■au IS06 KDDIデザイニングスタジオ版 レビュー
今日からIS06がKDDIデザイニングスタジオで触れるということだったので、たまたま出先の仕事が早めに終わったこともあり、帰りに寄って触ってきました。展示はホットモック黒1台とコールドモック白1台だけ。1FのIS03の展示台の中に紛れての展示となっていました。18:30過ぎだったので昨日の発表の直後ということもあり会社帰りの人たちで人だかりになっているかと思いきや、待ち人数も少なく比較的余裕で試せるくらいの感じでちょっと拍子抜けでした。
【12/27追記】製品版のレビューを追加しました
au IS06 製品版 簡易レビュー
http://blog.isnext.net/issy/archives/642
■ハードウェア
もう既にあちこちで取り上げられているようにPantechは韓国のメーカー、数年前の資料では携帯でSamsung、LGに続くシェアを持っていたそうです。今回のIS06はSIRIUSαという名前がついていますが、韓国で今年8月ごろからAndroid2.1端末として発売されているVEGA IM-A650SをベースにW-CDMAや独自コネクタを廃止し、本体右側上方にMicroUSBコネクタを加えたau仕様のハードウェアになっています。手に取って最初に感じたのは軽いという印象。サイズがほぼ近似したNexusOneより約20g軽いため、おおっと思いました。手に持った感じは軽いけどとても落ち着いていて良い、という好感触。写真よりも実物の印象の方が見た目もスッキリクリアでいい感じです。
VEGA IM-A650Sは韓国の方のblogを読む限り、Android2.1端末としてはNexusOne相当のスペックでありながら、それを超える非常にレスポンスのよい端末として高評価を得ていたようです。実際に以下の動画を見ると2.1とは思えないレスポンスの良さにびっくりします。
Pantech Sky IM-A650S UI Navigation Test by LAZION.com
http://www.youtube.com/watch?v=LHHQQy2RcAg
ということで2.2になって更に快適になっているのかワクワクしながらの操作だったのですが、実際期待通りのサクサク感を味わうことができました。上記の動画とほぼ変わらないくらいの追従性の良さは、2.2になったNexusOneよりも更に軽快で素晴らしいと実感しました。タッチ操作の応答性は現時点ではGalaxy Sと双璧という感じです。フリック操作のみならず標準で導入されるPantechオリジナルの3D Widget類も非常にレスポンスよく動作します。以下の動画の0:41ごろに登場する地球のWidgetもとても快適にくるくるしてくれます。
5.洗練されたデザインIS06
http://www.youtube.com/watch?v=IKvvkuqsCGU
上の動画のタイトルに文句を付けるわけではありませんが、比較的シンプルですっきりしたハードウェアデザインに対して、PantechカスタムのソフトウェアのデザインはPOPを狙ったけどやや野暮ったいという印象。液晶自体は明るく十分な品質だと思いますが、うまく表現できないのですが発色が野暮ったいというか、ソフトウェアのカラーマネージメントが野暮ったいというのか、全体的にスッキリしない印象が残ってしまいました。ホームアプリや壁紙を変えたら印象が変わるかもしれません。
起動時間も測定してみました。
電源オン→1秒→Android auロゴ→33秒→SIRIUSロゴ→9秒
→au ICカード読み込み表示→3秒→ロック画面(合計約46秒)
Android auロゴがやや長く感じますが、ロック解除後の動作はすぐに快適に動作しますので、あまりストレスにはならないと思います。電源ボタンもそうですが、ボタン類はややストロークが浅い感じで個人的にはもうちょっとしっかり押せる実感がある方が好みだなと思いました。auはドックを使うことを想定しないのか、この端末も微妙な位置にUSB端子があるので充電時への配慮がもうちょっと欲しいなと思います。
■ソフトウェア(OS)
展示のOSバージョンはAndroid 2.2-update1、カーネル 2.6.32.9-perf P12405@BS154#1、ビルド番号 FRF91でした。同じ場所にハード関連情報も少しだけ表示されており、メモリ容量 Total RAM 401MB, Free RAM: 287MB、ボードとソフトウェア 8×50 V02.00という内容になってました。メモリが401MBとなっているのがやや気になります。2.2までは良くても次のOSバージョンアップが出来るかどうか…。NexusOneのスペックが最低ラインになると思われるので、メモリ不足でNGにならないことを期待したいと思います。
日本語表示はもちろん可能になっていますし、iWnnで入力も問題なくできます。フォントの変更も可能になっていますが、展示機には選択肢がひとつしかなかったので変えて見ることはできませんでした。フォントを導入する仕組みもそこではわからなかったので、マーケット等からインストールするパターンになるのかもしれません。
設定関係では、テザリングはもちろんメニューから消えており、代わりに?フィルタリング設定という項目があってWebアクセスなどをフィルターするサービスの設定ができるようになっています。また通常ホームから「設定」アイコンをクリックした場合テキストメニュー画面になるのですが、Pantechはここにもカスタマイズが入っていて、「音/バイブ」「音量」「ディスプレイ」「サウンド」「通話モード」「システム」という6つのアイコン選択画面になり、「システム」から一般的な設定項目を表示します。「通話モード」の設定には「通話時間/料金」「番号付加設定」「外部機器オプション」「着信/拒否設定」など日本のサービスっぽい感じに分かりやすくまとめてありました。
ちょっと面白いところでは、ダイアル画面のテンキー画像を何パターンか差し替えることができたり、Qsound設定というイコライザ設定があったりと、細かいカスタマイズが結構いろんなところでされていて、なかなか楽しい感じになっています。
■ソフトウェア(アプリ)
まず驚いたのはパンテック動画プレイヤー。DivX対応のこのプレイヤーはレスポンスが素晴らしいです。プレイヤー画面からはフォーマットが判別できなかったのですが、導入されていた40M近い動画のデータを再生しながら再生時間スライダを指で動かすと止めたところから遅延無くすぐに再開されます。先送りでも巻き戻しでもとても快適に動作します。アスペクト設定やABリピートもあったりして、動画再生が(フォーマットとビットレート次第だとは思いますが)相当快適に楽しめるように感じました。
カメラも画像解像度が9種類(2560×1920 /2460×1536 /2048×1536 /2000×1200 /1600×1200 /1600×960 /1280×960 /800×280 /640×480)、撮影シーンモードが12種類(一般、自動、人物、風景、室内、スポーツ、夜景、浜辺、雪景、夕日、テキスト、花火)、詳細設定で手ブレ防止ON/OFFや測光エリア設定などが可能になっています。撮影方法も連写撮影、分割撮影、ポラロイドが用意されていました(分割とポラロイドってなんだろう?)。
メモ帳的なアプリとしてスマートノートというアプリが導入されていて、それなりに使いやすそうな印象でした。というようなパンテック独自の拡張や追加アプリケーションが結構たくさん導入されているようで、NexusOneでFRF91をよくご存知の方も、ああFRF91か…とか思わないでぜひ一度触ってみられることをオススメします。違いを知れば知るほど楽しめると思います。もっといろいろ使ってみたかったのですが、ここまでで15分経過してしまったため、また次に行く機会があったら追記したいと思います。
ちなみにブラウザのUser-Agentはこんな感じでした。
[code]User-Agent: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.2-update1; ja-jp; IS06 Build/FRF91) AppleWebKit/533.1 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/533.1[/code]
■まとめ
Pantechは8月にVEGAを2.1で発売して今既にIS06で2.2をこの完成度でリリースできる(各種オリジナルアプリもてんこ盛りで)のですから、相当デバイス関連に強い&Androidアプリにリソースを割いているのではないかと推測されます。Android関連のウォッチをする中でもPantechはほとんどノーケアだったので、auがPantechを採用すると噂が流れた時になぜ日本ではほとんど無名に近いメーカーを選択したのかと思いましたが、むしろよく研究された成果であったことを、調査をして実機を触って改めて実感しました。ここでもauの本気を強く感じることができました。(この端末のベースになったVEGAはPantechでもSKYというブランドを付けた端末になっており、SKYはSKテレコムとKYOCERAの2社の名前から付けられたものだそうで、KDDIとKYOCERAのところで繋がっていたみたいですね。Pantechの携帯はKDDIで過去にも出ていたそうです。)
Felica等の日本独自サービスがないことであまり注目されていない印象すらあるIS06ですが、独自サービスが不要でブラウジングやGmailなどの一般的な用途を中心に使うのならば、なかなか入手しにくいHTC Desire系やAndroid2.1系でリリースされる他端末よりはむしろオススメかもしれません。レスポンスはスマートフォンを使う上で最も重要な要素のひとつだと思います。長時間稼働させていないので、時間を経るに従ってレスポンスが落ちる可能性は否定できませんが、そうした不具合がないことを祈りつつ、IS06のリリース版の登場を楽しみに待ちたいと思います。
スタジオから帰宅途中、電車内でネットをチェックしてみたらIS03がファームアップされたものに入れ替わって展示されていたとのこと。ショック!IS03を再チェックしてくるの忘れました。こちらもまた機会があればチェックしたいと思います。
android, au, review
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