■au IS04 KDDIデザイニングスタジオ版 レビュー
KDDIデザイニングスタジオでIS04の実機とIS05のモックが展示されたという話を聞いて、早速確認に行ってきました。IS04の展示にはIS03の時同様かなり力が入っていて、1Fと2Fで合計14台が展示されており十分な人数が同時に触れるようになっていました。IS05も2Fにモックが3台色違いで3色が展示されていました。この辺りはauの力の入れ具合が良くわかります。今回レビューするIS04は先行して発売されたdocomoのT-01Cと兄弟機となり、ハードウェアの仕様はほぼ共通で違いはクレードル対応しているかどうかくらいなので、ハード面についてはT-01Cのレビューも参考になると思います。実際触ってみてケース背面の質感(黒はマット、白はつるつる)やクレードル充電端子の有無くらいしか違いはわかりませんでした。そのためOSやソフト面について確認した部分を中心にレビューしたいと思います。
docomo T-01C 内覧会版 レビュー
http://blog.isnext.net/issy/archives/495
■ハードウェア
起動時間の測定をしているので書いておきます。
電源オン→2秒→電源ランプ点灯緑→6秒→Android auロゴ→14秒→防水警告→8秒→
REGZAロゴ→9秒→ICカード読み込み表示→5秒→ロック画面(約45秒)
T-01Cに比べてロック画面表示までの時間が若干長いようです。防水警告が長いのがちょっと意外でした。ただし、起動後は(メディアの読込み除けば)比較的スムーズに利用できるので、それほど気にはならないと思います。
■ソフトウェア(OS)
ファームウェアバージョン 2.1-update1、カーネルバージョン 2.6.29-rel ftml-android@ftml #4、ベースバンドバージョン 5011.1907.18、ビルド番号FEK100。T-01Cではカーネルにtoshibaの文字列が入っていましたが、こちらは富士通東芝モバイルコミュニケーションズの略称であるftmlに変わっています。docomoもT-01CのTVCMでT型番なのに東芝の名前をいっさい出さず富士通としか表示しなかったので、理由は不明ですが東芝色を消してしまいたいようですね。(東芝のノート型やタブレット型Android端末が不評なのを受けて影響を回避するためかもしれませんが…)
ホームにはauのOcean UIの他にオリジナルのNX! UI(IS04オリジナルと表示されます)も導入されており、起動時にはOcean UIが標準で動作しますが、ホーム切替アプリでNX! UIに切替ができるようになっています。NX! UIはT-01Cよりチューニングが進んだのか、Android2.1としては十分快適に操作できるレベルで仕上がっています。2.2の俊敏さまでは感じませんが追従性も良くフリックやタッチに非常に快適に反応してくれます。ただし画面全面のWidgetを表示する時には若干反応が落ちますので、使うWidgetは選んだ方がいいかもしれません。こちらのNX! UIならホームアプリはそのまま使ってもいいのではないかと思いました。アプリケーションの起動も十分快適です。如何にOcean UIが操作感をスポイルしているか実際利用されると実感できると思いますが、auはUIの戦略を早々に見直して2.2アップデートで方向転換を行うべきだと感じました。
日本語入力にはこちらもATOKを採用、Ver.1.0.0が導入されています。T-01Cと違っていたのは、電源オフ時に「公共モード」がなくなっていたこと。機内モードやマナーモードとは別に用意されているところが面白いなと感じたのですが、メーカーによる独自カスタマイズかと思ったのですが、どうやらdocomo仕様のカスタマイズだったようです。また、同期できるアカウントの設定がかなり増えていて、mixiプリセット、twitterプリセット、twitter、Facebookプリセット、コーポレート(Exchange)、YouTubeプリセット、Picasaプリセット、Flickrプリセット、Google(gmail)と、大盤振る舞いになっていました。
■ソフトウェア(アプリ)
展示機にはskypeやjibe、au one関連アプリがある程度入っていたので、この展示機はリリース版ですか?と説明員さんに確認したところ、やはりまだ開発途中でこれから修正が入る可能性があるとのことでした。実際auのイチオシであるはずのLISMOアプリが見当たらないので、LISMOアプリは入るんですよね?と軽く確認したつもりが、バックヤードに問い合わせされた上で、IS04の印刷物を持ってきてその画面上にLISMOアイコンがあるので入ると思いますがリリースまでわかりませんと説明されてしまいました…。auの最新アンテナショップとして、それはどうだろうかと…。
今回はカメラアプリも少し見てみたのですが、詳細設定に「グリッド線を表示」「デジタル補正」「自動タグ」「手振れ補正」など興味深い機能がありました。撮影音が結構大きくてびっくりしたので、こうした機能をいろいろ試すことはしませんでしたが、うまく機能すれば便利そうなものが多かったので、カメラアプリにはかなり力が入っていることを確認できました。また画質という観点で、興味のあったワンセグ表示でのREGZAエンジンのON/OFF時の表示品質の差を比べてみました。実際にONにすると確かにノイズが減って平坦な見やすい表示にはなるのですが、静止画面ではかなり有効ですが動きのある画面ではあまり意味を感じませんでした。正直…高画質というのはちょっと微妙な表現かなと思いました。
こちらにもDLNAアプリとしてデジオン社のDiXiM for Androidのクライアント製品であるDiXiM Playerが、サーバとしてはDiXiM Serverが導入されています。DTCP-IPに対応していないのが残念ですが、DiXiMブランドはiPhoneやアイオーデータ向け製品でDTCP-IP対応をしているので、ぜひREGZA TVとの連携のためにもアップデートで対応してもらいたいと思います。
ちょっと面白いと思ったのが「履歴消しゴム」というアプリで、通話履歴、連絡先、ブラウザ、Googleアプリ、その他、一括削除とメニューがあり履歴を個別アプリではなく、このアプリで一気に消してくれるようになっています。これはなかなか便利そうなので、ぜひ他機種でもマネしてもらいたいですね。
■まとめ
IS04は発売が遅くなった分、十分なチューニングをされているように感じます。もちろんT-01Cのフィードバックのおかげもあると思います。2.1端末として今発売されること自体は、Android開発における日本メーカーの周回遅れの実態を痛感せざるを得ないのですが、比較的良い完成度でリリースされると思いますので、IS04待ちの方はあまり失望されることはないのではないかと思います。
ただauのAndroidに対する本気度は今回少しばかり疑念を感じざるを得ませんでした。デザイニングスタジオの展示台数は多いもののメイン展示が1Fから2Fに移動しており、主力の展示とは感じられませんでした。実機を熱心に触っているお客さんも主にIS03を見ている人で、あまりIS04を長く触っている人はいなかったようです。またIS05のモックを確認する人もほとんどおらずで、たまたまそういうタイミングだったのかもしれませんが、IS03展示の時の熱狂ぶりに比べるとIS04/IS05に対してはずいぶん冷めた印象を持たざるを得ませんでした。IS06に至っては展示数も少ない上に他の機体が適切にWiFi設定されて快適なブラウジングを体験できるようにしてあるところ、WiFi設定がされていなかったりしました。一番残念なのは上記の例のように説明員さんの習熟度合もまだまだのようでIS04の質問に対して満足な解答はあまり得られないという状態でした。デザイニングスタジオはマーケティング目的の場所なので、技術に詳しくなくても仕方ない面はあるかと思いますが、何でも質問してくださいと言われて質問すると、その度バックヤードに問い合わせしやや要領を得ない回答をされるのでは、質問する側の気も失せるというものです…。最先端のマーケティングスポットがこのような状態ではやはり本気度が疑われても仕方ないのではないでしょうか…。IS04の販売予定時期は2月中旬以降ということでしたが、発売後のアップデートも含めてぜひとも国産ブランドの端末を安心して購入できるよう、auの本気を見せ続けてもらいたいと思います。
ちなみにIS05のモックですが、とてもコンパクトで手の収まりが良く、片手親指でほぼスクリーン全体に容易にタッチができそうな印象でした。早くホットモックを使ってみたいと思わせるサイズと形でした。噂通りCPUがアップグレードされるとなると、最強売れ筋端末になるのではないかと思います。こちらにも期待したいと思います。
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