■Sony Tablet S/P 9/1版 簡易レビュー
 本日国内正式発表され銀座ソニーショールームで展示が開始されたSony Tablet S/Pの両機種を早速見に行ってきたので、簡単にレビューしておきたいと思います。両機種の詳細はこちら( Sony Tablet S)こちら(Sony Tablet P)が詳しいのでご参照ください。どちらもソニーショールームの中2階で展示されており、Sは十数台、Pも4台ほど?自由に触れるようになっていました。説明員さんも十分に配置されており、気軽に質問できるようになっていますが、さすがに発表即展示ということで詳細な部分についてはわからないことも多かったようです。

■Sony Tablet S
 9.4インチの比較的一般的なタイプのタブレット。楔形という独自形状ですがこの形のおかげかホールド感は悪くなく、iPadやTF101に比べるとかなりコンパクトで軽く感じます。液晶画面は非常にきれいで発色もいいのですが、如何せんAnti-reflectionや防指紋処理も何もされていないが如く反射しまくる&指紋つきまくるため、ちょっと画面を見ているのがしんどい感じがしました。おそらくショールームならではの照明配置のせいではないかと思いますが、タブレットのコーナーの照明は見直しした方がいいのではないかと思いました。液晶自体は説明員さんに確認してもわからなかったのですが、PC WatchによるとIPS液晶ということのようです。Sについてはリビングで家族一緒に利用することを想定しているため視野角の広い液晶になっているとのことでした。タッチスクリーンの反応は上々で非常に快適快速に動作します。画面が広いこともあり、文字入力でもあまり誤タッチをすることはありませんでした。

 本体が楔形という独自形状のため、主なコネクタ類は横向きの左右に振り分けられています。本体左側面には上(太い方)からヘッドホンジャック・USB・スピーカー・ストラップホール。本体右側面には上から電源・ボリュームキー・リセットホール・スピーカーとなっています。本体下面にはクレードル接続や電源接続につかう独自コネクタがあります。背面上部中央にカメラ、液晶上部中央にインカメラがあります。タブレットでストラップホール(実はセキュリティロック用?)があるのは嬉しいですね。ちょっと驚いたのはハードリセットに使うリセットスイッチ(穴にピンを挿して使うらしい)が用意されていることです。説明員さんの話では端末を初期化するのではなく、本体がフリーズした際にリセットするためのものということなので、一般的なPCで言うところのリセットスイッチで間違いないようです。えーと…要するにリセットスイッチが必要なくらい…ということ?うーむ。

 楔形の形状は思ったほど違和感はありませんでしたが、特別に持ちやすいかというとそれほどとは思いませんでした。むしろ重量配分で軽く感じさせる効果の方が重視されているように思います。ソニーとしてはソファに座って低めのリビングテーブルに置いて使うという感じの想定をしているようで、角度が付いているメリットを強調していましたが、タッチパネルでのキーボード入力に便利なほどの角度ではないように思いました。どちらかと言えばリモコンやDLNAコントローラとして操作する際に便利かなという感じです。

 本体と同時発売になるクレードルも展示されていましたが、横置きするタイプでちょっと場所を取るなぁという印象です。クレードルとの接続は比較的容易で、接点は緩い感じでガッチリした感覚を期待するとがっかりすると思います。同じ接点に充電ケーブルを接続することもできるのですが、このL型コネクタがやや大きめで付けた時もグラグラしてしまうのでちょっと気になります。ケーブル取付け部もちょっと細身で断線とか接点不良が心配な感じでした。クレードルと一緒に利用するであろうAndroid専用のアイソレーションキータイプのキーボードも展示されており、英語キー配列のみの販売となる代わりAndroid汎用に設計されていて他のAndroidタブレットでも利用できるとのことでした。通常の英語配列(ASCII配列)の並びでファンクションキーはありません。Android特有の独自キーはキーボード本体左上に左から「戻る・ホーム・起動アプリ一覧・メニュー・検索」と並んでいます。通常のアイソレーションキーと違い、大きさも小さくキーボード本体平面から押し込むタイプのボタンのため、ちょっと使いにくい感じがしました。独自キーとしてはもうひとつスペースキーの右altキーの右横に□にAと書かれたキーが設定されており、このキーで文字入力中の英語/日本語入力切替をできるようになっていました。最初何に使うキーかわからなかったのですが、使ってみるとスムーズに入力切替ができかなり便利だと思いました。残念なのはキーボードで入力した内容が本体に反映されるのに1秒強の時間がかかるため、長文入力などであまり実用的と思えないことです。この点はぜひとも改善して欲しいと思いました。

 SのOSはAndroid3.1ということで、カーネルバージョンが2.6.36.3 integ-build@build10 #1、ビルド番号は1.00.001100022でした。ほぼ製品版ということで、ファーム自体には変更は入らないが、搭載されるアプリはまだ変更があるかもしれないと説明がありました。今回のSony Tabletは他社のようにAndroid OS自体に手をあまり入れない代わりに独自アプリを入れてくる手法ではなく、Android OS標準のアプリに改修を加える選択をしてしまったようで、ホーム画面やアプリ一覧・標準キーボード・動画プレイヤー・標準ブラウザなど大小様々なカスタマイズが施されていました。ホーム画面では画面左上のGoogle音声検索のマイクアイコンの横に4つまでアプリが登録可能な小ラウンチャーが用意されています。ここはホーム画面を左右に遷移しても変わらず表示されるので便利ということなのでしょう。アプリ一覧はデザインが独自のものになっており、上下にスクロールする際に3Dっぽいエフェクトがかかるなど見た目に工夫されています。標準キーボードは日本語がデフォルト入力可能になっており、シフトやaltキーなどの入力状態が一目でわかる青いバーが表示されるようになっています。動画プレイヤーについては通常動画再生時にはアクションバーは表示されたままか、消えても操作アイコン位置がわかるドットが表示されるようになっているのですが、こちらは完全に消えるようになっていました。標準ブラウザでは大きなデータのロードを待たずに素早く表示できるよう小さいデータを優先してレンダリングする独自技術が組み込まれているそうです。リンク先ページの先読みのようなデータトラフィックの無駄使いではない表示の高速化技術ということで、これはなかなか面白いと思いました。気付いたことだけ書いていますが、これら以外にもいろいろと工夫されているところがあるようなのですが、OSに近いところを改修してしまうとアップデートの不安が発生してしまうので、やはりちょっと気になってしまいました。アップデートの質問をした際に説明員さんが苦笑いしながら答えてくれたのですが、一応SについてはPの発売と同時期にAndroid3.2へのアップデートを予定しているらしいとのことだが本当にアップデートされるかはわからないと言っていました。4.0に至っては完全に未定とのことでした。

 独自アプリケーションもサービスと連動していくつか搭載されており、プレイステーションのゲームが遊べるなど期待されている機能もデモで遊べるようになっていました。ただ、Sの発売時に搭載されるアプリでもサービス側の整備が間に合わず、本格的なサービス開始がPの発売時期まで遅れるものがいくつかあるとのことでした。プレイステーションのゲームもその一つで初期の30タイトルほどが揃うのは10月末くらいになるそうで、それまでは限定的な利用になるかもしれないということでした。そういう意味ではSについては、あまり買い急ぐ必要はないかもしれません。

■Sony Tablet P
 2つ折りという独自形状が印象的なタブレットです。発売がちょっと先ということもあり、展示機はSと違って台数も少なく、まだまだ今後大幅な変更があるかもしれないのでファームのバージョンなど詳細はblog等に書かないでくださいと明示的に説明がありました。他のblogさんもご注意を。公式発表でAndroid3.2となっている通り展示機も3.2ではありましたが、いろいろ操作してみるとSと同様な点や大きく異なる点(画面の使い方など)があり、表示の仕方を見てもまだまだ開発途中なんだなということがよくわかる感じではありました。また今日の時点で既にシステムアップデートの通知がアクションバーに出ていましたので、まだ頻繁にアップデートが繰り返されていることがよくわかります。ですので、とりあえずハード面で感じたことだけ簡単に紹介するに留めようと思います。

 1024×480の液晶を2つ搭載しているのですが、どちらも視認性は非常にいいと思いました。任天堂DSのように2つの液晶に差異はありません。本体を開くとちょうど180度、平面になるところでピタリと止まるようになっているので、平面タブレットのような感じで使うことも可能です。画面が下画面から上画面にスムーズにスクロールしていく様を見るのはなかなか楽しいと思いました。液晶はパーソナル利用を想定しているためSのようなIPS液晶ではなく、やや視野角の狭い液晶に変更されているとのことでした。実際使ってみている限りでは視野角の狭さを実感することはなかったのですが、S同様Anti-reflectionや防指紋処理も何もされていないが如く反射しまくる&指紋つきまくる(しかもS以上に!)ので角度によっては反射で非常に見にくく、神経質な方はちょっと使っていられないんじゃないかと思いました…。低反射フィルムは必須だと思います。

 本体の大きさはあまり大きいとは思わなかったのですが気持ち重めに感じます。閉じた本体はおっきなアルミ製筆箱という印象でした。ヒンジ部分の艶のある黒パーツがなんとなく安い感じがして残念ですが、全体の質感は悪くありません。P用のハードシェルケースも展示されていましたが、なんとなく付けない方がいいんじゃないかなぁと思ってしまいました。本体自体が結構発熱するようで、下画面側の本体が手に持っていると汗をかくくらいあったかく感じました。Pは下画面両手持ちで使うのが一般的なスタイルになると思うので、この点は気になります。実際プレイステーションのゲームを起動すると上画面にゲーム画面、下画面に十字キー等の操作部が表示されるのでまるでDS熱中すると相当手に汗をかくことになりそうです。

 タブレットとしての利用想定からすると使いどころが実に微妙な感じがする製品ではありますが、ガジェット好きにはギミック含めて非常に興味をそそる存在であることは間違いないと思います。使い勝手とかよりも所有欲をかき立てられる、そんな端末だと思います。

■3G対応について
 既に既報の通りSony Tablet S/Pの両機種はdocomoからも発売されるそうです。docomoから発売されたものもスマホ同様SIMロック解除はできるとのことでした。しかし3G SIMロックフリーの端末も国内で発売を予定しているそうで、SonyStyle限定モデルとして提供されるのではないかとのことでした。価格の方はおよその想定価格は出ているようですが、blogには書かないで欲しいということなので残念ながらご紹介できません…。SIMロックフリーでもし発売されるなら、国内メーカー初事例になると思うので期待したいところです。日本通信さんが好条件で販売できるようになるといいなぁと思いますね。

週アス+の記事ではSonyStyleで販売される3GモデルもdocomoのSIMロックがかかっているとされていますね。またSの3Gモデルの価格が53000円と明示されていました。うーん、SIMロックありだとするとちょっと残念です。

■まとめ
 まだ展示初日ということもあり、説明員さんがお客さんの感想や意見を一生懸命メモされていて、製品改良のためのフィードバックをしようと努力されている様子がよく伝わってきました。SONYブランドで出す初タブレットということで国内の期待も高いようで、展示初日平日お昼過ぎに行ったにも関わらず非常に多くの方が展示を見に来ていました。正直なところWi-Fiオンリーモデルの価格設定は競争力という点で微妙な感じはしますが、SIMロックフリー3G端末であれば当面キャリア以外から購入可能な国内唯一の存在と言うことになると思うので、非常に存在感を出していけるのはないかと思います。実勢価格など今後の動向が気になりますが、ぜひともヒットして欲しい端末(特に個人的にはSが)だと思いました。当面情報をウォッチしていきたいと思います。

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■au IS12T Fun Lounge版 追加レビュー
 Microsoft主催のIS12T発売イベント「Fun Lounge produced by Windows Phone」に参加して、改めてIS12Tをじっくり触ってきたのとテクニカルセッションでMSの開発担当の方にいくつか質問させていただいたので、その辺を簡単に追加レビューしておきたいと思います。ちなみに前回のレビューは以下です。

 au IS12T デザイニングスタジオ版レビュー
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1246

 イベント自体は主催自らパーティと称する気楽な感じのイベントでしたが、たくさんのIS12TやHTC HD7など複数のWP7端末の展示をはじめ、多数のMS製品のショールーム的なスペースで行われたので、ガジェット好きな方にはなかなか興味深いイベントになっていたのではないかと思います。会場ではIS12Tが相当多数展示されてかなり自由に触れたのに加えて、多数のMS社員さんが説明員として配置されていて気軽に質問できるように配慮されており、とても参加者に喜ばれていたように感じました。

 今回IS12Tの製品版ということで、前回のレビューで確認しきれなかったことをいくつか確認してきました。まずはDLNA対応ですが、こちらはLinkCabinetというアプリで実現されているのですが、DLNAクライアントとしては動作せずDTCP-IPにも当然対応していません。あくまでもIS12Tの端末内データをDLNA対応機器で再生できるようにするということで、接続したネットワーク上にDLNAレンダラーが存在する必要があるようです。DLNAサーバとして動作するわけでもないらしいので、他のDLNAクライアントから接続してコンテンツを参照するということはできないようです。Android端末のDLNA対応機は多くがサーバとして動作するタイプのものなので同じように考えているとちょっと残念なことになるかもしれません。

 IS12Tの音質も気になっていたので、ヘッドホンジャックにいつものVictorのHA-FXC71-Bを接続し試聴してみました。Android端末だと通常MicroSDに入れた音楽ファイルを再生するとかするのですが、IS12TにはMicroSDスロットはないので、IE9で自サーバ上に置いた試聴用mp3にアクセスする形で再生してみました。WP7は音質がいいと宣伝されていたところOMNIA7の音質が軽くて疎でバランスが酷い印象だったことでこれは正しくないと感じていたので正直あまり期待はしていなかったのですが、IS12Tは違いました。HA-FXC71-Bと相性がとてもいいようで、高音から中音は素晴らしくクリアで音場も広く密度感も十分に感じさせます。そして低音がしっかり引き締まって全体のバランスをとてもうまくまとめており、正直に言ってこれまで試聴したどのスマートフォンよりも素晴らしいと思いました。女性ボーカルの表情がとても美しく聴こえます。楽曲にもよるかもしれませんが、J-POPやボーカル中心に聴かれる場合には、IS12TとHA-FXC71-Bの相性は本当に最高ではないかと思いました。オススメです。正直音楽プレイヤーとしてだけでもIS12Tが欲しいと感じました。(価格が安ければですが…w)

 前回のレビューで文字入力時に割とミスタッチが多かったと思ったので、こちらも改めて確認してみましたが、これはあまり変わりませんでした。というかMSの方もプレゼンの最中結構文字入力以外でもミスタッチする率が高くて、やっぱりなんだか過敏気味なんだなと思いました。押したところと違うところが反応するというよりは、押したいところの手前で先に反応されちゃってミスになるというような印象です。これはおそらく慣れで在る程度解決できると思うので、深刻な問題というわけではありません。むしろカーブフリックのデモを見て、これを快速に操作できるようにするため、敢えてそのようなチューニングにしているのかなと思ってしまいました。

 今回テクニカルセッションで多少専門的な質問をする機会があったので、二点ほど質問してみました。まずは気になっていたSSL/TLS renegotiation対応の検証でMangoになっても標準搭載ブラウザのIE9がStartSSLのCA証明書に未対応(最近のブラウザはほとんどが標準で対応しているのに)だったことについて、どうしたら対応させる(証明書の登録をする)ことができるのか質問してみました。が、簡単に説明で対応することはできないようで、MSのblogで記事として掲載するということでした。StartSSLは個人でも無償利用可能で非常に便利ですし、ブラウザでのアクセスだけなら一定の操作で先の画面を見ることが可能なのですが、ActiveSync時などはエラーになってしまい回避方法がないため対応はぜひしてもらいたいと思っています。blogの公開に期待しています。

 ※8/29にblogが追加されました。フォローありがとうございます。比較的簡単な手順で追加することができるようです。
  Windows Phone と 証明書について (8/28 イベントフォローアップ)
  http://blogs.msdn.com/b/aonishi/archive/2011/08/29/10201508.aspx

 もうひとつはWindows Phone 7 Connector for Macの日本語対応についてです。本日のデモの中心人物でWP7系の記事に最近よく登場されているエグゼクティブプロダクトマネジャー石川大路さんに直接質問させていただいたのですが、「(Windows Phone 7) Connectorって何だっけ?」と返されてガーン!すかさず別の方が「Macと接続するやつですよ!」とフォローしてくださったのですが、もうこの時点で国内での扱いのレベルが容易に想像されてしまいます…。一応日本語化の取り組みはされているそうですが(国内ではなく米国側でされているらしい言い方でした)まだリリース時期は未定とのことでした。ただMango対応としてちゃんとやっていますよということだったので、もうしばらく待ってみる必要がありそうです。

 IS12Tは25日に発売されてから、3日で既に白ロムが3万前半、MNP一括も条件付き0円が出てくるなど、ものすごい勢いで値下がりをしているのでちょっと先行きが心配ではありますが、むしろ探せば購入しやすい条件が揃っているということなので、ロックフリーでもありますし興味の在る方はぜひ試されてもいいのではないかと思います。少なくとも音楽プレイヤーとしては個人的にはとてもいい選択肢になるのではないかと思います。

【おまけ】
 さて、ところで今日のFun Loungeの中でMicrosoftとしてWP7の活用事例で、音楽や動画をZuneで取り込みSkyDriveにアップしてストリーミング再生で聴くというようなデモをしていたのですが、これってMYUTA事件と同じことになるんじゃないかとちょっと心配してみたり。MS的には大丈夫という見解でプッシュしてるのかなぁ?それとも自分の知る情報が古いままなのかな…。テクニカルセッションで質問することでもないかと思って控えていたら、その後聞くのを忘れてしまった…。個人的にはSkyDriveにアップするとかしないからいいんだけど、やっぱりちょっと気になる…。

 

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■EMOBILE GALAPAGOS A01SH タブレット レビュー
 fansfansの「Android 3.2搭載タブレット GALAPAGOS(A01SH)タッチ&トライ ブロガーミーティング」に参加して、イーモバイルから発売されるA01SHをじっくり触ってくることができたのでレビューを書いておこうと思います。イベントの様子はこちらで紹介されています。イベント参加者のblogはこちらでまとめて紹介されるそうなので合わせてどうぞ。イベントでは発売元のイーモバイル、開発元のSHARP、CPU製造元のNVIDIAがそれぞれプレゼンで製品のアピールをした後、質疑応答・タッチ&トライという順番で進みました。質問は若干少なめな印象でしたが、タッチ&トライでの参加者同士の意見交換がかなり活発だったので、面白い意見が聞けたり有意義なイベントになりました。

 A01SH自体は国内メーカー初の7インチサイズタブレットでAndroidバージョンも最新の3.2ということで注目度も高く、既に発売日も8/30と迫っており価格も44,800円と明示されていますので、興味を持たれている方も多いと思います。そこで分かりやすくするため比較用にGalaxyTab (GT-P1000)TF101を持ち込んでいろいろと比べてみましたので、その辺りの比較を中心にして書いていきます。

■ハードウェア
 基本は横持ちを前提としているようで、全てのスイッチとコネクタ類は左右側面に振分けられています。上下は背面から回り込んだアルミでカーブして覆われていてスイッチ類は何もありませんし、画面前面にもスイッチ類は一切ありません。左側面には上からスピーカー・電源ボタン、ボリュームキー、ヘッドホンジャック。右側面には上からスピーカー・AC電源・HDMI・MicroUSB・MicroSDスロットとなっています。横持ち前提で工夫されているのが左右側面上部に配置されたスピーカーで、両手持ちをしても手がスピーカーを覆わないため視聴を妨げません。TF101はスピーカーが側面下部にあり両手持ちの時に手がスピーカーを覆ってしまうので、A01SHの方が実用的な設計になっています。電源とボリュームキーは小さめでストロークも浅めですが、クリック感はしっかりあるので特別使いにくいということはありません。MicroSDスロットはフタがある関係で穴が深めになっており少々出し入れがしにくいのがちょっと残念な感じでした。

 液晶はモバイルASVではなく普通のTFT液晶っぽいですが、SHARPらしいドットの目立ちにくい精細感のあるもので若干メタリックな感じの艶を感じさせるものでした。GalaxyTabと比較してみて高輝度の時にはどちらも同程度に美しい表示だと思いましたが、低輝度の際の表示品質はA01SHの方が良好と感じました。GalaxyTabは低輝度では液晶にざらつき感を感じることがあるのですが、SHARPの液晶ではそのような感じはなくキレイなまま暗くなるので、夜ベッドサイドで電気を消して利用する際にもいいのではないかと思います。液晶自体の美しさではIPS液晶を搭載したTF101が圧勝かなと思います。液晶が7インチサイズということで、本体もほぼGalaxyTabと同じサイズになっていますが若干A01SHの方が大きめです。SHARPの商品開発部の方がプレゼンでこのサイズにこだわったと力説されていたのですが、個人的にはGalaxyTabでも常用するには縦持ちでやや幅が大きく感じる(おそらく欧米マーケットを狙ったグローバルなサイジングのため)ので、何故日本人向けに国内メーカーが作ったものが同じようなサイズになるのか理解に苦しみました。7インチの既存タブレットはどれもGalaxyTabの模倣かと思うようなデザインですが、7インチの利用時は縦持ちでも片手操作は実質無理でほぼ両手使いになり片手手のひら全体でしっかりホールドしもう片手で操作をするようになるため、本体を支える理由で液晶周辺ベゼルを太く取る必要はないと思います。縦持ち時の想定で両サイド(長辺)をもう5mmずつでも幅カットしてもらえると、日本人の手でも持ちやすくなるのに…と感じてしまいました。隣の参加者の方もGalaxyTab持ちでやはりベゼル部分は半分でいいと発言されていました。商品マーケティングの説明の中でも「国産のブランドを求めている人達がいるのでこのサイズのタブレットを作ることにした」という話があったのですが、だとすればちゃんと日本人の手にあったサイジングを検討すべきではないかと、少々残念に感じました。

 本体の重さもGalaxyTabとほぼ同じでちょっと重め。A01SHは1620mAのバッテリーを2つ搭載しており、4000mAのGalaxyTabには少し及びませんが、Tegra2の省電力性能と合わせて長時間動作を実現しているということになるようです。特別に重いということではないのですが、上記のようにベゼル部分のカットができればもう少し軽くできるのではないかと思うので、ぜひ次モデルでは国産の意地で更なる軽量化をお願いしたいと思います。実物のスペックやプレゼンを聞いていても感じたのですが、SHARPは世界最高の7インチタブレットを作ろうとしたのではなく、GalaxyTabを目標に高スペックのタブレットを作ったように感じました。プレゼンにあった「国産のブランドを求める人達に」ではなく、最高のタブレットを求める人達に向けて設計したら、もっと違った発想や設計ができたのではないかと思ってしまいました。その辺りの志の揺れ具合というかは液晶のアスペクト比の質問でも感じていて、GALAPAGOSというブランドで電子書籍をアピールする戦略を取りながら、「なぜアスペクト比を電子書籍やデジタルコミックと親和性の高い4:3にしなかったのか?」という質問に対して「社内で議論はあったがアクオスと連携するなど映像面を重視して16:10を採用した」と、動画重視の決定だったという回答がされたところに、なんとなく日本のメーカーがアップルに勝てない理由を垣間見たような気さえしてしまいました。(もっとも実際は類似デザインによる訴訟を避けるとか別の思惑がある可能性は否定できませんが…)

 タッチスクリーンの感度は非常に高く、やや過敏すぎる印象もないわけではありませんが、コツを掴めば非常に快適に操作が可能でした。Android3.2と相まってTF101よりも高速且つ快適にホーム画面の操作が可能です。この差は同じCPUを搭載しているとは思えないくらい快適と言っていいくらいのものでちょっと驚いてしまいました。ただマップやブラウザでのピンチズームなどでは若干ぎこちなさを感じる場面もあり、全てにおいてベタ褒めできるというところまではいきませんが、操作感の快適さレベルはとても高いと思います。

 起動時間は以下の通りです。
 電源長押し→5秒→EMOBILEロゴ→8秒→GALAPAGOSロゴ→17秒→ロック画面(合計約30秒)

 起動は快速で電源オンから30秒で利用可能になります。SHARP製のスマホは起動時間が長いものが多いのですが、A01SHは非常に素早く立ち上がるのでこれは嬉しいポイントですね。

■ソフトウェア
 Androidバージョンは喧伝のように3.2です。カーネルバージョンは2.6.36.3、ビルド番号は5031_1_200でした。日本語入力プログラムはiWnn IME Ver.2.1.2.jp(SHHC-A)となっていました。スマホではiWnn IME for SHとかおまけが付いているのに、タブレットではfor SHがない表記になっているところが面白いですね。ホームアプリやメニュー項目などのカスタマイズはあまりなく、ほぼ標準のAndroid3.2を採用しているような印象でした。独自ウィジェットもGALAPAGOSアプリのものくらいで、NVIDIAのデモのためTegraZoneアプリやゲームがいくつか導入されていましたが、他に特筆するようなものはなかったと思います。

 最新のAndroid3.2でもあり、一応いつもの動画再生テストファイルを持ち込んでいたので再生テストをしてみました。DLNAはさすがに検証できませんでしたが、MicroSDからの再生結果は以下の通りでした。再生アプリはギャラリーアプリから標準動画プレイヤーです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

MicroSDでのローカル再生
 D,F,G,H,I,J,K,Lが再生可能。A,B,C,Mはリスト表示されるもののサムネイル無し、クリックすると再生できませんダイアログを表示。Eは映像は表示されるものの音声が出ず。WMVについてはリストにすら出て来ない。

 NVIDIAの方がいらっしゃったので、1080p HighProfが再生できない理由を伺ってみると、TegraとAndroidの両方でチューニングが間に合っていないとのことでした。サムスン製品がAndroid2.3環境でも1080p HighProfを再生可能にしていることはご存知でしたが、これはサムスンの独自チューニングによるもので、Android側でもバランス調整の問題がまだ残っているとのことでした。少なくともA01SHではSHARP独自で動画再生の調整が入っているというようなことはなく、Android3.2で標準的に再生できるものということになるようです。ちなみにイヤホンジャックの音質も動画再生時に確認してみたのですが、いつものVictorのHA-FXC71-Bとは相性が悪いようで、中音から低音がブーミーになってしまい聴くに堪えない感じでした。小さいスピーカーで出力する時に軽くなり過ぎないようにチューニングされた音をそのままヘッドホンジャックでも流してしまっているような印象でした。A01SHと組み合わせるヘッドホンは低音控えめか低音をしっかり抑えて鳴らしてくれるものを組み合わせた方がいいような気がします。

■まとめ
 個人的な印象は和製GalaxyTabという感じです。しかし動画プレイヤーとしては、CPUスペックに劣るGalaxyTab (GT-P1000)の方が再生能力が高く、aviやwmvも難なく再生できてしまいますしコマ落ち感はあるものの1080p HP4の動画も再生は可能で、実用上優れていると感じました。大きさも重さもほぼ同じで、3Gがついた白ロムの価格も3万円前後で安定しているSC-01Cと、Android3.2の最新版が利用可能とは言え正式対応アプリもまだ少なくWiFiのみ44,800円の価格で対抗するのは非常に厳しいのではないかというのが率直な感想です。もちろん国産ブランドやアクオス連携を気に入って購入される場合には別ですが、A01SHだからこそという部分はあまり見えて来ないと言わざるを得ません。本当に主観的で申し訳ないと思いますが、GalaxyTabを目標にして作られたように思えてなりません。そして越えられていない。そんな印象になってしまいました。プレゼンを見ていてSHARPはA01SHを世界で売る気はないのだと感じましたし、それで世界をターゲットにして予算を投入し開発された製品に勝とうとするなら、より日本人に使いやすいサイズや使い方をもっと真摯に追求するべきだったのではないかと思います。SHARPのAndroidに対する製品開発姿勢は素晴らしいと思いますし、ぜひとも今後よりよい製品を出していただければと願います。

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■docomo Xperia ray SO-03C ラウンジ版 簡易レビュー
 有楽町のスマートフォンラウンジでXperia rayを見てきたので簡単にレビューしておきます。この端末で気になったのはやはりその大きさと軽さ。これは実機確認しないとと思いチェックしてきました。ラウンジでは早速メイン展示機のポジションに。お盆休み真っ最中の休日だったのであまり人もおらず、説明員の方々も心なしかのんびりした雰囲気で、ゆっくり確認することができました。

 持ってみた感想はやはり軽い小さい!通常のAndroid系端末の8割くらい?の大きさで100gという重量は本当にスマホ?という不思議感覚になります。スモールライトで小さくした感じ…。小さいながらも全体の品質は非常に高く塗装もキレイで、液晶の高い精細感と外装のシンプルながらもしっかりした印象が非常にいい感じです。上面に電源ボタンとイヤホンジャック、左側面上部にUSB、右側面上部にはちょっと細小さくて使いにくい感じのボリュームキー、下部にはマイクとストラップホールだけと、とてもシンプルな造りになっています。液晶下のボタンは左から戻る・ホーム・メニューの順で、ホームが物理ボタンになって一段下がっているため、ちょっと押しづらい感じでした。

 タッチスクリーンの反応は上々で、フリック等の操作も非常にスムーズです。ただ10点マルチタッチサポートということでしたが、手のサイズが大きいと片手操作しようとした際に、親指の内側がかなりスクリーンに触れてしまってうまくタッチ操作ができないというケースがしばしば発生してしまいます。タッチ式ボタンも反応エリアがやや広めで思わぬ反応をしてしまうことがありました。なんとなく女性向けをアピールしている理由はこのヘンなんじゃないかと思ってみたり。本体が薄いことで指が回り込みやすいため、操作時には注意が必要そうです。

 起動時間については以下のような感じです。
 電源オン→11秒→ソニエリロゴ動画→7秒→docomoロゴ→6秒→ロック画面(約24秒)

 正直一番驚いたのはここです。たった24秒でロック画面に!起動だけで言えばAndroidハンドセットで最速ではないでしょうか?これは先日レビューしたWindows Phone 7.5を搭載したIS12Tの26秒を上回る起動速度です。IS12TやOMNIA7を見て、しばらくAndroid端末は起動時間ではかなわないなと思っていたのですが、まさかすぐにこれほど速い端末がリリースされるとは驚きました。SO-03Cに搭載されているのは既存のMSM8255でスペック的な点では特別に優れたハード構成になっているわけではありません。それでこの起動時間が実現できるのですから、ソニエリの実装努力の賜物ということだと思います。

 OSはAndroidバージョン2.3.3、カーネルバージョン 2.6.32.9-perf SEMCUser@SEMCHost #1、ベースバンドバージョン 8x55A-AAABQOAZM-20302204-41、ビルド番号 4.0.D.2.61でした。日本語入力はPOBox Touchでバージョンは4.3とのこと。中国語入力も入っていてChinese keyboardはバージョン4.0.16、CooTekという会社の製品でした。POBoxを少し試してみましたが、スクリーンが小さいため誤タッチが多くなってしまい、特に最下段の入力がちょっと厳しい感じでした。記号や顔文字は入力しやすいと思います。

 アプリ面ではdocomoによるキャリア導入アプリが非常に増えていてちょっと微妙な感じ…。なんというか一時期のWindowsマシンのように使わないアプリがゴテゴテ場所を取ってしまっているんじゃないかという印象を持ってしまいます。説明員さんに確認したところ、最終決定ではないが一応これらが標準インストールになる予定とのことだったので、ちょっとゲンナリです。今回もLiveWareマネージャーがプリインストールされていましたが、LiveViewも国内発売になっていますので今回は標準導入されそうですね。説明員さんのアピールによるとrayは音質がすごくいいとのことだったのですが、いつものインナーイヤフォンを持っていなかったので、こちらは確認できませんでした。

■まとめ
 カメラなど個々のアプリの動作は確かめてこなかったのですが、ハードとしての出来栄えは手のサイズさえ合えばとてもいいのではないかと感じました。起動時間含めて基本性能部分が非常に良く出来ているのではないかと感じさせます。これで価格が新規一括で43,250円、実質25,620円、MNPだと実質15,540円ということなので、非常に購入しやすい思い切った価格になっていると思います。新製品の発表から発売までが非常に短くかつ価格も安いというのは、これまでの端末リリースの実績からするとちょっと驚いてしまいます。ワンセグやFelicaなど独自機能を実装するよりも、タイムリーなリリースを優先したということで、docomoがかなり力を入れていることがわかります。独自機能がないことでどの程度販売が伸びるのかは興味深いところですが、端末としては非常に訴求ポイントが分かりやすく魅力的だと思いますので評価されるのではないかと期待します。

 

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■au IS12T デザイニングスタジオ版レビュー
 昨日発表になった日本初のWindows Phone 7系端末 IS12T が本日よりKDDIデザイニングスタジオで展示されるということだったので早速見に行ってきました。展示は2Fの中央、6台ほどが展示されており展示初日ということもあってか並ぶほどではないものの常に誰かしらが見ているという感じで、平日昼間としては人が集まっていたのではないかと思います。全く新しいタイプの製品(WM6系とは完全に別モノですし)ということで、説明員さんも少し戸惑っている様子で、事前にマニュアル等は案内されたがまだわからないことがいっぱいと正直に話してくれていました。ちょっと面白かったのは見ていた限り意外と女性の注目を集めていたことと、女性の製品評価がすごく高かったことでした。数台横の端末を使っていたカップルの女性がとても気に入って喜んでいる様子がとても印象的で、個人的にも製品を見てなるほどなと思うところもあり、出足を心配されているWP7端末ですがauのマーケティング次第では結構イケルんじゃないかなと感じました。

■ハードウェア
 正直に行ってハードスペック的には防水防塵+1320万画素カメラという特徴があるとはいえ実質中身はIS05相当(MSM8655)で、昨今のAndroid端末のスペックに比べれば特にハードウェア的に見るべきものはありません。Windows Phone 7からMicrosoft社がハードウェアの仕様を厳密に定めたことでAndroid系に比べてメーカーの特色が出しにくくなっていることが影響していると感じざるを得ません。もちろんハードウェアがプアという訳ではなく、全体の印象はボタン類も少なくシンプルで軽量、剛性も高くしっかりした本体で、持った感じもコンパクトで意外と持ちやすい印象です。液晶も表示は美しくタッチ反応も非常に軽快で好感触です。液晶下部に物理ボタンで左から 戻る・スタート・検索とボタンが並んでいますが、こちらの操作感も悪くありません。側面のボタン類は右側面に上から 電源・音量・カメラボタンと並び、上部にイヤホンジャックとMicroUSB端子、下部にはストラップホール、左側面には何もなし、という極めてシンプルな構成です。ストラップホールを除いてはWP7系端末としては標準的な構成で、手元のOMNIA7もほぼ同じ構成要素で成り立っています。既に世界で出荷されているWP7系端末と比較して特徴的だとすると、本体に黒ではないカラーが付けられていることは興味深いポイントです。

 起動時間はWP7のおかげで非常に速く、以下のような感じになっています。
 電源オン→6秒→防水性能注意画面→10秒→au by KDDIロゴ→7秒
 →Windows Phoneロゴ動画→3秒→メイン画面(合計約26秒)

 電源オンからたった26秒でメイン画面になる俊敏さは今のAndroid端末にはない強みだと思います。これでも同じWP7系端末であるOMNIA7と比較すれば遅いくらいでOMNIA7は24秒ほどで起動してしまいます。IS12Tは他言語対応を果たして多機能になったWindows Phone 7.5 (7716)を搭載しており、OMNIA7は初期のWindows Phone 7 (7004)を搭載しているということでシンプルな分OMNIA7の方が勝ったのかもしれません。いずれにしても起動が一分程度かかる端末が多いAndroid系に対してそれなりに嬉しいポイントではあります。

■ソフトウェア
 Windows Phone 7.5 Mangoの動作している実物を触るのが初めてだったので個人的にはすごくいろんな変化を期待していたのですが、日本語に対応したという大きな変化はもちろんあるものの実際のメニュー構成の中身などを確認してみると、英語で動作しているWP7の(日本語表示は可能)OMNIA7と比較してもさほど大きな変化を実感できず、やや期待外れというのが率直な印象でした。もっと大きな変化があるかもという期待が大きすぎたようです。もちろんOMNIA7に比較して画面のスクロールが3〜5割程度速く快適になっていたり、日本語フォントがきれいに表示されていたり、アニメーションのスムーズさが体感でわかるなど全般的に向上している部分は実感できますが、それがハードウェアの力なのかソフトウェアの改善なのか判断することはできませんでした。これらはOMNIA7がMangoになった時に改めて比較してみたいと思っています。展示されていたIS12TのOS情報ですが、以下のようになっています。

 ソフトウェア:Windows Phone 7.5
 OSバージョン:7716.WM7_Main (mojobld).20110718-1440
 ファームウェアリビジョン番号:5008.1907.952.450
 ハードウェアリビジョン番号:112.1410.2.0
 無線ソフトウェアバージョン:0.9.04.50
 無線ハードウェアバージョン:8655
 ブートローダーバージョン:7.17.2.0
 チップSOCバージョン:0.75.2.1

 WP7の開発者向けに最新で提供されたMangoバージョンが7716で、完成版Mangoが7720ということらしいので、展示されていたのは開発者向けと同じ最新バージョンということになります。9月発売時には7720以降の番号で発売されることが予想されますが、現在と大きく中身が変わることはないと思うので、IS12Tに興味のある方はすぐに実機確認に行かれてもいいのではないかと思います。

 Windows Phone 7.5になってもUIなどの操作感やメニュー構成などはほとんどWindows Phone 7の時と変わっていないように感じます。日本語化された設定メニューも並び順も含めてほぼ同じ内容です。IS12Tで追加されているのが確認できたのは「バッテリーセイバー」「ワイヤレス設定」「SIMセキュリティ」「音質設定」の4項目で、どれもとてもシンプルな設定内容になっています。WP7の特徴として設定できる項目が非常に少ないことが上げられると思いますが、Androidを日常使っている人がWP7端末を初めて触って設定画面を見た時に感じるのは「えっ?これしか設定できないの?」という驚きではないでしょうか。iPhoneも設定できることが少ないと思いますが、それよりも更にシンプルになっている印象です。一つの設定メニュー項目を選択して出てくる画面で設定できるのは1つか2つが当り前、ページをスクロールして設定項目が並ぶような画面はとても少ないのでびっくりしてしまいます。WM6系ではどこで何が設定できるのか困ることがままありましたが、WP7では本当に思い切ってシンプルになっており見通しもよくなっていてMicrosoftの本気を感じさせます。

 タイル状アイコンを操作する2次元的で非常にフラットな印象が強いメトロUIですが、設定項目のシンプルさからも判るようにMS的にシンプルさと使いやすさを追求した結果到達したユーザインターフェースであることは、使ってみると非常に実感ができると思います。IS12Tはauの製品だけにINFO BARのUIと比較されることも多いようですが、表面的にカスタマイズされただけのAndroidのUIと、設計思想として貫かれたWP7のメトロUIではその操作感も統一感も比べ物にはならないというのが正直な感想です。ただ英語でWP7を使っていた印象からすると、日本語でのメニュー表記等はフォントも含めてやはりデザインの一貫性を微妙にするような違和感を感じる部分が残ってしまっていると思います。いっそユーザにフォントを選択させてくれたらいいのにと思うのですが…。またIS12Tには残念ながらWP7の設計思想を無視した国内アプリも標準搭載されてしまうようですが、ぜひとも早期にWP7専用のアプリとして再リリースして欲しいと感じます。明るいカラータイルに小さく表示される情報は、40代以降の視力に自信がなくなってくるくらいの世代にはちょっと厳しい感じがしますし、たくさんのアプリを入れたり細かくいろいろ設定をしたい人にはあまり好まれないと思うので、メトロUIは万人向けのUIとは思いませんが、前述の通りシンプルな使い勝手を望む層で特に女性には印象的にも好まれると感じました。

 日本語入力は話題になっているカーブフリックの他、通常のqwertyキーボードでの日本語入力も可能です。変換精度はAndroidのATOKほど優秀ではない印象ですが、FSKARENよりはマシという印象でした。日常Androidでqwertyキーボード入力なのですが、IS12Tでは思った以上に誤入力をしてしまい、ちょっと慣れが必要かなと感じました。各キーがなんとなく小さめに感じるのはスクリーンサイズというよりは、配列デザインの問題のような気もします。

 少し気になったのは展示機では「音声(speech)」の機能が使えないようになっていたことです。英語設定であればスタートボタンを長押しして音声で端末コントロールをすることができるのですが、日本語設定では「現在の言語設定では、音声は使用できません。」となって利用できない旨が表示されてしまいます。これはAndroidが音声検索等で先行していることもあり、ちょっと残念なところです。できないと言えば、IS12Tには国内で比較的要望の多い赤外線通信の機能がないのですが、そのカバーとして「プロフィール交換」というアプリが用意されていました。自分の情報をQRコードで表示できるアプリでdocomoやsoftbank向けコードを生成することもできます。これでQRコードを相手の携帯カメラで撮影して読み取ってもらうことで簡単にアドレス交換できるという仕組みです。次善の策ということなのでしょうが、嬉しい工夫だと思いました。

 1320万画素とスマホとしては高い画素数を誇るカメラ部ですが、WP7のソフトウェア的な部分でカメラ対応があまりレベルが高くないせいか、撮影レスポンスはそれほど悪くない(こちらも解像度が違うとは言えOMNIA7の方がやや快速)ものの、機能的な部分で最近のAndroid端末にはやや見劣りしてしまいます。本体側面のカメラシャッターボタンの長押しでいつでもカメラが起動できるなど使い勝手は悪くないのですが、カメラ重視の方はできるだけ実機確認をされた方がいいと思います。カメラで撮影するとデフォルトでSkyDriveにアップロードしようとするので、その辺の設定も含めてプライバシーを重視したい方は注意をする必要があります。

 ちなみにキャリア毎に選択となっているらしいテザリングの機能はIS12Tには見当たりませんでしたorz

■まとめ
 日本語化されて国内にいよいよお目見えするWindows Phone 7.5を搭載したIS12Tですが、KDDIデザイニングスタジオで実際に端末を触っている人たちの感想を聞いている限りでは、シンプルさ分かりやすさを望む層には十分訴求できるのではないかと思いました。IS11PTのようにシンプルメニューを選択して利用するくらいならIS12Tはそれに近い簡便さを提供してくれるように感じます。おそらくauもそうした層を意識してカラーを選択できるようにし、CM等にも若い女性層に受けるキャラクターを使ってくるのではないかと推測しています。個人的には一般向けモバイルデバイスの選択肢のひとつとして十分な素養はあるのではないかと思いますが、WindowsMobileは企業向けという既成概念をうまく打ち壊して、シンプル且つ動作が軽快というポイントをうまく伝えて実機をどこかで体験してもらう戦略を取っていかないと、相当値段を安くしない限り選択肢が豊富なAndroid端末と比べて積極的に選択してもらうのは国内の現状では難しいのではないかとも思います。Android auで訴求してきたauがどのような広告戦略を取るのか、今後の動向を非常に興味深く見ていきたいと思います。

 そうそう。Microsoftが提供するHotmailはセキュリティの面でこれまで何度も問題になっていたりしますし、WP7自体がクラウド指向でSkyDriveを利用するように誘導されているため写真撮ってクラウドにアップしてたら知らない間に世界中に公開されちゃってて大慌てみたいなことにならないといいですよねーなどと、説明員さんとも話していたのですが実際にありそうで恐いので、やっぱり設定には慎重になりたいところですね。IS12Tに導入されるリリース版のMangoのデフォルト設定が安全側へ誘導(デフォルトでネットへアップじゃない)になっているよう祈りたいと思います。

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■ESET Cybersecurity for Mac 日本語版レビュー
 fansfansの「ESET Cybersecurity for Mac 日本語版」プレビューイベントに参加することができたので、簡単になりますがレビューを書いておこうと思います。パフォーマンスの適切な計測をしてから記事にしようと思ったのですがまだできておらず、来週一週間不在にしてしまうため期間が開きすぎるのもアレかなと思ったので、感想が中心になりますがレビューしておきます。今回はESETのMac用アンチウイルス&アンチスパム製品「ESET Cybersecurity for Mac」のみをターゲットにしたものでしたが、会社や製品概要紹介の時間が長く実際にイベント内で使用して質問などする時間がやや少なくなってしまったのがちょっと残念でした。

 System6.0.3からMacを使っている身としては、Macの方が昔はMDEVとかウイルス感染すること多かったんだけどなーとかアンチウイルスソフトも必須で種類も結構あったんだよねーとか思ってしまうわけですが、OSのシェアと攻撃のしやすさからWindows向けウイルスの方が圧倒的に増えてしまったため、相対的にMacの方がウイルス感染リスクが少なくなってOS自体がセキュアであるかのような誤解が広まっていたところ、MacOSXでシェア回復と共に再度ウイルス感染リスクが高くなって再度こうしてたくさんのアンチウイルスソフトの選択肢が提供されてくることは喜んでいいやら悪いやら、なんとも不思議な気分です。

■ESET Cybersecurity for Mac

 ESETはアンチウイルスソフトNOD32という製品で有名なスロヴァキアの会社で、社名は女神イシス(古代エジプト名アセト)の名前に由来するのだそうです。神話に詳しいわけではありませんが、良妻賢母の象徴・豊饒の女神でかつ強力な魔術師ということなのでなかなか意味深い感じがします。国内ではNOD32を中心にパーソナルファイアウォールやアンチスパムを機能統合したESET Smart SecurityとしてキヤノンITソリューションズ社がWindows用製品を開発、EC studio社が販売を行うという体制を取ってきました。ESET製品は軽快な動作が非常に特徴的で、WindowsXPをメインで使っていた頃Avast!4からESET Smart Securityに切り替えた際に劇的に通常操作の体感速度が向上して感動したことを覚えています。

 今回のMac版ではWindows版と異なりアンチウイルスとアンチスパムの二機能のみの搭載となっています。レビュー用に提供されたバージョンは4.0.69.0になります。7月中にリリースされる予定のモニター版(レポートに協力すると抽選で50人に1年ライセンスをくれるらしい)は既に完成しているものの、今回はそのひとつ前のバージョンとのこと。このバージョンでも10.7には対応済みということでした。正式な製品版は秋頃になるそうです。プレビュー版ということで、EC studio社の担当さんからインストーラ入りUSBメモリをお借りして持ち込んだMacにインストールします。

 インストールはマウントされたインストーラをダブルクリックするだけで見慣れたMacアプリのインストーラ画面が表示されます。ライセンスの同意の後、いくつかインストーラ上で設定を選択しますが基本デフォルトでOK。インストール自体も難なく終わり再起動を要求されます。再起動するとログイン後にESETのスプラッシュ画面が開き、メニューバーにESETアイコンが表示されるようになります。この後ESETのアイコンからアクティベーションを行います。Windows製品では再起動時や起動直後からすぐにスキャンが始まるものもありますが、ESETではそうした動作は行われていないようで(ディスクアクセスの状況から判断しただけで仕様を確認したわけではありません)、明示的にローカルディスクの検査を一度行う必要があるように見えました。ESETではThreatSenseエンジンというヒューリスティック検出の技術を利用するため、所謂定義ファイルのみ依存型と異なり軽快に動作するのだということでした。ThreatSenseエンジンの標準設定では、SMART Optimizeという機能が有効になっており、ファイルのmtimeやctimeなどを参考にファイルの更新検知をして、一度チェックしたファイルはファイル自身かESETの定義ファイルの更新がない限り再チェックしないことで動作効率を上げているのだそうです。

 メモリ2G /Core2Duo 2GHzのMacBook白で、ローカルディスクの検査を行いながらSafariでEICARのテストウイルスをダウンロードするという実験を行ってみましたが、ダウンロード完了直後に画面右上にフロートウインドウが表示され、隔離された旨が通知されました。レスポンスは極めて良好だと思われます。ローカルディスク検査中のパフォーマンスをtopコマンドで確認してみると、CPU使用率は25%〜30%前後、esets_guiとesets_daemonが合わせて50%程度のCPUを使っているようでした。メモリもあまり消費しておらず非常に安定した印象です。他のアプリケーションを動かしても動作が遅くなったような印象はほとんど受けません。今回はイベントに合わせてクリーンインストールしたOSに試験データを入れて持ち込んでいたので、長期間稼働した場合のレスポンスの変化は気になるところです。

 他のMac用アンチウイルス製品との比較では、ウイルスバスターやSophosと比較してGUIの設定画面がよりわかりやすい印象がありました。また通知内容がわかりやすく、検出されたファイルのパスが確認しやすいため、ここは特に好印象でした。ただ検出通知された数と隔離されたファイルの一覧の数がリスト作成タイミングによっては合わない場合があるようで、ちょっと気になりました。動作速度面ではウイルスバスターは論外(3年ライセンスを3本持っていますがレスポンスが悪く数々の不具合が発生したため現在は使っていません)として、軽量でとても静か(余計な通知が一切ない)なSophosと比較しても遜色ありません。(できればSophosとの比較を数値的に出してみたかったのですがこれはまた別の機会に。EC studio社によると倍くらい速いとか。)

 プレビュー版のためローカライズの点で変な説明があったり内容が合ってなかったり誤訳があったりと、まだまだな部分は散見されましたがその場ですぐに対応を検討してもらえるなど、キヤノンITソリューションズ社とEC studio社の柔軟さは素晴らしいと思いました。実際のところ海外でのMac版リリースから約1年遅れての今回の日本語版リリースなため、なぜこれほど遅れてしまったのかと質問をしてみたのですが、開発担当のキヤノンITソリューションズさんからとても正直に(1)Mac開発のノウハウがなかったこと(2)マルチバイト対応を含む不具合が多く国内要求品質レベルまで高めるのに時間を要したこと、という回答をいただきました。製品の販促イベントでこうした事情を正直に話すことはとても勇気のいることだと思うので、ちょっと感心してしまいました。

 ライセンスも柔軟な設定が検討されており、価格こそ発表されなかったもののBootCamp下では1台のマシンで稼働するMacOSX版とWindows版は1つのライセンスキーでOKとのこと(VMwareとかVM環境用は個別購入が必要)。海外の価格と大きく異なることはないだろうということなので、年間2500円くらいになるのではないかと想像します。

■まとめ
 個人的にはESET Cybersecurity for Mac自体は優れた製品で、有用な選択肢のひとつになると感じています。ただしSophos Home Editionや Intego VirusBarrier Expressなど無料でそれなりに使える選択肢がある状況での個人向けアンチウイルスソフトとしての差別化はまだ十分ではないように思います。より具体的な数値でのパフォーマンス比較や、安定性信頼性の情報提供(イベントではPassMarkAV-comparatives.org などの比較結果を紹介していました)を継続的に行っていく必要があると思います。それでもアンチウイルスソフトに敢えてお金をかけたいと思わせるのはなかなか難しいことのように思います…。しかしながら企業導入されているMac向けという観点であれば、かなり有望ではないかと思います。今回のイベントでは確認できませんでしたが、企業向けのESET製品マネージメントツールでESET Cybersecurity for Macが制御可能なのであれば、Macの企業導入が進む中むしろパフォーマンスと信頼性を前面に出して積極的に販促すべきだと感じました。そのためのサポート等関係バックヤードの構築も必要にはなりますが、個人向けよりは訴求できそうな気がします。

 今回イベントに参加してESETに関わる方々の熱意を感じられたので非常に良かったと思いました。特にEC stadio社の方は熱さを感じられました。きっと良い製品に仕上げていってくれると思います。現状はキヤノンITソリューションズ社が開発担当ということでしたが、ローカライズ作業自体は本家スロヴァキアで行っているとのこと。国内の要望にタイムリーに応えていくためにも、ローカライズはできる限り国内で可能な契約を検討して欲しいというお願いを勝手ながらさせていただきました。これまでいくつもの良質なMacアプリがローカライズ対応で苦労してきた(海外の開発者はなかなかマルチバイト圏を理解してくれない…)経緯を見てきたため、より高い信頼を得られるようぜひとも国内での対応力強化を期待したいと思っています。

 近くモニター版のリリース情報が提供されると思いますので、MacOSXをご利用の方はぜひ試してみていただければと思います。

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■au IS11SH / IS12SH 簡易レビュー
 fansfansのシャープ「AQUOS PHONE IS11SH」「AQUOS PHONE IS12SHタッチ&トライイベントに参加することができたので、両機種の簡易レビューを書いておこうと思います。イベントの定員は10名と狭い枠でしたが、それだけにSHARPの開発担当の方と直接お話する時間もとれ、とても面白い情報を知ることができ個人的に非常に有意義なイベントでした。両機種のファーストインプレッションはこちらの記事にありますのでぜひご参照ください。イベント参加後のレビューと比較していただくと変化がわかって面白いかもしれません。

 どちらの機種もCPUがかなり高速になっており、タッチ動作も良くホームの操作感も悪くありません。UIそのものは好みがあると思うので、ホームアプリなどは入れ替えた方が使いやすいケースはあるかもしれませんが、ほぼそのまま使っていけるかなと思いました。ここでは機種ごとの特徴的な部分のレビューと、両機種に共通でインパクトのあったものを紹介していこうと思います。

■IS11SH
 スライド式テンキーを特徴とする端末で、個人的にはHybrid W-ZERO3 (WS027SH)を彷彿とさせるので非常に興味深い端末です。一応メインターゲットしては女性を意識していてパンフレットもそうした装丁になっていました。WS027SHの実機を持ち込みIS11SHと実際に比較してみましたが、IS11SHの方が薄くやや幅広な感じでスライド時の使い勝手も含めてとても好感触でした。WS027SHとIS11SHは製造している事業所も異なり、WS027SHは奈良、IS11SHは広島で、現在のSHARPのスマートフォンの開発主力はガラケ部隊がそのまま移行した広島の事業部なのだそうです。残念ながらWillcom端末を手がけた部門はスマホ系の主力とは違う流れになっているようで、WillcomからSHARP製のAndroid端末が出てくることを期待していたのですが、少し難しいかもしれないなと思ってしまいました。

 IS11SHはスライドした場合でも戻るキーがハードキーで用意されていたり、タッチキーにも簡単に指が届くなど、使い勝手にかなり配慮されていることがわかります。ガラケには普通にある通話終話キーは存在しないのですが、これは10キーが主にメール入力用途で想定されているためで、Android携帯としてスライドしなくてもタッチ操作で通話できるのでハードキーはあえてつけなかったということでした。またイヤホンジャックもないのですが、こちらはスペース的な要因によるもので、イヤホンジャックの代わりにauからMicroUSB-イヤホンジャック変換のケーブル(IS06で付属していたようなもの)が別売りで提供されるようです。IS11SHには付属品としては付かないとのことでした。

 液晶がqHDでありながら3.7インチとスマホとしては小さめなサイズのため画面表示は非常に精細感があり、手持ちの720p動画を再生してみたところ素晴らしくキレイに見えて「おおっ!」とちょっと驚いてしまいました。大きめな画面で少し粗めに見えるより、小さめでも精細感のある画面の方が動画の満足度は高いのかもしれないなと思い直してしまいました。3D表示ももちろん可能ですが、3D表示の際に解像度が下がって見える問題はやはりこのサイズでも顕著で、個人的にはやはり2Dでしか利用しないだろうなと思いました。

 起動時間は以下のようになっています。CPUクロックの割に速い感じがありません。
 電源オン→2秒→Android auロゴ→37秒→AQUOS PHONEロゴ→24秒
 →au ICカード読み込み表示→3秒→ロック画面(合計約66秒)

 Androidのバージョンは2.3.3、カーネルバージョンは 2.6.35.7-perf nbproj@TG8Y0507 #1、ベースバンドバージョン 01.00.04、ビルド番号 01.00.04.R6160 release-keysとなっていました。日本語入力は iWnn IME – SH editionですがバージョンがわかりませんでした。日本語入力に追加で手書き入力が加わっていて、こちらは「MyScript手書き入力」となっておりバージョンが1.0RC3 shaとなっていました。

■IS12SH
 こちらは3Dカメラを搭載した一般的なスマホタイプの端末です。IS11SHに比べると角が丸い感じでやや重く大きく感じます。qHDで4.2の液晶はもちろんキレイなのですが、IS11SHほどの精細感が感じられないためむしろ普通に感じてしまいました。3Dカメラが一番の特徴になると思うのですが、3D自体にあまり興味がなくハードウェア的には他に個人的に魅かれる点があまりなかったので、ほとんどIS11SHばかりをチェックしてしまっていました。そのためIS12SHのレビューはあまり書くことがありません…。

 こちらにはイヤホンジャックがあるため音質は確認してみました。使用したヘッドホンは今回もVictorのHA-FXC71-Bです。手持ちのMicroSDと差し替えて試聴してみたところ、IS12SHはHA-FXC71-Bと相性が比較的良いようで、非常に聞きやすい組み合わせでした。音場はやや狭めですがボーカル等中音域がはっきり大きめに出てきて気持ちよく聴けます。低音は質的にやや軽い部分と低くしっかり出る部分のバランスが微妙かなと思うところはありましたが、量的には十分でやはり聴きやすいと感じました。これまで比較したiPhone3GS/ Xperia arc/ ISW11HT/ 001HTのいずれと比べても一番一般的に好まれるのではないかと思う聴きやすさだと感じました。

 起動時間は以下のようになっています。IS11SHとほぼ同じ感じです。
 電源オン→1秒→Android auロゴ→36秒→AQUOS PHONEロゴ→25秒
 →au ICカード読み込み表示→4秒→ロック画面(合計約66秒)

 Androidのバージョンは2.3.3、カーネルバージョンは 2.6.35.7-perf nbproj@TZ6Z1103 #1、ベースバンドバージョン 01.00.02、ビルド番号 01.00.02.R6160 release-keysとなっていました。日本語入力はIS11SHと同じです。

■DLNA対応
 両機種に共通で最もインパクトのあった部分は、実はDLNA対応にあります。SHARP製のアクオスTVとの連携でカタログ等に「スマートファミリンク」と名付けられている機能です。これはアクオスシリーズのTVやBDレコーダーに録画された番組を端末側で見ることができるというものでした。そうです、両機種はAndroidスマートフォンで初めてDTCP-IPに対応したDLNA機能を搭載しているということになります。こちらのDTCP-IP対応についてはカタログ等には一切表記されていませんが実は対応しています。Android端末初のDTCP-IP対応はセールスポイントになると思うのになぜカタログに表記しないのか確認してみたところ、女性向けのマーケティングだったりわかりやすさを追求したりということで細かい機能名は入れなかったということでした。実際のところはアクオスシリーズとしか動作確認していないということだったので、DTCP-IP対応と記載することで他メーカーのTV等と非互換になった場合のリスクヘッジなのかなと感じました。DLNA周りは実装により微妙なところがいろいろあるので表示してリスクを負うよりは、むしろアクオスシリーズ連携の便利さを追求することを選ぶのはマーケティングとしては当然のところかとは思いました。

 使用する際にはファミリンク用の専用アプリを起動して利用することになるのですが、skifta等のDLNAアプリのように汎用のUIデザインではなく、明示的にアクオスとの接続を意図した画面デザインになっているので、アクオスTVがないと使えないんじゃないかと思ってしまうような感じになっています。実は中身はDLNAなので(おそらく)他のDLNAサーバにも接続できると思われます(実際その場では時間がなくて他のDLNAサーバとの接続テストまではできませんでした)。

 送受信するデータはmpeg2だということだったので、送受信時のデータ量が多くなってしまうはずのところどう対処しているのか確認してみました。TVから受信する場合はファミリンクのネゴシエーションの中で端末側のqHDの画面サイズを認識しそのサイズに合わせたデータを送信するようにしているので、データが少なく安定した送信ができるのだということでした。それでも無線LANを使うためやはり電波状況が悪いとうまく表示できない場合はあるとのことでした。端末内の動画をTVで表示する場合には、なんと端末側にトランスコーダーが搭載されていて、端末内でmpeg2にトランスコードしてTVに送り出しているそうです。高いスペックのCPUを搭載できたからできることだと話されていました。トランスコードして再生可能なフォーマットまでは確認できませんでした。

■メール関連
 両機種に共通でインパクトがあった部分でもうひとつ、メール関連の機能拡張があります。「速デコ」という機能はメール作成時に本文をスクリーニングして本文の内容に合ったデコレーション(背景や絵文字を挿入)を自動で行ってくれるというものです。余計なお世話という気もしなくはないのですが、技術的に面白いのとスマートフォンの機能としてはなかなか思い切った感じだったので印象に残りました。また「自動再送信/送信予約」という携帯だからこそ欲しい機能も追加されています。自動再送信はメール送信時に電波が悪くて遅れなかったりした場合、後で自動で再送してくれる機能。送信予約は日時指定してメールを送信できる機能です。スマホにあったらいいなぁと思ったことがあったので、これはちょっとうらやましくなりました。

■OSアップデート
 今回他キャリアも含めて非常にギミックに凝った端末を多数展開されているので、今後のAndroid OSアップデートに追従できるのか、開発担当の方に直接伺ってみました。すると「2011春夏モデル以降であれば、OSのアップデートを意識して設計しているので原則的には大丈夫なように作っている。ただOSアップデートはSHARP単体では決められずキャリア等が関わってくるので、アップデートを必ず実現しますとは言えない。」ということでした。IS03は微妙なところ、IS05以降は大丈夫そうという感じのようです。海外を含めて複数キャリアに端末を提供しているのだから、GoogleのOSアップデート保証ガイドラインにSHARPとして単独でも参加してはどうかと聞いてみたところ、「開発の立場としては参加したいと思っている」ということでした。Android端末は既にPCと同じくらいのセキュリティリスクを負っているため、アップデートが担保されることは非常に大きな意味を持つので、ぜひガイドライン参加を実現し、積極的なアップデート実現のためのキャリアへの働きかけをしてもらいたいと思いました。

■まとめ
 正直なところIS11SHは実際見て使って、自分でも欲しいなと思うようになりました。パンフレットが女性向けなデザインオンリーになっているのがちょっと残念に感じるくらいです。主に経済的な理由で購入はできませんが、オススメできる端末だと思います。docomoのパレットUIみたいなものを加えたらもっとガラケぽい販促もでき、女性向けに売れるのではないかと感じました。IS12SHについては3Dに興味がないと、ハード的には突出したものがなく電池容量も決して多くない(むしろ少ない)ため、あまり選択されない端末になってしまうかもしれません…。(ちなみにSHARP製の端末はなぜ電池容量が少ないのか質問してみたところ、自社で電池を作っていないため設計の自由度が低い&コストが高くなるからというちょっと悲しい答えが返ってきました…orz)

 イベントでは入場時にIS11SHとIS12SHをそれぞれ1台ずつ手渡され、自由に利用できるようになっていました。本体のみだったため、パッケージや付属品についてはそこでは説明はありませんでした。MicroSDは試験用の2Gのものが始めから挿入されていましたが、参加者向けに8Gメモリが別途提供されており、実機で写真を撮影し持ち帰る場合にはそちらと差し替えて使うようにと説明されていました。イベント前半はSHARPの開発担当の方の説明があり、ケータイWatchの編集長さんの話を挟んで、アクオス連携のデモ、その後自由な質疑応答などと続きました。都合約二時間、全体的に人数も少なかったことで非常に和やかに進んでいたと思います。実機を触りながら話を聞いたり質問できたので、非常にわかりやすかったと思いました。今後もこうしたイベントがあればぜひ参加したいと思います。秋冬モデルにも更に新たな端末が提供されてくるようなので、SHARPのAndroid端末への取り組みには興味を持ってこれからもウォッチしていこうと思いました。

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■ASUS Eee Pad TF101 Transformer 簡易レビュー1
 本日予約しておいたASUS Eee Pad TF101 Transformerが届いたので簡単なレビューを書いておきます。とはいえ、ハードウェア自体は事前のメディアレビューでほとんど語られてしまっているので、DLNA関連と個人的な感想を中心に。TF101としてのメディアレビューでは個人的にはこちらのPCWatchのレビューが詳細でお勧めです。こちらのレビュー1は主にタブレット部分のレビューです。キーボード付きにした状態のレビューはレビュー2でお届けする予定です。(7/30追記 レビュー2は以下)

ASUS Eee Pad TF101 Transformer 簡易レビュー2
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1255

■ハードウェアの感想
 タブレット部はスペックで見るとそこそこ大きく初代iPadくらいに重いのですが、実機を持ってみると厚みもほどよくそれほど重い感じを受けないことに驚きました。普段使っているiPad2より気持ち重いかなと思いますが、重量配分や背面の加工のおかけで持ちやすいためかあまり負担感がありません。特に縦持ちの際のバランス感はiPad2よりも持ちやすい印象です。液晶はIPSだけあって非常に見やすく美しいと思いました。iPadと比べても悪くない印象です。タッチスクリーンの反応も悪くないしホームもさくさく動作するのですが、ガラス表面がやや指がすべりにくいようで、少し引っ掛かりを感じるのが残念です。保護フィルムなどで工夫をした方がいいかもしれません。スイッチやコネクタ類も十分使いやすいのですが、MicroSDスロットについては少し深めになっていて出し入れが少し不便に感じました。あまり取り出し等をしない前提の設計になっているようです。画面両サイドにあるステレオスピーカは高音はそれなりにキレイに出ていると思いますが、中低音がやはり厳しく非常に軽い音になってしまっています。セリフ等は比較的聞きとりやすいとは思いますが、長時間の動画視聴では少し疲れるかもしれません。スピーカが両側面下部にあるため、手持ちするとスピーカを手で覆ってしまうことになりやすいのが残念と言えば残念です。

■ソフトウェアの感想
 Androidバージョンは3.0.1、カーネルバージョン 2.6.36.3-00004-g069b8b5 android@Mercury #1、ビルド番号 HRI66.JP_epad-8.2.3.13-20110511でした。WiFiモデルなのでベースパンドバージョンの項目はありません。OSのカスタマイズは比較的少ないようですが、XOOM等に比べて戻るボタン等のデザインが変更されているなど細かいところでいろいろと手が入っているようです。ホームを含めた全体の動作感はXOOMと同等という感じです。日本語入力は標準でFSKAREN Ver1.4.2HAS01003が導入されており、組込みのため標準の設定画面では無効にすることができません。個人的にはタブレットとして利用した場合FSKARENのソフトキーボード画面は数字や記号への遷移がとても使いにくく(もちろん慣れの問題はあると思いますが)常用に堪えないと感じてしまいました。キーボードを付けた場合にはまた評価が違ってくるかと思いますが、タブレット中心で利用を想定する場合には別のIMEが必須だと感じました。

 ブラウザ等のレスポンスも良く、通常のブラウジングは非常に快適に操作できると思います。フォントも丸ゴシック系のものが採用されており、比較的見やすいと感じました。当然のようにFlash対応しているのでニコニコ動画も再生は可能ですが、コマ落ちが多く再生品質も決して高くありません。ここを期待している方は注意した方がよいと思います。縦持ちでブラウザを利用する場合、液晶比率が16:10のためやや横幅が狭く感じ字も小さくなるため年齢の高い方には少し辛いと思われる場合がありそうです。この辺りは4:3比率になっているiPadの方がバランスがいいと感じます。

■ローカル及びDLNA動画再生について
 例によってテストファイルを使って動画の再生試験をしてみました。DLNAサーバはMacOSX上のPlayback1.7.5。再生アプリはローカル再生はギャラリーアプリから標準動画プレイヤー、DLNA再生はTF101標準で導入されているDLNAアプリ「MyNet」での再生となります。mp4は全てWebOptimizedなファイルです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

MicroSDでのローカル再生
 F,G,H,Iは適切に再生可能。K,L,Mは再生可能だがコマ落ち激しい。他は再生不可
 何故かmp4なのにJのファイルは読込み不可になった MainProfileがダメ?
 D,E,N,Oを再生しようとした後はボリューム操作が不能になる

DLNA再生
 F,G,H,Iは適切に再生可能。J,K,L,Mは再生可能だがコマ落ち激しい。他は再生不可
 D,E,N,Oを再生しようとした後は他の再生がうまくいかなかったりボリューム操作が不能になる

 フルHDでもBaseline Profileなら確かに再生は可能だったので一安心。ただアクションバーがある関係でローカル/DLNAどちらも液晶画面全画面での再生とならないことが残念です。またちょっと驚いたのがaviやmkvを再生しようとした後にほぼ100%の再現性でボリューム操作が事実上不能になることでした。最大音量でfixされてしまうようでボリュームボタンでオフになるまで下げるしかなく、現在のところ元に戻すには端末自体を再起動するしかないようです。サポートされていない動画ファイルとはいえ、ちょっとこのバグはどうかなと思いました。せっかくの大画面タブレットなので動画再生可能フォーマットの拡大はぜひお願いしたいところです。

■まとめ
 動画再生面で若干の不満はあるものの、全般的なレスポンスは良く比較的使いやすいデザインになっていると思います。今回はタブレットのみでレビューしましたが、次回はキーボードを付けた状態でのいくつかの想定シチュエーションを前提にしたレビューをお届けしたいと思います。日本ではキーボード付きのパッケージのみ販売ということでXOOMはともかく、Acerのタブレットに対して価格面で若干不利な状況になっているようですが、個人的にASUSはノートPCやマザーボードやビデオカードなどでよくお世話になっているので、ぜひ国内でがんばっていただきたいと思っています。

※しばらくの間随時追記します

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■iPadスタンド iProp 簡易レビュー
 遂にフレキシブルアームを使ったiPadスタンド「iProp」が到着したので、実際使ってみた感想など。発売予告から実際入手できるまですごく長かった気がしますが、これは入手して良かったと思いました。とても便利です。若干工作精度が低いなど残念な点はありますが、それを無視できるほど個人的には利便性が高いツールでした。ということで簡易レビューをどうぞ。

 iProp公式サイト
 http://www.iprop.com/

■購入から着荷まで
・発表時に発売通知の登録
・何度がお知らせが来て5/24に発売の通知が!
・事前予約一切無しだったのは好感度アップ
・5/24に即購入 Paypalでの支払い
・Aspire Innovation, LLCでチャージされた
・公式サイトで現在も$79.95で発売中(通常価格は$99.95)
・オプションで3mのiPad充電ケーブル$19.95もあるけど今回はパス
・日本への送料はUPS $76.19
・オーダーと同時にiProp販売側とのコンタクトサイトが用意される
・Aspire Innovation, LLC名義のメールでID/Passが送信されてくる
・重要なお知らせはメールで通知が来てサイトへアクセスすることに
・購入後5/29に通知が来る
・海外の場合現地で税金がかかるかもしれないがキャンセルするか?とのこと
・UPSだと消費税がかかることがあるのは承知していたので問題ないと即答
・6/1に発送お知らせが来て着荷は6/5
・UPSからは消費税は請求がなかったので、合計$152.14。
・日本円でおよそ12770円。
・箱は結構大きく重いので送料にも納得

■組立てと使用感
・スタンド部とそれを台座に止めるネジの工作精度が低く取付けにかなり力が必要
・六角レンチはついているがハンドルなどを付けないと力加減厳しい
・最終的にネジ部がコンマ数ミリ台座から出るため完全フラットにならないorz
・完全に安定させるには台座底面にフェルトなどの工夫が必要
・iPad取付け部は初代専用に設計されているので、iPad2用スペーサーが付属
・スペーサーはウレタンパッドを両面シールでくっつける感じ
・シールの保護紙がはがれにくい
・iPad取付け部はアジャスタブル機構はないので完全にiPad専用
・iPad取付け部背面のスタンド接続部分のダイアルロック部が超固い…
・iPad取付け部の樹脂は弱そうなので折れないよう注意
・ダイアルロックを緩めてスタンド部と組み付けるが安定感は高い
・フレキシブルアームの操作感は固めでちょうどいい感じ
・iPad取付け後スタンド上で操作しても操作のしにくさはあまり感じない
・全高が1m程度なのでベッドサイドやソファでの利用に便利
・長期間使った際に取付け部の樹脂劣化とダイアルロック部の摩耗度合いが心配
・個人的には機構部分の安定感が高く満足
・台座安定感などは工夫で対処できるので問題ない

 個人的には非常に満足度高いです。これで工作精度が高ければ完璧なのにとは思います。最終的に12770円ということで、床置きiPadスタンドとしては安いとは言えない値段にはなってしまいましたが(本体より送料が高いとかw)、国内で販売されるようになればもう少しリーズナブルなお値段で入手できるようになるのではないかと期待して、ぜひ追加購入もしたいので国内販売されることを願いたいと思います。

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■au 2011夏モデルで気になったことメモ
 auの夏モデルをKDDIデザイニングスタジオで見てきて気になったことのメモ。なかなかに特徴のある製品の揃ったau夏モデルですが、個人的には強烈に欲しくて迷うというほどインパクトのあるところまではいかなかったので(WiMAXモデルに期待しすぎてたかも)、こちらもざっとまとめて気になったことをまとめておきます。展示されていたのは A01, IS11S, IS11CA, IS11SH, IS12SH, IS11T(モックのみ)です。その中でも既にIS11CAについては、かなり興味を持てたので単独レビューを書いていますので、そちらをご覧ください。

■SHARP iida INFOBAR A01
・展示は2Fで10台ほど?今回展示機で最も多数
・常に人がいて人気の度合いがよくわかる
・持った感じは予想外に軽く…安っぽい
・プラスチックな触感がすごく安い印象でちょっと残念
・ボタン類は存外に操作しやすい
・UIデザインは秀逸で動作も機敏(Metro UIよりは好み)
・設定などへ遷移する際に動作不安定感がある
・Androidの基本UIと異なるけどそれなりに使いやすい
・説明員さんが常に待機していて都度再起動をしていた
・なのにビルド番号にはrelease-keyの文字が…マジか…
・カスタム範囲広くちゃんとアップデート更新されるのか不安…
・地雷端末の雰囲気がひしひしと…

■SHARP AQUOS Phone IS11SH
・Hybrid W-ZERO3持ちとしては気になる端末
・ZERO3より薄くて使いやすいよ…
・本体の印象はまさにガラケー(ちょい厚めだけど)
・テンキー操作とAndroidOSはそれなりに使える(WM6はイマイチ…)
・テキスト入力フィールドに入ると方向キーで脱出できなかった…
・選択されている位置がわかりにくい場合が結構ある
・戻るボタンの位置が非常に使いやすい
・本体右下部の音量ボタンの位置は微妙(スライド開状態ならOK)
・画面サイズと解像度の関係で読みにくい字があるかも
・バッテリが少ないのが気になる
・EVOと同様に充電ケーブル挿してるとタッチ反応が悪い(Kスタの問題?)

■SHARP AQUOS Phone IS12SH
・docomo SH-12C相当
・ずんぐりした印象でちょっと重い
・背面のデザインはこちらの方がいい感じ
・IS11SHに比べると特徴に乏しいような…

■Sony Ericsson Xperia acro IS11S
・au独自アプリ以外docomoと大きな違いはなさそう
・カラーセレクトはdocomoの方が上手かも
・先にdocomoで見ているからかauっぽくないなぁと思ってしまった

■TOSHIBA IS11T
・モックのみ展示
・キーボードの印象は品質良さそうでEM-OMEのような感じ
・キーの間が離れていて打ちにくくはない
・Androidキーは大きさ変えた方が使いやすかったかも
・どのキーが何かちょっとわかりにくい

■NECカシオ G’zOne IS11CA
こちら参照

 ということで、SHARP製が半分を占める夏モデルですが、そのSHARP製は全てビルドがrelease-keyという文字列が付いていてびっくり。そう遠くないうちに発売されるんだろうなと思いつつ、こんなペースで製品出してて端末アップデートの維持管理大丈夫なのかとちょっと不安に思ってみたり。特にINFOBARはカスタマイズの範囲が広く、単純にホーム画面の置き換えではなく、一番よく使うUI部分を徹底的にカスタムしているので、Androidのバージョンアップに追従できるのかとても心配です。説明員さんが利用者が使い終わった端末をわざわざ再起動していることも何か不安を感じさせます。auでしか確認していないのですが、今回のSHARP製端末はどれも動作中に電源を長押しして表示されるシャットダウンのダイアログに、Android端末の標準にはない「再起動」のメニューが追加されています。前モデルにはなかったような…?個人的には再起動はよく使うので有り難いのですが、なんとなく「再起動が必要な端末」なのかなと不安な印象を持ってしまいました。IS11SHではそんな不安定は感じなかったので、利便性の向上ということで信じたいところです。Hybrid W-ZERO3持ちとしてはIS11SHを触ってみて、テンキーとAndroidが十分マッチしそうだなと思えたので、Hybrid W-ZERO3にもAndroid提供してくれないかなーと正直思ってしまいました。WM6は悲しすぎる…。

 今回IS11SHでも充電ケーブルを挿しているとタッチ反応が異常に悪くなっていたので、説明員さんにも確認してもらい改善をお願いしておきました。他の機種では起きていなかったのと、今回は他にあまりそのような事例を聞かないので、Kスタの電源環境かケーブルがあまりよくない(アースに不備があるとか)のではないかと思ってしまいました。発売前の端末をユーザが試せる貴重な場所なので、ぜひその辺りの設備的な不備であるならば早めに改善をして欲しいなと思います。

 IS11CAの記事でも書きましたが、夏モデルにおいてはAndroid端末の特徴づけという点でauは他社に先行しとても成功したと思っています。ただ特徴づけされた端末はOS等の更新の心配も同時に発生してしまうので、ぜひauもアップデート保証ガイドラインへの参加を実現してユーザへの安心感を提供した上で、今後とも他社とは一味違う端末を提供し続けて欲しいと思います。

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