どちらも現在及び追加予定のEZサーバのIPアドレスには含まれていませんでした。

 EZサーバのIPアドレス帯域
 http://www.au.kddi.com/ezfactory/tec/spec/ezsava_ip.html

■auの説明員さんに聞いてみた
 上記のことから少なくともIS03においては「標準ブラウザが3G接続で端末識別情報を送信する」は正しくないことが推測されます。そこで、デザイニングスタジオの説明員さんに直接お話を伺ってみたところ、以下のような回答でした(要約しています)。

 私)携帯サイトにアクセスして簡単ログインできると聞いたんですが本当ですか?
 説)どちらでその情報を聞かれましたか?
 私)CEATECで説明員の方から伺いました。
 説)情報が錯綜してしまったようですいません、簡単ログインはできません。
 私)確かに端末識別情報出てないですよね?(ログ見せながら)
 説)はい、現在のところ端末識別情報は出していません。
 私)じゃあ携帯サイトで簡単ログインできるというのは間違いですね?
 説)はい、現時点ではそうなります。ただ最終版でどうなるかはわかりません。

 えーと…少なくとも展示しているバージョンではできないことは間違いないようなのですが、ファームが最終版(リリース版?)ではないこと、最終版ではどうなるかわからないことを強く念押しされてしまいました。

 CEATECでその情報を話してくださったのはSHARPの説明員さんだったので、もしかして対応したバージョンも存在していたりするのでしょうか?そしてリリースまでに判断次第で端末識別情報が付いたりする可能性があるということなのでしょうか?若干の疑問を残しつつ15分の制限時間が来てしまったので、その場を立ち去ることにしました。

 今回端末識別情報ともうひとつ、au-one ID設定についても確認してきました。こちらも上記の内容の通り端末識別情報はIS03から出ていませんし、それとは一切関わりが無くあくまでau-oneサービスを利用するアカウントでしかないということで、変更が可能なことは端末識別情報のセキュリティとは無縁でした。au-one IDで利用可能なサイトは端末識別情報がなくても利用可能ということです。混同した内容を書いてしまい、申し訳ありませんでした。自分自身が耳を疑ったことは、やはりちゃんと確認が取れるまで慎重に扱うべきだったと改めて反省しています。お騒がせして申し訳ありませんでした。

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■Androidでの個人情報漏えい対策2(TaintDroid)
 前回の漏えい対策記事でDroidWallを発展させたパーソナルファイアウォールが望まれるという内容を紹介したが、今回はAndroidが送信している情報をチェックできる方法が提供され始めるようなので、紹介しておく。前回の記事は以下。

 Androidでの個人情報漏えい対策(DroidWall)
 http://blog.isnext.net/issy/archives/339

■Androidの通信をダンプ可能なTaintDroid
 コンテンツファイアウォールを制作するための基礎技術となる通信のダンプだが、これまでのところそれを可能にしユーザに見やすくする方法が提供されていなかったようだ。今回公表されたTaintDroidはAndroidアプリが行った通信をチェックし通知バーからその内容を確認できる手段を提供する。具体的な動作は以下のページのDemo動画で確認できる。

 TaintDroid
 http://appanalysis.org/index.html
 http://appanalysis.org/demo/index.html

 通信内容にIMEIや個人情報が含まれているかどうか目視で確認できるので、非常にわかりやすい。これを導入すれば新しいアプリを導入した際に、起動時等に行われた通信をチェックし不正な振る舞いがされていないか、ある程度の知識があれば確認することが可能になる。もちろん、これをベースにより個人情報を発見しやすくしたり、フィルターやマスクを行うセキュリティアプリケーションの開発登場も期待できると思われる。

 残念ながらこのTanitDroidは単体アプリとしては提供されず(Androidの動作上の制限のため)、TaintDroidを組み込んだカスタムROMの形で提供されることになるらしい。TaintDroidは近くソースコードが公開されるということなので、CyanogenModなどの有名どころが採用する可能性は高いと思われる。できればこのような仕組みはiPhoneとの差別化という観点からもAndroidの標準機能として実装し、セキュリティ懸念への対策として有効に活用できるようにしてもらいたい。TaintDroidはAndroidのユーザがセキュリティ意識を大きく向上させうるかもしれない期待に満ちた実装だと思うので、ぜひ今後の動向に注目したい。

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■TOSHIBA Folio100 CEATEC版簡易レビュー
 CEATEC会場では東芝ブースが設置されていて、主に3Dレグザを中心に展示されていたのですが、その中でどちらかというとこっそりAndroid端末も展示されていたので触ってきました。正直レビューとか以前にがっかりしてしまったので、ごく簡単にだけ書いておきます。

 東芝が展示していたのはAndroidタブレットのFolio100と、4インチくらいの液晶を搭載した携帯デバイス(名前チェック忘れました)の2つでした。Folio100は展示台にハメ殺しで手に取って操作することはできず。携帯デバイスはレグザAppsコネクトのデモ用に説明員さんが持っていたのを軽く触らせていただくくらいは可能という感じでした。どちらもデバイスとして動作はしていましたし、機能はしていたようです。

 携帯デバイスはほとんど触れなかったのですが、Folio100は数台展示台に設置されて操作することができました。dynabook AZと同じTegra2プラットホームで、ホーム画面のアイコン等もdynabook AZと類似していることから、同じ開発系統であると推測されます。ただAZがAndroid2.1だったところFolioは2.2ということで操作感の向上等が期待されました。…が、その期待はものすごく裏切られました。ほぼ全てのアクションがぎこちなく遅い。タッチ操作も入力操作も全てコンマ5秒以上遅れて動いている、目に見えて遅い、反応悪い、安い中華タブレットでもこれより全然マシというような状況でした。たまたまその展示機の調子が悪いのかと思ったら、隣で使っていたお客さんも同じだったようで説明員を呼んで事情を聞いていらっしゃいました。10月に英国で発売とかニュースになっていたはずですが、これはあまりにあまりでちょっとびっくりしてしまいました。どうも東芝端末はAZも含めてハードというよりはソフト、しかもデバイスドライバ関連が弱いような印象を持ちます。AZは10月に2.2へのアップデートがあるかもとされていましたが、これは…難しいんじゃないでしょうか…。

 正直当面東芝ブランドのAndroid端末には注意が必要と思いました。参考展示とはいえ、SAMSUNGやSHARPが相当がんばった製品を出してきている中で、あのような端末を展示してしまうのは失敗だったのではないかと思います。国内では数少ないAndroid端末に積極的なメーカーなので、ぜひとも挽回してがんばっていただきたいと思います。

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SHARP GALAPAGOS CEATEC版レビュー

■SHARP GALAPAGOS CEATEC版レビュー
 CEATECでは何度もSHARPブースに足を運んだのですが、IS03だけでなく当然のように展示のメインを張っているのはGALAPAGOSでした。製品としては2種類、5.5インチと10.8インチが用意されていたのですが、主に5.5インチの製品を見てきたので、簡単にレビューをしておこうと思います。

 5.5インチということでIS03やGalaxy Sと比較しても一回り大きい本体ですが、7インチのGalaxy Tabを触っていたこともあり、特に大きいとは思いませんでした。むしろ文庫サイズの本を読むならこれくらいの液晶がいいかなという印象です。コミックを読むにはギリギリ、ちょっと小さいかもしれません。液晶の解像度が1024×600で解像度が高いので非常に高精細な画面なのですが、文庫サイズコミックのようにはいかないのではないかと思いました。

 実際に操作してみると本を開いてフリックでめくる操作はそこそこ快適です。しかし書籍の一覧表示や設定画面などの遷移をする場合には、タッチ操作かボタン操作かに関わらず常にコンマ3秒ほど遅れて反応しているような遅延感が強く出て、決して快適な操作とは言えませんでした。個体差かと思って他の展示機も使ってみましたが、あまり変わらないので、現時点での性能ということかもしれません。まだチューニングの余地は大きいようなので、発売までの改善に期待です。個人的にはトラックボールがついていて嬉しかったのですが、これももうちょっと使い勝手がよくなるといいなと思いました。起動時間も約50秒、変化に乏しいこともあってちょっと長く感じます。

 Androidベースということですが、操作系の反応を見ていると1.6系なのではないか?と思ってしまいました。2.1ならもうちょっとマシな気がする…というだけの根拠ですが…。設定画面などは完全に独自の実装になっていてAndroidらしいところと言えばポップアップしてくるダイアログ画面くらいかなと思います。ブラウザや別アプリはほとんど使っていないのですが、全体的にAndroidっぽさは意図的に消されている気がします。ちょっとAndroidファンには物足りないかもしれません。

 個人的には本を読むためにこのデバイスを買うかというとNOだなと思いました。相当安い価格であれば考慮に入るかもしれませんが、電子デバイスの購入動機としては「いろいろできるけど、特に読書もしやすい」から読書利用するのであって、「読書に便利だけど、他のこともできる」というベクトルでは購入動機につながっていかないと思います。Amazonなどは3G通信を価格に含めて、自社の書籍販売のためのデバイスとして販売したから成功したけど、SHARPさんはどのヘンに勝機を見いだしているのか気になります。ただデバイスの素性は悪くなさそうなので、Androidのバージョンを上げて操作感を向上させ、通常のAndroidデバイス+読書アプリにした方が結果的に幅広く売れるのではないかと思いました。

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docomo Galaxy Tab CEATEC版レビュー 【10/10追記】

■docomo Galaxy Tab レビュー
 引き続きGalaxy Tabのレビューを書いていきます。個人的にはGalaxy Sよりもこちらの注目度が高かったので、何度か間をおいて違う個体の展示機を使ってじっくりと試してみました。説明員の方はSにもTabにも精通されているようで、どちらの内容もしっかりと応対してくださっており、Galaxyシリーズの発売に向けてよい体制ができていることを期待させてくれます。競合機種の研究にも余念がないようで、真剣なまなざしでIS03を操作しているDocomo説明員(服装そのままだったのですぐにわかりました)の方をSHARPブースでお見かけして、その真剣さに少し感動してしまいました。

 既に国内でもいくつか輸入販売されている低価格のAndroidタブレット製品(aPadとかoPadとか)はありますが、どれも正直iPadを脅かすような存在にはなりえない品質と言わざるを得ませんでした。液晶の質は低く感圧式タッチパネルの操作感も悪く、iPadの軽快かつ快適な操作感覚とは次元が違うものばかりでした。7インチの軽量タブレット自体はサイズ的には日本人の日常ユースにはiPadよりも適していると個人的に思うのですが、その期待に応える完成度の製品はなかなか出てこない。そんながっかり感を完全に払拭してくれるのがGalaxy Tabです。

■ハードウェア
 国際版とほぼ同じ7インチ軽量コンパクトなサイズで、明るく高品質な液晶画面に応答性の高い静電容量式タッチパネルは期待通りの出来栄えでした。7インチでありながら一般的な800×480ではなく1024×600という解像度を採用したことで、液晶のドッドが悪目立ちせず非常に見やすい表示になっていることがとても好感触でした。800×480はスマートフォンの4インチ程度までのサイズであれば精細感があるのですが、7インチになるとドットが目立って返って目が疲れる印象があります。もちろん慣れれば800×480でも問題はないでしょうが、Galaxy Tabの液晶はドットを意識しない非常にスムーズに受け入れられる表示品質と感じられました。液晶自体もナナメ方向から見た表示に強く、iPadのIPS液晶に劣らない印象でした。タッチパネルの追従性も高くiPadと互角、むしろGalaxy Tabのフリック操作の方がAndroid2.2の性能と相まって快適な気さえします。

 カメラやボタン類はどれも快適に利用可能で、特に反応が悪いとか使いにくいということはありませんでした。カメラの画像も最大解像度は2048×1536、連射やパノラマ、スマイル撮影など機能的にも充実しており、実機で見る限り画像の品質も悪くはありませんでした。

 起動時間は以下のような感じです。
 電源オン→2秒→docomoロゴ→2秒→Galaxy Tabロゴ→5秒→SAMSUNGロゴアニメ→4秒
 →ローディング→14秒→ロック画面(合計約34秒)
 ロック画面解除後もメディアスキャンが短くすぐに動作可能なので待たされ感は少ないです。

 展示機はドックと一緒に展示されていたのですが、購入時にドックは付属せずオプションとなるそうです。通常は充電ケーブル、ACアダプタ、イヤフォンマイクの3つが付属となるそうです。日本では通話ができないのではないかと心配されましたが、付属にイヤフォンマイクが付く通り、通話は可能で付属品を使うかスピーカフォンとして使うかBlueTooth経由でヘッドセットでの通話になるということでした。Galaxy Tabの場合、音声なしで使うケースもあると思うので、データのみプランやWiFiのみプランなどのバリエーションを期待したいところですが、その辺りの内容については現在は未公表ということのようです。

【10/10追記】会場の説明員の方からはイヤフォンマイクが付くと確かに伺ったのですが、公式ページには別売りとなっているようです。
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/smart_phone/sc01c/index.html

■ソフトウェア(OS)
 Galaxy Sとほぼ同じ印象です(Galaxy Sについてはこちらをご参照ください)。ハッキリと見やすいアイコンは好印象です。画面が大きくなった分フォントもはっきり読めるのですが、標準ではやや固い印象のフォント(ゴシック系)なので、個人的には丸ゴシック系にしてほしいなぁと思いました。小さい画面では気にならなかったのですが、7インチだとフォントの印象はかなり強いので、重要な要素だなと思います。
 展示機のAndroidバージョンは2.2、カーネル 2.6.32.9 root@sep-40#1、ビルド番号 FROYO.OMJI6ということなので、ほぼ中身もGalaxy Sと共通化されているのではないかと推測されます。となると心配されたプチフリもS同様、Android2.2を採用して最新になっていることで発生はしない…ことを期待したいと思います。

■ソフトウェア(アプリ)
 Galaxy Sと同じくDocomo版ではアカウントと同期の設定で「facebook」「MySpace」「twitter」「mixi」「docomo」が追加されています。Exchange同期やリモートワイプももちろん対応ということで、本当に大きなサイズのGalaxy Sという感じです。ただし画面が大きいことで、ThinkFreeOfficeなどオフィスドキュメントの閲覧や編集に大きな違いが生じます。7インチサイズで使うThinkFreeOfficeは表示領域としては広いとは言えないものの、それなりに十分な情報量となります。キーボードもキーの大きさが少し大きめに表示されることで誤入力のリスクが減らせるので、慣れればそこそこ快適と感じられるのではないかと思いました。

■まとめ
 実はGalaxy Tabは実機を触ってすぐに気に入ってしまったので、いろんなアプリを試してみるということよりも、説明員の方とお話する方に夢中になってしまい、後から気付いたらあまり写真や動画を撮影していませんでした。現在iPadやE7001を所有して日常で使っていますが、Galaxy Tabは購入をすぐに決意するくらいよい製品だと思います。自宅内ではiPad、寝室や外出時の持ち出しはGalaxy Tabを使うイメージが明確に出来ています。ひょっとするとiPadの利用頻度は大きく下がるかもしれません。当初はSIMフリーの海外版という選択肢も考慮していたのですが、保証面(バッテリーの保守交換など)や価格も考慮するなら、最終的にはプラン内容によるものの、国内版を選択する意味は十分あるのではないかと思いました。本体バッテリーの長時間稼働特性を活かして、BlueToothヘッドセットとソニエリから発売予定のLiveViewと組み合わせれば、メインとしても十分活用可能ではないかと、今からワクワクしています。

 おそらく本当の意味でiPadのライバルになる初のAndroidタブレット製品だと思います。ビジネス用途においてはソフトウェアの運用性を考えるとiPadよりもよい選択肢になる可能性は高いので、法人需要が喚起されるかもしれません。個人的にはこの製品が日本国内のAndroidのブレイクスルーを起こす可能性が高いと思っています。セキュリティや製品継続性などいろいろ課題は多いと思うものの、今後の展開が非常に楽しみな製品です。願わくば戦略的プランが設定されることを…。

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docomo Galaxy S CEATEC版レビュー

■docomo Galaxy S CEATEC版レビュー
 本日CEATECで発表されたGalaxy Sも当然のようにじっくり触って来ましたので、こちらもレビューします。ちょうど発表時間の最中にDocomoブースに着いたので巨大なステージパネルで発表会見を見ることができました。FAQが終わって中継が終了、ステージでコンパニオンが実機を華やかに紹介した後に、Galaxy SとGalaxy Tabの展示コーナーの黒幕が取り払われ、他コーナーも含め各15台程度の実機が試せるようになりました。ここではGalaxy Sのレビューを紹介し、Galaxy Tabは別途記事にしたいと思います。

■ハードウェア
 国際版の発売が先行し、Docomoがそれにどこまで手を入れてくるのか期待と不安の混じった中での発表でしたが、基本的に引算のみのやや残念な改修となりました。Docomoの説明員の方に伺ったところ、ハード的にはワンセグやFMラジオ等の機能を削った代わりにSPモード用の部品が僅かに追加されたくらいで大きな変更はないとのことでした。気持ち薄め幅広な印象の本体は手の小さい方にはちょっと使いにくいかもしれません。ディスプレイが大きいのでやむを得ないですね。
 やはり一番のセールスポイントはディスプレイのようで、展示機はほぼ全て輝度を最大にして展示してあり、画面の大きさ美しさを強調していました。実際NexusOneの輝度最大と比較してもワンランク明るく明瞭な表示は、確かに最良のディスプレイと評価してよいと思います。タッチパネルの反応もよくAndroid2.2とマッチして非常に快適な操作感覚が味わえます。

 電源となるUSBケーブル口は本体上部になるため外部バッテリーを利用しても操作等の邪魔にはなりませんが、挿し込んでいる様はちょっとかっこわるいかも…。本体はどうもかなり熱くなるようで、ディスプレイの輝度最大なこともあってか、午後に再度触った展示機では本体の熱のためカメラが起動できないエラーに見舞われていて、カメラの確認をするために電源オフにして送風冷却しなければいけませんでした。

■ソフトウェア(OS)
 初期の予想をいい意味で裏切り、Galaxy Sとしては世界初、日本国内のAndroid携帯として初、Android2.2を標準採用して発売されることになりました。展示機の実際の表示はAndroidのバージョンは2.2、カーネル 2.6.32.9 root@sep-40#1、ビルド番号 FROYO.OMJI9a でした。マーケットもDocomoマーケットとGoogleマーケットの両方が利用可能なので安心です。

 非常に気になる国際版でのプチフリが、今回の製品でどうなっているかですが、説明員の方にがっつり聞いてみました。説明員の方はプチフリという単語では認識していなかったのですが、国際版で話題になった「日本語入力などの操作時に1秒程度止まってしまう現象」と伝えたところピンと来てくれたらしく、「Android2.2での発売にこだわったのは理由があります。そのような現象は発生しませんよ。」と自信あり気に返答してくださいました。その方は結構使い込んだ上で経験的に発生しなかったと確認されたそうで、システム的に改善された根拠については詳しく伺うことができませんでした。ただ実使用上問題ないレベルに改善されている可能性はありそうなので、不安要素は減ったと思っていいのかもしれません。

■ソフトウェア(アプリ)
 Docomo版の改修で面白かったのは、アカウントと同期の設定で「facebook」「MySpace」「twitter」「mixi」「docomo」が追加されていたこと。SNSなどのコミュニケーション関連が強化されていることでDocomoがスマートフォンをどう使って欲しいかという狙いが見えてきます。ビジネス向けの観点でもExchange連携はかなりテストをされたようで、ちゃんとリモートワイプができる(XperiaではMoxierデータのみ消去)点を強くアピールされていました。パーソナルもビジネスも含めて日常のコミュニケーションをこれ一台で集約できるようにして、手放せない存在にしたいという強い意志を感じます。
 また通知バーが大きく変更されていて、上部から通知バーを引き下げると、そこにWiFiやBlueTooth,GPS,マナー、画面回転を設定するアイコンが並んでいます。通常ウィジェットで済ませるようなものですが、通知バーにあって驚きました。どの画面からでもすぐに引き出せるという点で利便性を高めようした結果なのだと思いますが、これは結構便利そうなのでNexusOneでも使いたいなぁと思ってしまいました。

■まとめ
 正直なところ国際版でもNexusOneがあれば特に買い替えの必然性を感じない端末だったので、個人的には購買意欲は湧かないのですが、日本国内向けにチューンされた最新のAndroid端末としてはとても魅力あるものに仕上がっていると思います。価格とプランの組み合わせ次第では相当売れるのではないかと思います…が、発表会見の質疑応答で国際版にある機能(ワンセグとかテザリングとか)を削った理由を「日本のユーザの要望に答えるため」というような選択の覚悟がないとも取れる発言で返答してしまうようでは、あまり大胆な設定は期待できないだろうなぁと思います。また今回の発表はたまたまGalaxy Sが存在していて端末スペックが良かったからこそ評価されたのであって、今後出てくるであろう他廉価系端末はやや出来栄えが心配になります。杞憂であってくれればいいのですが…。

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