■Androidで個人情報漏えい対策(DroidWall)
BlackHatでのLookout社の発表について、まぁそういうこともあるだろうとは思っていたものの、実際のところインストール時に「ユーザが許諾を与えているから」というのが免罪符になってしまうのもどうかと思うので(ソースが公開されていてチェックするのがAndroidプログラマであるなら適切な判断もできるかもしれないが、一般ユーザに適切な判断を求めるのは難しい)、せめてもの自衛用にPCにあるようなPersonal Firewallがないかと調べてみた。
アンチウイルスソフトと異なり、この分野はまだ競争があまり無いようで、SMSや受話を選択受信する主にinbound方向のメッセージ向け「Firewall」はいくつかあるものの、送信側のコンテンツフィリタリングや、アプリケーションの外部との通信自体を制御するPersonal Firewallはほとんどなく、ひとつしか見つけられなかった。それが以下。
Droidwall
http://www.cyrket.com/p/android/com.googlecode.droidwall/
このアプリケーションは要rootなのが微妙なところだが、インストールするとその端末にインストールされたアプリケーションを一覧にし、それぞれが3G/WiFi接続時にネットワーク接続を可能にするか選択することができるようになる。残念ながらport単位とか接続先単位の制御ではなく、アプリケーション単位にはなるものの、wallpaper系のアプリが勝手に通信することは防いでくれそうだ。
当面の間、このアプリケーションが利用可能な端末では、思わぬアプリの意図しない通信を制限する手段になってくれると思われる。ただし、Googleはアプリの海賊版対策としてネットワークを利用した認証を進める方向を打ち出しているため、早晩Droidwallの現在の仕様では使えなくなるアプリが出てくる可能性があり、portや通信先を選択可能な機能アップが求められてくる。
今回の発表では「不正な通信」かどうかは現時点で不明となっているようだが、いつ同様の事件が発生してもおかしくはないので、このようなPersonal Firewall系アプリによる対策手段は求められてくると思う。WindowsのZoneAlarmやMacOSXのLittle Snitchのように、通信時にアラームをあげてくれるタイプの製品が登場することを期待したい。