■UL20Aに Ubuntu 11.10 をインストールしたメモ
 Ubuntuの11.10が本家でリリースされたのでインストールしてみたメモ。今回は32bit推奨とあまり強くは書いてないようだったので64bit版を選択してみた。以下やってみたことを箇条書きに。

■インストールまで
・MacOSXのChromeでubuntu-11.10-desktop-amd64.isoをダウンロード
・ダウンロードしたisoをunetbootin.appでUSBメモリに書き込む
・USBメモリをUL20Aに挿してUSBメモリからブートしてinstallを選択 簡単w

■インストール
・USBメモリからブートしたら後はいつもの通り画面の指示に従うだけ
・今回もHDD全体を使って新規インストールに
・インストーラデザインが全体的にキレイになってる気がする
・インストール中にアップデートダウンロードと3rdパーティ製ソフトのインストールにチェック
・日本語設定も問題なく可能 簡単w

■インストール後やったこと&気付いたこと
・日本語フォントが貧弱 古い明朝体のまま
・システム設定の外観からフォント設定とかの項目が消えてる…
・Ubuntuソフトウェアセンターでフォントを選択するも何も出てこない…
・仕方ないのでaptでフォントを追加
 $ sudo apt-get update
 $ sudo apt-get upgrade
 $ sudo apt-get install fonts-vlgothic
 これで日本語がキレイに表示される(VLGothic好きなのでw)
・フォルダ表記を英語に変更
 $ LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update
・コマンドラインからsshの導入
 $ sudo apt-get install ssh
・日本語入力用にMozcを導入
 $ sudo apt-get install ibus-mozc
 メニューバーのキーボードアイコンから再起動メニューを選択
 再起動後、同設定メニューを選択
 インプットメソッドタブを選択し、インプットメソッドの選択から日本語→Mozc選択
 追加ボタンを押して、Mozcを追加
 追加されたMozcを選択して上へボタンを押して太字になったことを確認
 閉じるボタンを押す
 キーボードアイコンからMozcを選択すれば日本語入力可能になる
・標準ブラウザはFirefox 7.0.1!さすが!
・標準メーラーはThunderbird 7.0.1!さすが!
・Synapticは標準インストールされないのね…
・Ubuntuソフトウェアセンターなんだか使いにくいというか使えないヤツというか…
・とりあえずSynapticは追加
・Ubuntu Tweakもないね…
 0.6のベータ版はここから入手可能、11.10でも動くらしいがちょっと様子見
・なんとなく11.04に比べて完成度低い感じがしたりしなかったり…うーむ

とりあえずここまで
随時追記します

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■Viber 2.1遂に連絡先平文送信を変更
 本日ViberがVer2.1になったということで改めて登録プロセスをキャプチャして、送信内容の確認を試みてみることにした。結論から言うと、これまでTCP4244宛てに平文で送信されていた自端末に保存された連絡先情報は暗号化されたようだ。以下キャプチャで確認できたことを箇条書きにて。

・確認したのは実装が後追いになっていたAndroid版
・001HTにてアプリ起動から登録完了までをキャプチャ
・001HTの連絡先には自番号他ダミーデータを登録
・通話試験は未実施
・登録方法はSMSによるパスコード受信
・Version表示は2.1.0
・登録時の最初のsecure.viber.comへのアクセスはhttps
・電話番号送信はhttpsで送信される
・SMS受信待ちになり受信すると自動でパスコード入力してactivate
・activate後、aloha.viber.com宛てTCP5242へ接続
・認証情報を送信するサーバ情報を受けとる(と思われる)
・指定されたサーバに認証情報をTCP4244で送信する
 これまでのプロセスだとここで連絡先情報が平文で送信されている
 今回は4244の通信内容はSSLではないものの暗号化は実施されているようだ
 少なくともただのBase64エンコードだったりはしない
 暗号強度は不明だが平文で簡単に見られるようになってはいない
・登録完了後viberの電話帳を開いたりいくつかメニューを操作してみた
・viberを終了させてキャプチャも終了

 Viberリリースからかなり長い時間がかかったが、やっと登録時の通信内容が平文のままという恐ろしい状況は改善されたようだ。iPhone版もおそらく同様の改善がされていると推測できる。実機テストがすぐにできない状況なのでここでは割愛。残念なのはアップデートのリリース文にはこうした対応について何も書かれていないこと。実は海外でも平文で連絡先が送信されてたこと、送信先がamazon EC2のサーバ上だったことに気付いていた人は多くなかったかもしれない。むしろ書くことで平文だったのか!とクレームになることを避けたようにも見える。この辺りは誠実さに欠けるという見方もできるが、まぁとにかく約束は果たされたということで、個人的にはやれやれという感じ。明らかな不安材料はひとつ消えたということで、後はViber社が宣言の通り誠実に会社とシステムとポリシーを運用してくれることを願う。

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■スマートフォン対応検疫システムCounterACT + NetAttest LAP
 ITPro EXPOで興味深い製品を見かけたのでメモ。エージェントレスでスマートフォンの検疫システムを構築でき、多拠点型のビジネスモデルでも比較的導入コストを低く抑えられそうで、以前在籍した会社に導入したいなぁと思われたので要点を箇条書きにて整理しておく。

CounterACTは検疫+IPSの組み合わせで動作する
・スマートフォンの検疫はMACアドレスベース
 →PCはOSやAntiVirusなど詳細な条件設定可能
・デバイスの識別はHTTPヘッダ上のUser-Agent
・インライン設置でなくミラーポート設置でOK
・CounterACTのみでは同一セグメントしか検疫できない
 →L3スイッチのARPテーブルの参照やARP・NBT・DHCPリレーの監視等他機器連携で可能だそうです
  関係者の方から訂正をいただきました、ありがとうございます
・今回のケースでは他セグメントはNetAttest LAPをCounterACT連携させて検疫を可能に
・CounterACTが検疫ルールを一元管理
・NetAttest LAPは自管理セグメントの端末検出時にCounterACTに通知
・CounterACTの応答に対応してNetAttest LAPが接続を制御する
・検疫をパスしても不正なパケットはIPS機能で遮断可能という2重防御
・通常IPSは外部からのアクセスに対して設置されることが多いがこれは内部通信向けを想定
・社内でウイルス感染した端末が不正通信を行った場合に検知可能
・対象端末の通信の遮断や遅延(ハニーポット機能あり)をさせることが可能
・ActiveResponse機能はなかなか面白い
・業務システムがDC集中で拠点が多数分散しているようなケースで非常に有効
・NetAttest LAPは小型のアダプタサイズのアプライアンスで非常にコンパクト
・小さい拠点でも設置に困らない←重要
・NetAttest LAP自体もインライン設置でなくミラーポート設置でOK
・5年前に存在していたら当時在籍の会社に即導入提案してたな
・1000ユーザ導入&3年間維持コストで800万くらい?w
・説明員さんが今は亡きリコース社のManHunt IDSを知っててびっくりした
・その説明員さんがこのblog読んでて更にびっくりしたw

 過去にManhunt IDSを在籍企業で導入していた時には、インターネットからのアクセス部分と社内から社外へアクセスする部分の両方を同時監視できるネットワーク構成にして最小のライセンスで運用可能にし、IDSの機能をフルに活用する工夫をしていたが、この場合多数ある拠点とDC間におけるWLAN通信監視が事実上行えず社内側に一部リスクを残す構成になってしまっていた。今回のこの仕組みがあれば全拠点で各セグメント単位にデバイスを配置し、制御は1ヶ所で集中できることから、社内側ネットワークの監視レベルが高く維持でき、比較的運用的にもコスト的にも抑えられそうな印象があり非常に興味をそそられた。少人数の拠点が多い企業では目の行き届かない部分も多く、こうした仕組みは非常に有効だと思われる。エージェントレスなのでキッティングも不要。httpのヘッダが必要という部分はやや気になるが、Untangleのような無償利用可能なUTMのCaptive Portal Webと組み合わせるなど必ずhttp通信を必須とする環境を作ることで対応は可能だと思われる。CounterACTが更に小さくなればサーバラックのない中小企業でも容易に導入できると思うのでぜひコンパクト化を期待したい。

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■国内向けWindows Phone 7.5対応予定端末管理(MDM)製品メモ
 本日から行われているITPro EXPOにおいてWP7系に対応予定としている端末管理(MDM)製品をいくつか確認したのでメモ。一部製品を除いてあくまで対応予定であり、実際の機能の詳細や提供時期などは多くが未定。以下も合わせてどうぞ。

 法人向けWindows Phone 7端末管理(MDM)ソリューションメモ
 http://blog.isnext.net/issy/archives/1450

・AirWatchデータコントロール社
 既に海外で実績がありWP7用専用アプリも提供されている。国内ではデータコントロール社がローカライズ等を担当し、SaaS型サービスとしてキヤノンITソリューションズ社からサービス提供されることも発表されている(2012年2月より)。専用アプリAirWatch Agent(Ver1.1.0.0)は日本でもMarketplaceからダウンロード可能。ただしこのバージョンでは日本語化はまだされていない。管理コンソール側は日本語対応済み。iOS・Androidにも対応しており、アイコン表示で管理可能な項目が一覧でき非常にわかりやすい。管理コンソールのUIが良くできているので導入もあまり難易度は高くないと思われる。残念ながらWP7.5端末で管理できる項目はiOSやAndroidに比べて少ないということだが、Exchange 2007相当のActiveSyncプロトコルによる端末制御よりは、専用アプリを入れる分だけのメリットがあるはずなので、現在その詳細について問合せ中。

・Optimal Biz for MobileOPTiM社
 Android向けMDM製品として知名度のあるOptimal Biz for MobileもWindows Phone 7.5の対応を予定。Optimal BizとしてはWindows PCは既に対応済みだが今後MacOSXやLinuxにも対応するとのこと。Androidで特徴的な端末画面転送型サポートを可能にするOptimal Remote及び独自キッティングツールについてはWP7.5対応は未定。キッティングツールはぜひ対応してもらいたいが難易度は高そう。

・FENCE-Mobile RemoteManager富士通ビー・エス・シー社)
 Android向けのMDM製品であるFENCE-Mobile RemoteManagerも現在Windows Phone 7.5対応に向けて開発を進めているとのこと。IS12Tがリリースされているわけでぜひがんばってもらいたい。WP7.5端末のハードウェアとソフトウェアの一番近いところで製品開発できるアドバンテージを活かせるかが鍵になりそう。Android端末向けにはSD暗号化ツール FENCE-SVP for Androidや専用キッティングツールを開発していたり、無償アンチウイルス製品のViRobotと提携するなど活発な動きが行われているので、こちらの充実にも期待したい。

 ITPro EXPO会場ではMDMツールの紹介をしているスペースをそれなりに見つけたが、多くがiOS・Android対応止まりで、見落としはあるかもしれないがWP7.5について確認できたのは上記3社だった。事実上AirWatchがサービスも可能な状態になっており一歩先んじている。AirWatchはお試しも用意されている(海外のみ、国内版はまだ未提供の模様)ので、比較的必要な機能が試しやすいというメリットもある。月額運用の価格差もつけにくいところなので、国内勢はサポート面やキッティングサービスなど日本向けサービス部分も並行して取り組むことで総合的な導入環境支援での差別化が必須になるように思われる。今後の動向に注目しておこうと思う。

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■HTC Radar UK版 レビュー
 予約してあったHTC Radar UK版が届いたのでOMNIA7やIS12Tと比較などしながらレビューしてみたいと思います。HTC Radarは同時発売のTITANと同様にWindows Phone 7.5 Mangoを最初から搭載し、前面カメラ+テザリングをサポートして発売された世界初の機種ということになります。IS12TはMango搭載は世界初でしたが早いリリースに合わせるため新しい機能の一部が間に合わなかった(もしくはauが不採用にした)ため、残念ながら前面カメラ+テザリングは搭載されていません。今後登場予定の機種スペックを見る限りMango端末としてはHTC Radarは標準仕様ということになると推測されます。(テザリングはキャリアにより採用されない可能性がありますが)

■ハードウェア
 注文したのはWhiteモデルだったのですが、到着したのはGraphite。Twitterなどを見ている限りどうやらHandtecに入荷したのは全てGraphiteになっているようです。製品の箱にはカラー表記がないのでWhiteは無しになったのでしょうか?(…他社ではWhiteが販売されているのでHandtecの事情のようですorz)そのGraphiteですが一目見た感じはNexusOneかと見まごう印象でした。すごく親近感を感じますw 背面までアルミボディになっているRadarの方が高級感はありますが、大きさや重さも比較的近いのでとても馴染みました。液晶パネルはWP7.5の仕様に沿って800×480の3.8インチと、最近のAndroidの高解像度化競争とは一線を置いてプラットフォームを堅持しています。OMNIA7の有機ELと違って輝度や発色は控えめなものの精細感があり(OMNIA7と比較して)とても美しく感じます。タッチの反応は上々。OMNIA7よりも俊敏でやはりIS12T同様にスクロールが早く快適に使える印象です。液晶下には左から戻る・スタート・検索のタッチ式ボタンが並んでおり、Androidのように機種毎に並びがバラバラということもなく、安心してボタンを操作することができます。

 ボタン類も仕様に沿ってシンプルで、上面には左からヘッドホンジャック・電源ボタン、下面にはマイク穴のみ、右側面には上からボリュームキー・シャッターキー、左側面には下の方にMicroUSB端子があります。クレードルを使うことが想定されているため、クレードルと接続するMicroUSB端子のある側面には他の端子はありません。個人的には左側面にボリュームキーがある端末(iPhone,OMINIA7,NexusOne,001HT)に慣れていたので、ちょっと使いにくさを感じています。背面上部には500万画素背面照射型CMOSのカメラとLEDフラッシュ1灯があり、その横にスピーカがあります。スピーカが結構音が大きく比較的ハッキリしたいい音で聴こえるので少し驚きました。上下にあるアルミ以外のパーツ部分は樹脂製のマットでややしっとりした感じの手触りですべりにくくなっており、OMNIA7の数倍持ちやすいと思いました。IS12Tと比べるとやや重さを意識しますが、持ちやすいのであまり気にはなりません。

 カメラはF2.2+背面照射型CMOSだけに室内でも非常に明るく撮影することができます。フラッシュオート設定での夜間室内でもフラッシュがあまり使われません。また28mm相当と画角が携帯カメラにしては広いので室内撮影でも広く撮れ便利だなと思いました。OMNIA7も画角は広い方で良かったのですが、Radarはそれよりも更に広く感じます。惜しいのは色が非常に薄いというか落ち着いているというか色ノリがイマイチなので、補正が必須かなと思われるところです。それを意識してか、Radarには標準でPhoto Enhancerという写真加工用ソフトがインストールされており、撮影した写真にエフェクトをかけられるようになっています。ただできることは限られるので、しっかり修正したい場合にはPC側で取り込んで作業する方がいいと思われました。撮影時のAF速度は快速です。シャッターボタン半押しで合わせて更に押し込んでシャッターを切るか、画面タッチでAFが動作しシャッターが切れます。シャッターを切る直前で一旦ボケたりするのでドキドキしますが、ちゃんと撮影されたものはピントがあっているので問題ありません。パノラマモードやバースト(連写)モードがなかなか面白いです。前面カメラの方はスペックが見つけられなかったのですが、普通の30万画素くらいの印象でややノイズも多い感じです。

 起動時間は以下のような感じです。WP7端末らしく非常に快適ですね。
 電源オン→3秒→白画面+HTCロゴ→15秒→Windows Phoneロゴ動画→6秒→メイン画面(合計約24秒)

■ソフトウェア
 Androidのようなスタート画面アプリ自体のカスタマイズの権利がそもそもないので、スタート画面はテーマのみカスタマイズされていました。標準ではグリーンのタイル+飾り枠付きの写真アイコンの組み合わせでhtcというテーマ名になっています。さすがHTC細かいところで差別化してきています。Settingメニューに入ると独自項目がいくつか追加されていて、OMNIA7と比較すると増えた項目は Internet Sharing(テザリング)・easy of access(TTY/TDD設定)・attentive phone(音量調節系)・camera modes(カメラ設定へ誘導)・sound enhancer(SRS等イコライザー設定)・SIM applications(SIM入れてないので未確認)という感じです。個人的には音声系の調整項目が増えているのと、イコライザ機能がまさに欲しいと思っていたので嬉しかったです。

 システムのバージョンは以下のようになっていました。
  ソフトウェア:Windows Phone 7.5
  OSバージョン:7.10.7720.68
  ファームウェアリビジョン番号:1600.2200.10803.401
  ハードウェアリビジョン番号:0002
  無線ソフトウェアバージョン:16.23.02.09_2_16.24.00.23U
  無線ハードウェアバージョン:2.102.0.D4
  ブートローダーバージョン:1.8.160015.3(131745)
  チップSOCバージョン:1.6.0.0

 HTCが独自導入しているアプリケーションとしてはDLNA対応のConnected Media、3G接続設定を行うらしいConnection Setup、Flashlight、日本語ヘルプにつながるHelp+How-to、天気予報・ニュース・HTC専用アプリ等を表示するHTC Hub、映画のプロモを見られるHTC Watch、位置情報を記録するLocations、メモを書けるNotes、写真にエフェクトをかけるPhoto enhancerという感じです。端末起動直後の初期設定(ネットワーク未接続状態)の途中でHTCアプリのインストール工程が入るため、WP7.5のOSとは別に専用アプリのインストーラがメモリ内に用意されているようです。ちなみに設定でregion+LanguageをDisplay Language以外はjapaneseに設定可能で、ブラウザの日本語表示や日本語入力等は問題なく利用可能です。またこの設定状況でMarketplaceにおいて日本語アプリがちゃんと表示されていることを確認しています。残念なのは日本語のフォントはあまりキレイではありませんOMNIA7はMangoアップデートでフォントがキレイになったのですが、新しいフォントはRadarには含まれていないようです。【追記】日本のWindows Live IDで設定し直して1日経ってから再起動したら日本語フォントがキレイになっていました。最初OMNIA7で使っていた英国IDだったので設定が適切でなかったのかもしれません。IE表示で比較してみたところ現在はIS12Tと同等表示になっているので、Mango用にビルドされたアプリであれば設定次第で適切な日本語フォントで利用することができるようです。

 ヘッドホンジャックの音質も確認しています。いつものVictorのHA-FXC71-Bを接続して聴いてみたところ、最初モコモコして低音ばかり強調されたひどい感じだったのですが、RadarではデフォルトでSRSエフェクトが有効になっており、設定→sound enhancerでMusicの設定をNo effectsに変更することで、ヘッドホン向けの音質で聴くことができました。001HT同様どうやらRadarもHA-FXC71-Bと相性はいいようで、しっかり芯のある低音と繊細でやや硬質さを感じさせる高音、センターで存在感を出すボーカルがとてもバランスがいい感じです。RadarではIS12TやOMNIA7に比べると低音がしっかり出ているのでより聴きやすい印象です。WP7系端末はIS12TやOMNIA7(Mango)とも共通して左右のセパレーションがしっかりしていて包まれるようなステレオ感がとてもよく出ているのと、ボーカルを含めた中〜高音がクリアで艶がある感じがしますね。この音に慣れるとiPhoneにはちょっと戻れないなと思います。MDR-7506などで聴くとボーカルのサ行がちょっと強く耳に痛い感じになることもありますが、HA-FXC71-Bでは全く気にならず、すごくバランスがいいのでかなりお気に入りです。実際のところイコライザー設定はありますがほとんど使わないで済みそうです。

 例によってテストファイルを使って動画の再生試験をします。DLNAサーバはMacOSX上のPlayback1.8.1。DLNA再生はConnected Mediaでの再生となります。mp4は全てWebOptimizedなファイルです。

ファイル:
  A) AVI DivX502 mp3 640×480.avi
  B) AVI H264 mp3 640×480.avi
  C) AVI Xvid Mp3 640×480.avi
  D) MKV 1280×720 x264 AAC.mkv
  E) MKV 1280×720 x264 AC3.mkv
  F) MP4 w BP3 480×270 H264 AAC.mp4
  G) MP4 w BP3.1 640×480 H264 AAC.mp4
  H) MP4 w BP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  I) MP4 w BP3.1 1920×1080 H264 AAC.mp4
  J) MP4 w MP3.1 1280×720 H264 AAC.mp4
  K) MP4 w HP3 640×480 H264 AAC.mp4
  L) MP4 w HP3.1 1280×720 AAC.mp4
  M) MP4 w HP4 1920×1080 H264 AAC.mp4
  N) WMV 24fps 640×480.wmv
  O) WMV 60fps 640×480.wmv
 ※mp4の略号 BP=Baseline Profile MP=Main Profile HP= High Profile 数字はLevel

DLNA再生
 F,G,H,J,K,L,N,Oは再生可能。720pまでのmp4はほぼ再生可能。
 1080pのI,Mは再生不可。wmvはどちらもOK。mkvとaviはサムネは表示するも再生不可。

 720pまでのmp4であればHPでもコマ落ち感なく再生できたのでDLNAプレイヤーとしては十分使えそうなのですが、残念なことに4:3/16:9どちらのコンテンツも横画面固定且つ縦幅に合わせたフル画面(等比拡大?)再生になってしまい、表示の切替などが全くできないのでちょっと微妙な感じです。4:3なら上下が16:9なら左右が必ず一部欠けることになるので気になるかたはいるかもしれません。Windows Phone 7 Connectorでは720p BPのmp4までであれば無変換で転送でき、Zune Softwareで再生する分には画面の表示切替も行うことができたので、気になる方は転送を利用されることをオススメします。ちなみに動画の音声にもデフォルトでSRSエフェクトがかかっているので、ヘッドホンで視聴する場合には設定でオフにすることをオススメします。

■まとめ
 さすがのHTC端末という感じでしょうか。やはり高級感安定感完成度が素晴らしいと思いました。ディスプレイ輝度に関してだけはOMNIA7の明瞭且つキレイな有機EL発光に魅力はありますが、Radarの液晶の精細感がその分を補ってくれるかなと思います。使ってみて非常に満足度の高い端末で、十分にメイン端末として使うだけのクオリティがあると感じます。個人的にはかなりお気に入りです。音楽再生の音質がとても気に入ったので当面通勤時の音楽プレイヤーとして利用することになりそうです。今回クレードルは購入しなかったのですが、USBの位置的に充電しながら使うのは微妙なので、何気にクレードルがあった方が便利そうだなと感じました。WP7系端末はまだauのIS12Tしか国内では話題がありませんが、Mangoになってかなり全般的なクオリティが上がって使いやすくなっていると思うので、日本のキャリアでももっと扱ってもらえるといいのになぁと素直に思います。マーケティングや販売教育など課題は大きいかなと思いますが…。とりあえずWP7には興味あるけどIS12Tはいろいろちょっと…という方はディスプレイ言語のみ英語になったままで良ければHTC Radarは価格も安いですし、開発機等として試してみるにはちょうどいい端末になるかもしれません。

【追記】Connection Setupは挿入されたSIMに合わせて自動でネットワーク登録を行ってくれるアプリケーションの模様。通話設定は自動でOK。APN設定を行ってくれるわけではないので、データ通信のためのAPN設定は別途「Settings→mobile network→add apn」で設定が必要。APN登録はAPN名、ユーザ名、パスワードのみでほぼOK。Androidのように細かい設定はできない。一応黒SIMとU300で動作までは確認。

【追記2】日本のliveアカウントだと日本語関連がフォント含めて適切に利用できるのはいいが、一部アプリがダウンロードできないなど不便も多い模様…本家Twitterアプリがダウンロードできないとかどういうこと…orz

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■au MOTOROLA PHOTON ISW11M レビュー
 ITmedia +D Mobile主催の「MOTOROLA PHOTON タッチ・アンド・トライ ブロガーミーティング」に参加してきたのでレビューを書いておきます。実はこの端末CEATECでももちろん見てきたのですが、こちらのイベントの予定が入っていたのであまり詳細にはチェックしなかったのでした。MOTOROLA社のプレゼンと合わせて実機にじっくり触り質問もできたのでとても良いイベントでした。

■ハードウェア
 手に持った第一印象は幅広でガッチリという感じでした。4.3インチqHDの大きな画面とそれを取り囲むメタルフレームが相当に強固でしっかりしたインパクトを与えてくれます。その割にひどく重く感じないのは背面カバーの樹脂素材のラウンドデザインと柔らかなマット感によるものかもしれません。手に馴染む感じですべって落としそうなこともなく、安心してホールドできると思いました。プレゼンにあった高級感まではパッケージングには感じませんでしたが、高品質であるとは思います。ディスプレイ自体は非常にキレイで視野角もとても広く表面反射もある程度抑えられているように感じました。タッチ操作の反応も安定感があり非常に好感触です。液晶周辺のメタルフレームが液晶面より少し盛り上がっているため、ホールド感は大振りな感じになってしまってるのですが、むしろ保護ケースを付けているかのような感覚で、ちょっと落としたくらいでは液晶面にはあまりキズがつかなそうな気がします。とはいえ素でそんな感じなので、ケースを付けたりすると女性の手には少し大きすぎるかもしれません。

 ディスプレイ下にはタッチ式ボタンが左から、メニュー・ホーム・戻る・検索と4つ並んでいます。本体の角が少し削れたようなデザインになっているためか、大きさの割に意外と操作しにくい感じはありませんでした。物理的なボタン類は本体右側面に上からボリュームキー・シャッターキー、どちらもボタンに筋がデザインされており使いやすい感じです。上面には左から電源・ヘッドホンジャック、右側面には上からMicroUSB・MicroHDMIとなっており、下部には背面カバーを空けるスキマがあるくらいです。比較的シンプルな印象ですね。ボタン操作も比較重め?でしっかりした印象でした。ISW11Mはクレードルが別途用意され、本体右側面のUSBとHDMI端子を挿入して利用できるようになります。後述しますがその状態でWebTopというMOTOROLAオリジナルのUIを利用することができます。

 バッテリーは1650mAということでスマホとしては大きめ、WiMAXテザリングで240分、3Gテザリングで210分という接続が可能になっているそうです。ただし通常待ち受け時間は210時間とちょっと短めで使い方によっては微妙なところかもしれません。カメラは背面800万画素・前面30万画素となっていましたが(注:当初200万画素と記載していましたがITMedia社よりカタログスペックの記載ミスと訂正メールをいただきました)、低解像度の割にはカメラ切替して前面カメラで表示された画面を見るとノイズも少なくキレイに見える感じがしました。CPUスペックの高さもあってか写真撮影時のAFも素早くスムーズに撮影が可能でした。ただしカメラで設定可能な項目は少なくオプションも少し寂しい感じで、カメラ重視の方には物足りないかもしれません。LEDフラッシュも2コ付きでスペックは悪くないだけにカメラ機能の向上はぜひ実現してほしいところです。

■ソフトウェア
 Androidバージョンは2.3.4,カーネルバージョン 2.6.32.9-00129-gd2042d5 w21120@zkr30Inxdroid20 #2、ベースバンドバージョン N_02.28.15P、ビルド番号 4.5.1A-1_KDI-92_LE-24となっています。ISW11Mに特徴的な項目としてシステムバージョン 45.1.24.ISW11M.KDDI.en.JPという項目と、WebTopバージョン WT-1.2.0-131_29という項目が追加されていました。日本語入力はiWnn IME Ver.2.1.4.jp-Moto-s03となっています。ホームも含めてUIはかなりカスタマイズされており、MOTOBLURというSNSやメールなどのコミュニケーションを統合するアプリと合わせてMOTOROLA製スマートフォンらしい味付けがされています。MOTOBLURについては他のレビュー等を参考にしていただくとして、個人的にはWP7のPeople HUBの方が使い勝手や見通し感はいいなぁと思ってしまいました。MOTOBLUR対応のおかげか、アカウントセットアップで登録可能なサービスは非常に多く、他機種ではあまり見かけないOrkut・LastFM・Photobuket・WindowsLiveなどが利用できるようになっていました。これはユーザには嬉しい部分かもしれません。

 カスタム面でちょっと面白かったのは、内部ストレージ16Gがアプリケーションストレージと内部ストレージに分割されていること。端末容量設定画面で別々に分かれて空き容量が表示されています。ちょっと見ると16Gじゃないの?って驚いてしまうかもしれません。おそらくWebTopの領域が更に別に確保されていると推測されます。また設定にあるアカウント追加メニューが単独アプリケーションとしても用意されており、アカウントという名前になっていました。バッテリーとデータ管理・HDMIなど独自設定メニューになっている項目もあり、使いやすくしようという努力が感じられます。アプリの名前も独自訳が多く、カムコーダーとかテキストメッセージングとか他のスマホではあまり見ない名前になっているものがいくつかありました。その中でも直球だなと思ったのはDLNAアプリで、まんま「DLNA」という名前でアプリになっています。実際の動作確認まではできなかったもののクライアント・サーバ・コントローラと3種類全ての役割が含まれているようです。UIが非常に残念で、必要最低限揃えました、とりあえず使えますという感じ。これについてはもうちょっと工夫してくれてもいいのにと思ってしまいました。ただ特徴的なところとして設定項目に「Xboxのサポート」という項目があり、明示的にXboxへのDLNA接続に対応しているようでした。

 さて、MOTOROLA端末でATRIXに初めて搭載され話題になったWebTopですが、今回ISW11Mに搭載されるに当ってUIやブラウザであるFirefoxが日本語化され日本語入力にも対応し、国内の利用者が問題なく利用できるように改良がほどこされていました。おまけ的位置づけで英語のままになるのではないかと思っていたのですが、UI自体は適切にローカライズされたことで一安心です。残念なのはWebTop向けに用意された各種Webアプリは英語のままということ。DropboxやCITRIXなどシンクライアント的に利用する上で重要なアプリは全て英語のままということで、ちょっと敷居が上がってしまうかもしれません。更にATRIXの頃から実装上心配だった「WebTop=Linux環境」のためセキュリティアップデートがちゃんと提供されるのか、安全のための実装が何か行われているのか」について質問をしてみました。ISW11MのWebTopに実装されているFirefoxは4.0.1でアップデートの予定は現在のところないそうです。WebTop内にアンチウイルス等のセキュリティ実装がされているかもわからないということでした。WebTop自体がUSでアップデートが提供されるようなら、日本でも対応していくが現在のところそうしたアップデートの予定はないとのこと。ARM環境で動くLinuxということで一般的なウイルス感染リスクは少ないと思うものの、比較的狙われやすいブラウザ環境がかなり古いバージョンのままで且つアップデートの仕組みが不透明というのは、ちょっと企業向けにどうこうアピールできる材料ではないのではないかと少し心配になりました。セキュリティ関係については調べてみるということでしたが、どのように公表されるのか興味深いところです(ITmediaの記事?)。とりあえずWebTopを利用しようとする場合には、必ずUTM配下の安全性の高いネットワーク内で試されることをオススメいたします。

■まとめ
 ISW11Mは質実剛健しっかりした拡張可能なハードウェア部分が最大の魅力かなと思いました。残念ながら動画のテストとか音楽の試聴とかもしてこれなかった(試験データ入ったSDを持っていくの忘れたorz)ので具体的な対応フォーマットまではわからないのですが、スタンド付きになっている&クレードルでHDMI出力を便利に利用できるようになっていることからも、メディアプレイヤーとして活躍する場面も多いのではないかと思います。専用クレードルは充電器・HDMIケーブル・リモコンもついて10/21に大手量販店経由8000円くらいで販売されるとのことなので、合わせて購入されるとISW11Mを利用する上でより活用の幅が広がることは間違いないと思います。クレードルにはHDMI1・USB3と拡張ポートがありますのでWebTopでPC的に利用することが容易になっています。一人暮らしでパソコンを占有して置く場所はないが大画面でブラウジングしたい場合などTV接続で活用できる組み合わせは魅力的になるかもしれません(ルータにセキュリティ機能必須ですが…)。HTC EVO ISW11HTが超低価格で販売されている状況下に投入されるので、購入する側も製品の特徴をしっかりと把握して、自身の利用シーンを具体的にイメージしながら選択できるといいなと思います。

【10/26追記】
なんかアクセスが増えたと思ったらITmedia記事からリンクしてもらっていました。イベント時の質問の回答があるのかなと思って確認してみましたが、WebTopのセキュリティに関する質問は記事では一切触れられておらずスルーされてましたorz リンクのために記事内容もチェックしていたと思われるのに、スルーされてしまったのは本当に残念。

 ブロガーイベントで分かった「MOTOROLA PHOTON」、本当の魅力 (2/2)
 http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/1110/25/news002_2.html

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スティーブ・ジョブズ氏訃報を聞いて

 本日スティーブ・ジョブズ氏の訃報がメディア各社で報道されました。iPhone4Sの発表の翌日に息を引き取られたということで、きっと発表の様子を見て安心できたんだろうなと思いました。おそらくiPhone4Sの発表の舞台に立った人達のほとんどがジョブズ氏の状態を知り、その上で発表に臨んでいただろうことは想像に難くありません。アップルの流儀に則り自信を持って恙なく行われた発表は、新しいアップルの強い結束の現れであったのだなと改めて感じました。少なくとも数年はティム・クック氏が安心してアップルを率いてくれるだろうと感じられました。

 私はビジネスパーソンとしてスティーブ・ジョブズ氏を最も尊敬しています。氏の体現した製品群にはとても多くの影響を受けました。コンピュータの本当の楽しさ嬉しさを教えてくれたMacintoshシリーズ、UNIXがどれほど可能性に満ちたプラットフォームであるか教えてくれたNeXTシリーズ、パーソナルデバイスの在り方を教えてくれたiPod/iPhoneシリーズ。どれも今の自分を形作るためになくてはならない一部であったと心の底から思うことができます。特に今仕事を支えている知識と興味と製品思想を与えてくれたMacintoshとNeXTを生み出してくれたことには感謝しかありません。今でもNeXTCube+Dimension Systemは大切に保管しています。そしてMacやNeXTが繋いでくれた人脈や交流は本当に得がたいものでした。

 氏の訃報を聞いても不思議と悲しい気持ちにはなりませんでした。来るべきものがきた、と感じるのと同時に前述のようにアップルは大丈夫なんだなという感覚を感じました。氏が世界に問いかけたコンピュータやソフトウェアの在り方はまだまだ氏のビジョンの一端しか実現できていません。これからも多くの方がその実現に向かって努力を続けていくのだと思います。IT業界に関わるものとして、人を助ける道具としてのコンピュータの理想に向けて、自分自身が受け取った感銘を忘れることなく、自身の信じる仕事に努力していきたいと思います。そうした姿勢こそが氏より学んだ最も大切なことだと思うので。

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■CEATEC: au ビジネススマートフォン EIS01PT 簡易レビュー
 fansfansの「最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2011」特別招待日にご招待!」に当選したので招待日にプレスとして参加してきました。auのスペースでWiMAX対応の新機種を一通り見たあと、はじっこの方でなかなか興味深いものを見ることができたので、簡単にレビューしておこうと思います。auは以前からビジネス向けに専用のカスタマイズを施した端末を作って法人向けに提供するというサービスをやっていたのですが、今回そうしたバリエーションのひとつとしてビジネス専用Androidスマートフォン EIS01PT が展示されていました。機体はMIRACH IS11PTとほぼ同じ仕様で防水防塵、ビジネス用ということでマットな黒のカラーリングになっており、少しごつい印象になっていました。OS的な特徴もIS11PTと同様で日本語・英語・中国語・韓国語・ポルトガル語の五ヶ国語入力対応となっており、ビジネスに使うという点でコンシューマモデルのIS11PTよりは、エンタープライズモデルのEIS01PTの方が他言語対応は活用されるかもしれないなと思いました。

 個人的に興味なくスルーしたIS11PTと同型機を敢えてここで取り上げたのにはもちろん理由があります。それはセキュリティのエンハンスメントが施されているからに他なりません。このEIS01PTは以前の法人向けAndroid端末管理(MDM)ソリューションメモの記事でも取り上げたKDDI 3LM Securityに対応した国内初の端末だからです。もちろんMDMアプリが入っているだけで取り上げるワケではありません。他のMDM製品と異なり、KDDI 3LM Securityのフル機能を利用できるようにするため、知る限り初めてOSレベルでセキュアカスタマイズされたキャリア販売モデルだと思われるからです。

 Androidのセキュリティということで上記のようにMDM製品などは存在しますし、アンチウイルス製品なども含め今となってはAndroid向けセキュリティアプリは特別なものではなくなっています。しかしながらアプリであるが故に権限上できないことも多く、本質的なレベルのセキュリティ機能(FirewallやPermission Controlなど)を実現するためには、DroidwallやLBE Privacy Guard、WhisperCoreのように、端末のroot化が必須だったりカスタムROMとして実装するしかありませんでした。今回Pantech社がKDDI 3LM Securityのフル機能に対応するためOSをカスタマイズしEIS01PTが実現したということになります。

 EIS01PTではKDDI 3LM Securityのアプリが導入されており、管理者により通常のMDMができることに加えて、アプリケーション単位でPermission制御が可能になっています。またSDのストレージレベルでの暗号化が可能になっている(暗号化されたデータが保存できるのではなく、ストレージ自体が暗号化されているものをOSがマウントできる)ことは非常に優れた特徴になると思われます。同様の機能はWhisperSystems社のWhisperCoreが実現しているとは言うもののGoogleから発売されたNexusシリーズに限定でカスタムROMとして提供されているに過ぎず、キャリアがサービスとして組み込んでいるわけではありません。今回KDDIがこうしたレベルのセキュリティ実装を自社端末として企画実装してきたというのは、やはりAndroidへの本気度を感じさせます(もうマルチMobileOS対応になっちゃいましたがw)。Pantech社のAndroid OS技術対応レベルが高いことはIS06の頃から言われていたこと(日本語化とかUIレベルは一部微妙でしたがw)ですが、今回の実装対応も非常に短納期で実現されたとのことで、セキュリティの面においても対応力が高いということのようです。

 Android端末を法人利用したい場合、特に個人情報系などセキュリティに厳しい要件をお持ちの法人にとっては、EIS01PTは非常に心強い選択肢になると思いますので、そのような仕事に関わっている方はCEATECに行ったらKDDIスペースの端の方を丹念に探してみてください。きっと説明を聞いてみる価値はあると思います。個人的にはWhisperMonitorのようなパーソナルファイアウォール機能もぜひ実装して欲しい&個人向けにも容易に利用できるような安価なサービスを提供して欲しいなぁと思います。

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■CEATEC: MVPen for iPad EN309i 簡易レビュー
 fansfansの「最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2011」特別招待日にご招待!」に当選したので招待日にプレスとして参加してきました。そこでPCwatchで紹介されてからというもの早く実機を見たいと思っていた「Smart Pen for iPad」が「MVPen for iPad EN309i」として3A60にて展示されているのを見て、大喜びで触ってきましたので簡単にレビューしたいと思います。

 iPad等で手書きしたい場合静電タッチ対応のペンを使えばある程度のことはできるわけですが、ほとんどの対応ペンが太い(仕様上やむなし)ため、実際に書いている部分がよく見えず違和感を感じることがありました。またマルチタッチの仕様上手を画面に置いてしまうと反応してしまう場合もあり、落ち着いて書くというのがやや難しい場合もありました。基本的にタッチ操作を代替するためのペンなのでそれで問題はないのですが、字や絵を書く場合にはやはりせっかくペンを使っているわけなので、手をしっかり安定させてタッチしている先の描画点をちゃんと見ながら書きたいと思うのが普通かなと思います。MVPen for iPadではこれまでのMVPenと同じように、ペン先の位置をiPadに接続したセンサーが関知して動作するため、タッチパネルを無効にしても動作させることができ、ペンを持つ手を画面に置いても誤動作することなく、ペン先を意識しながら操作することが可能になっています。

 実際に専用の描画アプリで書き味を試させてもらったところ、ちょうどGigabyteの912Xというタッチ対応ネットブックでArtRageを使った時のような感じでした。912Xは感圧式だったのでペン入力で使用でき反応もわるくなかったのですが、筆圧レベルの検出はできず、ネットプックなので描画反応はちょっと遅れる感じだったのですが、このMVPen for iPadもちょうど0.1〜0.2秒遅れる感じで等幅の線が書かれていくという感じで、個人的にはなんだか懐かしい感覚を覚えてしまいました。もちろん感圧と違ってとてもスムーズにあまり力を入れなくても書けるので、書いている感覚というのはかなり違いますが、反応の仕方が似ているという感じでしょうか。なぜ少し遅い反応になっているのか伺ってみたところ、位置検出して移動する筆跡を追いかけながら、ほぼリアルタイムでベクター演算してなめらかな線を書こうとしているため、ということでした。確かにMVPen for iPadで描かれる筆跡は912Xのように処理が遅延して遅い時に出るカクカクした線ではなく、非常に滑らかな美しい線です。気持ちゆっくりと字を書く時には遅延もほとんど気にならないので、この辺りは使い方で慣れるかもしれません。

 実際に書く時にはペン先が少し押し込まれる状態になるよう筆圧をかけて操作するため、まさにペンを利用している感覚で少し面白かったです。MVPen for iPadでは電磁誘導式ペンのように、センサーが常にペン先の位置を画面上に薄いドットで表示してくれるので、自分の書こうとしている位置の確認がしやすいと思いました。ただタブレットの仕様上ペンの当る画面表面と液晶画面の間にガラスが存在するため、ミリ単位で浮いている位置に書く感じになるので、ここも少し慣れが必要だなと思いました。展示機は液晶保護シートが貼られていない初代iPadでしたが、そのままでとてもスムーズに書けるので、むしろ摩擦係数がかわる保護シートは注意して選ぶかいっそない方がいいかもしれません。

 現状では専用アプリでしか動作しないそうで、専用アプリではアプリの操作パネルはタッチが有効になっています。メモや方眼紙などの用紙が選べ、簡単なビジネス用途としても十分な使い勝手になっていると思いました。本当に罫線に合わせてストレス少なくメモを書いていけるので面白いです。カメラロールの写真やカメラから直接撮影画像を下絵として取り込むこともできるので、PaparCameraのような写真のスケッチ化フィルターなどと組み合わせて使うとかなり楽しいことができると思います。ArtRageやPainterのような絵を描くようなアプリは作らないのですかと質問したところ、すぐには難しいが可能であれば対応していきたい(APIの公開等も含めて)とのことでした。そのためには十分な量のMVPen for iPadが売れないといけないですねw

 MVPen for iPadの発売は11月ごろ、価格は1万円くらいに抑えたいということでしたが、まだ詳細は未定ということでした。大きなロットで販売できれば8000円くらいまでにはなるかもしれないということで、人気が出てくれるといいなぁと思います。販売は当面専用Webストアからのみになるということだったので、実機をお手軽に確認できる機会は少ないかもしれません。お試しできる機会があれば躊躇無く参加されることをオススメします。

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■CEATEC: DTCP-IP対応アプリ sMedio True Link+
 fansfansの「最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2011」特別招待日にご招待!」に当選したので招待日にプレスとして参加してきました。そこで国内では第3勢力となるであろうDTCP-IP対応のDLNAアプリ sMedio True Link+ を見てきたので簡単にご紹介します。

 CEATECでは1A05スペースでDLNA関連展示が行われており、DiXiM PlayerのDigiOn社やNetfront Living ConnectのACCESS社などがAndroid製品等を展示していましたが、その中にsMedio社という耳慣れない社名で東芝製Androidタブレット上でDLNAアプリが展示されていたので、気になって少しお話を伺ってみました。

 東芝製タブレットAT300/24Cで動作しているDLNAアプリ sMedio True Link+ はこれまでのどのDLNAアプリとも違ってメディアプレイヤーとして非常に美しいインターフェース(しかもAndroid3.x系のデザインと親和性が高い)でサーバ表示やサムネイル表示が行われており、Android3.0+で動作するDTCP-IP対応アプリとのことでした。ひとつのアプリでDLNAクライアント・サーバ・コントローラの3つの機能を包含しており、表示画面では1画面の真ん中にコンテンツリスト(サムネ付き)、右下に接続しているサーバアイコン・レンダラーアイコンが表示され、今どのサーバに接続しどんなコンテンツをどの機器で見ようとしているのか常に確認できるというなかなか興味深い仕様になっていました。デモ機ではローカル接続のDLNAサーバから動画や音楽をリストして再生するという仕組みになっていましたが、サムネイルの表示も快速で動作も安定しており、プレイヤーも標準動画プレイヤーに渡すのではなくそのままアプリ内で再生しているようでユーザインターフェースがうまく統一されており、非常に使いやすいアプリになっていると思いました。

 sMedio True Link+のアプリアイコンが東芝スペースで展示されていたAT700/AT3S0にプリインストールされていたMediaPlayerアイコンと同一だったので、おそらくAT700/AT3S0のDTCP-IP対応はsMedio True Link+によるOEM実装なのだと推測できます。これまで事実上ほぼSHARP製スマートファミリンクと、DigiOn製DiXiMPlayerしか選択肢のなかったDTCP-IP対応アプリに新たな選択肢が提供されるわけで、しかもユーザインターフェースが良いとなれば、これは期待せざるを得ません。sMedioスペースで説明員さんにAndroid向けの単体アプリの提供予定はないのかと確認してみたところ、sMedio社としてはOEM提供を前提としていてアプリ単体でマーケットに出す予定はないとのこと。理由を伺ってみたところ、DTCP-IPの鍵を発行するためのライセンス管理がアプリでやろうとすると大変(メーカーだとデバイス単位でいいが、単体アプリだと購入の都度ライセンス発行することになる可能性がある)なこと、DTCP-IP自体のライセンスは高価ではないが万が一鍵が漏えいした場合の損害賠償請求が高額になる可能性があり小さな会社ではとてもそのリスクを負えないことなど、なるほどと納得のいく説明をしていただくことができました。鍵の漏えいはコンテンツ保護にとって致命傷になりかねないので、リスク対応をできる規模の会社でないとDTCP-IP対応に踏み込めないというのは非常に説得力があるなと思います。これではフリーのDTCP-IP対応アプリなど出てくるはずがありません。また有償であってもリーズナブルな価格でリリースできる可能性は皆無ということになると思います。

 sMedio社としてはDTCP-IP非対応のDLNAアプリとしてであれば、機能を限定したLite版などをアプリとして提供することは検討しうるということだったので、そちらはぜひとお願いさせていただきました。これまでSkifta辺りがそれなりにインターフェースにデザインを加えたアプリだったわけですが、sMedio True Link+ がリリースされれば一気にDLNAアプリのインターフェースのレベルが上がると思われるので、ぜひともLite版のリリースを期待したいと思います。sMedio True Link+ はAndroid3.xタブレット対応アプリですが、ハンドセット向けのsMedio True Link+ for Mobile も既に開発はされており、たぶんNexusSと思われる端末上でデモも見られるようになっていました。こちらはまだ提供時期も未定ということで、こちらのLite版にもぜひ期待したいと思います。CEATECに行かれた際にはぜひアプリインターフェースを1A05ブースでご確認いただければと思います。

 DTCP-IPはその敷居の高さから、家庭内ですらコンテンツ運用を難しくしてしまっている実態があり少し残念だなと思います。ライセンス管理や万が一の損害賠償などクリアすべき壁が大きすぎて普及できないというのは、まさにジレンマという他ありません。Hulu等の外国のコンテンツサービスに負けないよう、本当に利用者が望むサービスの在り方をもう一度国内の関連事業者の方々には考えていただきたいなぁと改めて思いました。

【3/31追記】DTCP-IPの鍵漏えいの罰金額はソフトウェアの日々さんの記事経由で確認したところ、やはり最大で$800万(90円換算で7.2億円)ということでした。確かに大会社でないとそのリスクは負えないですね…。ハードとセットでメーカー組込みの場合は鍵がひとつでいいのかもですが、ソフトウェアの契約単位で発行となると売れた数だけ鍵漏えいのリスクがあることになり、それに踏み出す会社はなさそうな気がします。またiPad等アップル製品に採用されることを期待される方も多いと思いますが、ほぼ日本国内でしか使われてない規格のためにアップルがそんなリスクを負うことはないと思われるので絶望的な気がします…orz

【11/29】Twonky BeamのiOS対応版がリリースされたことでiOSでもDTCP-IP対応の動画再生環境が可能となりました。Twonky BeamはPacketVideo社の製品であり、PacketVideo社はドコモの100%子会社ですので(こちらを参照)、今回ドコモが推進しているAndroid端末だけでなく、iOS端末のリスクまで負ってくれたということになります。残念ながら再生できる条件はやや厳しい(アプリの説明に互換性が確認されている機種が表示されているので必ず参照のこと)ものの、こうした対応をしてもらえるのは本当にありがたいことだと思います。ドコモの英断に感謝です。

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